ベルナデッタ&マリアンヌ
C
ベルナデッタ「ふんふふーん、いい本を見つけたから、今日は絶好の引きこもり日和だなー」
マリアンヌ「…わっ」
「ふぎゃっ!?」
(ぶつかる)
ベルナデッタ「いたた…ついよそ見を…!?」
「あの…すみません…私の不注意で…あ、拾うの手伝いま…」
「ぎゃああああああああああ!お助けえええええええええ!」
「あ…もう見えなくなって… やっぱり…私が怖く見えるから……あれ?この本…」
(場面 寮の前へ)
マリアンヌ「どうしよう…あの時本が入れ替わって…でも…私が訪ねたらきっとまた…出てくるまで待つしかなさそう…」
(夕方)
「……」
(夜)
「…出てくる気配がない…『食虫植物の育て方』……ベルナデッタさんって…私が思っているより変わった人なのかも……」
B
ベルナデッタ「ど、どどどどうしよう…!あの時マリアンヌさんと本が入れ替わったことを言い出せないまま随分と経ってしまったあ…!でも、向こうも何も言ってこないし…まだ気づいていないのかな…はっ、マリアンヌさんのことだからもしかして、ベルを恨んで夜な夜な呪いにかけているとか…!?そしてベルをじわじわと追い詰めたところを…す、すぐに返さなきゃ命が危ない!」
(場面 厩舎へ)
「マリアンヌさんはよくここにいるみたいですけど…あっ!マリアンヌさ…」
マリアンヌ「今日もお疲れ様、ドルテ…どこも怪我してない?え、お腹が空いてるの?いっぱい動いたのね…」
「…どうしよう、思ってたのとは別の意味でやばそう…」
「…あ…ベルナデッタさん…?」
「ひいっ!?じゃ、邪魔してごめんなさいいいいい!どうか、どうか命だけはああああああ!」
「あの…命とかじゃなくて…本…」
「返します返します!本なら返しますからあああああああ!」
「あの…私が怖いのは分かります…ぶつかったことは私の責任ですから…その、本は部屋に置いてきたので今は渡せませんが…」
「本は渡せないから引導を渡すつもりですか!?」
「え、どうしてそうなって…」
「だだだだって、マリアンヌさんはいつもベルをこわーい顔で見つめてくるじゃないですか!それってベルが知らず知らずのうちにマリアンヌさんにとって気に食わないことを重ね重ねて恨みつらみ…!」
「…ふふっ」
「笑った!?なんで!?」
「あ…すみません その…殆ど話したこともないのにそこまで考えるのが面白くて…」
「ま、マリアンヌさんも…そんな風に笑うんだあ てっきり、お人形に嫌いな人の絵を貼って釘でも刺してるような人かと…」
「ど、どうしてそこまで考えて…ふふふ…」
A
マリアンヌ「ベルナデッタさんは、1人でいるのが好きなんですね…」
ベルナデッタ「うん、みんなといるのは絶対嫌!ってわけじゃないけど、引きこもっている時が一番ベルは幸せだなあ。」
「そうですか…私も、あまり人と関わるのは得意じゃなくて…」
「うんうん!最初はものすごく怖かったけど、私たち気が合いそう!その、この前のことはごめんね…?」
「いいんです…私にも非はありましたから…それより、私も誤解していました。ベルナデッタさんは思っていたよりもずっと…面白い人で…」
「ね、ねえ。前も思ったんだけど…ベルってそんなに面白いかな?」
「食虫植物が好きなところとか…」
「え、まだ言ってないのにどうして…あっ、本…!」
「ふふ…ベルナデッタさん…ありがとうございます。」
「ふぇ?今、お礼を言われる流れだったかな?急にどうしたの?」
「こうして話す前は…ベルナデッタさんみたいな人は、私を避けるばかりだろうって…私にとってはその方が都合がいいって思っていたんです。でも、こうやって話してみないと…何も進まないんだって…あなたにそのつもりがなくても、そう教えてくれました。…そのお礼です。」
「マリアンヌさん…それを言うならベルも同じだよ。ベルも誰かと話すのが怖くて逃げてばかり…だから、今回みたいなきっかけでもないとマリアンヌさんとは話さないままだったんだろうなあ。」
「あ…!それなら、ぶつかっていけばいいんでしょうか。」
「いや…そういうのって、ものの例えだからね?あれは事故だよ?本当にぶつかっていったら絶対おかしい人だよ!?」
「分かってますよ…ふふ」
カスパル&フェリクス
C
カスパル「うおおおおおおっ!どりゃあああああっ!」
フェリクス「……」
「おっ、フェリクスじゃねーか!お前も訓練だな!」
「聞かずとも分かるだろう、こう何度も居合わせてはな。」
「俺が言うのもなんだけど、お前大体ここにいるもんな!そうだ!たまには一緒に訓練するか?」
「お前の腕を過小評価しているわけではないが…断る。」
「えっ…なんでだよ!?強くなりたいもん同士、模擬戦とか悪くねえだろ!?」
「分からないのか?」
「全然!」
「…だろうな。これで察するような奴なら、俺は誘いに乗っている。」
「うーん…俺、お前に何かしたか?やばいな、全く心当たりが…」
「とにかく、そういうことだ。俺は先に失礼する。」
「…行っちまった。なんだよ、訳分かんねえな…」
B
カスパル「おーいフェリクス!」
フェリクス「お前か…何の用だ。」
「分かったんだよ!お前が俺を避けた理由!」
「ほう…では聞かせてもらおうか。」
「ずばり、戦い方の違いだ!」
「…どういうことだ?」
「俺は自信のある力で押し切ろう!てことがよくあるんだよ、でもお前は技の鋭さや身のこなしがすごいだろ?だからお前は俺みたいな勝手の違う相手と戦っても得意な部分は伸びねえから、断った…どうだ!」
「なるほど…まさかお前のような奴からそんな答えが出てくるとはな。ただの猪ではないというわけか。」
「へへっ、座学と比べりゃこんなもん楽勝よ!」
「いや、合ってはいないぞ。」
「なにいいっ!?」
「だが…俺はお前のことを買いかぶりすぎていたようだ。どうだ、一度でいいなら付き合ってやる。」
「本当かよ!?よっしゃあ、絶対負けねえからな!」
「ふっ…こちらも負けるつもりはない。」
A
(場面 市場)
フェリクス「…さて、どれにするか。」
カスパル「おーいフェリクス!お前も新しい武具買いにきたのか!」
「……」
(場面 書庫)
フェリクス「…よし、これだけ揃えば充分だろう。」
「おーいフェリクス!お前も試験の勉強か!」
「……」
(場面 食堂)
フェリクス「…ふう。」
「フェリクス!どうだ、一緒に食べねえか!」
「……カスパル、俺があの時お前の誘いを断った理由……やはり理解はしていないようだな。」
「え?あー…そんなこともあったな!でも、もうそんなのどうでもいいんじゃねえか?俺とお前はもう友達だぜ?細かいことは水に流せばいいじゃねえか!」
「…一度気を許すとこれだ。」
「ん?」
「俺は人と馴れ合うのは好かん。前にも言ったようにお前の腕は認めているが…お前みたいな奴はすぐ仲良くなった気になって付きまとう。俺とお前の違いは戦い方ではない、性格だ。」
「ああー…なるほど!そういう話だったのか!」
「まったく…やはり猪は猪か。」
「よし、フェリクス!ご飯食ったら1戦やろうぜ!」
「…一度だけだと言ったはずだ」
「一日一度、じゃねえのか?」
「なぜそうなる…」
「はは!でもさ、お前が答えを教えてくれたってことはよ、俺のこと本気で嫌なわけじゃないんだろ?付き合い方は考えるけどよ…訓練相手、ぐらいならもういいんじゃねえか?」
「都合のいい解釈をしてくれるな… いいだろう、お前の飽きるまで相手してやる。勝つのは俺だ。」
「よっしゃあ!その意気だぜフェリクス!」
リシテア&アロイス
C
アロイス「う…うううむ む、むむむむ!むうううう……」
リシテア「アロイスさん?1人でなーにやってんですか。」
「おお、リシテア殿!ちょうどいいところに!実は、夜中に誰もいないはずの騎士の間で物音がするという噂が流れ…後日、私が夜警の当番となってしまったのだが…!」
「えっ」
「しかし困ったことに私は幽霊が苦手でなあ…女性の兵士も手伝ってくれているなか、私が断るわけにもいかず…」
「そ、そうなんですか。でも、皆さんそんな迷信に本気になっちゃって…おかしいですよねえ?ははは」
「盗賊の恐れもあるため楽観視もできず…リシテア殿、幽霊の類は如何か?」
「えっ!?そ、そんなものいるわけないじゃないですか!アロイスさんも騎士でありながら可愛いところが…あ、あるんですねえ!」
「おおー…!その若さでなんという頼もしさ!そうだ、リシテア殿!どうか私の夜警の日、一緒にいてはくれないか!」
「え、えええっ!?」
「このところ様々な件で忙しく、他の騎士の手が借りれないのだ…しかし幽霊に強いリシテア殿がいれば、まさに文字通りの心強さ!お願いだリシテア殿、このとおり!!」
「ちょ、ちょっと!こんなところで座り込まないでください!ああ…もう、分かりました!付き合います!付き合いますから!」
「かたじけない…!このアロイス、リシテア殿の慈悲にそれ以上感謝の言葉が見つからん!」
「お、大袈裟です!早く立ってください!」
「うむ…ではリシテア殿、頼みましたぞ!」
「…行っちゃった…ど、どうしよう…!」
B
アロイス「ううむ…そろそろ約束の時間……おおっ、来た!リシテア殿」
リシテア「お…お待たせしました。い、行きましょう…!」
「リシテア殿…声が震えているような…」
「き、気のせいです!そういうアロイスさんは体が震えてます!」
「こ、これは武者震い……ではないのだ!夜中にこんなところで1人では怖くてたまらなかったのだ!」
(場面 夜 騎士の間)
リシテア「………」
アロイス「………リシテア殿」
「ひゃいっ!?急に話しかけないでくださいよ!」
「ああ、いや!脅かすつもりは!その…お互い黙っていては2人になった意味がないと思い…」
「わ、私も同じことを考えていました…」
「その…リシテア殿、私の考えが正しければもしかして……」
「! ひいいいいいいっ!?アロイスさん、後ろおおおおおお!」
「うし…ぎゃあああああああ!」
兵士「なんだ、どうした!?」
(場面 騎士の間前)
兵士「まったく…思い違いでよかったが、大袈裟な真似はやめていただきたい…」
リシテア「お騒がせしました…」
アロイス「反省しています…」
「…アロイスさん、ごめんなさい…まさか物音の正体がただの野良猫だったなんて…」
「う、うむ…しかしリシテア殿も幽霊が嫌いだったとは」
「うう、隠すつもりは……ありました……」
A
アロイス「リシテア殿!これは先日のお詫びとはいってはなんだが…」
リシテア「わっ…美味しそうな茶菓子…!でも、受け取れませんよ。私がウソをついていたのも悪いのに…」
「いやいや!私があそこまでして断るような人ではあるまい!元を辿れば私の幽霊嫌いが招いたこと…」
「うむむ…しかし、アロイスさんもお化けが苦手なのは少し意外だったかも…」
「私は軍人…この手で多くの人間を殺してきた身…いつかその恨みが自分に返ってくるのではないかと思うと…どうしても怖くなってしまうのだ。」
「アロイスさん…」
「はっ、いかんいかん!詫びをしている中で辛気臭い雰囲気にしてしまった!茶菓子だけに、楽しく茶化していかなければな!わーはっはっはっは!」
「……」
「…こほん、いやーこれはそのいつもの癖というか…お、怒ってはいないよな?」
「アロイスさん、子供みたいだって言われませんか?」
「えっ!?うーむ、人が良すぎるとは言われたことがある。……良くも悪くもと。」
「騎士でここまで純粋な人は、アロイスさんぐらいしか知りません…でも、アロイスさんみたいな人、嫌いじゃないですよ。」
「り、リシテア殿…!」
「この茶菓子、一緒に食べませんか?今はアロイスさんと一緒に食べたい気分です。それから2人で一緒にお化けを克服して、見返してやりましょう!私、仲間に会えて本当は嬉しかったんです!」
「おお、なんと可愛げのある微笑み…!よおおおし!このアロイス、望みとあらばどこまでもお付き合いするぞ!」