一条家次男は第一高校   作:クッペ

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ローマ数字がぱっと読めない馬鹿です

今回で入学編は終わり、次回から九校戦編です


入学編Ⅸ

「お疲れ様、レオ」

 

「・・・なんの、ちょろいぜ」

 

「ふふっ・・・疲れてるじゃない」

 

 一行はブランシュが根城にしている廃工場へと到着した。レオが入る前から疲れているのは、廃工場の門を破る際に車に硬化魔法をかけるために多大な集中力を使用したからである。

 

「司波、お前が考えた作戦だ。お前が説明をしろ」

 

「分かりました。俺と深雪は正面から、十文字先輩と桐原先輩と煌輝は裏手から回ってください。レオとエリカは逃走した残兵の確保だ」

 

「始末じゃなくてもいいの?」

 

「無駄なリスクを負う必要は無いだろ。では、各自よろしくお願いします」

 

「桐原、一条。俺たちも向かうぞ」

 

「了解です」「分かりました」

 

 その場で達也たちと別れ克人と桐原と廃工場の裏手へと回る。到着するころには正面から乗り込んでいる達也たちは恐らく交戦中だろう。

 

「では行くぞ、準備はいいか?」

 

 頷いて完了であることを伝える。煌輝は特化型のCADを構え、桐原は刃引きした刀を持ち、それぞれ臨戦態勢に入る。

 克人がCADを操作し『ファランクス』を使って扉を破壊する。そのまま『ファランクス』を使いながら少し進むが、まだ敵の気配はない。

 

「どうやら、敵はもっと奥にいるようだな」

 

 それでも警戒を緩めずに奥へと進んでいく。遮蔽物が増えてきたところで銃を構える音が聞こえた。克人は『ファランクス』を発動し、煌輝は干渉装甲を展開する。ブランシュのテロリスト集団が銃を乱射してくるが、『ファランクス』も干渉装甲も突破できない。やがて装填してきた銃弾が切れたのか、リロードをしている隙に桐原が飛び出し『高周波ブレード』を発動しテロリストを切り裂いていく。残っているテロリストが居れば煌輝の『爆裂』が襲い、辺り一面には血によって紅い花が咲く。

 

「それが一条家の『爆裂』か・・・」

 

「幻滅しましたか?」

 

「いいや、こういう戦場では頼もしい限りだな。ただ絶対に敵には回したくはねえがな」

 

「二人とも、話すのはそのあたりにしておけ。何やら声が聞こえないか?」

 

 耳を澄ますと壁の向こうからは人の悲鳴や呻き声がかすかに聞き取れた。何やら壁の向こう側で交戦があったらしい。

 

「会頭、俺がこの壁を切り開きます」

 

 剣を抜き高周波ブレードを発動させ、壁に向かって切り付ける。壁が切断されその壁には青年が寄りかかっていた。その向こう側では脚の付け根から出血をしているテロリストが大勢おり、足元にはバラバラになった銃火器と思わしきものが多数転がっていた。

 

「ほう、やるじゃねえか司波兄。それで、こいつは?」

 

「それがブランシュのリーダーの司一です」

 

「へえ、こいつが・・・」

 

 声に怒気を潜めた桐原が『高周波ブレード』を発動させた剣で切りかかる。

 

「こいつか、壬生を誑かしやがったのはーーー!!!」

 

「ヒ、ヒィーーー!!!」

 

 指輪に埋め込んであるアンティナイトによるキャストジャミングを使うが桐原の『高周波ブレード』は効力を失わずに司一の右腕を切断した。

 

「ギャァーーーーー!!!!!!」

 

 悲鳴を上げ、血の雨を降らせながら失禁する。その光景に克人は眉を顰めてCADを操作する。切断面から煙が上がり止血される。廃工場での戦闘はこうして終止符を迎えた。

 

* * * * * * * * * *

 

 後日、ブランシュの日本支部が崩壊したことがニュースの一面を飾った。事後処理には十文字家と一条家が率先してやったので、報道では十文字克人、一条煌輝両名がブランシュを解散に追い込んだことになっている。これは一学生の達也たちが崩壊させたことを報道されることを避けるためだ。

 

 沙耶香は入院することとなった。マインドコントロールの影響が消えるまで、そしてエリカと戦った際の亀裂骨折の治療のための入院で、すぐに退院できるらしい。

 

 司甲、他剣道部の部員たちが罪に問われることは無かった。マインドコントロールの影響下にあったためであり、魔法科高校の学生が反魔法テロリストに加担していたという事実を表に引っ張り出さないためである。

 

 現在、煌輝は一条家の別邸。煌輝が今住んでいる家で一条家当主である剛毅に今回の事件の顛末を報告していた。

 

「――以上が今回のテロ事件の顛末とその報告です」

 

「うむ、ご苦労。まさか本当にブランシュが一高へ襲撃してくるとは・・・一条家の魔法師としての務め、よく果たしてくれたな」

 

「ありがとうございます」

 

「それで、学校生活は順調なのか?」

 

「・・・ああ、問題ないよ。授業も実習も上位に入っている。何もなければ、恐らく九校戦のメンバーにも選ばれると思う」

 

「将輝も九校戦でお前と戦うことを楽しみにしていた。俺は応援に行けないが、出るならば十師族として恥ずかしくない結果を残してくれ」

 

「分かっている」

 

「ではな。夏休みには実家に帰って来いよ」

 

 最後に少し、親子としての会話をして通話を終了する。

 煌輝はこの報告で一つ嘘をついている。学園生活は概ねうまく行っている。しかし一つ、自分は気にしていない事柄だが周りの自分を見る目が変わった。

 テロ襲撃で講堂で放った、そしてレオと共戦している時に放った『爆裂』。これを見た一般生徒が煌輝を畏怖の感情を込めるようになった。

 そして煌輝は、一高で孤立することとなった。




エピローグを含めてもこの短さ

今回は結構短めですね。九校戦も『無頭竜』とのいざこざは起こさないのでそこまで長くなることは無いでしょう、多分・・・
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