海を満喫しきった私達は無事学園都市に帰ってきた。
黄泉川先生直々のお願いで、現像した写真を届けた頃には
その為
「クソガキが世話になってるな。俺は木原数多。
「
「あぁ。アレイスターの野郎からの紹介で挨拶に来たってとこだな。」
「そう。で?」
顔の割には落ち着いたその木原は私の質問にニヤリと笑った。それだけじゃないと喜んでいるように。
「天井亜雄って奴知ってるだろ?そいつがオマエらの指令塔にウイルスを打ち込んでやがった。だから一つ、オマエを司令塔にするために
「殺す?なんでまた?」
「必要ねぇからな。」
「そもそもなんでまた製造路の違う私を司令塔にするの?」
少し黙ってから木原は何気なく
「あぁ、そのラストオーダー?にウイルスが仕込まれてんだわ。仕込まれた経路がわかんねぇからオマエにしろってなぁ。」
そう言った。
「ウイルス?」
「無差別に人を攻撃するように暴走するウイルスがなぁ。そうしちまったらプランとやらが崩壊するらしいんで、アレイスターの野郎が保護もしくは殺害しろってこと。ただなぁ、芳川っていう研究者がウイルスワクチンを作ってるそうだが、間に合うかわからねぇんだわ。それなら、殺したほうが早いだろ?」
当然だろ?ってそんな顔してるけど
「反対よ。
「そうか、なら
「そう。で、
「いや、別に」
マジかよおっさん。
会計はおっさん持ちで、外に出ると
「こっちであってんのかよ?」
「あってるわ!」
路地裏をどんどん進んでいくととある研究所にたどり着いた。確かここでも実験をしていたはず。
「芳川のとこか?」
「そうみたい。ほら
壊されたドアの壊れ方がドアを蹴破ったのではなく引きちぎったようなので
「オマエ変態かよ?」
「顔面入れ墨には言われたくなかった。私がやってるのは、
そう説明をしていると研究所から一人の女性、確か芳川桔梗という女性が出てきた。
「
「芳川か、どうした?」
「あの子を追いかけるの。ちょうどいいわ乗って。保険としてあれをしてほしいの。」
そう言われて乗り込んだ車の中にはたくさんの機会が詰め込まれていた。
そのうち木原が
「今からこれを使って司令塔のコードを埋め込むからな。外すんじゃねぇぞ?」
膨大なシステムコードが流れてくる。
およそ十分程度静かに車に揺られながらそのコードをただただ読み込んでいった。
コードのインストールが終わった頃には、切迫した空気が社内に流れていた。
『オイ、クソガキの頭に電極みてェもンがついてンだけどよォ。これって剥がせねェ方がいいのか?』
「ン?もう少し詳しく話してくれないかしら?」
スピーカになった通話の先に
よくわからない説明を
「今そちらに向かってるわ。あら、
「えぇ。」
ネットワークの中から下位のミサカのネットワークだけを遮断していつでもハッキングできるように、いや現時点で思考のコントロールを始める。
「っ!まっで、最終信号のウイルスがなんかやばい!起動準備に入ってるじゃない?」
「本当?
スピーカ越しに幼い声の絶叫が聞こえてくる。
「ネットワーク遮断できたかしら?」
「できたわ!今こっちでハッキングしてウイルスの出処を探ってるところ!
『
「なら好都合ね。こっちで大元のウイルスデータを探って消去する。人格データとウイルスデータのファイルが違うみたいだけど、いくつかコピーされちゃってるわ。これは脳の電気信号とかじゃないから任せて。」
『オレはどうすればいい?』
「全データの消去。今ウイルスデータの隔離、人格データのバックアップは今とったわ。ウイルスデータと照合して同じデータの消去ができるけど、こっちはすごい時間がかかる。まって、ウイルスデータのコピーは完了されてる、負担がすごいわ、助けたいなら早く消さないと。」
コピーして照合して消すのも5分かかるだろう。
そしてウイルスデータの消去をするのに20分。
起動しようとしてるウイルスに対して時間がかかりすぎる。まだウイルスデータの引き抜きと隔離、そして人格データのコピーしかしていない。
『任せろ。ただ、オマエに負担がかかるんじゃねェのか?』
「こんなこと慣れっこよ。それにしても私は貴方を助けるために来たんだから、今更心配してんじゃない!ささ、開始して!
バックアップ用の人格データの中に入っていくと、様々なデータが入っている。
暗号化されたウイルスコードを照合してウイルスコードに移転。そしてその中のすべてのデータの消去をする
【m縲?0382722728383.46`986``4=4ツソツソツ。ツョ窶吮?吮??{}窶ヲツォ窶シテキ竅??ヲ窶ーツォ窶セ窶サマ?マ?窶シツキツキ[\$$689&$4=3"4竭コツケ竇ョ竇ア竇イ竇コ竇セ竇ャ竇ソ竇ー竇ク竇コ竇シ竇シ竇コ竇コ竇ク竇「竭」竭・竇ヲ竭ヲホ湮湮茂アホエホアホコホイマ?サホウホサホウホシホエマ?オマ???∩マ?宛竏娯宛竏鞘悪竏昶挨竏」竏」竏」竏・竏ァ竏ェ竏ェ】
順調に、消していく。
【縺九d繧?&繧?&繧?∪逕伜錐蜥後&繧上d繝舌ち縺檎曝螳カ繧?堊縺ッ鄂?逕倥°?臥堊縺ッ鄂?縺?縺薙&縲√?謌代′髮ィ縺輔d縺ッ縲√ヱ繝ッ縺ッ謌代′逕サ螳カ繝シ譖エ邏励r逕倥??喧繧?キョ縲√?縲√?鄂?縺?縺九?霈昴°縺励¥繝槭?蛹厄シ臥諺繧偵=縺九d縺輔n縺?縺ゑシ医′繧。諤悶&繧上°縺檎曝】
一つ一つ消していくたびに文字化けした文字が頭に浮かんでいく。
「おい、水。」
木原から水を受け取り飲み干す。ポタポタと鼻血が流れてきた。
【⍩湣汵摥‼獴摩漮栾ਊ浡楮⠩ਠ⁰物湴昨≈敬汯⁗潲汤屮∩㬊紊】
「鼻血出てんじゃねぇか。」
「大丈夫。」
およそ十分後、車が止まるのを体感する。
ふと、窓の外を見れば、ひしゃげた車の中から
ミサカネットワークの検索によると、天井を慕っていた男のようだ。
守らなくては。
・・
ひしゃげた車から這い出てくる男が見えた。たが、反射に能力を使ってる暇はねェ。
「クソ、ガキが!」
血迷った目でその男がうめき声を上げる。
今打ち止めから手を話したらそれで終わりだ。
打ち止めに取り付けられたモニターは次々に文字が消えていく。それもあと少しだ。あと少し、ほんの20行ですべての
通話越しに聞こえた木原の鼻血の事。いつだってあいつはオレの盾になって殴りかかっていた。
「邪魔をするな!」
バン!バン!と音がする。
その直後眉間と肩に強い衝撃が走った。
意識が遠のく中、すべてのコードが消えるのを確認した。
・・
そのすがたを、
残り十五分の作業は、脳を傷つけない範囲での計算だ。
しかし脳をフル活用するならば、摩耗してならすぐに終わらせられる。そう確信していた。
「ぶごぁば!」
「おい!
血の塊を吐き出してしまった
「無理してんじゃねぇのか?おい!」
「
「バックアップの浄化完了。検体番号20001号にインストールします。」
抑揚のない無機質な冷たい声が響き渡った。
「分霊個体ミサカ=アウターゴッツに以上発生。症状、脳内出血。エラーコードNo.5。本個体の致命的な血液損失及び脳内出血を確認。再生不可能。再起動不可。」
「
っクソ!」
最初に駆け下りたのは木原だった。木原は最終信号の前に立ちふさがって銃弾から最終信号を守る。
「あっぐっ!てめぇ!」
そこで倒れる木原ではなかった。振り向きざまに拳銃で男の右手に発泡する。その弾は見事に右手に当たり、男は苦痛で顔を歪めた。
その間に
額が割れ、血が流れ出し、腕には銃弾が入り込んだ彼の額に手を添える。
「愛し子の致命的な負傷を確認。エラーコードNo.5の為対処できません。エラーコードNo.5を優先。身代わり術式の展開を発動。
エラー発生。術式の再構築。当個体の状態を再確認。症状脳内出血。術式の該当者の状態確認。銃弾による頭部負傷。該当者の特殊コードを確認。該当者
ほぼ意識がない
その傍らで芳川は男に拳銃を向けていた。
その反対側では、木原が最終信号を培養器に運ぶために力を振り絞っていた、
これこそ、
だからこそ、どこかで感化された大人が彼を守ろうとする。
かつて
実験で命令だったとしてもたった小さなメッセージを受け取り凍結、そして中止に追い込んだ五条が居た。
情報統制の為とはいえ襲われる
今も、
ヒーローになれないがヒロインになれる性質変化はゆっくりとその特徴を表していく。
しかしそこには穴がある。
統括理事長でさえ気がつけない穴が。
古来より英雄を作ったのは神だ。神がセッティングしたのであれば、ヒロインだってヒーローになれる。
物語においてヒロインは幾度か攫われたり悲劇が起こるものだ。それでもそんなことは許さない。だって
這いずって
男は唯一怪我をしていない芳川を脅威に思っていた。
「ごめんなさいね。私ってどこまでも自分に甘いから、殺す勇気もなくて、それでも見逃すこともできないみたい。」
「ぐ、なぜここが?」
「あら?あの子の携帯電話通話中だったの。それに一応GPSも持たせてからなのだけれど。」
芳川は、
「あの子、思った以上に慕われてるのね。」
遠くで救急車のサイレンが鳴っていた。この状況を確認できる男が手配したのもしれない。
ただ、芳川は彼らの盾となるように男の前に立つ。
「あの子ができたように、
なら自分にもその優しい選択ができるだろう。そう芳川は思っている。
「天井さんが殺されて、今度はこの俺だ。すべて
「終わりよ。そもそも実験自体間違ってたのよ。一人で死ぬのが怖いなら私を選びなさい。子供たちを巻き込むのは許さないわ。私のたった一度の優しさにかけてね。」
・・
吉川桔梗が目覚めたのはとある病室だった。
目覚めると同時に入れ墨の男の顔が見えた。
「よぉ目覚めたか。」
「私生き残ったの?」
「そうだね?」
木原に対する質問は、木原ではなくカエルに似た凄腕の医師が答えた。
「誰か執刀したと思ってるんだい?と言っても死人を手術できるわけじゃないから例を言うならあの少年にでも言っておくんだね?気絶しながらも君に血流操作で一滴残らず繋いでくれていた。」
「ガキの方は声帯を傷つけてしばらくは声が出せねぇらしい。手術は終わったようだ。」
「
「あの子は、うん?もうかれこれ三時間。難航してるよようだね。前頭葉に刺さった頭蓋骨の破片を取り除くのと、脳内出血による脳の検査、そして輸血で苦労してるようだよ。体の方にもいくつか血管の破裂が見つかってるし、何をしたんだい?彼女は?まぁ、僕も応援にいくし、何か伝えることはあるかな?」
芳川は少し考えたあとに
「
とだけ聞いた。
「うん?まぁ、前頭葉に傷がついてるらしいからね?言語機能と計算能力、そして脳内出血の影響で障害が出るかもしれないね?」
「計算能力が。」
能力者にとって致命的なものだ。それ以前に
それを失うこととなれば彼女はとてもショックを受けるだろう。
「まぁ?問題は無いんじゃないかな?彼女のことは知ってるしね。」
「知ってる?」
「彼女、二ヶ月前ぐらいまでこの病院に入院してたのさ。彼女の特異性ならよく知ってる。自己再生ならやってのけるんじゃないかな?」
そう言うと医者は芳川の病室を出ていく。
「
「あぁそうだな。そして俺達はそれぞれ保護者に謝罪することになった。クソガキの保護者と
「私は、感謝をしないとね。」