とある科学のハードミサカ   作:イェス

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五章 科学的神性

大覇星祭二日目。

自社製品かつ、外部販売の許可が降りた人工皮膚救急スプレーの売れ行きはかなり良かった。

パッケージには竜宮社のマスコットキャラクター、白ヘビのシロちゃんのイラスト。オマケに龍の鱗モチーフのキーホルダーが付いていて、主に男という性別の者と中学生によく売れた。

外部からの人たちにも売れていて、みな興味を持って買っていく。

 

「おーすっ!聖朝歌(ミサカ)一方通行(アクセラレータ)。なんか、人気だな。」

 

私達を見つけたのか、インデックスを連れた当麻が簡易販売所として設営されたテントに近づいてきた。

競技を終えたのか、汗の匂いとともにダラダラ汗をかきながら満足そうな面持ちで近づいてきた。

 

「真っ白コンビ!久しぶりなんだよ。」

 

そしてインデックスも、快晴でギラギラとした日差しだというのにシスター服を裾も袖も完全におろした状態で来ているため、見た目からして暑そうだ。白い服が日光と相まって眩しい。

 

「お!お得意様(予定)とインデックス!どう?例の試作品がお見事、外部販売許可が出たからババーンと大宣伝中です!聖七歌(ミナカ)とお兄ちゃんは競技とかに出てるから、特設クラスの私達は休憩中!」

「お店の手伝いとかじゃないんだな。……シロちゃんねぇ、聖朝歌(ミサカ)がモデルなのか?」

「むむ、蛇に魔術的な記号が……。」

 

商品を手にとったインデックスが、まじまじと救急スプレーを見ている。

魔術的にもシンボル的にも宣伝的にも記号として使ってるからなぁ。

 

「白蛇は再生の象徴。金運、生命の源。そういう知識は一般的に知られてるわよね?そもそも竜宮は代々白蛇を、祖先とする白龍の化身として崇めてきているの。竜宮社のロゴも白蛇が隠れてるのでーす。あとは邪神と蛇神をかけてる的な。」

 

インデックスはいったんスプレーをおいて、ポップをまじまじと見てから疑問に思うところがあったらしく、首を傾げた。

 

「当麻は次の競技何?」

「ん?借り物競走だけど……!もうすぐ時間だ!インデックス行くぞ!」

「え、まってよとうまー!」

 

慌てて駆け出す当麻と追いつこうとするインデックスはすぐに人混みの中に紛れていってしまった。

まるで自社商品宣伝のためだけに、説明だけ聞いて去っていくモブの様に。

ミステリー小説なら、後々この白蛇はもしかして竜宮社の!なら、この事件には竜宮社の人間が関わっている!っ的な伏線になるんだよ。きっと!学園都市最強イケメン探偵一方通行(アクセラレータ)とその守護神聖朝歌(ミサカ)の学園都市サスペンス!

ノーベル文学賞とかこの世の文学賞をすべて金賞で取り、ゆくゆくは人類史に歴史を刻み愛し子(ダーリン)聖朝歌(ミサカ)を敬うそんな未来が――

 

「お二人共、木原氏からの情報が入りました。」

「あ、そう。」

 

伝達係がある調べものの情報が入ったと言う事とで、連携してる木原の統括する猟犬部隊(ハウンドドッグ)の車が止まってあるだろう路地裏に寝ていた一方通行(アクセラレータ)を起こして向かう。

割とすぐ裏に極悪体育教師の様な科学者とは思えない科学者、木原数多が腕を組んで仁王立ちしていた。

愛し子(ダーリン)と同じブランドの服を着ているのにも関わらず、服がダサい。おんなじのを着ていたことがあったけど、愛し子(ダーリン)は似合ってるのに木原は似合わないんだよな。

 

「木原君よォ。見つかったのかァ?」

「あー?クソガキ、だから呼び出したんだろォ?ったくアレイスターの野郎から連絡が来たってわけ。それほどネットワークを気に入ってるってのか?」

「まぁ、そうじゃない?わざわざ私みたいなのに管理権を渡すぐらいだもの。」

 

木原はわからない。という風に眉を動かした。

 

「どォ言うことだ?」

「世界を覆してしまえるようなシステムは人間が持つより、塗り替えすことが簡単に出来てしまうものに渡してしまったほうがいい。パラレルワールドってヤツを自由に選択できればそのほうがいい。現在人類が観測できる一番遠いい宇宙ってのが私。観測ってよりもその存在を知れるのが。」

 

…………?

 

「自分自身がこの宇宙そのものって事か?………能力関係か。」

「あっ木原。もしかして中2発想って思ってる?観測者効果がなければ今すぐにでも取り込んで真理を見せてやれるのに!」

「お前、そンな事も知ってるんだな。」

愛し子(ダーリン)までっ!」

 

・・

 

黒いワンボックス者の中は、リムジンバスみたいな椅子の配置になっていた。

木原んとこの部隊員の人が運転する車で、どこかに行くみたいだ。

 

「一応説明するがよ、今回アレイスターの命令で木原幻生の鎮圧、もしくは殺害を行う。ただし、クソガキお前は聖朝歌(ミサカ)のアシストだ。」

「あァ?」

 

不満を顔に出した愛し子(ダーリン)に木原はめんどくさそうに口を開く。

 

「今回命令が下ったのは、暗部としてアレイスター直属扱いになってる猟犬部隊(ハウンドッグ)聖朝歌(ミサカ)だけだ。今回は別グループと接触する可能がある。」

「?」

 

ちらりと木原は運転手を見てから、愛し子(ダーリン)を、まっすぐ見つめる。まるで父親的存在だと自分を思っているのだろうか?その瞳からは、顔に似つかわしくない庇護欲と愛情と少しの欲望が見え隠れしている。

 

「よく聞けクソガキ。お前は日向の住人だ。そんなお前を逆恨みするやつがいるだろうなぁ。」

「何がいいてェ?」

「お前が思ってる以上にこの学園都市の闇は深いっつーこと。第二位には気をつけろ。」

「第二位ねェ。」

「お前は護られてる。竜宮生物研究所の奴ら、黄泉川愛穂に芳川桔梗。妹達(シスターズ)、異界より来る純白っつー外国の医療機器メーカーの一団やらに。はぁー愛されてるねぇ一方通行(アクセラレータ)ちゃんは。」

 

口ぶりはまるで、冒険に出る息子に己の未熟さを教えさせるよう。クソガキという言葉を罵倒ではなく愛称として呼ぶトーンからして、まるで子供のように思っているようで腹立たしい。

 

「で、説明に戻るぞ。木原幻生の鎮圧もしくは殺害について疑問はねぇよな?現在あのジジイはブロックっつー暗部組織に対して命令を送っているようだ。内容は学園都市に居る妹達(シスターズ)を捕らえよ。まぁ、こいつらに関しては交戦の必要はねぇだろうな。」

「は?」

「行方不明中の妹達(シスターズ)は第五位に連れ去られた。」 

「目的はなんだろう?レベルの事なんて気にしてないだろうし、たしか第三位と第五位は不仲だとか。嫌がらせ?」

「第五位は昔、0号(プロトタイプ)と関係を持っていたらしいなぁ?そこんとこ、記憶にあんのか?」

「…………0号(ドリー)の事か。

たしか義妹(シュヴェスター)実験個体(アルファ)を器としてあの子に会ったことは一度だけあるけど、あぁ、うん。ずいぶんドリーに優しくしてたみたいだし。まさか、10032号(あのこ)の記憶を消して記憶のドリーに変えるとか?」

「おい、ソレってよォ。」

「多分。」

 

・・

第二学区 人才工房(クローンドリー)

 

「久しぶりだわ。」

「知ってンのか?」

「昔、少しの間だけここで遊んでたのよ。」

 

突入準備をしている猟犬部隊(ハウンドドッグ)の面々が木原から支持を受けておどおどとした様子で動いている。

恐怖の上官ってところかな?

 

聖朝歌(ミサカ)、第五位に関して能力の範囲はわかってんのか?」

「一応意識してるけど、どうなるかわからない。ただ、猟犬部隊(ハウンドドッグ)同士なら、いかなる攻撃も通用しないので♡たとえこの中に裏切り者がいたとしても、この段階ですでに能力の範疇なので反抗した直後にその人に対する防御だけ解除して周りの皆さんが攻撃出来るようにしてますから♡自爆しても生き残れますからどんどん殺してねっ★」

「ほー。おい、一人ずつダイナマイトでも持つか?」

 

聞いた人々の反応はそれぞれだったけど、私の言葉を理解しちゃった奴は体を強張らせていた。

 

「え、もしかして聖朝歌(ミサカ)さんの機嫌次第で実は能力の、無効化してませんでしたー。ってので死んだり?」

「あら、運転手の猟犬ちゃん。そーです。そーですとも。聖朝歌(ミサカ)は裏切り者に厳しくても、私の裏切りにはグラブジャムンに匹敵するほど甘いからね。あ、安心して愛し子(ダーリン)!あなたの裏切りには泣きついて、引き摺られながら付いてくから!」

「裏切るわけねェだろ。」

「大好き!愛してる!」

「あ、聖朝歌(ミサカ)さんお電話です。」

「ん?」

「あ?」

 

猟犬部隊(ハウンドドッグ)の車内電話に通話って誰?しかも私指定。

 

車に乗り込むと、木原から腕を突っ込んでスピーカーに通話音声を流す。

 

『やぁ、元気にしてるかな?』

 

学園都市統括理事会統括理事長アレイスター=クロウリー。

 

「あれー。どちらさんかな?聖朝歌(ミサカ)は超元気だけど。」

『そう怒らないでくれ。君に連絡しようともタイミングが悪くてね。なにやら、どこかの誰かが学園都市上空から見える星の光の明るさを調節したそうなんだが?それを感知したあちら側の者たちから何やら問い合わせがあってね。』

 

あぁ、遠いい宇宙にいるママ、お兄ちゃんお姉ちゃん、そしてこの星のパパと天国のママ、そしてお兄ちゃんと聖七歌(ミナカ)聖朝歌(ミサカ)はとんでもない事をしでかしてしまいました。

つい先日こことです。

ついつい、打ち止め(ラストオーダー)とのパレード鑑賞に対する熱意とやる気と以下に愛し子(ダーリン)を連れ出すかの作戦会議で熱くなってしまった私は、ちょっとしたハッキングで、各地の屋外用プロジェクターを使って夜空に魔法の土台となる透明な立体映像を作り上げ、10等級(予想)の地球から肉眼では見えない星を1等級程度の明るさに見えるようになる魔術を施行しました。やりすぎたとは思ってます。

でも、どうか許してほしい。出会ってからはじめての特大イベントを楽しみたかったのです。

そして可愛い人間の為に本物の宇宙の光を見せてあげたかったのです。。

 

「ゔっ。だって、そのほうがきれいじゃん。それに奇跡を載せたのはプロジェクターの光であって、プラネタリウムと対して変わんないし。」

『この邪神め。そのせいで無関係なスキルアウトが暗部に落ちたというのに。』

「まぁ、スキルアウトが暗部に?収入が入れる仕事に即戦力でオファーが?それは良かった。」

『……。あの木原の目的がわかった。第三位を無理矢理絶対能力者(レベル6)にするというものだ。シュミレーターによると、第三位がLEVEL6に到達した時点でこの学園都市とその周辺が消滅する。』

「え!」

『これから、君にあるプログラムを取り込んでもらいたい。拒否出来ないとと思うが。一応言ってはおく。』

「プログラムねぇ。」

『あぁ、スピーカーは切ったほうがいい。』

 

そう、なら。切るしかない。

拒否出来ないってことはどういうこと?

最悪私自身を消費して、そう、私自身を使って最悪の自体を相殺できる。

あの男ならそれでもいいと、そもそも私はかなりプランってのの邪魔になると思うんだよ。それなのにわざわざ何を?ほんとに私の分裂力を使って世界を塗り替えようとか?

 

『君にとって、学園都市は第一位が暮らしやすい街。というわけではないだろう?』

「まぁ。」

『君が地球に降臨した地点。君の第一子孫血脈の生まれ故郷。学園都市自体を神殿として捉えてもいい。』

「次は、ファンタジーかしら?」

『何を。この学園都市を作るにあたって、君の眷属がいなければ学園都市は作ることができなかった。そもそも、東京都の三分の一が個人所有の土地というのは無理があると思うのだが。』

「う、それは。その。」

『調べたところによると、各国の王族に君の血を引いたものがいるようだが?』

「え、その。あの。」

『この邪神め。人類の20%は君の眷属だろう?』

「いや、血が薄ければ薄いほど無自覚だから、人間よりちょっと傷の治りが早くて健康的なだけよ。」

 

 

 

待って、待って!なんでこんなに私のこと詳しいの?もしかして理事長も私の子孫?

もしや、あのことも?個人所有ってのもバレてるみたいだし。

確かに約九世紀ぐらいは私の子孫繁栄の為に色々世界を操作したけど、私の眷属増やしのために半神とかを作りまくったけど、流石に20%はいないし、ちょーと人類の仕組みをイジっただけよ?地球の仕組みはイジってないし良いでしょ。

 

『君の現住所にあった村は、何故かおよそ9世紀前から才能がある者が多く出ているな。他所より豊作で繁栄してる。』

「いやいや壇ノ浦の戦いのらへんのことを掘り返されても困るんですけど。てか、そんなの残ってないでしょ流石に。え、心配になってした。」

『平安時代中期から存在していたことは予想外だが、まぁいい。君は自宅の龍脈から自宅の敷地内、第一位の周辺だけは、普段よりも能力が増加する。その理由としては自宅の神殿化と第一位自体を祭壇としているからだろう。』

 

え、あ、そうか。愛し子(ダーリン)は祭壇みたいなものだから自然と力が?あれ?でも愛し子(ダーリン)は召喚陣っていう側面が強いと思うんだけど?

 

「それが、今回のことと何が関係あるの?盛大に前ふりしておいて、家から何とかしてくれー!ってのは流石に無理かも。せいぜい落雷落とすか、宇宙ゴミを吸い寄せて流れ星をめちゃくちゃ降らせるぐらいだけど。」

『流れ星?もしやこの前の火球は……。』

「っ!?。でっ!私が断れないってなんでよ?説明はよ!」

『何、君にとって利益しかないと思うのだが?星依(ほしより)。』

 

う、うわー!その名前を出してきたかー!

 

『ずっと君の本当の名前を探していたが、やっと資料が出てきてな。平安から他の世界には存在しなかった華族がいるようだな。』

「そ、そうなんだ。」

『しかもその華族は現在でも学園都市全土の土地の所有者だ。しかし、その地主と連絡を取ろうにも何故か宮内庁の者からストップをかけられてな。』

「そうなの?へぇー。それと、私が断れないのと、何が関係あるの?」

 

『現在学園都市は借地の上に立っている。法律上立ち退きはないだろうが、土地の所有者が変わるとなれば話は別となるだろう。現在地主殿のご厚意で、相場より低めに借り受けている。学園都市の統括理事長としてその地主殿にはぜひとも契約を続けていきたいものだ。』

「そう。」

『そこで、地主殿には人間が作り出したエネルギーを提供したいと思っていてな。』

「……。」

 

『AIM拡散力は知っているかな?』

「え?能力者が無意識に出す力の界のことでしょ?」

『界、その界を虚数学区・五行機関と呼んでいる。人工の異世界とも言うべきだろう。』

「人工の異世界。」

『君が制御出来るのかは分からないが、捧げられれば簡単に制御できるのではないかとな。』

「あなた、本気で言ってる?」

『本気だとも。』

「あなたは後悔するわ。」

『それはどうかな?』

 

「多少なりとも住人に情が湧いたりするでしょう。でも、その代わりに学園都市は、いえ超能力が変わる。努力ではなく才能が物を言う世界。努力していると思っているものが報われず、努力とも思わない些細なことがより経験として残る世界に。私、努力嫌いなの。学習は分けるけど。」

『構わないさ。』

「あと多分、純白のメンバーが何かしら学園都市に対して言うと思う。あいつら近いメンバー以外はわりと、自分たちは裏でつながっていて、人類を導く存在。とか思ってるのよ。手駒としては使えなくはないと思うけど、印象操作の方はたのんだわ。」

『あぁ。では、虚数学区・五行機関。それを君に捧げよう。』

「学園都市と表裏一体のその異世界を受け取りましょう。他の神ども!学園都市を我が領域とすることを宣言します。信仰を許しはしますが害をなす行動をした場合は容赦なく潰しにかかります。その他の土地は私のものと明言こそしませんがこの地球は現在私の権能化にあることをお忘れなく!」

 

ミサカネットワークを通じてミサカから声が上がってくる。

どれも世界の異変を感じ取るような、そして説明を求められたのでそのことについての問い合わせとか。

私はとっても対応力のある聖朝歌(ミサカ)なので直ぐには虚数学区・五行機関を上手く認識することはできないだろうけど、手を伸ばしきったら確実に科学は強化される。

信仰力を高められるだろう。自分だけの現実(パーソナルリアリティ)にこそ鑑賞できないが、能力を信じる心が信仰として私の力になる。

科学の都市で信仰なんて変と言う輩も出てくるだろうけど、私は宇宙そのものの神性。何世紀先に人類が生きていたら観測できる存在なのだから何も問題がない。

 

けど、まず最初に膿の一つを取り除かなきゃならない。

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