仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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どうも、剣 流星です。
今回は鋼の錬金術師の世界に行った時の回想を入れました。
ちなみに回想のシーンはアニメの最終回の前の63話を元にしてあります。
では第12話をどうぞ。


第12話 銀子の正体と誠也の回想

銀子「さ~て、キリキリ話してもらおうかな~♪」

 

誠也「・・・・・・・・・・」

 

 

神谷竜輝とカズミが黒羽寧子達に自分たちの事を話している時とちょうど同じ頃。御奈神村にある岩永家の誠也達にあてがわれた部屋。

ここで誠也、孝介、翔子の三人は銀子の前で正座で座らせられていた。

 

銀子「今朝方と、そしてさっきの誠也くんと翔子ちゃんがいきなり消えたり現れたりした現象、その説明をきっちりと話してもらうからね♪」

 

三人の目の前で楽しそうにしゃべる銀子。

 

実は誠也達はテレポートリングを使った場面を銀子に見られてしまったのである。

それで銀子はその事について説明してもらおうと三人を捕まえて、今、話を聞こうとしているのである。

 

翔子「・・・・・まさか誠也くんが魔法を使った所を見られてたなんてね。」

 

誠也「・・・・こっち来てから、魔法を見られるポカを立て続けにやるなんて・・・急いでいたとは言え、何ってマヌケをやってるんだ、俺・・・・・」

 

孝介「・・・それで、どうするんだ?やっぱり銀子さんにも事情を話して秘密にしてもらうのか?」

 

銀子に聞こえないよう、ヒソヒソ声で話し合う誠也達。

 

銀子「うん?なに内緒話をしてるのかな~?」

 

誠也「い、いいえ、別にナイショ話しなんてしてませんよ。」

 

銀子「そう?なら早いとこ教えてもらえるかな~。」

 

誠也「はあ~・・・・・話すしかないか~」

 

そう言った後、誠也は銀子にライダーの事やその関係者、協力者の事とコレまでの事を話した。

銀子は話しの途中までは、「へ~」とか「ホントなの?!」とか言いながら驚いた顔をしていたが、誠也が協力者で有るはやて達が現在所属している時空管理局の話をした時に顔色が変わり、誠也がこの御奈神村に怪物退治に訪れた事、そして昨夜、熊のゾンビに襲われて倒し、熊ゾンビを倒した跡地で青い石の様な物を拾った事を話した時には普段のおちゃらけた雰囲気はナリを潜め、鋭く、厳しい顔になっていた。

 

誠也「・・・で、遠羽市からさっきテレポートリングで戻ってきたんですよ。ん?・・・・・・銀子さん?」

 

話し終えた誠也は、目の前で難しい顔をしている銀子を見て変に感じ、声をかけた。

 

銀子「・・・ねえ、誠也くん。昨日拾ったって言ってた青い石。それ・・・私に渡してくれないかな?」

 

普段のおちゃらけた雰囲気とは違う、いつになく真剣な顔をした銀子が、昨晩拾った青い石を渡して欲しいと真剣な声で言ってきた。

 

誠也「・・・何でです?」

 

誠也は銀子の様子がおかしい事と、例の怪しい青い石を渡せと言う言葉を聞いて怪しみ、真剣な顔をして銀子に聞き返した。

 

銀子「あれは・・・この世界(ここ)の人の手に余る物。持っていてもロクなことにはならないよ。」

 

誠也「・・・あれが何なのか知ってるんですか?ひょっとして、アレがあの熊をあんな姿にした元凶なんじゃないんですか?」

 

銀子「・・・・・・・・・」

 

誠也の問いに黙ったまま、無言で答える銀子。

 

誠也「・・・どうなんです。」

 

銀子「・・・・・・・・」

 

無言のまま、誠也を見る銀子。誠也もまた黙ったまま銀子を見つめて、銀子が次の言葉を言うのを待った。

 

誠也「・・・・・・・」

 

銀子「・・・・・・・」

 

翔子と孝介の見ている目の前で黙ったまま、相手を見続ける二人。

 

誠也「・・・・・ふ~~、わかりました。」

 

長い沈黙が続いた後、先にその沈黙を破ったのは誠也だった。

 

誠也「仕方がない、あの石は渡します。」

 

銀子「えっ?本当!?」

 

誠也の意外な声に驚き、声を上げる銀子。

 

誠也「ええ。ただし!あの石とあなたの正体等、あなたが知っている事を洗いざらい喋ってもらうのが条件です。」

 

銀子「えっ?あ、いや・・・・・・・嫌だな~♪女の子の秘密を知りたがるなん「茶化して誤魔化そうとしても無駄ですよ。」って・・・・・・」

 

誠也「さっき銀子さんは「この世界(ここ)の人には~」と言いましたね?それはつまり、銀子さんがこの世界の外から来た人だってことですよね?」

 

銀子「あっ!」

 

誠也の言葉を聞いて、「しまった!」と言う顔をする銀子。

 

誠也「そうなると、あの青い石もこの世界の物じゃないという事にもなる。違いますか?」

 

銀子「・・・・・ふ~~、さすがだね。やっぱり外の世界の事を知っている人にさっきの一言は致命的だったわね。」

 

やれやれと言うような仕草で言う銀子。

 

銀子「お察しの通り、私はこの世界の者じゃないよ。」

 

観念したようにしゃべりだす銀子。

 

翔子「え?」

 

孝介「じ、じゃあ・・・」

 

銀子「ええ。私は、さっき誠也くんが話してくれた「時空管理局」の人達と同じ異世界人だよ。」

 

誠也「・・・やっぱり。」

 

銀子「あ、でも私は君が言う「時空管理局」て言う組織が管理している世界の人間じゃないよ。私の居た世界じゃ「魔法」の力は禁忌になってたからね。」

 

誠也「え?じゃあこの世界・・・地球と同じ管理外世界の出身なんですか?」

 

銀子「管理外世界の出身と言うか・・・たぶん管理局は私達の世界を発見してないと思うよ。だから管理外世界じゃないよ。そもそも発見さえされてもいないんだから、管理外世界なんて名付ける事すらできないでしょう?」

 

誠也「まあ・・・・確かに。それで、どうなんです?あの青い石の事を含めて話してくれますか?」

 

銀子「誠也くんも自分の秘密を話してくれたし、それに外の世界を知っている誠也くんなら理解も出来ると思うから話そうと思うけど、その前に一つ質問させて。」

 

誠也「質問?なんです?」

 

銀子「なんであの青い石について聞きたがるのか教えて欲しいの。なんで?ただの好奇心?」

 

誠也「違いますよ。僕はまたあの怪物のような物が出てきて人に害を出すのかと危惧してるんです。それに・・・もしあの石のせいであの熊があんな姿になったのなら・・・・そして、その力がもし奴ら・・・財団の連中に知られたなら、きっと悪用されると思うんです。だから、僕はあの石をカナリヤに言って分析してもらって、万が一の時に備えて対策を立てやすいようにと、そう思って・・・だから聞いたんです。決して好奇心で聞いているわけじゃないです。」

 

誠也は強い意思がこもった瞳で銀子を見ながらそう断言した。

 

銀子「・・・嘘を言っている目じゃないね。ごめん、昔、似たような事を言ってい私に近づいて、私の力の源の羽衣を奪おうとした奴がいてね。ちょっと疑り深くなっててね、ごめん。君は好奇心の為じゃなく、誰かがあの力で傷つかないようにするために知ろうとしていたんだね。その言葉、信じるよ。」

 

誠也「あ、ありがとうございます。」

 

銀子「良いわよ。それじゃあ早速話すね。でも、その前に・・・」

 

そう言って銀子は立ち上がった後、部屋の入口の前に移動し、入口の麩に手を掛けた。

 

銀子「そんな所じゃ話も聞きづらいでしょう?こっちに来て聞いたら?さ・く・や・ちゃん♪」

 

そう言って銀子は、入口の麩をいっきに開け放った。

 

さくや「!?」

 

開け放った麩の向こう側、そのには麩に耳を当てて、部屋の中の会話を聞いていたさくやが、麩に耳を当てて聞いていた姿のままでつっ立っていた。

 

翔子「えっ?」

 

誠也「さ、さくや・・・さん?」

 

孝介「さ、さくや、盗み聞きしてたのか?」

 

さくや「え、え~と・・・・ええ、まあ。」

 

翔子「い、いつの間に・・・・」

 

誠也「な、何やってるんです・・・・」

 

さくや「え、いや・・・・だって、兄さん達が部屋に集まって何やらコソコソと話しをしていたみたいだから、つい気になって・・・・」

 

誠也「盗み聞きしたってことですか。はぁ~、ちなみにどの辺りから聞いてました?」

 

さくや「え~っと銀子さんが「リキリ話してもらおうかな~♪」と言った辺りからですけど・・・・」

 

孝介「殆ど最初からじゃないか・・・・そう言えば、この家、壁が薄いから話し声が結構丸聞こえなんだった。」

 

誠也「そう言えば、昨夜もそのせいで、翔子が孝介さんと銀子さんの話を聞いて「ごんた」の所に行ったんだった。」

 

銀子「う~ん、重要な話をするにはいささか不向きな所だったね。このままここで話すと皐月ちゃんにまで話を聞かれそうだね~。」

 

さくや「あっ、それな大丈夫だと思いますよ。さっき皐月さん、夕飯の買い物をするために出かけていきましたから。」

 

銀子「あ、ならこのままここで話しちゃうか。あ、さくやちゃんにも話を聞いて貰うけどいいよね?」

 

誠也「そうですね。話を聞かれちゃったし、このままさくやさんにも話を聞いてもらいましょう。」

 

銀子「そうだね。それにこれから話すことはさくやちゃん自身にも関係が有るからね。」

 

さくや「え?私自身にも?」

 

銀子「正確には「皆神の家に」だけどね。じゃあ話すよ。」

 

そう言って、銀子の話しが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、遠羽市に有る鳴海の家のリビング。

時刻はちょうど夕食が済んだあたりの時間。昼間、自衛隊の襲撃を受けた霞は幼馴染の「坂橋圭介」と携帯で話していた。

 

圭介『本当にすまん!肝心な時に側に居なくて。』

 

霞「もういいよ圭くん。お兄ちゃんに助けてもらったから、私もかなでちゃんも無事だから。」

 

電話越しに何度も誤っている圭介に対し、本当に申し訳なさそうな顔をしながらもう良いと言う霞。そんな霞を少し離れた場所からかなでが見ていた。

 

霞「それで圭くん、今日はもう帰ることができるの?」

 

圭介『それが・・・親父にもこの事で連絡が行っていて、親父から「一晩警察署(そこ)の留置所で頭を冷やせ!」って言われて、それで・・・・・』

 

霞「まだ、警察なんだ。」

 

圭介『ああ。明日の朝には出してもらえるみたいだから、その後そっちに顔を出すよ。あ、そろそろ携帯切るな、伊佐山のおっさんがすごい顔でこっちを睨んでるからな。』

 

霞「あははは・・・・・と、兎に角、明日の朝だね。連絡待ってるから。」

 

圭介『ああ、じゃあ。』

 

そう言って圭介からの携帯が切れた。

 

かなで「携帯、例の補導された幼馴染から?」

 

先程までの携帯でのやり取りを見ていたかなでがかかってきた携帯の相手の事を聞いてきた。

 

霞「うん、明日の朝には帰れるって言ってた。」

 

かなで「警察で一晩って・・・・・相当暴れたみたいだね(^^;)」

 

霞「うん、坂本くんとの喧嘩で周りにかなりの被害出したみたいだったから。それよりもかなでちゃん、圭くんから携帯がかかってくる前、私に話があるって。」

 

かなで「あ、うん。実は例のコールドスリープが出来る装置、もう一つあったよね。そっちの方も使わせてもらえないかな?」

 

霞「え?もう一つの方を?」

 

かなで「うん、実は途中まで一緒に逃げてきた仲間の子達が二人いて、他の魔女の仲間と違って居場所が分かるんだ。その子達もそろそろ鎮死剤の量が心もとないはずだから、どちらかの子に私と同じようにコールドスリープを施してもらうことができないかなって思ったんだ。」

 

霞「他の魔女の子を?う~ん、お兄ちゃんとカナリヤに聞いてみないと私からは何とも・・・でも話しては見るね。多分大丈夫だとは思うけどね。」

 

かなで「そう、お願い。」

 

霞「それで、その子達、名前はなんて言うの?」

 

かなで「名前は鷹鳥 小鳥(たかとり ことり)ってロングの髪の子と千絵(ちえ)って言うショートカットの子だよ。」

 

霞「その子達二人が今現在居場所が判明している子達なんだね。わかった、お兄ちゃんに連絡を入れてみるね。」

 

そう言って霞は携帯を操作して、義兄である誠也の携帯にかけ始めた。

 

かなで「あ、それと・・・後でで良いんだけど、霞の・・・お兄さんの事、教えてくれるかな?///」

 

そう言って頬を赤くしながら言うかなで。

 

霞「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って御奈神村に有る岩永の家。

その岩永の家の一階の屋根の上に乗っかって、誠也は夜空の星を見ながら、銀子から聞かされた話しについて考えていた。

 

誠也「ふ~、まさか800年以上も昔からこの世界に居たとは・・・・しかも持っている羽衣・・・・ナノマシンの集合体で体を保護しているから、年を殆ど取らないって・・・・・まるであの人・・・ホーエンハイムさんみたいだ。」

 

そう言いながら誠也はかつて異世界を旅した時に出会った錬金術師の兄弟の父親のことを思い出し、そして銀子の話しを思い返した。

銀子は800年以上前にこの世界に来た姉を探すためにこの世界に渡ってきた。

だが姉は既に死亡しており、帰ろうにもゲートを閉ざされてこの世界に閉じ込められてしまったと言っていた。

また、例の青い石は姉の持っていた羽衣の一部で、それはこの御奈神村一体に散布されていて、それがある程度生き物の体内に貯まると、例の熊のような存在・山童(やまわら)と言う存在になるという事を聞いた。

銀子は、その山童が出たらそれを退治し、原因である姉の羽衣を回収しながらここ数百年生きてきたのである。そして、この世界に銀子より先に来たという二人いる銀子の姉のウチの一人が翔子や皐月、さくやや孝介のご先祖様であるとも語った。

 

誠也「頼る者も無しに数百年も孤独な戦いを一人でしてきのか、銀子さんは・・・・・ますますホーエンハイムさんと同じだ。」

 

誠也はそう呟きながら、銀子のコレまでの人生を想像し、それがとても辛い物だったであろう思って顔を曇らせた。

 

誠也「ふぅ~・・・・俺があれこれ思ってもしょうがないか。・・・・・・それにしても本当に綺麗な星空だな~。まるで双葉と一緒に見たあの時の星空みたいだ。」

 

誠也は過去に幼馴染と見た星空の事を思い返しながら星空を見た。

 

翔子「あれ?誠也くん?」

 

誠也「ん?」

 

ふと一階の庭の方から声をかけられた誠也は、そちらに視線を向けた。そこには寝巻き姿の翔子がいた。風呂上がりであろうか普段の髪型をしておらず、長い髪を下ろした状態でその髪をタオルで拭きながら一階の屋根の上にいる誠也に視線を向けていた。

 

翔子「そんな所で何してるの?」

 

誠也「うん?ああ、ちょっと星を見ながら考え事をしてたんだ。」

 

翔子「星を?」

 

誠也「ああ。凄いよね、向こうじゃこんなにはっきりと星が見えないから、せっかくだからじっくりと見ておこうと思って。」

 

翔子「ふ~ん、そうなんだ。・・・ねえ、私もそっちに行って良い?」

 

誠也「え?別にいいけど。」

 

翔子「じゃあちょっと待っててね、すぐにそっちに行くから。」

 

そう言って翔子は家の中に入って行き、そのまま階段を登って誠也達の部屋に入って来た。

 

翔子「お邪魔しま~す♪」

 

部屋に挨拶をしながら入ってきた翔子はそのまま窓に近寄ると、そのまま窓の枠に手を付けて一階の屋根の上に降り、誠也の横に並ぶようにして腰を下ろした。

 

翔子「へ~、普段あんまり意識しないからわからなかったけど、確かに星がくっきりと見えるね。」

 

誠也の横で腰を下ろして星を見るために見上げる翔子。風呂上りなのか翔子の髪からはとても良いい匂いがし、それを嗅いだ誠也は、髪を下ろして少し大人っぽく見える翔子の姿と相まって少しドキっとした。

 

誠也(・・・・綺麗だ。やっぱり親子だからか髪下ろすと、皐月さんそっくりだな。そのせいか大人っぽく見えてちょっとドキっとするな///////)

 

翔子「ホント、綺麗・・・・まるで星が語りかけてくるみたい。」

 

誠也「え?」

 

誠也は翔子の言葉を聞いて、一瞬翔子の姿が、かつて同じセリフを言った今は亡き幼馴染の少女の姿とダブって一瞬息を飲んだ。

 

翔子「?どうしたの?」

 

誠也「い、いや、何でもない。」

 

翔子「そう?・・・・・・・ねえ、銀ちゃんの話し、どう思う?」

 

誠也「え?ど、どうって?」

 

不意に話しを振られたので、少し慌てながら答える誠也。

 

翔子「この世界に来た銀ちゃんのお姉さん、それが私達、皆神の家のご先祖さまだったんだよね。私、天女の子孫だったんだね。」

 

誠也「うん、ちょっと驚いたよ。でも、「なるほどな~」とも思ったんだ。」

 

翔子「えっ?」

 

誠也「翔子を始め、「皆神の家の女性がみんな美人なのは天女の血を引いているからなんだなって~」って思って納得してたんだ。」

 

翔子「なっ!び、美人なんて/////////う~~、からかわないでよ。」

 

誠也に美人と言われて顔を赤くする翔子。

 

誠也「別にからかってなんてないよ。素直に出た感想だよ。」

 

翔子「す、素直に出た!?//////////////////」

 

誠也の言葉を聞いてますます顔を赤くする翔子。

 

翔子「う~~、意地悪だよ~~、顔が火照って今にも火が出そうだよ~~。」

 

誠也「はははっ、ごめんごめん。」

 

翔子「もう。」

 

ちょっと拗ねたような顔をしながらそっぽをむく翔子。だが次の瞬間、少し真面目な顔をして翔子は誠也に話しかけた。

 

翔子「・・・ねえ、昨日のあの熊、あれが山童だったんだよね。」

 

誠也「・・・そうだな。銀子さんの話によると「この辺り一帯に散布された翔子達のご先祖さまの羽衣があの熊の体内に蓄積し、その体内の羽衣の保護機能が中途半端に機能してあんな生きる屍みたいな状態になったんだ」って言ってたな。」

 

翔子「うん、しかもアレで終わりじゃないんだよね。またあんなのが出るかもしれないって思うと、なんだか怖い・・・」

 

昨日の襲われた時の事を思い出したのか、少し震えて話す翔子。

 

誠也「大丈夫だよ。銀子さんの話によれば、あんな風になる事は滅多に無いって言ってたろ?それにもし出ても、俺がまた退治してやるよ。」

 

翔子「・・・そうだね。うん、その時はお願いね。」

 

誠也「おう、任せろ。」

 

翔子「うん、任せました。あ、そうだ。銀ちゃんの話を聞いて実は思い出した事があったんだ。」

 

誠也「え?思いだした事?」

 

翔子「うん。昨日、誠也くんが拾った青い石。あれが羽衣なんだよね。私、実はアレと似たような物を幾つか拾ったことがあるの。」

 

誠也「え?似たような物を?」

 

翔子「うん、これだよ。」

 

そう言って翔子は手に握っていた物を誠也の前に差し出した。

 

誠也「これは・・・・・」

 

翔子の手の平上には、感じが昨日拾った青い石と同じような感じの小指の先大の大きさの石がのっかっていた。だがその石は感じは青い石と同じような物であったが赤い色をしていた。

 

誠也「感じは昨日の石と似てるけど、色が赤い・・・・・・翔子、これをどこで?」

 

翔子「さっき庭に出た時、庭の隅に落ちていたのを見つけたの。これの他にも、以前、似たような物を何度か拾って秘密の場所に置いてあるの。」

 

誠也「秘密の場所にね~・・・・なあ、これ・・・・預かってていいか?銀子さんに見せてみようと思うんだ。」

 

翔子「銀ちゃんに?別にいいよ。私も銀ちゃんに見せようかと思ってたから。」

 

誠也「そっか。じゃあ預かっておくな。」

 

そう言って誠也は、翔子の掌の上に乗っている石を掴むと、それを自分のポケットにしまった。

 

誠也「さて、そろそろ部屋に戻ろう。あまり長く夜風に当たると、翔子が湯冷めしちゃうからな。」

 

翔子「そうだね。じゃあ戻『~~♪~~♪』って・・・えっ?携帯の着信音?」

 

突如鳴り響く着信音。それは誠也の方から聞こえてきていた。

 

誠也「あ、俺のだ。」

 

そう言って誠也は携帯を取り出して、ディスプレイを見て、かかってきた相手が誰であるかを確認した。

 

誠也「ん?霞からだ。はい、もしもし。」

 

霞『あ、お兄ちゃん?』

 

誠也「ああ、どうした?何かあったか?」

 

霞『うん、実はちょっとお願いがあるんだけど。』

 

誠也「お願い?」

 

霞『うん、ラボに有るコールドスリープ出来る装置。あれ、かなでちゃんが使うやつ以外にも、もう一つ有るよね?』

 

誠也「ああ、有るな。」

 

霞『実はそっちの方の装置も使わせてもえないかなって思って・・・』

 

誠也「もう一つの方を?」

 

霞『うん、実はさっきかなでちゃんに途中まで一緒に逃げてきた子達の事を聞いたの。他の子達の居場所はわからないけど、その子達の居場所だけはなんとかわかるんだって。それで・・・』

 

誠也「なるほど、そのどちらかの子にその装置を使おうって事か・・・その事はカナリヤには?」

 

霞『これから話す所。まずはお兄ちゃんにって思って。』

 

誠也「そうか・・・わかった。俺としても、できれば他の魔女の子達を救ってあげたいを思ってる。カナリヤにも話してOKが出たら明日、かなでをコールドスリープさせる前に、かなでと一緒にその子の所に行ってみよう。」

 

霞『うん、わかった。じゃあ私は早速カナリヤにこの事を話して見るね。』

 

誠也「ああ、たのむ。OKが出たかどうかは後で電話して知らせてくれ。」

 

霞『うん、分かった、じゃあ切るね、おやすみね。』

 

誠也「ああ、おやすみ。」

 

そう言って誠也は携帯を切った。

 

翔子「霞ちゃん、なんて?」

 

誠也「かなでから居場所が分かる、一緒に逃げてきた魔女の子の居場所を聞いたらしい。で、その子達も助けるためにもう一つ有るコールドスリープ装置を使っても良いかって。」

 

翔子「え?他の魔女の子の居場所が分かったの?それでどうするの?」

 

誠也「無論助ける。明日、かなでをコールドスリープさせる前に、かなでを連れて迎えに行くことにするよ。」

 

翔子「そっか、私も一緒に行きたいけど、私・・・明日は学校行かなきゃならないから。」

 

誠也「あ、そう言えば、まだ学校夏休みに入ってなかったんだったな。」

 

翔子「うん、後2・3日は有るよ。」

 

誠也「そっか、じゃあかなでの事は後で知らせてあげるから、翔子は学校に行くって事で「お~い、翔子ちゃ~ん、誠也く~ん♪」って、ん?」

 

突如背後から聞こえてきた声。誠也達は背後へと視線を向けると、そこには誠也達が屋根に移動するのに使った窓の枠から、酒瓶を片手に赤い顔をした銀子が居た。

 

翔子「ぎ、銀ちゃん(^^;)」

 

誠也「すっかり出来上がってるな(^^;)全く、いろはさんは帰ったってのに、昨日に引き続きまた酒盛りを始めたんだな。」

 

翔子「さっき居間を覗いたけど、さくやちゃんも巻き込まれていたみたい(^^;)」

 

誠也「はぁ~、しょうがない人達だな。」

 

銀子「二人共、そんなトコで何してるの?」

 

アルコールで顔を赤くした銀子が屋根の上にいる誠也達に声をかける。

 

誠也「あ・・・いや、ちょっと・・・ね。」

 

銀子「ちょっと?」

 

誠也「昼間、話したじゃないですか。俺が昔、異世界を巡る旅をしたってこと。」

 

銀子「あ~~、確か誠也くんの事を話してもらった時に聞いたね。それが?」

 

誠也「・・・その異世界を巡る旅で会った人の中に、今の銀子さんと似たような境遇の人が居たな~って思い返していたんです。」

 

銀子「私と・・・似たような境遇?」

 

誠也「ええ、錬金術師のホーエンハイムさんって人なんです。その人はある者のせいで、ホムンクルスって言う不老不死の存在にさせられて、長い年月を一人で生きてきた人だったんです。」

 

誠也はかつて門矢士とのいせかいを巡る旅で行った錬金術師の世界で出会った錬金術師のエルリック兄弟の父親のホーエンハイムの事を話した。ホーエンハイムがフラスコの中の小人(ホムンクルス)によって不老不死の存在であるホムンクルスにさせられた事。自分の不死性のせいで長い年月放浪の旅をしていた事。その旅の途中でエルリック兄弟の母親で有る女性・トリシャ・エルリックにで会った事。トリシャと一緒になり、息子二人を授かったこと。トリシャと共に老いて死ぬための研究をし、その過程でかつて自分をホムンクルスにした者・フラスコの中の小人(ホムンクルス)の野望に気づき、その阻止の旅に出て、その旅の最中に奥さんを亡くした事。フラスコの中の小人(ホムンクルス)の野望を息子達・エルリック兄弟と共に阻止した事などを簡単に話した。

 

翔子「へぇ~、そんな事があったんだ。それで、戦いが終わった後はどうなったの?」

 

誠也「ホーエンハイムさんが「奥さんのお墓が有るリーゼンブルムに帰る」って言って、僕とはやてと士さん、そして夏美さんの四人でついて行ったんだ。ホーエンハイムさん、戦いで自分の中の命を消耗しきっていて、一人で歩けない状態だったから。そして・・・・」

 

誠也は何か大切な事を思い返すようにしてゆっくりと話し始めた。

 

 

士「ここでいいのか?」

 

夜明け前のリゼンブール。

徐々に明るくなり始める時刻、とある人物のお墓の前で門矢 士は、自分の肩を借りて立っている人物に声をかけた。

士に肩を借りている人物の名はヴァン・ホーエンハイム。鋼の錬金術師であるエドワード・エルリックとその弟・アルフォンス・エルリックの実の父親である。

 

ホーエンハイム「ああ、ありがとう・・・ツカサくん、ここまで肩を貸してくれて。・・・・君たちも私を心配して付いて来てくれてありがとう。」

 

そう言ってホーエンハイムは自分の後ろに居る者たち・・・・車椅子の少女・はやてと、はやての車椅子を押している少年・誠也。そして、そんな二人のすぐ横にいる女性・光 夏美に声をかけた。

 

夏美「・・・いいですよ。勝手に付いて来ている様なものですから。」

 

はやて「それに・・・今動けんエド兄ぃとアル兄ぃの代わりにウチらが付いていてあげたいって思って・・・・」

 

誠也「うん・・・・僕らが・・・・エドさんとアルさんの代わりに・・・・見届けるから・・・・」

 

三人はそれぞれホーエンハイムにそう答えたが、その顔は悲しくて今にも泣きそうな顔をしていた。

 

ホーエンハイム「そうか・・・・・二人の代わりにか・・・・ありがとう。」

 

そう言って返事をするホーエンハイム。その時、「ピシリッ!」とホーエンハイムの体から何かが割るような音が響いた。

ホーエンハイムの体は賢者の石と言う物のせいで不老不死の存在である人造人間(ホムンクルス)と言うものにされてしまっていた。

だが彼の体は、先の戦いで自分の中に有る賢者の石の中の命をほとんど使いきってしまい、今は僅かに残っている一人分の命でかろうじて存在している状態であった。

その状態も長くは持たず、その体は刻一刻と死へと向かって行っている状態であった。

 

ホーエンハイムは士の肩から離れると、目の前にある自分の妻・トリシャのお墓の前に膝をついてかがんだ。

 

ホーエンハイム「ただいま・・・トリシャ。エドワードが・・・・親父って呼んでくれたんだ。クソが付いてたんだけどな。」

 

墓標にまるで語りかけるに話すホーエンハイム。「ピシリッ!」とまたホーエンハイムの体から音が響く。

 

ホーエンハイム「人より長く生き続けるなんて、しんどい事ばかりだと思ってた。だけど、君や息子達、そして・・・・こんな俺に付き合ってこんな所まで付き合ってくれる友人達に出会って・・・」

 

そう言って少し後ろを振り向いて誠也達の方を見るホーエンハイム。

 

はやて「おっちゃん・・・・・」

 

誠也「ホーエンハイムさん・・・・」

 

夏美「ホーエンハイムさん・・・」

 

士「・・・・・・・・・・・」

 

ホーエンハイム「生きててよかったと、心から思えるようになった。」

 

ピシリッとまた音が響き、ホーエンハイムの最期の時が刻一刻と迫る。

そんな音とホーエンハイムの声を聞きながら、誠也達は悲しみをこらえて、黙ってホーエンハイムの声を聴き続けた。

 

ホーエンハイム「充実した人生だった。・・・・・そうさ・・・・十分だ。ありがとう・・・トリシャ。」

 

ピシリッ!ピシリッ!!

 

割る音が断続的に続く。

 

ホーエンハイム「ああ・・・でも・・・やっぱり死にたくねえって思っちまう・・・・ホント、俺って、しょうがねえなぁ~・・・・・・」

 

そう言ってホーエンハイムは笑って、そのまま黙り込んでしまった。

そんなホーエンハイムとその背中を見つめ続けた誠也達に、夜明けの朝日の光が当たり、辺りを明るくしだした。

 

誠也「・・・ホーエンハイムさん?」

 

黙り込んだホーエンハイムを不審に思い、その背中を見て居た誠也が声をかけた。そんな時、誠也達の背後から声がかかってきた。

 

???「あんた達、こんな所でどうしたんだい?」

 

声をかけてきたのは年老いた老婆で、ホーエンハイムの古い友人であるピナコ・ロックベルである。

 

夏美「あ、あの・・・・」

 

突然声をかけられて返答に困る夏美。

 

ピナコ「ん?ホーエンハイム?」

 

ピナコは返事に困っている夏美の後ろに、墓前にかがんでいるホーエンハイムの姿を見つけた。

 

ピナコ「なんだい、帰ってたのかい?」

 

ピナコはホーエンハイムに声をかけながら近づいた。

 

ピナコ「ホーエンハイム?・・・っ!」

 

返事をしないホーエンハイムを不審に思い、かがんでいるホーエンハイムを覗き込んだピナコは驚き、一瞬その動きを止めた。

 

ピナコ「・・・・・・・・・・・バカタレが・・・・・・・・・・なんて幸せそうな顔で死んでいるんだい。」

 

誠也達「「「「!」」」」

 

ピナコは目に涙を浮かべながらそう呟いた。

 

愛する妻の墓前で・・・・・・

 

友人と言った誠也達に見守られながら・・・・

 

ヴァン・ホーエンハイムは幸せそうな顔を浮かべて・・・・

 

その長い人生に幕を下ろした。

 

誠也「ホーエンハイムさん・・・・・・うううっ」

 

はやて「おっちゃん・・・・ううううっ」

 

夏美「ホーエンハイムさん・・・・・」

 

士「泣くな・・・三人共。ヴァン・ホーエンハイムはやっと・・・・先に行った友や愛する者の元にやっと行けたんだ。その旅立ちの門出を・・・・涙で送り出してやるな。」

 

夏美「・・・・うん、そうだね。」

 

はやて「・・・・グス・・・・うん、せやな。」

 

誠也「・・・うん、ホーエンハイムさんは・・・・精一杯・・・生きたんだもん・・・だから・・・・涙じゃなくて・・・笑顔で・・・送り出してあげるよ。」

 

そう言って誠也とはやては涙をぬぐい去った後、涙をこらえながらホーエンハイムの亡骸に微笑んで言った。

 

誠也・はやて「「ホーエンハイムさん(おっちゃん)・・・・お疲れ様。」」

 

二人の少年・少女の重なった声が、リゼンブールの朝の空に響いた。

 

 

誠也「・・・・こうして、ホーエンハイムさんの長い人生は幕を下ろしたんだ。」

 

銀子「・・・・確かに・・・・少し似てるね。」

 

誠也の話を聞いて銀子は静かにそう呟いた。

 

銀子「不老不死に近い存在で、長い年月を生きているって所は似てると思うけど・・・・でも似ているのはそれだけ。だってその人は、不老不死の存在でも、ちゃんと自分の居場所を見つけられたんだもん。自分の居場所を見つけられない私とは・・・・・違うよ・・・・」

 

そう言って銀子は寂しそうに微笑んだ。

 

誠也「銀子さん・・・・・・・大丈夫ですよ!銀子さんなら「銀子さんなら自分の居場所、ちゃんと見つけられますよ!」って・・・・孝介さん?」

 

不意に誠也の話し声を遮り響く孝介の声。

声のした方を振り向くと、いつの間にか、銀子の背後に孝介が立っていた。

 

銀子「こうちゃん・・・・やだ、さっきの話し、聞いてたの?」

 

孝介「ええ。」

 

銀子「まったく・・・・盗み聞きなんて良くないよ。」

 

孝介「す、すいません。ちょっと気になる話をしてたんで、そのまま聞き入ってしまって・・・・」

 

バツの悪そうな顔をしながら孝介はそう言った。

 

銀子「それで、さっき言ってくれた事・・・・・ホント?私が居場所を見つけられるって。」

 

孝介「ええ。少なくても俺はそう思ってますよ。」

 

銀子「そっか・・・・じゃあ、孝ちゃんがその居場所になってくれる?」

 

孝介の顔を下から覗き込むようにして銀子はそう呟いた。

 

孝介「・・・えっ?!」

 

銀子「ふふふっ・・・・冗談だよ。さ~て下行って飲み直すか~~。」

 

一瞬、寂しそうな顔をした後、銀子は何事も無かった顔をしながら部屋を出て下の階へと行った。

 

孝介「ぎ、銀子さん?」

 

翔子「銀ちゃん・・・・寂しそうな顔をしてたね。」

 

誠也「・・・・うん。戻ろうか、僕らも。」

 

孝介「そうだな。」

 

そう言って三人共、飲み会をしている1階へと戻って行った。

余談ではあるが酒盛りをした翌日、銀子は二日酔いにかかって起き上がれなくなり、岩永の家に翌日もお世話になるはめになったと言う。

 

 

 

つづく

 

 

 

初登場キャラ出典作品

 

坂橋圭介(いたばしけいすけ)(次の犠牲者をオシラセシマス)

 

ヴァン・ホーエンハイム(鋼の錬金術師)

 

ピナコ・ロックベル(鋼の錬金術師)

 

 

 

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