本編もそろそろ再開したいと思います。来年になってしまうかもしれませんが、お待ちください。
12月某日...とある鎮守府にて
「さて...今日はクリスマスですけども...!」
指令室には白い軍服を着た女性が一人と、その女性の前に並ぶ二人の少女がいた。
「あの...鈴谷さん、私達だけって...夕立さんと五月雨さんは...?」
「ん?任務。」
「え...でもさっき「任務」はい...」
白い軍服の女性、鈴谷と少しの口論をした少女、ネェル・アーガマ。先程まで同じ鎮守府にいた二人の艦娘の所在を聞いていたが、任務と一点張りの発言でどうしようもなかった。
「ねぇアーガマ、クリスマスって?」
「私に聞くの...?」
いつの間にか寛いでいた全体的に緑色の服を着た少女、ガランシェールがアーガマに質問を投げかけていた。
「クリスマスっていうのは...えっと、元はえらい人の生誕祭。って言われてたらしいけど、この日本ではサンタって髭を生やした人がプレゼントを配る行事らしいよ」
「へぇ...アーガマよく知ってるね」
「この前本があったからね!読んだんだよ!」
どやぁ...!と胸を張るアーガマ。それを見てガランシェールは思った。
(無い胸を誇張してる...アーガマ可愛い)
もう救いようの無いアーガマジャンキーである。当のアーガマは未だ胸を張って「ふふん」と鼻を鳴らしている。
「お二人とも、良いかな?」
「あ、そう言えば話の途中でしたね」
「寛いでいた...」
「自由だね、お二方...」
「だって番外編ですし、堅苦しい雰囲気じゃなくても...本編ではサバイバルやってるんですからここでは楽しくさせて下さい。腕だって本編では片方しかないんです。こっちでは両腕が「アーガマ、それ以上はいけない」えぇ...はい」
コントを繰り広げている。
「それでね?言った通りクリスマスなんだよ。それで、我が鎮守府でクリスマスパーティをしようと思ってさ。準備をしたいから手伝ってくれないかな〜...って」
「せっかくの番外編なんですからゆっくり「アーガマ」...はい」
「そんなに大変な事じゃないよ。飾り付け程度だから。会場はここ!」
「指令室でやるんですか?」
と、ガランシェールが問うと鈴谷がガランシェールの耳元で
「お酒もあるし...アーガマに飲ませてみなよ〜」
「...!!」
艦娘時代の性格もそのまま、悪戯心を忘れていないようだった。
「なに話してるんですか?」
「「ナンデモナイヨー」」
見事に揃った。素晴らしい。
「それで...指令室の飾り付けって...クリスマスツリーとかどうするんです?」
「あ、それならあるから心配しないで」
「...こういう時の準備はしっかりしてるんですね?」
「いや、それ程でも〜...」
「褒めてると思いますか?」
「ごめんなさい...」
「許します」
「よし、私は準備があるから!またね!」
鈴谷はそそくさと指令室を出ていった。指令室に残されているのはガランシェールとアーガマの二人だけ。
「ねぇアーガマ?」
「...なに?」
「クリスマスさ、一緒にいようよ」
「また何か変なことするんでしょ?」
「しないしない!ただ一緒に居たいなぁ...って」
「...分かった、ガランシェール」
「ほんと!?」
「変な事しなければ良いよ?」
「ぅ...えっと...しない!だからお願い!」
「うん、おっけー」
「アーガマ、ありがと!」
ガランシェールが抱きついてくる。暖かい。
冬の寒さに負けじと、ガランシェールは暖かかった。
百合百合しくなってしまった...。