ガルシア&デュッセル
C
デュッセル「むっ…凄まじい戦ぶり、誰かと思えばルネスの猛将、ガルシア殿であったか」
ガルシア「そういうあなたははグラド帝国の『黒曜石』…デュッセル殿 なに、ルネスに仕えていた頃はもう昔の話、あの頃と比べると数段劣っている」
「それでいてあの強さか…国を越えて伝わる軍功、間違いではなかったようだ」
「なに、今もなお現役のあなたに比べれば大したことなどありますまい」
「・・・これ以上続けても謙遜ばかりになってしまうか」
「そのようですな いやあ、何分あなたの戦いをこの目で見るのはこれが初めてでしたから 敵として出会わなかったことを感謝せねばなりません」
「うむ、その通りであるな …しかし、1人の武人として、あなたと戦いたくあるのも事実。今度、手合わせを願えないだろうか」
「この老骨であればいつでも付き合いましょう では、まずは此度の戦を終わらせるとしよう」
B
ガルシア「いやあ、デュッセル殿 わしの話を聞いていただけないだろうか」
デュッセル「ふむ、話とは?」
「わしのこの力、皆のためにと奮ってはいるが…この頃の若者は皆なかなかの実力、肩を並べるのがやっとなのだ」
「なるほど…実はわしも似たようなことを思っておった」
「なんと、デュッセル殿も!」
「うむ まだまだ実戦の経験は浅いが、成長の早さは凄まじい。わしが抜かれるのもそう遠くはない、とな」
「ううむ、わしらのあとを継ぐ者が出てくるのは心強いことではあるが、複雑でもありますな 功を焦り取り返しのつかないことにならなければいいが…」
「一番槍をとろうと先走る兵を見ていると、若い頃を思い出す あの頃はわしも無茶をしておったものだ」
「ははは デュッセル殿にもありましたか わしも当時は何かと突っ込むことが多かったものですなあ…」
「…あの頃の同期は軍をやめたのもの、戦死した者が大半…今も騎士を続けているのはどれくらいか…」
「…わしと同じ位のルネスの老将は、きっと王都で命を落としたであろうな …最期に何を思っていたのだろうか…」
「………すまぬ」
「デュッセル殿が謝ることなどない 戦いとはそういうものだ…」
A
デュッセル「聞けばガルシア殿、家族のために軍をやめたとか…」
ガルシア「うむ デュッセル殿に妻子は?」
「わしはずっとグラドに尽くすことばかり考えてきた身でな…そのようなこととは無縁なのだ」
「そうか…まさに理想の忠臣であるな しかし、家族はいいですぞ 息子が生まれてからは、その育っていく様を見届けるのがわしの人生の楽しみとなっておる」
「そういう意味では、ここの若者が成長をしていく様子を感じ取れるのは…幸せかもしれんな わしにとっての子は、彼らというところか…」
「ガハハハハ!デュッセル殿らしい!では、次代を彼らに託すためにも、一層励まないといけませんな!」
「うむ、力尽きるまでわしは戦おう、己のためならず、後世のため…」
「そして今いる若き者は、わしらの頃になればさらに次の世代に…」
「その大役を担えただけでも、わしらが生きてきた意味はあるのだな」
カイル&アメリア
C
カイル「そこの君!確か先の戦いでこちらに同行することになったグラドの兵士だな?」
アメリア「あ…は、はい!アメリアって言います!」
「そうか、私はカイル ルネスの騎士だ。」
「あ、あの…実は、前々からカイルさんの戦いは見ていました 私もいつかこんな騎士になってみたいなあ…って」
「なに、私のように?参ったな…私も憧れるほどの実力はまだついていない 私なんかよりゼト将軍のような…」
「もちろんゼト将軍も立派な方です!でも、ついこの前から槍を握り始めた私にとっては、カイルさんも充分立派な人ですよ?」
「そうか では、君の手本となるよう、一層気を引き締めるとしよう これからもよろしく頼む」
「はい!」
B
カイル「………」
アメリア「あの…カイルさん?さっきからなんだか見られてるような気がするんですけど…何か問題ありましたか?」
「アメリア、軍に入ったのは本当に最近なのだな?」
「は、はい 軍にいた時より、今の方がずっと長いです」
「…驚いたな アメリア、君の才能は素晴らしい もう基礎の殆どを身につけている。これは私も負けていられないな」
「あ、ありがとうございます!……あ、あの…それだけ…ですか?」
「? ああ、君を見ていたのはそのためだ 怖がらせてしまったのなら謝ろう」
「いえ…全然嫌じゃないです。その…」
「どうしたアメリア?何か言いたいことがあるなら…」
「なんでもないです!あはっ、褒めてもらえて嬉しいです!これからの励みにしますね!」(アメリア消える)
「…何か別に言いたいことがありそうだったが…ううむ」
A
カイル「アメリア…」
アメリア「! は、はい…どうかしましたか?」
「すまない…私は昔からどうも鈍感なところがあるらしい…君が何か私に隠しているのは分かるのだが、どうも心当たりがない… よければ、話してくれないだろうか?」
「え、えっと…あの、すみません 謝らなきゃいけないのは私の方なんです…」
「なんだと?」
「ここに来てから…本当に間もない頃、私は敵を正面にしてもまともに槍すら振れなくて…死んじゃうのかな、って思ったときに、カイルさんが駆けつけてきて…私、助かったんです。すぐに別のところに行ったから、お礼を言いたかったんですけど…どうしても、緊張しちゃって…その…」
「…そうだったのか 確かに、味方を救援に行くことはするが、その中に君がいたのだな」
「で、でもどうしてなんでしょう?お礼を言う位なんでもないことなのに…それに、私カイルさんに抱いているのは憧れよりも…なんだろう?うまく言えないです…」
「うまく言えない、か 実は私も最近君のことがよく心配になってな 不安というのもあるのだが…説明が難しい」
「あはっ…カイルさんもだったんですね」
「ダメだな、この答えはじっくり考えるとしよう アメリア、力を貸してくれないか」
「はい!喜んで!」
ジスト&ナターシャ
C
ジスト「悪い、シスター 回復を頼む」
ナターシャ「分かりました………これで大丈夫です」
「ありがとよ、助かったぜ」
「ええ………」
「どうした?俺の体をジロジロと見てよ」
「よく見ると…体中傷だらけで…見ているだけでも…とても痛々しく…」
「ん、まあな。傭兵なんてそんなものだ 戦うことを稼ぎにしてるから、これくらいのは腐るほどつくもんだ まあ…聖職者のお前にとっちゃ辛いだろうがね」
「っ…すみません その…無理はしないでくださいね」
「こっちの台詞だ あんまり傷だとか血だとか見慣れてないんだろ?」
「はい… ですが、覚悟のうえです 皆さんが平和のために戦っているのを…ただ眺めているわけにはいきません」
B
ジスト「なあ、ナターシャ…お前やっぱり無理してるだろ?」
ナターシャ「ジストさん…決してそのような」
「馬鹿、俺は見てたぜ この前敵兵の死体を見て吐きそうになってたのをよ」
「………そう、でしたか」
「お前は戦いに向いてない。悪いことは言わないからもうやめておいた方がいいんじゃないか?この軍はいいやつばかりだ、誰も咎めはしないだろうさ」
「…好きで戦っている人は、いるのですか?」
「!」
「ジストさんは…なぜ、戦っているんですか?生きていくためと言いながら、なぜ死の危険が常に伴う傭兵稼業を続けるのですか?」
「参ったな…急にそう言われると、どう返したもんか…気がつけば団長になって、俺を慕ってくれる奴がたくさんいたんだ。今はそいつらのためにも戦ってる…そうなるかな
若い頃は負けるはずない、死ぬはずない、って調子乗って戦ってたが、今は死が怖いさ。俺が死ぬだけじゃない 仲間を失うことも、な そいつらのために戦うのも、悪くねえだろ?」
「…すみませんジストさん あなたは…私が思っていたよりもずっと立派な心をお持ちだったのですね。
私は、傭兵は賊のようにお金と戦いにしか興味のない野蛮な方々だと…そう思っていた時期が昔ありました。
けれど…誤解だったみたいです。」
「それは育ちの違いってもんだな、仕方ないものさ。ま、気持ちが伝わったんなら嬉しいぜ」
A
ナターシャ「ジストさん…」
ジスト「なんだ、ナターシャ」
「この戦いが終わっても…あなたはまだ傭兵を続けますか?」
「ん…どうかな、大陸全土を巻き込んだでかい戦だ、これから先はしばらく誰も戦なんてしないだろうな
まあ、賊に討伐とか復興支援だとか、仕事は色々あるさ」
「そう、ですか…やはり傭兵は続けるのですね」
「まあ…お前の傍でのんびり暮らしてくってのも、悪くないって思うがな」
「! ジスト…さん?」
「嫌か?」
「………嫌では、ありません」
「この戦いがなければ、出会うこともなかった俺達だ…どうだ、悪いことばかりじゃあないだろ?1人で気負わなくていいから、俺達は戦い続けられるんだ」
「…はい」
「なんだ、いつにも増してしおらしいな?」
「…これからも、頼りにさせていただきます…ジストさん」
「おう、よろしくな、ナターシャ」