説明会にしては拙い説明ですが。なお説明に関しては原作を読みながら書いていないので間違ってることもあるかと思います…
今日は朝から九校戦の開会式がある。昨日の懇親会とは打って変わってピリピリとしたムードが漂っている。
開会式では規律を守ることを徹底され、九校の校歌が順に流されて終わりだ。
開会式が終わるとすぐに『スピード・シューティング』が始まる。一高からは優勝候補筆頭の真由美が出るとあって、応援団や観覧者のほとんどは『スピード・シューティング』の会場へと移動する。
『スピード・シューティング』は時間内に百個のクレーが飛ばされ、時間内にどれだけの数のクレーを破壊できるかで勝敗を決する競技だ。
『スピード・シューティング』は予選は個人で試技を行い、得点が高い順に本戦へと進む。本戦では他人のクレーを破壊すると減点となるが、個人戦では一色のクレーしか飛んでこない。つまり大規模な魔法でクレーを一気に破壊することが可能となる。
しかし真由美は予選と本戦で使う魔法が同じことで有名だ。『魔弾の射手』、ドライアイスの亜音速弾を作り出す故に『魔弾の射手』と呼ばれる魔法を使う。さらに真由美は先天性の知覚魔法『マルチスコープ』でステージの全容を把握することができる。
この二つの魔法で以て十年に一人の遠隔魔法の逸材と呼ばれていると言っても過言ではない。
煌輝も『スピード・シューティング』の会場へと向かう。新人戦はまだ先であるため、他の競技を見ていることしかできないためだ。
真由美は第一試技、一番最初ということもあり席は既に客で埋め尽くされていた。座る場所を確保できなかったため、最後部の立ち見台を使う。『スピード・シューティング』はステージの全容を把握するために前の席よりも後ろの方で見たほうがいいのだが、前の方の席には男性が多い。恐らくは真由美の『ファン』というやつなのだろう。
真由美は試技台でCADを構えて競技が始まるのをじっと待っている。
試技開始のシグナルが三つから二つに、二つから一つに、やがてすべてのシグナルが消えたところでクレーが発射される。
構えていたCADの引き金を引く。ドライアイスの球が生成され亜音速でクレーへと飛翔していく。次々と引き金を引きクレーを破壊していく。制限時間が終わる五秒前、ここまでは問題なくパーフェクト。残りのクレーは十個。やがてクレーが発射され終え試技が終了する。ここまで真由美が引き金を引いた回数は百回。つまり百個のクレーを百回の魔法で打ち終えた。
パーフェクトで本戦出場を確実なものとする。真由美が遠隔操作の魔法の逸材ということを知識として知ってはいたが、ここまでとは思わなかった。
観客席に手をあげながら退場していく最中も歓声は鳴りやまない。退場して約一分、歓声は鳴り響き続けた。
* * * * * * * * * *
所変わって『バトル・ボード』の会場。煌輝がここに向かっているのは摩利による風紀委員招集指令のためだが、それを抜きにしても摩利のレースは見ようと思っていた。
早めに到着していたということもあり、達也たちと合流できた煌輝は達也たちとレースを見ることにした。
『バトル・ボード』は三キロのコースを三周、サーフィンのようなボードで駆け抜ける競技だ。
「女子にはつらい競技だ。ほのか、体調管理は大丈夫か?」
「大丈夫です。達也さんにアドバイスをしていただいてから体力トレーニングはずっと続けてきましたし、選手に選ばれてからは睡眠も長めにとるようにしていますから」
「ほのかも随分と筋肉がついてきたんですよ」
「やめてよ、深雪!私はそんなマッチョ女になるつもりはないんだから」
間で聞いていた達也は思わず吹き出してしまう。傍で聞いていた煌輝も破顔しそうになったが、意識して表情筋を引き締めて何とか堪える。
「ほら・・・達也さんに笑われちゃったじゃない・・・」
「それはほのかの言い方がおかしかったから」
雫がフォローするがそのフォローは無駄に終わる。
「ふんだ、私だけ仲間はずれなんだし。二人と違って私は試合も見てもらえないし」
突然いじけだすほのかに困惑する達也。流石に笑っていられなくなったらしい。
「『ミラージ・バット』は担当させてもらうんだがな・・・」
「『バトル・ボード』は担当してもらえませんよね。雫と深雪は二競技とも達也さんが担当するのに」
一応のフォローを入れるがどうにも逆効果らしい。
「ほのかはそういうことを言ってるんじゃないと思いますよ?」
深雪が言い放ち、
「達也君の意外な弱点発見?」
「意外と朴念仁?」
エリカと雫の追撃で何も言い返せるような雰囲気ではなくなってしまった。
しばらく言いたい放題にされていると、やがて選手紹介のアナウンスが鳴る。摩利が紹介されたとき、観客の女性から黄色い声援が浴びせられる。それに手をあげて応えると一際大きな声援が鳴り響く。
「相変わらず偉そうな女・・・」
エリカが周りに聞こえないようにボソッと呟く。
スタートの合図のシグナルが点灯する。一つずつ減っていきシグナルが消えると同時、選手の誰かが水面を爆発させる。
「自爆戦術!?」
「無意味なことを・・・」
思わず煌輝は呟いてしまう。落水は失格にはならないが大幅なタイムロスなってしまう。恐らくは波の推進力を使って前へ進み、あわよくば優勝候補の摩利を落水させようと思ったのだろうが、自分がバランスを崩すほどの波を作ってどうしようというのだろうか。
摩利はその波を意に介さず一人走り出す。
「なるほどな、硬化魔法と移動魔法のマルチキャストか」
「硬化魔法?」
達也の呟きをレオが拾って聞き返す。自分の得意魔法とあって聞き逃さなかったのだろう。
「硬化魔法の定義は物質を固くすることではなく、相対位置を固定する魔法だ。ボードと自分を一つのものと定義して、相対位置を固定しているのだろう」
ボードと自分を固定することによってボードから振り落とされることは無くなるということだ。
そのまま摩利は独走を続け、一周し終えたところで他の学生との差は一目瞭然。予選をトップ通過したのだった。
こういうところで何か一言賭けるようなネタが欲しいです…