カムイ&ジェシー
C
ジェシー「なあカムイ、この旅、すごく充実してるなんて思わないかい?」
カムイ「いきなりどうした?確かに、退屈はしないけどよ」
「ここは女性がたくさんいるじゃあないか。傭兵なんて基本男ばかりだからさ、こういうのって珍しいだろ?」
「あー、なるほどな。純粋だねぇ、あんたは」
「おいおい、君も男だろ?興味ないのかい?」
「女性ばかりとは言うけどねぇ、年下の子供ばかりじゃねえかよ。」
「あ…まさか君って…」
「いや、そういう意味じゃないからな?」
B
ジェシー「ねえ、カムイはどうして傭兵をしてるんだい?」
カムイ「俺か?理由ってほどじゃないが…色んなところを転々としてるのが、俺に合うってだけだよ」
「ははは、俺も殆ど同じ。」
「そりゃそうだ、傭兵なんてそんなもんだろ。」
「けど少し違う。俺は俺に合う場所を探してる。」
「自分に合う場所、か…そいつは考えたことなかったね。」
「もしよければ、俺と一緒に考えてみるかい?」
「いいねえ、そいつは面白そうだ。」
A
ジェシー「礼を言うよカムイ、おかげでいいアイデアが生まれたよ。」
カムイ「そりゃどうも。それにしても、傭兵の国か…すごいこと考えついたもんだ。」
「いい案だと思うよ?誰にも縛られない居場所…まさに傭兵の理想郷だ。」
「そうかい、じゃあ頑張れよ、ジェシー。」
「おっと、君も手伝いなよ?せっかくなんだから最後まで付き合ってよね?」
「仕方ねえな…でも、この旅に生き残れたらの話になるだろ。お前が死んだら俺はどうすればいいんだよ?」
「そのときは、君が僕の分まで頑張って王になってもらいたいけどね。」
「はぁ?随分と身勝手だねえアンタ…」
「傭兵って、そういうもんじゃないの?」
「ははっ、分かってるよそんなこと。俺達2人で考えた夢だ、お前の気が済むまで付き合ってやるよ。」
エイリーク&ミルラ
C
ミルラ「あ…」
エイリーク「? こんにちは、ミルラ」
「…あの、あなたに、聞きたいことがあるんです」
「聞きたいこと?…どんなことですか?」
「…エフラムのことです」
「兄上の?」
「エフラムのこと…もっと知りたいです。でも…本人が教えてくれないこともあります。だから…エイリークに、聞きたいです。」
「そういうことなら協力しますが…どういったことを知りたいんですか?」
「…エフラムの、好きな人は誰ですか?」
「…それは…誰なんでしょう」
B
エイリーク「ミルラ、1人で何をしているんですか?」
「あ…おねえちゃん」
「! おねえちゃん…私がですか?」
「この前…エフラムがおにいちゃんになってくれました。そうしたらエフラムは、エイリークはおねえちゃんになると言いました。だから、エイリークはおねえちゃんです。」
「な、なるほど…私に妹はいないから、不思議な感じがします…」
「…今は、おとうさんのことを、考えていました。」
「ミルラのお父上ですか。きっと優しい方なのでしょう。」
「はい。…本当のおとうさんではないですが…大好きです。…おにいちゃんとおねえちゃんにも、会わせてあげたいです。」
「…兄上から聞いているかもしれませんが、私の両親ももういません。父上は…この戦いで」
「…おねえちゃん、どうして、戦争をするんですか?嫌な気持ちになるだけなのに、なぜみんな止めないのですか?」
「それは…私にも分かりません。けれど、私達とは違って、正しいことだと思っている人もいるから…争う気持ちを持った人がいるから…それを止めるために、戦うしかないのでしょう。」
「…おねえちゃん、私…悲しいです。」
「ええ…私もです。」
A
ミルラ「あの…おねえちゃん」
エイリーク「どうしたんですか?ミルラ」
「あの…私、戦争は、嫌いです。でも…良いこともありました。」
「良いこと?」
「おにいちゃんとおねえちゃんに会えました。他にも…色んな人と。…この戦いは、早く終わってほしいです。でも、終わったら 私は樹海に帰らなくちゃいけません それは…寂しいです」
「…あなたは竜だから…人と生きることはできないから…そうなんですか?」
「はい…」
「でも、私はあなたのお姉ちゃんです」
「!」
「私と兄上にとって、もうミルラは大事な妹です。一緒にいる理由は、それだけでいいんですよ。」
「おねえちゃん…ありがとう あの…お願いがあります」
「ええ、どうぞ。」
「おとうさんに、よく撫でてもらいました。おねえちゃんにも…撫でてもらいたいです。」
「可愛いお願いですね。そういうことなら、喜んで」
フォルカ&サザ
C
サザ「……」
フォルカ「…見つかっていないとでも思っているのか?」
「! 嘘だろ…こんなに早くばれるのか」
「俺を遠くから見張って、何をするつもりだ?」
「あんた、味方なのにどんな奴なのかまるで分からないじゃないか。俺が言えることじゃないけど…馴れ合うの、好きじゃないのかなって。」
「確かに人の多いところは好きじゃない。」
「もしかして、あんたも本当は盗賊なのか?」
「10万だ」
「え?」
「俺を知りたいのなら、10万用意すれば教えてやる」
「いや、10万って…貴族でも悩む額じゃないか」
「なら、教えてやる理由はない お前に探られるつもりもだ」
「まさか、図星だったのか?」
「…」(フォルカ消える)
「あ、おい!逃げるなよ!」
B
サザ「なあ、フォルカ」
フォルカ「…」
「睨むなよ、もうヘタに探るつもりはないって。」
「用はそれだけか?」
「あんた…金さえ出せば大体のことはしてくれるんだろ?」
「金額は、要件によるな。」
「それって、儲かるのか?」
「それを知りたいのなら、相応の分を頂くが?」
「なんだよ、それぐらい教えてくれてもいいじゃないか。」
「情報屋がみだりに自分のことを話すものじゃない。」
「それは、確かに…」
「払う気がないなら、俺はもう行くぞ。金を用意したら再び呼ぶことだな。」(フォルカ消える)
「…気になる。よくできた商売だな…」
A
サザ「フォルカ!」
フォルカ「呼んだか?」
「なあ、あんた………これだけなら、どの程度のこと教えてくれる?」
「ふむ…10万には遠いようだが?」
「あったとしても、お前に使うわけないだろ!」
「しかし、充分な額だ…耳を貸せ」
「よし…」
「俺は………」
「…え!?」
「それと…」
「………冗談だろ?」
「信じるかは、お前の勝手だ。続きは、また金を用意してからだ。」(フォルカ消える)
「…もし今のが本当だとしたら…何者なんだよ…?」
おまけ
暁の女神 第一部 終章
仲間たち ☆
エディ「なあ、昨日ミカヤを守ったっていう騎士って…」
レオナルド「ああ、違いないよ…漆黒の騎士だ。」
ブラッド「あの時に戦死したって聞いてたが…生きているとはな。」
ローラ「あのー…皆さん、あの騎士を知っているのですか?」
エディ「ん?ローラはデイン育ちなのに知らないのか?」
レオナルド「あの人は見ての通りの名前、漆黒の騎士…かつての【四駿】の一人だよ。3年前に当時の【四駿】は全滅したはずなんだけど…あの人は生き延びていたみたいだ。」
ローラ「漆黒の騎士とは、異名ではないのですか?彼のお名前は?」
ブラッド「誰も見たことがないんだよ、名前も知られてなければ、顔も知られてない。だから、みんなそう呼ぶんだよ。」
ローラ「まあ…一体中身はどんな人なのでしょう?」
レオナルド「うーん…見られたくないほど、全身に傷があるとか…?」
ブラッド「デインの人間じゃないから、隠してるんじゃないか?」
エディ「あんなに重たそうな鎧着込んで、大剣を持ってるからさ、厳つい顔した大男のおっさんなんだろうな!」
ローラ「すごい!いよいよ本物の山賊らしくなってきましたね!」
ブラッド「…まだ誤解してたのか。」
レオナルド「そもそも山賊をどういうものだと思ってるんだろう…」