一条家次男は第一高校   作:クッペ

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三箇日は親せきの集まりがあって正直面倒です・・・


入学編Ⅶ

 真由美は煌輝と克人を従えて、生徒会室の応接机で紗耶香との要求についての概要を聞いていた。

 概要については『一科生と二科生の待遇の改善』とのことらしいが、具体的にどうしてほしいかは答えられなかった。あとに聞いた話だが、達也が沙耶香に同じことを聞いていたがその時も答えられなかったという。

 この場で話が平行線で進まないので、明日公開討論会を開催することが決まった。沙耶香とはその場で別れ、生徒会室には真由美と克人と煌輝が残る。

 

「二人とも、気づいてる?今日放送室で捕えた生徒たちのこと」

 

「青と赤で縁取られたリストバンドだろう。あれはエガリテである証みたいなものだ」

 

 克人がそう答え、煌輝は首肯することで真由美の問いに答える。

 

「校内であんなリストバンドを大っぴらに着けて、一体何がしたいんだ?」

 

「壬生さんの受け答え、違和感があったと思うの。待遇の改善を要求しているのに、具体的には何も考えていないなんて・・・まるで自分の考えじゃないみたい」

 

「つまり、マインドコントロールの疑いがあるということですか?」

 

「分からないわ、でもエガリテの構成員が一高内に入っていることはこれで分かったでしょう」

 

「彼らはエガリテという組織を理解していないのでしょうか?それとも理解したうえで、あのリストバンドを着用しているのでしょうか?」

 

「それについては確証は持てんが、恐らく知らないだろう。反魔法テロリスト集団の下部組織であるエガリテであることを知っているのならば、この学校に通っている意味は無いからな」

 

 ブランシュは社会的に魔法師の収入が非魔法師である者の収入より上回っていることから、魔法という技術を目の敵にしており社会から魔法を撤廃させようとしているテロ組織である。その下部組織がエガリテである。

 

「明日の公開討論会、無事に済むと思う?」

 

「あまり言いたくはないのだが、恐らく済まないだろう」

 

「自分もそう思います。恐らく明日の公開討論会は囮になる。ここまでが敵の思惑通りだとするのならば、明日の公開討論会の間に、何らかの問題が発生してもおかしくはないと思います」

 

 ここに集まっている十師族の面々の意見は統一された。何かが起こる前に対策を練らなくてはならない。何かが起こってからでは、後手後手に回るのは得策ではない。

 

「一条君、明日の公開討論会の時、あなたは服部君と一緒に壇上に上がっていてほしいのだけど構わないかしら?それと、今は持っていないようだけど特化型のCADも忘れずに持っていてくれるかしら?」

 

 その発言に煌輝は目を見開く。特化型に入っている術式は『爆裂』を中心とした敵の殲滅魔法、敵を殺してその場を収める魔法だ。

 つまり有事の際は敵の生死は問わない、それを踏まえて真由美は煌輝に特化型のCADを持つように指示したのである。

 

「分かりました、敵の生死は問わせません。生徒側に危害を加えるようなことがあれば、俺がこの手で葬ります」

 

「ええ、構わないわ・・・ごめんなさい、そんな酷い役回りを任せてしまって・・・」

 

「気にしないでください。もとより俺の手は既に汚れています。佐渡侵攻に参加しましたから」

 

 新ソ連が軍隊を率いて佐渡へと攻めてきたことがある。その際に敵軍の撃退を担当したのが一条剛毅を中心とした義勇軍だ。将輝と煌輝はその義勇軍に参加しており、『爆裂』を持って敵兵を何人も葬り去ってきた。

 その事実をこの場にいる二人はもちろん知っているし、魔法師社会でも将輝と煌輝の二人の名声はかなりのものだ。

 

「ええ、頼りにしているわ。さて、今日はもう解散しましょ」

 

* * * * * * * * * *

 

 次の日の五限、六限の時間を使って公開討論会が開かれることを全校生徒へと通達がなされた。

 朝から同盟が支持者を集めるために活動をしていたが、そんなことに意味があるとは思えない。魔法を学ぶために魔法科高校に来たというのに、その魔法の評価だけで一科生か二科生か、またその待遇が変わるのはおかしいという話だが、そもそも一科生と二科生に違いは指導教員がいるかいないかの差だけである。率先して活動している剣道部も剣術部と同じ日数の体育館が割り当てられているし、魔法系クラブと非魔法系クラブの部費の違いも課外活動の実績で決められているものであって、一科生と二科生ということは関係ないのだが、どうやら同盟側は何やら勘違い、という名の洗脳を受けている可能性が高い。

 公開討論会が始まり、同盟側の生徒が待遇改善の要求を述べるが真由美はすべての意見に対して説明をし、同盟側はそのまま引き下がるという形が続いている。

 そのまま公開討論会は真由美の演説会のようになっていった。

 一科生と二科生の意識の差こそが問題だ。自分が生徒会長の任期を終えるまでにその意識の差を少しでもなくしていくように努力していく。

 真由美の演説が終わり行動は拍手喝采に包まれるが、その時後者の方から爆発音が聞こえ、リストバンドを身につけた同盟の人間が行動を起こし、控えていた風紀委員がそれを取り押さえる。しかし講堂の窓から煙を吐き出す榴弾が飛び込んできたが、それは煙を吐き出す前に窓の外へと飛ばされていった。

 煌輝は壇上から飛び降りて特化型のCADを乱入者へと向ける。

 

「止まれ、武装を解除し手を頭の後ろへ組め!もしも反抗をするようならば、命の保証はできない」

 

 勧告をしたのだが敵の一人が銃を煌輝に向かって発砲する。煌輝は干渉装甲で銃弾を防ぎ、CADの引き金を引く。

 銃を発砲したテロリストは、煌輝がCADの引き金を引いた瞬間紅い花を咲かせ悲鳴を上げる間もなく絶命した。

 これが一条家の秘術の『爆裂』である。液体を気化させることによって内側から爆発させる。人に使えば紅い花を咲かせ、機械に使えば液体電池が気化し爆発する。今どきの機械は液体を使われていない機械はほとんどないため、『爆裂』を防ぐ手段は無い。

 煌輝はそのまま引き金を引き続ける。侵入者が全員絶命をした時点でCADを仕舞う。煌輝が引き金を仕舞い終わった時点で行動のそこかしこで口元を押さえて行動から出て行く生徒が続出し、煌輝の見る目が変わったがそのことを煌輝は気にせずに、真由美に講堂の外を制圧してくることを告げて講堂を後にした。




爆裂使いたかっただけ
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