スーパー艦隊大戦 Fleet Girls   作:モンターク

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こちらのほうもボチボチ……


第16話 再び

横須賀鎮守府

 

 

ピロロロロッ

 

陸奥「はい、こちら横須賀鎮守府秘書官代行の……あ、はい…」

 

陸奥「…本当ですか!?はい、はい!わかりました!」ガチャッ

 

比叡「どうしたんですか?」

 

陸奥「長門達の艦隊が西之島新島でコンタクト取れたって!」

 

榛名「本当ですか!?」

 

武蔵「今はどこにいるんだ?」

 

陸奥「今こっちに向かってて、もうそろそろで…」

 

コンコン

 

陸奥「……もしかして……」

 

ガチャッ

 

長門「……ただいま」

 

陸奥「長門!」

 

ガバッ

 

ギュッ

 

長門「ああ、心配かけてすまなかった……」

 

陸奥「ばかぁ…本当に寂しかったんだから………!」

 

比叡「姉さまと霧島は!?」

 

金剛「ここデース!」

 

霧島「ただいまです、比叡姉さまと榛名姉さま」

 

大和「武蔵、ただいま…」

 

武蔵「全く……」クイッ

 

陸奥「……ん?後ろの…方々は……」

 

三笠「久しぶりだな、陸奥」

 

エンタープライズ「はじめまして…だな」

 

比叡(B)「ほう…あれが…」

 

陸奥「……え?」

 

 

―――――

鎮守府内

 

 

葛城「……え?」

 

葛城「ええええええええええええ!?」

 

瑞鶴「…やっぱりね」

 

瑞鶴(B)「そこまで驚くこと?」

 

葛城「あ、憧れの瑞鶴先輩が二人……!」

 

葛城「ええっと…あーと……!」

 

瑞鶴「ん?」ペタン

 

瑞鶴(B)「ん?」プルンッ

 

葛城「…色々と豊かですね!こっちの瑞鶴先輩!」

 

瑞鶴(B)「いまどこ見てたの」

 

瑞鶴「まあ仕方ないわ、葛城が出来た時は私以外の空母は居なかったから」

 

瑞鶴(B)「それはわかってるけど……」

 

葛城「と、とりあえず一緒に写真とりましょう!瑞鶴先輩!」

 

瑞鶴(B)「葛城ってこういう子なのね……」

 

瑞鶴「悪い子じゃないから別にいいんだけどね……」

 

 

 

陸奥「なるほど、それが艦船少女というわけね」

 

エンタープライズ「正式名称はKinetic Artifactual Navy - Self-regulative En-lore Node…だ」

 

吹雪「き、きな…?」

 

金剛「日本語に意訳すると動力学的人工海上作戦機構・自律行動型伝承接続端子ということデスネー!」

 

吹雪「ど、動力…?」

 

日向「全くわからんぞ……」

 

エンタープライズ「それを縮めてKAN-SENと呼んでいる場合もあるが……」

 

イラストリアス「通常は単純に艦船少女を使っています」

 

イラストリアス「英語ではFleet girlとかwarship girlとかになりますね」

 

陸奥「……そして」

 

三笠「……ああ」

 

陸奥「三笠さんまで……角みたいなのが付いてるけど……」

 

榛名「行方不明だった三笠さんが……別世界にいたなんて…」

 

三笠「長期の不在…すまなかった…埋め合わせられるとは思わないが、これからは精一杯努力する」

 

武蔵「三笠さん…」

 

陸奥「……そういえば、アイオワ達は?」

 

霧島「アイオワさん達はアメリカ海軍基地で各政府に通信で報告中だそうです。こちらへのちほどとのこと」

 

陸奥「そう……」

 

比叡「………」

 

比叡(B)「ん?」

 

比叡(私より……お上品!?)

 

比叡「ひええええっ!?」

 

比叡(B)「あら、もうひとりの私…」

 

比叡「あ、いえ……よろしくおねがいします…!」

 

金剛「W比叡とW霧島デース!」

 

榛名「霧島は真逆な感じがします」

 

霧島(B)「そうか?」

 

榛名「私達の霧島は艦隊の頭脳としての面が、あなたは米戦艦「サウスダコタ」と戦った時の面が……でてるような気がします……」

 

サウスダコタ「僕がどうかしたか」

 

榛名「…え?!」

 

比叡「サウスダコタさんまでいるんですか!?」

 

霧島「艦娘は日本の艦船のほうに数が偏ってますが、艦船少女はアメリカなどの他の艦船の数も多いんです」

 

金剛「だからこうなったんデース!」

 

不知火(B)「よろしゅうな…」

 

不知火「……よろしくお願いします」

 

陽炎(やっぱりこっちの不知火のほうがしっくり来るわねえ……)

 

プルルルッ

 

陸奥「はい?……わかりました」

 

長門「どうした?」

 

陸奥「艦娘・艦船少女の長門、赤城、加賀、吹雪、エンタープライズ、イラストリアスに来てほしいって……提督から」

 

吹雪「わ、私もですか!?」

 

吹雪(B)「よかったね、ブッキー!」

 

吹雪「ぶ…ってそっちの私も呼ばれてるんですよね…?」

 

陸奥「ええ、艦船少女のほうにも来てほしいって…首相官邸まで」

 

加賀(B)「首相官邸に?」

 

赤城(B)「……帝都…か」

 

陸奥「あと三笠さんは工廠のほうに、妖精さんが色々と検査するって」

 

三笠「了解した」

 

―――――

パタパタパタパタパタ

 

海上自衛隊の輸送ヘリコプターMCH-101に乗り、官邸を目指す7人

 

赤城(B)「……やっぱりこの世界も変わらないのね……」

 

加賀(B)「…建造物はたくさんあるな」

 

赤城「大空襲を受けて、約70年……日本も随分変わりました」

 

加賀「だけど、心は変わらない……」

 

赤城(B)「……そうね」

 

エンタープライズ「……私があの時空襲したところでもある…か」

 

イラストリアス「ドーリットル空襲…ですね」

 

エンタープライズ「知っていたのか」

 

イラストリアス「はい、艦娘さん達や他の兵士さん達から聞きました」

 

エンタープライズ「……ホーネットと共に陸軍爆撃機を乗せての日本本土攻撃作戦」

 

赤城「あの作戦があったから、軍令部は当初は反対していたミッドウェー作戦に賛成することになって…」

 

加賀(B)「私達がミッドウェーに派遣された……そして……」

 

エンタープライズ「………」

 

長門「あの時は戦争だったからな……今更どうとは思わない」

 

吹雪「仕方なかったんです……でも、今は違うと思います」

 

長門「ああ、我々は今は同じところに居て、同じように行動している」

 

長門「「昔」なぞどうでもいい…大事なのは「今」だ」

 

イラストリアス「その通りです…私達は前に進まないと……」

 

エンタープライズ「……ああ、後ろばかり見ても仕方はない」

 

―――――

 

東京都 千代田区

首相官邸

応接室

 

五十嵐「うむ…なるほど、あなた方が艦船少女か」

 

五十嵐隼人

日本国内閣総理大臣

 

赤城(B)「重桜海軍第一航空戦隊所属、航空母艦「赤城」です」

 

加賀(B)「同所属、航空母艦「加賀」です」

 

エンタープライズ「アズールレーン第201独立遊撃部隊所属航空母艦「エンタープライズ」だ」

 

イラストリアス「同所属、航空母艦「イラストリアス」です」

 

五十嵐「そう改まらなくても大丈夫だ。話は聞いている」

 

五十嵐「平行世界が存在するというのは前の後世艦隊の件でわかってはいたが……こう実証されると凄まじいな」

 

イラストリアス「違う世界……本来交わるはずがない世界の人たちが」

 

大石「こう交わる…本来ならありえないが」

 

涌井「ここにある……奇跡ですな」

 

赤城(B)「……私達をここに呼んだ理由とは?」

 

五十嵐「……あなた方には頼みがある」

 

加賀(B)「頼み?」

 

五十嵐「君たちの話を聞く限り、少し前に日本領海を侵犯してきた深海棲艦でもない存在はセイレーンだということがわかった」

 

エンタープライズ「……我々のあの世界や後世のみならず、この艦娘の世界にまで…か」

 

吹雪「私達が居ない間に……」

 

五十嵐「我々はその対策のために各国の首脳陣と電話会談などを重ね、結果ある「協定」を制定しようという案があるのだ」

 

赤城「協定?」

 

五十嵐「「国際対特殊生物連携協定」だ」

 

五十嵐「今まで足並みが揃えきれてなかった対特殊生物戦の連携を強化し、深海棲艦などを始めとした怪獣などに対抗しようというものだ」

 

五十嵐「現在、我々の日本及びアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどを始め我々の世界では国連加盟国の殆どが参加を予定している」

 

加賀「我々の世界……つまり」

 

五十嵐「ああ、後世世界そして艦船少女がいる新暦世界ともその協定を締結したいと考えています」

 

大石「我々としては問題はないと思います、大高大統領に提案してみなければわかりませんが…承諾してくださるでしょう」

 

大石「後世の他の国に関しても特に問題はないと」

 

五十嵐「そして…新暦世界だが…」

 

赤城(B)「……無茶も良いところね」

 

赤城(B)「アズールレーン、レッドアクシズの両方は裏からセイレーンが糸を引いているわ」

 

赤城(B)「加盟していない小さな国家ならいけるかもしれないけど、雀の涙にもならない」

 

エンタープライズ「……後世世界と西暦世界の軍隊を私達の世界に攻め込めば落とすことは可能だ」

 

赤城(B)「ちょっと本気なの!?」

 

エンタープライズ「装備や練度を見る限り、私達の新暦世界は劣っている」

 

エンタープライズ「セイレーンによる無差別爆撃などにより人口はすでに従来の半分以下」

 

エンタープライズ「2世界が連合して攻撃すれば、攻め落とすことなど容易いだろう」

 

エンタープライズ「……だが、争いはまた争いを生む」

 

吹雪「………」

 

エンタープライズ「そして…二度三度とあの時の大戦以上の戦いになるリスクがある」

 

長門「……現実的では…ないだろうな」

 

エンタープライズ「ああ」

 

イラストリアス「でしたら……説得という形になるのでしょうか?」

 

赤城(B)「それこそ現実的じゃないわ」

 

加賀(B)「無茶も良いところね」

 

赤城(B)「あなた達の艦隊はすでに4大国家を敵に回しているのよ」

 

エンタープライズ「……だが、私は直接大統領や首脳陣と話したい」

 

エンタープライズ「セイレーンと手を組むことこそ「人類」のためになっているのか」

 

エンタープライズ「私はその疑問を解決したい」

 

エンタープライズ「それで道が違うなら……即座に叩き切る覚悟はある」

 

赤城「エンタープライズさん……」

 

エンタープライズ「…………」

 

赤城(B)「……はぁ、仕方ないわね」

 

加賀(B)「姉さま、いいのですか?」

 

赤城(B)「ええ、まあアテはないわけではないから……あの時見逃しておいて良かったわ…」

 

吹雪(B)「ああ、あの時の「アレ」……ですね?」

 

吹雪「?」

 

エンタープライズ「よくわからないが……感謝する」

 

赤城(B)「……」

 

赤城「……あなた…あの時戦った時より……変わった?」

 

赤城(B)「あら、そんなに変わって見えたかしら?」

 

赤城(B)「同じ空母「赤城」だから、むしろ自然じゃないかしら?」

 

赤城「……まあ、そうね」

 

加賀「……あなたも……変わったわね」

 

加賀(B)「…まあな」

 

提督「話はまとまったようだな」

 

涌井「うむ、では……」

―――――

 

横須賀鎮守府

艦娘寮

 

アナウンサー『現在深海棲艦の出現は確認されていませんが、引き継ぎご注意ください』

 

アナウンサー『以上特殊生物警戒情報のコーナーでした…続いて天気予報を……』

 

ホーネット「この世界じゃこんなこともやってるんだ……」

 

サラトガ「1954年のゴジラ襲来以降数々の特殊生物が日本や他国に襲いかかる事態が起きていたからですね」

 

アーク・ロイヤル「ホーネット達の世界ではそんなことはなかったのか?」

 

ホーネット「確か十年くらい前のセイレーンが出現する前は特になかったらしいよ」

 

イントレピッド「なるほど……」

 

長門「おっ、お前たちも来てたのか」

 

サラトガ「ええ、本国への報告も終えたので」

 

レキシントン「やっぱり違うわね……」

 

サラトガ(B)「?、なにかついてる?」

 

レキシントン「いえいえ、なんでもないわ」

 

長門「我々はしばらくは待機だ」

 

赤城「提督は?」

 

長門「今は色々と飛び回ってるそうだ。報告しなければならんことが山程あるようだからな」

 

赤城「…そう」

 

長門「……暇だな」

 

陸奥「そうね……」

 

アイオワ「だったら……いい暇つぶしがあるわよ!」

 

吹雪「?」

 

―――――

 

ジュワーッ

 

長門「なるほど……ばーべーきゅーというやつか」

 

アイオワ「こんなに数がいるんだからこうしたほうが一番いいでしょ?」

 

長門「…そうだな」

 

間宮「じゃんじゃん焼きますから、皆さんいっぱい食べてくださいねー!」

 

「「「はーい!」」」

 

というわけで艦船少女・艦娘の親睦BBQの始まりである

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

吹雪「んー!おいしいね!」

 

深雪「よ、吹雪!」

 

吹雪「深雪ちゃん!白雪ちゃんも!」

 

白雪「お久しぶりですね、吹雪ちゃん」

 

初雪「……ねむい……心配した…」

 

深雪「そうだぜ、急に行方不明になったと思ったら急に出てくるなんて」

 

吹雪「私もよくわかんなくて……」

 

吹雪(B)「ん?もしかしてブッキーの妹たち?」

 

吹雪「うん!そうだよ」

 

吹雪「あれ?磯波ちゃんや叢雲ちゃんは?」

 

深雪「磯波達はなんか哨戒任務中だってよ……残念だなぁ……」

 

吹雪「そうなんだ……」

 

白雪「この人は?」

 

吹雪「ええっと…艦船少女の「私」って言えば良いのかな…?」

 

深雪「へー!この人が噂の艦船少女の「吹雪」かあ…」

 

初雪「………ホントだ……」

 

吹雪(B)「よろしくね!」

 

深雪「よろしくな!」

 

白雪「よろしくおねがいします…」

 

初雪「…よろしく」

 

 

大和「お肉以外のも食べてくださいねー!」

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

国が違うどころか世界すら違う艦娘・艦船少女達

だが特に喧嘩とかもなく、和気あいあいなバーベキューになっている

 

摩耶「だからよ、防空はやっぱ大事だから、もっと機銃も電探もじゃんじゃんつけようぜ!」

 

摩耶(B)「そうだな……もっとつける必要があるな…」

 

鳥海「…つけすぎて主砲まで取っ払わないでくださいね?」

 

摩耶「へへ、流石にそこまではしねえが…対空ミサイルとやらを盛りだくさんにしようぜ!」

 

摩耶(B)「そんなこともできるのか?」

 

鳥海「それは流石に無理です」

 

摩耶「ちぇっ…」

 

 

 

 

 

エンタープライズ「……」

 

長門「ここにいたか…行かなくてもいいのか?」

 

エンタープライズ「夜の星が見たくてな…」

 

エンタープライズ「あまり見えないが…」

 

長門「最近は夜も都市部は光がたくさんあるからな…昔はもっと見えたんだがな…」

 

エンタープライズ「……だがこうして再び団欒できてよかった」

 

エンタープライズ「いつもこんな感じなのか?」

 

長門「まあ…深海棲艦との戦いもかなり落ち着いて暇なことが多いからな」

 

長門「ほぼ海外艦主催だがな」

 

エンタープライズ「……平和…だな」

 

長門「ああ……」

 

 

ワイワイワイ

 

提督「おう、やってるなぁ」

 

吹雪「司令官さん!」

 

赤城(B)「あら、提督様……今お戻りになられたのかしら?」

 

赤城「モグモグ…おかえりなさい」

 

提督「まあな……色々とくたびれてしまってな…」

 

提督「幕僚監部やら防衛省やら特生自衛隊やら国連G対策センターやら色々と回ってな……」

 

提督「だが、やっと部隊設立の準備ができた」

 

吹雪「部隊?」

 

夕立「どんな部隊っぽい?」

 

提督「それは正式発表をお楽しみ…ということにしておこう」

 

吹雪「え?」

 

夕立「気になるっぽい!」

 

―――――

工廠

 

明石「よし、精密検査完了です」

 

明石(B)「ここの工廠はきちんと設備が揃ってていいにゃー」

 

明石「そしてその角…やっぱりセイレーンですか……」

 

明石(B)「うーん……これは取るのも不可能にゃ…」

 

三笠「まあいい……仕方ないことだからな」

 

三笠「それより他の機能とかは問題ないか?」

 

明石「大丈夫ですよ、健康のそのものです」

 

三笠「そうか…ならこれからも戦える」

 

三笠「…旗艦業務は色々と大変なのでな…大和や長門や陸奥がいるからだいぶマシにはなったが」

 

明石「そうですね…では細かい結果は後でお知らせておきます」

 

三笠「わかった……」

 

―――――

三笠公園

 

三笠「……久しぶりだな、「我」」

 

三笠「…また発つことになるが…心配するな」

 

三笠「……私は「艦娘」「艦船少女」としての役割を果たすつもりだ」

 

三笠「日本を…世界を…救う」

 

 

「そのために……我は行く」

 

 

 

続く


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