転生少女の霧隠し   作:星月 悠

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前の話から繋げられなかったので、お気に入りに追加していただいた方には申し訳ないのですが、書き直しをすることにしました
オリ主の設定もかなり変更することになります
どうかご理解頂けると嬉しいです

それでは本編へどうぞ


幼少期〜原作前
1話


気が付いたら転生していました

正直言うと俺も何が何だか分からないが、目を開けると知らない天井が視界いっぱいに映っていた

身体を起こすと明らかに子供の身体が視界に入る。思わず手とか動かしたり自分の顔をぺたぺたと触ったりする。首を横に向けるとちょうど鏡があり、そこにはキリッとした目つきながらもあどけない幼女がこちらを見ていた

鏡に近づくと、鏡に映った幼女も近づくように大きくなる

 

……なんで俺幼女になってるの!?

 

 

 

 

とりあえず俺の前世(?)を紹介しよう

俺は普通の会社員であり、主にコンピューター関連の仕事が回ってきていた

趣味はパルクールでインドアとアウトドアどっちつかずの生活をしており、大きなプロジェクトも終わってやれやれと思いながらベッドに入って寝た……はずだった

 

あれれ〜おかしいぞ〜?……俺過労死する程働いた記憶無いんだけどな。会社も至ってホワイト企業だったし幼女になる要因もない

あ、俺が死んだと思ったのはね、

 

蒼空(そら)ちゃ〜んどうした〜?」

「蒼空、どうしたの?」

 

両親と思わしき二人が俺を呼んでいるからだ。女性は生まれて数ヶ月の赤ちゃんを抱いていた

 

「ううん、なんでもない」

 

無反応では不審がられるから全力の笑顔を向けて答えた。俺前はフツメンだったからな〜。ここまで顔が綺麗だと将来モテるんだろうなとほぼ他人事のように考えてると、父親の方が近づいてきて俺を抱き上げた。イケメンだなオイ

 

「ごめんね〜、ずっと(りん)ばっかり構ってたから寂しかったんだよね」

 

そういう訳じゃないんだけどな。まぁ身体は幼女だし多少甘えないと可笑しいよな。中身三十手前の男だけど

父親の肩におでこをくっつけてグリグリとすると、さらに包み込む様に抱き締めてくる

身体は父親って事が分かってるからか安心感がある

俺はその微睡みに逆らうこと無く目を瞑った

 

 

****************

 

 

俺はどうやら今アメリカに住んでいるようです。国籍は日本だけどね!

今日は父の元仕事相手に会いに行くようだ

俺は今四歳のようでまだ親に色々世話してもらわないといけない年だ。スカート嫌だな〜と思っていたら、置いていたのはショートパンツ。記憶無い時もスカートは嫌いだったようだ。俺的にはラッキー☆

 

懐かしのチャイルドシートに乗せられて走ること数十分、一軒家に到着した

……ん?何かこの家見覚えがあるような。幼女の記憶に関わらずだけど

父に手を引かれ、玄関前でチャイムを鳴らそうとすると庭のところから何かを打つ音がした

父の顔を見ると、苦笑いを浮かべてそちらを見ていた

その後すぐ、黄色いボールがてんてんとこちらに転がってきた。父の手から離れそのボールを拾うと重さのない軽やかな足音が聞こえてきた

 

「……だれ?」

 

そこにいたのはぶかぶかの白い帽子を被った“テニスの王子様”の主人公である越前リョーマとその兄リョーガが幼い姿でそこにいた

……まさかの転生トリップでしたか ありがとうございませんでした

 

 

 

「よぉ!二人目出来たんか!」

「まあね。というか相変わらずだね」

「い、いいじゃねーか別に!リョーマだって楽しんでるし」

 

「あら〜可愛いわね〜」

「赤ちゃんはみんな可愛いわよ〜」

 

父達は軽口を叩きあいながらも楽しそうに談笑しており、母達も凛ちゃんを中心に話してる。俺達子供は完全に置いていかれている

さて、どうしよう。二人とはとは初対面……になるんだよな 多分

 

「よっ、俺とは初めましてだよな

俺は越前リョーガ。よろしくな」

「……えちぜんリョーマ」

「……あさぎりそら。よろしく」

 

ちっちゃい子の挨拶の仕方とか知らん。取り敢えず笑っておけば困らないのは学習済みである。リョーガがこっちをじっと見つめてくるので、こちらも見つめ返すと突然ニヤリと笑った

わけがわからず眉を寄せると手を握られて引っ張られた。突然だったがバランスを崩すことなく走る事が出来たので内心安心しつつもリョーガの背中を見る

後ろからはリョーマの足音らしき音もするのでついてきている様だ

 

すぐに庭のような所に出た。そこはテニスコートの縮小版のような場所だった

大人しくついて行くとリョーガがテニスラケットを持ってきた

 

「テニスやろうぜ!」

「え、でもおれやったことない……」

「大丈夫だって!」

 

絶対大丈夫じゃない。知識しかない上に俺まだこの身体上手く使えねえってのに

急かされるままリョーガとコートを挟んで立つ。リョーガの持ち方を見様見真似で握ってみるが、この身体にはやっぱり大きいラケットだ。リョーマ程アンバランス感はないが正直どっこいどっこいだろう

地面から踵を離したり付けたりを繰り返したりと身体をほぐしてると父達が後ろから(・・・・)来たのが見えた

思わず振り向くと両親が驚いた顔でこちらを見ていた。まぁ娘が突然こっちを向いたら驚くよな普通

……これって鷲の目(イーグルアイ)とか鷹の目(ホークアイ)の類の目だよね多分

目を瞑って深呼吸してから目を開けると後ろが見える事はなくなった

 

「いくぜ!」

「!」

 

リョーガがサーブを打ったのを見てから走るとグンと予想以上のスピードが出た

突然の出来事に驚くがバランスを取って立ち止まる。サーブはもちろん俺の目の前を過ぎていった

ボールを追いかけて拾い、リョーガの方を見ると目を見開いてこちらを見ていた

え、なんでそんなこっち見てんのさ。そんなに見ても何も出ないよ

首を傾げながらボールをリョーガに投げて渡す。あんまり飛ばなかった

もう一度構えるとリョーガがニヤリと笑った

何かやる気だ。というか嫌な予感しかしないんだけど

 

パンッ

 

リョーガがさっきよりスピードのあるサーブを打った。さっきと同じように踏み出すと比較的簡単にボールに届いたのでラケットを両手で振り抜いた

ややラケットが上向きだったのかロブになってしまった。それはリョーガのチャンスボールとなりスマッシュを打たれた

でも、ボールを打った感覚は何か新しいものを見つけた時のワクワク感を感じさせた

自然と口角があがっていく

リョーガも笑ってサーブを打つ。それに追い付いて打つのが精一杯でコントロールもへったくれもないが、ラリーが少しでも続くと嬉しくなる

 

……楽しい!

まだ終わってほしくない まだテニスをやっていたい

 

俺達だけで楽しんでいたからかリョーマが「おれもやる!」とコートに入ってきた

俺はリョーマに手招きしてこちらのコートに入るように促した

リョーガは依然として余裕のある笑みを浮かべるので、リョーマの耳に口を近づけてひそひそ話をした

 

「おれががんばって返すからリョーマがボレーして」

「ぼれー?」

「ネットきわで叩くボールだよ。ちからいっぱい打てば点数取れるから」

 

頑張ろ?というと素直に頷いてくれた。原作でのあのツンツンは何時からなんだろうか

可愛いな〜同い年だけど息子見てる気分だぜ。俺より小柄だから余計に

リョーガのサーブの打つ面に立ちリョーガと向かい合う

 

パンッ!

 

リョーガのサーブを見て何処に打てばいいのかを頭をフル回転させて考え抜いたコースへと狙いを定めて打った

 

「はあっ!」

 

狙った場所よりずれたがリョーガを驚かせるには十分だったようで、ネット前のボールを打ってきた。もちろんそこにはリョーマがいて____

 

「てやっ!」

 

リョーマがリョーガのボールをコートに叩き入れた。リョーガはそのボールに間に合うことなく2バウンドして止まった

二人はしばらくほうけていたが、リョーガが笑いながらも悔しそうな表情をしたのを見てリョーマがこちらを振り向いた

俺がニコリと笑うとリョーマは実感がやっときたのかキラキラとした笑顔を見せた

 

「リョーガから点とった!」

「やったじゃんリョーマ」

「やりやがったなチビ共」

「チビじゃない!」

 

リョーマと喜んでるとリョーガがコートネットをこえてこちらに歩いてきた

リョーガが俺も込みで揶揄うが反応したのはリョーマだけであり、俺はその光景を笑ってみていた。原作でも滅多になかった越前兄弟の戯れだから見れて嬉しくてしょうがない

 

「こんどは一人でやる!」

「じゃあおれは見てるから頑張れ」

 

流石に疲れたから休みたい。ラケットを抱えてコートの外に出ると父が近づいてきた

あ、楽し過ぎて忘れてた。怒られるかな……

 

「テニス、楽しかったかい?」

「うん!たのしかった!」

 

テニスが楽しかった事は事実であるので笑顔で答えた。途端にへらっとした笑みを浮かべたのであ、これは怒ってないなとすぐに分かった

母もあらあらと優しい顔をしてこちらを見ていた

越前父もこちらに歩み寄ってくると頭をグリグリと撫でてきた。首が揺れて痛いから勘弁して下さい

 

「お前いいセンスしてんな!」

「女の子には優しくしなさい南次郎!」

「え!?女なのかこいつ!」

 

失礼な。確かに一人称は俺だし顔も服装も中性的だから間違えそうになるのもしょうがないけど。女の子としては傷つく台詞だからな。奥さん逃がすなよこんにゃろう

でも俺は何も言わずにただ静かに越前父を見上げる

越前父は俺を見るとリョーガと似た悪戯っ子のような笑みを浮かべるとその言葉を放つ

 

「お前さん、テニスやるか?」

 

その質問に考える時間など俺には必要なかった

 

「やります!」

 

俺は原作の事など頭からすっぽ抜かしてしまったまま答えた

だがその答えに俺は成長しても後悔などしないだろうと頭の片隅にふと思った

 




幼少期から始まったぜ……
続きはもっと後に更新することになると思います
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