【完結】銃と私、あるいは触手と暗殺   作:クリス

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書いていて思うこと、極東で荒ぶる神々を喰ってたので遅くなりました。
あと場面転換がかなり多いので少しだけ書き方が変わってます。
それとキャラどうしの呼び方でハゲそう。


五十五時間目 改める時間

 記念すべき?わかばパークでの一日は特に何事もなく幕を閉じた。コミュニケーション能力の高い者が中心となって子供たちと積極的に話し、遊び、彼等の緊張感を解いていった。

 

 皆は各自得意なことで子供たちと遊び相手になったり、勉強を教えたりと、自分たちなりにできることを模索している。

 

 一日施設を見て回り大よその目標は決まったので、後はそれに向けていつものように斜め上に頑張るだけだ。

 

「なんとか事故を起こすことなく終えることが出来ました」

 

 私は病室のベッドで療養している松方さんに向けて、今日一日の出来事を伝えた。烏間先生の言った通り怪我の度合いは軽いらしく、右腿に軽くギブスを巻いてあるだけでそれ以外は元気そうだ。

 

「松方さん今回は本当に申し訳ありませんでした。改めて謝罪します」

 

 立ち上がり深く頭を下げる。直接関わったわけではないが、私だって関係者だ。当然責任は私にもある。

 

「まさか、お前さんがあのガキ共のクラスメイトだったとはな」

「はい、本当に申し訳ありません」

 

 私がもう頭を下げると、彼は謝罪は不要だと言わんばかりに手を振った。

 

「もう怒っとらんわ……いや、あのクソガキ共にされたことを考えると今でも胃がムカムカするが、一応教師も謝罪もしてきたしの、花だらけで」

「はい?」

 

 殺せんせーが何かやったのだろうか。というか殺せんせー正体を見せたのか。いや、あの人ならそうするだろうな。

 

「類は友を呼ぶというが、なんというか……お前さんのクラスは変人ばっかりだな。担任は化けダコだし、烏間っちゅー若造も目つきが堅気とは思えん」

 

 まあ、叩き上げの軍人だからな。あれでも私の見てきた軍人の中ではかなり優しいほうだ。もしかしたらあの人なりに皆に合わせてマイルドにしてるのかもしれない。

 

「だが、どいつも真剣な眼をしとった。どうりで嬢ちゃんが変わるわけだ。あの担任がお前さんを放っておくとは思えんしの」

 

 殺せんせーに一度目を付けられてしまえばもう彼から逃れられることはできない。かくいう私にも徹底的に手入れをされてしまった。最低な方法で殺そうとしたのにそれでも見捨てないでくれた。

 

「はい、本当に不思議な人ですよ。あの先生は」

「人、か……確かにありゃ人の目をしとった」

 

 何の根拠もないが、私は殺せんせーが元人間だったと考えている。先生の言葉には重みがある。上辺を齧っただけの知識ではあの重みは絶対に出せない。演技という線も捨てきれないが、私は屑の目利きに関しては自信がある。

 

「何にせよ、ああいう教師がいるなら、お前さんも大丈夫だろうな……もう一度聞く、学校は楽しいか?」

「はい!楽しいです!」

 

 はっきりと笑顔でそう言うと、松方さんは窓から見える夕陽を眺めながらゆっくりを息を吐き出した。

 

「そうか……ならそれでいい。お前さんに何があったのかは知らないし興味もないが、昔のことなんて忘れてしまえ。それはもう過ぎ去ったことだ。今のお前さんには何の関係もないわい」

 

 もう過ぎ去ったこと、か。この人は私の過去について何となく察しがついているのかもしれない。確証はないが、そんな気がした。

 

「そう、ですね……」

 

 私はまだ過去を引きずっているのかもしれない。稀に見る悪夢、消えない罪悪感、手放せない銃、どれも全部過ぎ去ったことだ。全て忘れて本当の意味でただの人間に戻るべきなのかもしれない。でも……

 

「すいません、まだやることが残ってますから」

 

 どんなに大切な人もたった十数グラムの銃弾によって死んでしまう。私は幸せが酷く脆いものだということを知っている。

 

 だから守らなければならない。この力はそのために使う。例え忌み嫌った兵士に戻ろうとも絶対に守り通す。

 

「勝手にしろ……だが、気負いすぎるんじゃないぞ。人生は長いんだからな。それと明日から来なくていい。見てのとおりわしはピンピンしとる。ガキ共のこと頼んだぞ」

「……はい!」

 

 力強く返事する。やることは山ほどある。力を付けなければならないし、勉強だってやらなければならない。ただ、当分はわかばパークのことが先だろうな。

 

 

▽△▽

 

 

 わかばパークで働くようになって一週間が経過した。ここでの仕事は本当に忙しい。子供たちの世話をメインに炊事、洗濯、掃除、その他諸々、やることは多岐にわたる。

 

 私達の仕事が破綻していないのは人数が多いからに他ならない。松方さんはこれを一人でやっていたのだから本当に凄いとしか言いようがない。

 

 給料だって決して高いとは言えないだろう。本当に尊敬に値する人だ。

 

 とはいえ感心するだけで終わる私達ではない。皆暗殺で鍛えたスキルを使って出来ることから一歩ずつやっている。もっとも、その一歩がジェット機並みにぶっ飛んでいるのは否定できないが。

 

 皆は皆なりに借りを返そうと努力している。かくいう私はというと……

 

「魔王カルマ!サチコ姫を離しなさい!」

「ははは、そう言われて馬鹿正直に返すと思う?姫を返してほしかったら金貨300億枚用意しな!」

 

 ドレスを着てカルマに捕まっていた。捕まっているといっても寸劇で捕まっているふりをしているだけであって本当に捕まっているわけではない。彼には悪いが余程のことがないかぎり私が彼に負けるようなことはないだろう。

 

「誇り高い騎士カルマは何処に行ってしまったの!?」

 

 同じようにドレスを着たカエデことカエデ姫が訴えかける。いつも演技しているだけあってか、寸劇であっても演技力が飛びぬけている。

 

「誇りなんて金の前では何の役にも立たないよカエデ姫」

 

 前にやった寸劇では騎士だったはずなのに、いつの間にか魔王に転生していた。むしろこっちのほうが自然体だけどさ。

 

「待っててサチコ姫!今助けてあげるから!」

「そんなお子様ボディーでどうするつもり?」

「ぐぬぬ、許せない!」

 

 おい、今のやり取り台本にないだろ。

 

「姐御手ェ抜きすぎー!」

「本気出せばこんなチューニビョー捻りでしょ!」

 

 観客の子供たちがわーわーと騒ぐ。やっぱり私が姫役なんて無理があるだろうに。でも、ドレスは気に入っている。使わないシーツで作った割には妙に似合ってとは思う。正直かなり可愛い。

 

「姐御ー!」

 

 仕方ない、ファンサービスといこう。縛られている腕に力を籠める。

 

「ふんっ!」

 

 芝居用に軽く縛っているだけのそれは私の筋力耐えきれずぶちりと千切れた。私が縄を千切ったのを見て、子供たちの歓声は更に大きくなる。

 

「あ、あれ臼井さん?」

「遅い」

 

 鍛え上げた身体をフルに使い、カルマの背後に回り込み膝裏に軽く蹴りを入れ両腕で首をホールドする。勿論力は籠めない。

 

「動けば首を折る」

 

 カルマからはまるで私が消えたように映っただろう。彼はE組随一の身体能力を持っているが、流石に私には敵わない。珍しく彼の額から汗が流れる。

 

「だ、台本になくね?」

「気にするな、ファンサービスというやつだ」

 

 半分私怨が入っているのは内緒だ。カルマには前から散々な目に遭わされている。他の女子にはもっと穏やかなのに何で私だけ男子共と同じ扱いなんだ。

 

「すげー、縄千切ったぞ!」

「今の動き見えなかった!」

 

 子供達には受けてるからいいが、最早なんの劇かわからない。というか、この先どうするんだ……ノリでやったはいいけど後のこと何にも考えてなかった。カエデも心なしかどうすんだよって目で見ている。

 

「ねえ、臼井さん」

「な、なんだ?」

 

 私が焦っていることなどつゆ知らずホールドされたままのカルマが私の名を呼ぶ。

 

「臼井さん……その、当たってるんだけど」

「身体が当たってるのがどうかしたのか?」

 

 後ろから腕を首にまわしてホールドしている以上、必然的に身体を押し付けるような姿勢になる。そして私の今着ている服は薄手のドレス一枚、身体の感触はダイレクトに伝わるだろう。

 

「え、そういう反応?」

 

 別に身体が当たったくらいでどうも思わないんだが、よくわからないが、いつものようにからかおうとしたのかもしれない。

 

「逆に聞くが何故身体が触れたくらいで動揺しなければいけない」

「本気で言ってる?」

「当たり前だ。というかそろそろ子供たちに怪しまれるぞ」

「…………」

 

 小声だから聞こえないだろうが、ずっと硬直したままなのも不味い。私の言葉に小さく頷くとカルマはそれっぽい感じで苦しみ出した。

 

「い、息が……ぐふっ」

 

 本当に頸動脈を絞めていたら声なんて出せないが、子供向けの芝居ならこれくらいわかりやすいほうがいいのだろう。

 

 腕を解きわざとらしく倒れるカルマを横目に子供たちに向きなおる。

 

「はっ、私に喧嘩を売ったのは大間違いだったな」

「ま、魔王カルマの野望はサチコ姫のマーシャルアーツによって打ち砕かれたのでした!めでたし、めでたしー!」

 

 カエデのフォローによって劇の幕が閉められる。沸き起こる拍手と歓声、案の定、大好評だった。近頃の子供の趣向はよくわからないな。

 

 

▽△▽

 

 

「あ、待てー!」

「姐御はやすぎー」

 

 劇を終え、縁側に腰かけながら子供たちとはしゃぐ祥子を目で追う。笑顔を振りまきながら走り回る姿は、とてもじゃないが14歳の女子中学生には見えなかった。

 

「どうしたの?カエデちゃん」

「あ、矢田さん」

 

 矢田さんは私に一言断ると隣に座った。何かするわけでもなく、ただ子供たちと遊ぶ祥子のことを見ている。しばらく二人で祥子のことを観察する。

 

「姉御ー肩車してー」

「うん、いいよ!!」

 

 いつもの男みたいな話し方からはほど遠い幼い話し方で子供たちと遊んでいる。あの年くらいの子供って結構重いはずなのに、祥子は何てことないように持ち上げる。

 

「いっくぞー!それー!」

「はえー!」

「あははは!」

 

 祥子は本当に人気者だ。わかばパークで働くようになって一週間になるけど、その人気は衰えることを知らない。あの子の周りにはいつも子供たちがいる。姐御とかいうよくわからない設定が子供たちを惹きつけるのかも。

 

「臼井さん、本当に笑うようになったよね」

 

 矢田さんがしみじみと呟いた。本当にそう思う、少し前まではたまに微笑むくらいで声をあげて笑うことなんて滅多になかった。

 

 だけど誕生日会を経てから、あの子は本当によく笑うようになった。稀に見せる狂った笑みでもなく、まるで子供のような無邪気な笑顔を見せてくれる。今まで笑うことが出来なかった分、祥子はこれからもずっと笑顔でいてほしい。

 

「ああしてるの見ると本当に子供みたい」

「違うよ、矢田さん。子供みたいじゃなくて、祥子は子供なんだよ」

 

 祥子は見た目こそ背が高くて大人っぽいけど、中身は本当に幼い。きっと精神年齢はわかばパークの子供たちとそこまで変わらないと思う。

 

 損得や戦いのことになると同年代とは思えないくらいシビアな判断をするけど、はしゃいだり喜んだりした時のリアクションは幼稚園児や小学生のそれと何も変わらない。明らかに心と身体の成長が釣り合ってない。

 

 さっき劇でカルマ君の背中に身体を押し付けてた。本当なら少しくらい恥ずかしがってもいいのに、祥子は顔色一つ変えなかった。

 

 こういうことは前にもあったけど、やっぱり変だ。そういう性格だってのもあるとは思うけど、それ以上にそれが恥ずかしいことだという知識があの子にはない。一応、見かけたら注意しているけど本当に理解しているかは怪しい。

 

「祥子はね、きっと心の時間が八年前から止まったままなんだと思う」

「それって、戦争のせいだよね……」

 

 矢田さんの言葉に無言で頷く。あの子は戦うことしか知らないと言っていたけれど、本当に文字通り戦うことしか教えてもらえなかったんだろう。それならあのチグハグさにも説明がつく。

 

 だけどその状態で椚ヶ丘に合格したんだから本当に凄いと思う。きっと想像できないくらい努力したんだろうなあ。

 

「私ね、実は臼井さんのこと少し苦手だったんだ」

「え?あんなにいつも仲良さそうにしてるのに?」

 

 矢田さんはよく倉橋さんとセットで祥子と一緒にいることころを見る。苦手な人とそんな仲良さそうにするなんて、私ならともかく矢田さんには難しいと思うんだけどなあ。

 

「ううん、普段の臼井さんは好きだよ。でも、武器を持ってる時の臼井さんは、なんか機械みたいで、凄く怖い」

 

 何となく、言いたいことはわかる。普段の祥子は暗い過去があったなんて信じられないくらい抜けてるけど、武器を持って戦おうとすると途端にスイッチが入る。

 

 スイッチの入った祥子は例えるなら銃弾やナイフを当てるためのロボットだ。瞳からは感情の色がなくなり、話し方もどこか機械的になる。話しかければすぐに元に戻るけど、その入れ替わりの激しさが逆に不安を煽る。

 

「ごめんね、悪口みたいになっちゃって」

「大丈夫だよ矢田さん。私も祥子のあの顔は嫌いだから」

 

 最初の頃はそういう性格なんだと思っていた。でも、違った。あの子はああいう風になることで自分の身を守っているんだと気が付いた。心と身体を切り離して自分をロボットにすることで心を守っていた。

 

「臼井さん、人を殺してたんだよね……」

「うん、そうだね……」

 

 泣きながら戦いたくない、殺したくないと言っていたあの子をあんな風になるまで追い詰めた奴らのことを考えると、姉を殺したあいつに対するのとは違った、だけど同じくらいの憎しみを感じる。

 

 もし目の前にそいつらが現れたら私はそいつらを八つ裂きにしてしまうかもしれない。仮に八つ裂きまではいかなくても、半殺しにはしてしまうと思う。

 

「ねぇカエデちゃん、臼井さんのことちゃんと見ててあげて」

「どうしたの?矢田さん」

「事故があった日ね、臼井さんこう言ったんだ『どんな事情があろうとやったことの責任は自分で取れ』って、まるで自分に言い聞かせるみたいに言ってた」

 

 前から薄々気が付いていたけど、祥子は絶対に言い訳をしない。とても年下だとは思えないくらい心が強い。その強さに憧れる部分もある。

 

「人を殺したことも全部自分の責任だって思ってるのかもしれない……」

 

 事故があった日に電話で言っていたことを思い出す。祥子は「自分が背負っていかなければいけないこと」と言っていた。

 

 確かに間違ってはいない。けどいくらなんでも感情を無視しすぎている。それに本当に悪いのは祥子に銃を撃たせた屑共だ。

 

 だけど祥子は優しいからそうやって責任転嫁することができない。それは良いところでもあるけど、同時にどこか歪でもある。

 

「あんな風に思い続けてたら臼井さんが疲れちゃうよ」

 

 でもそれを面と向かって指摘することはできない。それを言う資格は私にはまだない。それを言えるのはきっとビッチ先生と……あいつくらいだろう。

 

「だからカエデちゃん、臼井さんのことちゃんと見ててあげて」

 

 私の両手を掴んで矢田さんはそう言った。とても真剣な目だった。だから私はこの時だけは茅野じゃなくて、あかりとしてこう言った。

 

「うん!任せて!」

 

 本当なら暗殺だって一切関わらせたくない。例え、玩具の銃やナイフだったとしても、あの子にはもう武器を持たせたくない。

 

 祥子は十分戦った。だから後は普通に遊んで、お洒落して、美味しい物を食べて、ただの女の子として普通に暮らして欲しい。

 

 あの子は武器がなければ自分には何もできないと思っているのかもしれないけれど、それは間違いだ。あの子の前では私はカエデじゃなくてあかりでいられる。

 

 それがどれだけ救いになっているのか、祥子は気が付いていない。触手の痛みも心なしか前より穏やかになっている。言葉にしていない私も悪いけど、祥子には本当に感謝している。

 

「やっぱ、茅野ちゃんは臼井さんのお姉ちゃんだね」

「やっぱり変かな?」

 

 とてもじゃないがクラスメイトに向ける感情ではないのはわかっているけど、誕生日会以降、もう完全にそう言う目でしか見れなくなった。

 

 普段の男勝りで強気な言動も、子供が強がって背伸びしているようにしか思えない。というか何であんな喋り方してるんだろ。せっかく可愛いんだから普通に話せばいいのに、ちょっともったいない。

 

「ちょっと変わってるかもしれないけど、いいんじゃないかな?私も弟がいるからわかるんだ。臼井さんってなんか構ってあげたくなるんだよね」

「矢田さんもそう思うんだ」

 

 いつか面と向かってお姉ちゃんって呼んでくれないかな。祥子は恥ずかしがり屋だから難しいかもしれないけど、諦めなければいつか必ず呼んでくれるはず。

 

「っていうか、臼井さんってなんか犬っぽくない?」

「いきなりどうしたの?でも、確かに……」

 

 前からちょっと思ってたけど、祥子はなんというか全体的に雰囲気が犬っぽい。呼ぶと全力で走ってくるし、リボンを付けるようになってから余計にそれっぽくなった。

 

「臼井さーん!」

 

 矢田さんが子供達と遊んでいる祥子を呼んだ。かなり揉まれたのか遠目に見ても制服は皺くちゃになってる。あとでちゃんとアイロン掛けるように言わないと。

 

「ちょっと、呼んでるから行ってくる。今行くー!」

 

 子供たちにそう言うと祥子はとんでもない速さでこっちに走ってきた。その姿にテレビで見た飼い主に呼ばれてダッシュして来る犬を思い出してしまった。

 

「どうしたんだ?二人とも」

 

 きょろきょろと私達を交互に見る祥子、その度に後ろで結んだ大きなリボンが耳のように揺れる。うん、完全にワン子だ。

 

「ふ、ふふふ……ほ、ほんとに走ってきた……」

「わ、笑っちゃ駄目だよ……や、矢田さん……」

「え?ん?」

 

 笑いを堪えながら思う。やっぱりこの子はただの女の子だ。兵士なんかじゃない。

 

 私の一番の目的は変わっていない。けれど、その意味は変わってきている。言葉にはできないけど、多分絶対に変わってる。

 

 私は未だにきょろきょろと私達を見る祥子を見てそう思った。

 

 

▽△▽

 

 

 長いと思った二週間は、予想に反してあっという間に過ぎていった。もう残すところ四日で終わりを迎える。

 

「もう十日か……」

 

 いつものように子供たちにもみくちゃにされ、逃げた先の岩に座りながら魔改造されていくわかばパークを眺める。

 

「松方さん、びっくりするだろうな」

 

 オンボロだったわかばパークは今や立派な木造家屋に変貌している。まだ未完成とはいえ、既に九割がた完成している。あとは内装を仕上げて終わりだろう。

 

 設計ができるらしい千葉と最新鋭のコンピューターである律が化学反応を起こした結果、このような惨事になったそうだ。

 

「それにしても面積増えすぎだろ……」

 

 二倍とか言うレベルではない。元の施設を覆うような形で巨大な施設が建てられている。最早増築というよりも新築と言ったほうが適切だろう。

 

 これだけやって掛かった費用は廃材やら、裏山の木を使ったお陰で殆どゼロなのだから驚きだ。

 

 子供たちも私達が勉強の仕方を教えたお陰もあってか、基礎学力はかなり向上した。不登校だったさくらも渚がなんとかしているようだ。

 

 だから、わかばパークの方は特に問題はないだろう。そう、わかばパークの方は……

 

「はぁ、テストどうしよ……」

 

 大きく溜息をつく。十四日にはすぐに試験が始まってしまう。一応、家で勉強はしているが学校にいる時のように集中しているかと聞かれれば疑問に思う。

 

 大して拘っていないとはいえ、せっかく上げた順位を落としてしまうのはやはり残念に思う。こういう風に思うようになれたのも私が変わった証拠なのだろう。

 

「はぁ……」

「そうやって溜息ばっかついてると根っこが生えるって園長が言ってたわよ」

 

 声の方向に首を向けるとさくらが私を残念な人間をみるような目つきで見ていた。彼女は渚がほぼ付きっ切りで面倒を見ていたはずだ。何故こんなところにいるのだろうか。

 

「祥子、あんたを探してたの」

 

 どうやら私に用があるらしい。さくらはその小さな身体を岩の上に座らせた。この子も初めて会った時と比べると随分と明るくなった。

 

「あんた、渚と仲いいんでしょ?あいつのこと教えてよ」

「渚?彼がどうかしたのか?というか直接聞けばいいじゃないか」

「そ、それは駄目!」

 

 よくわからないが駄目らしい。彼とさくらはよく一緒にいるのを見るが、何か心境の変化でもあったのだろうか。

 

「何を教えればいいんだ?」

「えと……好きな食べ物とか、彼女いるのかとか、す、好きな……タイプとか」

「そんなもの知って何になるんだ」

「さ、察してよ!!」

 

 怒られた。察しろと言われても……

 

「ねえ、ほんとにわからないわけ?」

「ああ、全く」

「そう……あんたみたいなのぼくねんじんって言うんでしょ?」

 

 ぼくねんじん……朴念仁か。確か、他人の感情に疎いとかそんな意味で使われる言葉だ。まあ、否定はできないな。

 

「祥子、あんた恋とかしたことないの?」

「恋ね……」

 

 恋か……人を好きになるという気持ちはわかる。でもそれは人間として好きという意味であって、決して男女の愛情などではない。

 

「信じられないかもしれないけど、昔の私は大層嫌われ者だったんだ」

 

 強すぎる力というのは厄介ごとしか生まない。子供だからと優しくしてくれる人も中にはいた。だけど、一度私が戦うとまるで化物を見るかのように態度を豹変させた。

 

「何処に行っても何をしても、私は厄介者だった。だから恋なんてする余裕なかったよ」

 

 嫌悪と畏れ以外の感情を向けられることがなかったから、恋なんて生まれる余地すらない。ここに来てようやくまともな情緒が育ってきているが、愛とか恋はまだまだ先のことだろう。

 

「あんたも苦労してたんだ」

「確かいじめられていたと言ってたな」

 

 さくらが静かに頷く。ここに通っている理由もいじめが原因だったと記憶している。学校に行かなくなるレベルなのだ。相当なものだったに違いない。過去を思い出したのか、彼女の顔が曇っていく。

 

「うん、だからわかるよ。祥子の気持ち。辛いよね、何も悪いことしてないのに、みんなから嫌われて、嫌がらせされて」

「石を投げられたり、頭から糞尿の溜まったバケツ被せられたりな」

「そうそう……え?」

 

 ピシリという擬音が付きそうな動きでさくらが止まった。ちょっと口を滑らせすぎたかもしれない。だけど実際私はさくらと同じくらいの歳でそう言った目にあってきた。

 

「一番ヤバかったのはガソリン掛けられて火を点けられた時だな。燃やされた場所が運よく砂地だったから消火できたけど、そうじゃなかったら今頃人間BBQになってたと思う」

「あんた、どんだけ嫌われてたの」

 

 今思い返しても何であそこまで嫌われていたのか見当がつかない。そこまで酷いことやった記憶ないんだけどなあ。

 

「祥子、目が死んでるけど」

「大丈夫、一時的な発作みたいなものだ。まあしゃっくりみたいなものだな」

「そ、そう……」

 

 これ以上は触れてはいけないと察したのかさくらは追及してこなかった。やはり私の自虐ネタは重すぎて受けが悪いようだ。

 

「まあなんだ。これからも色々苦労すると思うが、一つ言っておく、親がなんて言ったか知らないが、別に学校に行かなくたっていいんだ。所詮学校なんて数ある学習手段の一つにすぎないからな」

 

 私のあんまりな発言にさくらの目が見開く。だけどその通りだと思っている。本人にその気があれば私がそうだったように大抵はなんとかなる。

 

「君が思っているよりも世界はずっと広い。この世界にはいくらでも抜け道があるんだ。ここだけの話、私も一度も小学校に行ったことがない」

「え!嘘!?ほんとなの!?」

 

 流石にこの事実には驚いたらしい。さらに目を見開いてこちらを見てくる。この年の子供にとって、小学校というのはこの世の全てだと聞く。小学校に行ってない人間がいるなんて想像の埒外だろう。

 

「ああ、本当だ。いじめられていたわけではないけど、学校に行く余裕なんてなくってね。というか、学校という場所に行くこと自体中学が初めてだ」

「あ、あんた本当に大丈夫?虐待とかされてない?何かあったら園長に言えば力になってくれると思うよ」

 

 あまりにアレな話にちょっとした説教のつもりが逆に心配された。この程度でこれなんだから、本当のことを話したら気絶するかもしれないな。

 

「いや、大丈夫だ。粗方解決したからな」

「はぁ……なんか祥子と話してたら色々バカバカしくなってきたわ。ていうか!渚の話からずれすぎでしょ!」

「あ、そうだったな」

 

 いじめの話になってすっかり忘れていた。そうだった、渚の好みだとかが知りたいって言ってたな。といっても、私も大して知らないしなあ。精々寿司が好きなことくらいか?

 

「何でもいいから教えてよ!誕生日くらいなら知ってるでしょ?」

「確か、七月の下旬だったか……もう過ぎてるな」

 

 そう言えば誕生日プレゼント渡すのを忘れていたな。それにしても誕生日か……何か忘れている気が……駄目だ、思い出せない。

 

「そっか、過ぎちゃってるのか……ま、いいわ!ありがと祥子」

「どういたしまして」

 

 そう言って屈託のない笑みを浮かべる。初めて会った頃の擦れた様子とは大違いだ。恋は人を変えると言うが、さくらも恋をしたのだろうか。

 

「さくらちゃーん!どこー?そろそろ勉強しよー?」

 

 少し離れたところから渚のさくらを探す声が聞こえる。その声にさくらの顔が明らかに変わった。それはもう満面の笑みだ。

 

 あ、そういうことか。ようやく私はさくらがどうして渚のことを聞いてきたのか理解した。陽菜乃が恋に年齢は関係ないと言っていたがこういうことだったんだな。

 

「今行くー!じゃあね祥子」

「ああ、じゃあな」

 

 さくらは手を振りながら渚に向かって走っていった。あんな小さな小学生ですら、恋ができるのだから、私もいつかはできるだろう。焦る必要なんて何一つないんだ。

 

 それにしても、恋か……烏間先生とビッチ先生の仲はあれからどうなったのだろうか……ん?ビッチ先生……あっ。

 

「あー!?」

 

 わかばパークに私の絶叫が響き渡る。園児と皆が一斉に私に注視した。しまった。今日じゃないか。何忘れているんだ。色々なことがありすぎて、すっかり忘れていた。

 

 10月10日、ビッチ先生の誕生日だ。

 

 

▽△▽

 

 

「ああもう!なんで忘れるんだ!」

 

 「予約」したケーキの入った箱と「植木鉢」を持って学校に向けて山道を走り続ける。日はすでに傾きかけ直に夜になることだろう。

 

「私の馬鹿!」

 

 確かにわかばパークでの仕事は慣れないこともあって忙しかった。でも、だからと言ってケーキを予約してプレゼントまで用意したのにも関わらず、忘れるなんていくらなんでも有り得ない。

 

「ケーキがあるからあんま速く走れないし……」

 

 持ち前の身体能力のお陰でケーキを崩さずに走ることができるが、それでもいつものように全力で走ることができない。後で悔いると書いて後悔と読むが全くもってその通りだ。

 

 そうやって心の中で自分に対して罵詈雑言の十字砲火を浴びせていると、見慣れた旧校舎に辿り着いた。空は既にオレンジを通り越して紫色に染まっている。

 

「電気が付いてる……」

 

 校舎の窓の一つが明るい。あの場所は職員室があるところだ。もしかしたらまだいるのかもしれない。私は急ぐ心を押えて校舎の中に入っていった。

 

 

▽△▽

 

 

「誰かいますか!」

 

 職員室の扉の前に立ち声を掛ける。中からは人間の気配がするので間違いなく人がいるだろう。そうやって待っていると程なくして扉が開いた。

 

「こんな時間に何よって……祥子じゃない」

 

 ビッチ先生が扉を開けたままの姿勢で固まった。視線は私の両手に持った箱と植木鉢に注がれている。その隙に職員室に入り込みケーキを机の上に置く。

 

「こんな時間に何しに来たの?まだあっちでの仕事残ってるって聞いたんだけど」

 

 ビッチ先生から飛んでくる疑問を無視して植木鉢を持つ。鉢には鮮やかな紫や桜色の花々が植えられている。

 

「何それ、アマランサス?」

「千日紅です。何でも10月10日の誕生花らしいです」

 

 私の言葉にビッチ先生の目の色が変わった。と言っても全部、ここに来る前に寄った移動販売の花屋の店員からの受け売りだけど。妙に掴みどころのない人だったか親切な店員だった。

 

「それって……」

 

 ビッチ先生に植木鉢を差し出す。一時はどうなるかと思ったが、これでちゃんと言える。先生の目を見る。

 

「誕生日おめでとうございます。イリーナ先生」

 

 作り笑いではない、本当の笑顔でそう言う。この人にも色々と恩がある。少しでも感謝の気持ちが伝わればいいんだが。

 

「へぇ、意外ね。あんたがそんなことするなんて」

「言ったじゃないですか、誕生日楽しみにしていてくださいって」

 

 忘れかけていたくせに何を言うんだと思わなくもないが、これは別に言わなくてもいいことだ。それにちゃんとここに来ることができたんだからそれでいいだろう。

 

「はいどうぞ」

 

 千日紅の植木鉢を手渡す。もう遅いけどもう少し見栄えの良い花にすればよかったかもしれない。

 

「……何で植木鉢?」

「すいません、急いでたもので植木鉢ごと買ってきました」

「てことは、あんたそれ持ってここまで走ってきたの?」

「そうなります」

 

 私が端的に事実を伝えると先生はしばらく黙った後、いきなり笑いだした。馬鹿にしているというよりも面白くて仕方ないといった笑いだった。

 

「ど、どうしたんですか?」

「あ、あんたが植木鉢持って真顔で街走ってんの想像したら……あ、あっはははは!」

 

 確かにケーキの箱と植木鉢持って走る姿は非常にシュールだろうけど別にそこまで笑わなくても……

 

「あー、おっかしい。あんたほんと見てて飽きないわ」

 

 やはり私は戦う以外のことはからっきしのようだ。仕方ないとはいえ八年のハンデを背負っている上に先生は接待のプロだ。私のような元傭兵では先生を喜ばすことはできないのかもしれない。

 

「まあでも」

 

 そうやって私が落ち込んでいると、先生が顔を逸らしながらそう呟いた。顔が少し赤いのはきっと気のせいじゃない。

 

「…………ありがと」

 

 とても小さい声だったが、確かに私の耳に届いた。文字にしてたった四文字のこの言葉が今は何よりも嬉しい。先生を喜ばせることができたのもそうだが、それと同じくらい戦いに全く関係ないことで人を喜ばせることができたことが嬉しい。

 

「なんであんたのほうが嬉しそうな顔してんのよ」

 

 どうやら顔に出てしまったらしい。きっと私の顔はだらしなくにやけてるのだろう。少し恥ずかしい。

 

「それにしても、あんたのことだから銃でもプレゼントするのかと思ってたけど、花なんて意外ね」

「私を何だと思ってるんですか……」

 

 いや、昔の私ならきっと自信満々にサブコンパクトだとかナイフだとかプレゼントするだろうけど。もうそこまで常識知らずじゃない。

 

 そこまで考えて先生の今言った言葉に引っ掛かりを感じる。先生は今「思ってた」と言った。もしかして……

 

「あの、もしかして待っててくれたんですか?」

「は、はぁ?そんなわけないじゃない!」

 

 あからさまに動揺した。思えば扉を開けた時もどことなくそわそわした感じだったし、きっと待っててくれたんだろう。本当に、約束を守ることができてよかった。

 

「ありがとうございます」

「だから違うって言ってんでしょ!もうそんな目で見ないでよ!」

 

 必死に取り繕うとしているが、正直言って火に油を注いでいるようにしか見えない。でも、私はこんな人だから好きになったのだろう。

 

「てか、さっき置いた箱ケーキじゃないの?早く食べないと痛むわよ」

「あ、そうでした。今開けますね……あっ!?ちょと崩れてる!」

 

 夕闇の校舎、私はビッチ先生と二人きりのささやかな誕生日パーティーを楽しんだ。今は何もできないのかもしれないけど、こうやって少しずつできることを増やしていこう。

 

 そう決意した夜であった。

 

 

▽△▽

 

 

 色々なことがあったが、残りの四日はあっという間に過ぎていった。松方さんも何とか復帰し私達の変わった授業は終わりを告げた。

 

 良い意味で変わり果てたわかばパークを見て松方さんは面白いくらいに驚いていた。当たり前だ。たった二週間でボロボロだった平屋が木造二階建ての巨大な施設に変貌したら誰だって驚くだろう。

 

 さくらもテストの時だけ学校に行って見事クラスで二番の点数を取ることができたらしい。彼女なりにああやってできることを少しずつ増やしているのだろう。ただそのやる気の根源が渚に向かってるのだけが気になった。

 

 私でもわかるレベルだったのだが渚本人はまったく気が付いてなかった。どうやら彼は人たらしの才能もあるようだ。今は女にしか見えないが成長したらとんでもないことになるかもしれない。

 

 最初は難色を示していた松方さんもこの結果には大満足といった様子で笑顔と共に自分達の仕事を果たして来いと背中を押してくれた。やはり人に認められるのは嬉しい。私達は自然と笑顔になった。

 

 初めはどうなるかと思ったが、実りのある二週間だった。仕事に楽しさを求めたりしないが、傭兵として働いていた時の何十倍も何百倍も楽しかった。

 

 人殺しのために鍛えた力だって誰かを笑顔にすることができる。その意味を改めて実感することができた。頭では理解していたが、心で理解することができたのはこれが始めてだった。

 

 と、ここまでは全て順調に事が運んだのだが……

 

「がーん……」

「さっちゃんがキャラ崩壊してる」

 

 となりにいた陽菜乃が心配そうに顔を覗き込んでくる。だが、そういう彼女の顔も心なしか落ち込んでいる。というか皆顔が落ち込んでいた。

 

「22位……」

 

 碌な勉強もせずに受けた中間テスト、その結果は言わずもがなである。E組の成績は大きく下がり、その中には当たり前だが私も含まれていた。

 

「7位だったのにー!7位だったのにー!」

「祥子、揺らすの止めて」

 

 カエデにあしらわれ行き場をなくす。本校舎に張り出されたテスト結果を見てからずっとこの調子だ。どうやら思っていた以上にショックを受けてしまった。なんだかんだいって10位以内には入れると思ったんだけどな。

 

「やば、私臼井さんに勝っちゃった」

「中村さん、追い打ち掛けるのやめてあげて」

 

 もう遅いよ。中村の無慈悲な一言が私の心に罅を入れる。だが、まだだ。まだ次がある!

 

「いいさ!次の期末で汚名挽回してやる!」

「臼井、それ言うなら返上じゃない?」

「…………」

 

 速水、今だけはそういうことは思っても言わないで欲しかった。周囲の苦笑いが突き刺さる。カエデも苦笑いだけじゃなくて何か言ってくれ。

 

「えっと……ごめん」

 

 もう遅いよ。

 

 

▽△▽

 

 

「でも、身に付けた力は他人もためにも使えるんだって、思い出しました」

 

 皆を代表して渚がそう言った。ここは職員室、私達は烏間先生に向かって決意表明とでもいうべきものをしていた。皆も渚の言葉に追従するように反省の言葉を言う。

 

 本当にその通りだと思う。力なんてのは結局は作用でしかないのだ。向ける方向によってその結果が変わるだけ、暗殺だって地球が救えるように、悪人だって子供を笑顔にすることができる。

 

「そう言えば学年二位だったんだな、おめでとう」

「いきなりどうしたの?」

 

 近くにいたカルマに小声で言う。彼はこんなことがあったのにも関わらず順位を上げたていた。きっと一学期の期末テストに思うところがあったのだろう。

 

「……別に羨ましいとか思ってないぞ」

「それどうみても思ってるでしょ……ま、でもありがとう」

 

 初めの頃はかなり尖った性格をしていたんだがな。彼も随分と変わったものだ。どれもこれも、先生達とそしてなによりE組の皆が自分で成長した結果なのだろう。

 

「君達の気持ちはよくわかった。だが、何にせよ今の君達では訓練は再開できんな」

 

 烏間先生の言葉に停滞していた時間が動き出すのを感じる。これからきっと色々なことが動きだすだろう。楽しいこともあるだろうし、危ないこともあるだろう。カエデのことだってまだ何も終わってない。

 

 また銃を握る日は必ず来る。でも私はもう間違えるつもりはない。私は烏間先生の部下が運んでくる物資を見ながら改めて誓った。

 




用語解説

アマランサス
ヒユ科の一年草、花弁は染料に、種子は食用にもなる。

千日紅
同じくヒユ科の一年草、紫やピンクの小さい花を多く咲かせる。鉢植えごとプレゼントする主人公は間違いなくポンコツ。

主人公が真人間になればなるほど用語解説が出来なくなっていくジレンマ。

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