…ってしたかったです…
あ、誕生日なのは本当です。祝ってくれるとすごく喜びますwwwww
新人戦一日目、今日は『スピード・シューティング』だ。今日は特に予定は無かったので将輝と待ち合わせをして『スピード・シューティング』の会場へと向かうことにした。
『スピード・シューティング』に出場するのは一高からは森崎、三校からは吉祥寺となっており、新人戦男子『スピード・シューティング』の優勝候補は三校の吉祥寺との呼び声が高い。
「一高で警戒しているのは森崎選手だが、お前の目から見て森崎選手はどうだ?」
「魔法の発動速度は確かに早い。だけど干渉力はジョージの方が上だ。もし決勝で森崎とジョージがぶつかったら恐らくジョージが勝つだろう」
「おいおい、自分の学校の選手に期待はしてないのかよ」
「お前が聞いてきたから答えたんだけどな……それにこれは客観的な分析だ。勿論一高の選手に優勝はしてほしいさ」
新人戦の『スピード・シューティング』も最初は一人の試技だ。その試技で特典が高い選手が本戦へと駒を進める。
最初は一高の森崎だ。試技台に上がりCADを構える。
開始のシグナルが点灯し消える。左右からクレーが一斉に飛び出した。
森崎はクレーそのものに移動魔法をかけてクレー同士をぶつけることによってクレーを破壊する戦法だ。これは歴代の上位者が良く使う戦法で、ありきたりだが確実な結果は殆ど保証されていると言っても過言ではない。
森崎は順調にクレーを破壊していくが少しずつミスをしていく。制限時間が残り三十秒で破壊したクレーの数は七十七個。最後まで引き金を引き続けクレーを破壊していく。
制限時間終了時の個数は八十七個。新人戦はほぼ間違いなく通過できるであろう点数だった。
次々と選手が入場し試技をしていくが、今のところトップは森崎の八十七個だ。やがて吉祥寺の出番となる。
吉祥寺が入場し試技台へと立ちCADを構える。開始の合図が鳴りクレーが一斉に発射れると同時に吉祥寺はCADの引き金を引く。
「将輝、ジョージのあれは『不可視の弾丸』でいいんだよな?」
「ああ、それで間違いない」
吉祥寺は引き金を引き続けクレーを破壊し続ける。制限時間残り一分だがうち漏らしている個数はゼロ。つまりは現在パーフェクトである。
残り一分も油断せずにCADの引き金を引き続け制限時間の五分が経過し、試技終了のブザーが鳴る。
結果は百個。新人戦が始まって初めてのパーフェクトに会場は大きな歓声に包まれる。吉祥寺は歓声に手をあげて応え退場していった。
そのまますべての選手の試技が終了した。一高からは森崎が予選二位で通過。それ以外の選手は残念ながら予選落ちだ。
三校からは吉祥寺ともう一人の選手が予選を通過した。男子『スピード・シューティング』の新人戦で唯一パーフェクトを叩きだした吉祥寺はそのまま本戦でもパーフェクトを出し続け、決勝では森崎と当たった。
煌輝の予想通り、新人戦『スピード・シューティング』は吉祥寺の優勝で幕を閉じた。
女子『スピード・シューティング』は一位、二位、三位を一高が独占する快挙を達成することとなった。
特に一位の雫が使った『能動空中機雷』は魔法大学のインデックスに載せる打診が来たほどだ。『能動空中機雷』の開発者は達也なのだが、達也は雫にしてほしいと答えたらしい。そのことで一悶着あったようで、インデックスに関しては保留となった。
* * * * * * * * * *
夜となり達也は明日の選手のCADの調整のため部屋を空けている。暫く帰ってくることは無いし、明日はとうとう『ピラーズ・ブレイク』の新人戦の日だ。将輝との直接対決(煌輝は将輝と自分が負けることはあり得ないと思っている)ので早めに寝ようと思っていたのだが、煌輝と達也の部屋に来客があった。
煌輝はドアに近寄り誰かを確かめる。
「どなたでしょうか?」
「一条君ですか?司波深雪です。入ってもよろしいでしょうか?」
「はあ、どうぞ……」
ここで深雪が来るとは全く思っていなかったため間抜けな声が出てしまった。深雪はそのことは気にせずに部屋へと入ってくる。
「あの、お兄様はあとどれくらいで戻ってくるでしょうか?」
「恐らくは十分ほどだと思いますが」
思わぬ来客が来たため、就寝しようと思っていた煌輝だが寝るわけにはいかなくなった。将輝と違って深雪に惚れているわけではないのだが、何せ深雪は絶世の美少女だ。そうじゃなくても女子が部屋にいる中で一人寝られるほど、煌輝の神経は図太くない。
達也が帰ってくるまで思いの外時間がありそうなため、寝ないで明日の競技の事を考えていると深雪から声がかかる。
「何をしに来たか聞かないのですか?」
「聞いて欲しいんですか?こんな時間に訊ねてくるってことはそれだけ大事な用があると思ったんですが、俺が聞いても良い事なのでしょうか?」
「いえ、聞いて欲しいわけじゃなかったんですが何も聞いてこないのが少し不思議だったので」
「他人の詮索を無駄にすると碌な目に合わないと思っているので。経験があるわけじゃないんですが。というか深雪さんこそ、こんな時間に俺が一人でいるところによく訪ねてきましたね。危ないとは思わなかったんですか?」
「何がですか?」
首を傾げながらこちらに問いかけてくる。
「いやほら、男子の部屋に夜女子が一人で訪ねてきて何か事故が起こらないかとか……何言ってるんだ俺。すいません、今のは――」
「一条君ならそんなことしないと思ってますよ。それに、そんなことしたらお兄様が黙ってませんからね」
クスクスと笑いながらそれにと続ける。
「それにそういうこと言う人は大体そんなことはしないものですよ?そういうのに詳しいわけではありませんが、下賤な輩は何も言わずに襲ってくるでしょうし」
ぼやかしてた部分をはっきりと言われ逆に赤面してしまう。どうしたものかと思考を巡らせていると達也が戻ってくる。
「こら、何時だと思ってるんだ」
煌輝は今まで達也が深雪に説教らしい説教をしているところを見たことが無い。その達也が深雪に声を荒げていたことに少し驚く。
「申し訳ありません!」
「寝不足は判断力の低下を招く。いくら深雪でも何があるか分からないんだ」
「申し訳ありません……」
「さあ、部屋まで送っていくよ」
「あの、お兄様。少しお話したいことが……」
そう言ってこちらをちらりと見てくる深雪。その意図を煌輝は理解する。
「なんか喉渇いたな、達也は何か飲みたいものでもあるか?」
「?いや……特にないが」
「分かった。ついでにその辺を散歩してくるから十分後くらいには帰ってくると思う」
「煌輝、お前も明日試合だろ……」
達也が何か言っているようだが上にジャージを羽織って部屋を後にする。『お話』とやらが何かは分からないが、自分が聞いていいものではない。そう判断し部屋を退出する。部屋を出るとき深雪が目礼をしていたので軽く手をあげることでそれに返礼する。
十分ほどロビーで時間を潰して部屋へと戻る。ロビーの自販機で達也にお茶を買っていき部屋に帰ってそれを渡す。
「悪いな、変に気を使ってもらって」
「構わないさ。他人に聞かれたくないことなんて、いくつも抱えてるものだろ?」
「……ああ、そうだな」
そのままベッドに入り就寝する。明日の試合を心待ちにしながら。
* * * * * * * * * *
起床時間となり朝食を食べ終える。制服に着替え『ピラーズ・ブレイク』用の衣装、CADを持って作業車へと向かう。
「中条先輩、おはようございます」
「おはようございます、一条君」
「おはようございます、中条先輩」
「早速CADを調整しようと思うのですが良いですか?」
「ええ、お願いします」
ヘッドセットをつけタッチパネルに両手を置く。想子波を測定しそれを最大限CADに反映してもらう。
「はい、取っていただいて大丈夫ですよ」
ヘッドセットを取り作業している場所へと戻る。
「はい、調整が完了しました!感触とかどうですか?」
「いつも通り、ばっちりです。ありがとうございます」
「いえいえ、それが仕事ですから」
「必ず優勝とは行かないかと思いますが、それなりの結果を残すことは約束しますよ」
「もう、そこは優勝するって言い切ってもらわないと」
「はは、そうですね」
新人戦開始まで、残り一時間。
pixivの方で全く関係ないダンまちとFEのクロスオーバー書いてみました。
要望があればこちらにも上げようと思います