今回の話のサブタイトルの御奈神村と言うのは、「黄昏のシンセミア」の舞台となる村の名前です。
なんでこんな所を最初の舞台にしたのかと言うと、これは完全な作者の趣味です。すいません。
では第1話をどうぞ。
第1話 御奈神村に降り立つ、新たな指輪の魔法使い!
朝霧が立ち込める朝。
何もない空き地に突如として写真館が蜃気楼のようにして現れた。
異世界を旅する
その写真館から車椅子に座った9歳くらいの少女と、その車椅子を押している同じぐらいの歳の少年が現れた。
少年「・・・・戻って来たんだね、はやて。」
少女「うん、そうだね誠也くん。」
そう言った後、二人は背後にある光写真館を仰ぎ見た。
誠也「・・・・一年間お世話になった光写真館とはこれでお別れだ。」
はやて「・・・・寂しくなるなあ。」
そう言って二人は・少し寂しそうな顔をした。
車椅子の少女・はやてと少年・誠也は今日、1年にも及ぶ異世界を巡る旅からようやく戻ってきたのであった。
士「(パシャ!)二人共、この世界を旅立った時とは違い、いい顔をするようになったな。」
そう言って自分の愛用している二眼レフのトイカメラで二人を撮影した人物は、仮面ライダー・ディケイド事、
夏海「ホントだね。あの時はまるでこの世の終わりみたいな顔をしてたもんね。」
大樹「その時の事を考えると、ホント進歩したと思うよ。」
栄次郎「ホントだね~。」
誠也達の後から光写真館から士とともに出てきた男性1人と女性一人、老人。
仮面ライダー・ディエンド事、
光写真館の主・光栄次郎。
栄次郎の孫娘で仮面ライダー・キバーラ事、
この一年間、誠也たちと共に異世界を回った仲間たちであった。
士「・・・それで誠也、まだあの時のように「死にたい」と思うか?」
士に問いかけられた誠也は一瞬キョトンとした顔をしたが、その後首を横に振った。
一年前、この世界に立ち寄った門矢士は、柵のないビルの屋上で今にも死にそうな顔をした少年と少女に出会った。鳴海誠也と八神はやてである。
数日前、はやての両親が誠也の目の前で事故に巻き込まれ死亡した。
生まれてすぐに母親が亡くなり、残った家族とはうまくいってなかった誠也にとって、父親の親友であったはやての母親は実の母親のような存在であった。
そのはやての母親を目の前で亡くした誠也は、この世に絶望し、同じように両親の死に絶望したはやてと知らず知らずにビルの屋上へと移動していたのである。
「ここから飛び降りれば、死んだはやての母親に会える。」そんな危ないことを考え、ビルの屋上にいた二人。もしあの場所で士に声をかけられてなかったら飛び降りていたかもしれない。
誠也「ううん、思わない。悲しいからって、生きることを諦めるような事はもうしないよ!僕らよりも小さいエルが頑張ってるんだもん。」
そう言って誠也は力強い言葉で士の質問に答えた。
はやて「せやな。あの世界・・・・ライダーが居ない世界で「それは違うよはやて」って・・・なんや?誠也くん。」
誠也「僕は今でも、ルドガーさんは仮面ライダーだと思っているよ。」
そう言って誠也は異世界で会った人物ルドガー・ウィル・クルスニクの事を思い出した。
ルドガー・ウィル・クルスニク、誠也達が最後に立ち寄った世界で出会った人物で、その世界に伝わる創世の賢者ミラ・クルスニクの一族の末裔で、「骸殻」と言う能力を持ちエルと言う、はやての一つ下の少女・「エル」と共に「カナンの地」を目指す戦いに身を投じた人物で、誠也達はその旅に協力したのである。その時、誠也とはやては前の世界で携帯に「悪魔召喚アプリ」と言うアプリをダウンロードしており、その力で悪魔を召喚して戦いの手助けをしていた。
はやて「また言ってる・・・・まあ確かに、ルドガーさんのフル骸殻の姿は仮面ライダーに見えなくもないけどな。」
士「面白いこと言うな、ならルドガーはさしずめ「仮面ライダー・クルスニク」と言ったところだな。」
誠也「「仮面ライダー・クルスニク」か・・・・なんかカッコイイ。」
士「いいネーミングだろう。それではやて、さっきの質問の答えは?」
はやて「え、あ・・・せやな、エルが・・・私よりも小さくて辛い目に遭っているのに、頑張ってる・・・」
そう言ってはやてはエルが「カナンの地」で相棒であるルドガーが消滅して別れた時の姿を思い出した。
涙を流しながら、悲しいのを我慢して最期は笑顔で別れたエル。
そんなエルの事を思い出して一瞬、その時の悲しさを思い出したはやてだったが次の瞬間、その顔には笑顔になっていた。
はやて「エルもがんばってるんやから、私もがんばらなきゃ。悲しいからって、もう塞ぎ込んだままでいる様な事はもうせえへん!」
そう言たはやての目は、幼いながらもとても力強光が宿っていた。
誠也「もう、絶望に負けたりはしない!士さん達との旅でライダー達や色んな人から色んな物を貰ったから。だから・・・今度は「僕」が・・・ううん、「俺」が強くなって他の人たちを助ける側の人になる!」
そう言った誠也の脳裏に浮かび上がたのは、様々な世界で出会った仮面ライダー達の姿だった。
様々な世界で色々な理由や志で戦っていた仮面ライダー達。
その姿は、絶望で支配されていた誠也とはやての心に光を灯し、何時しか憧れと希望の象徴へと変わっていった。
士「・・・今のお前にならこれを渡せるな。」
そう言った士は何通かの手紙を束ねた束を二つ、それぞれ誠也とはやての前に差し出した。
誠也「・・・・これは・・・ぼ、俺とはやて宛の手紙?」
束になった手紙にはそれぞれ「鳴海誠也様」と「八神はやて様」と書かれたあった
はやて「誰からやろな?」
そう言いながら、はやてと誠也は手紙を受け取ると、裏に書いてある差出人を確認した。
誠也「え?これ・・・晴人さんからの手紙?!」
差出人の所には仮面ライダー・ウィザードの操真 晴人の名が示されてあった。
はやて「こっちの手紙は弦太朗さんに映司さん。」
誠也「こっちは翔太郎さんにフィリップさん、あ、ヒビキさんに総司さん、一真さんのもある。」
誠也とはやてに渡された各14通の手紙は旅の間に出会った各ライダー達からの手紙だった。
士「お前達の事情を知って、お前達への励ましと力になれたらと思って書いたそうだ。」
誠也「・・・俺達の為に。」
はやて「書いてくれた・・・」
二人はその言葉を聞き、胸が熱くなるのを感じた。
誠也「・・・ありがとう。皆さん。」
誠也は手紙を胸に抱きながらそう言った。
士「さて、俺たちはもう行くな。」
誠也・はやて「「士さん・・・。」」
士「元気でな、もう死のうなんて思うんじゃないぞ。」
誠也「死ないよ。もうそんなことしないし、しようとも思わないよ。」
はやて「せや、ウチらも成長してるんや、もう・・・大丈夫やから。」
そんな風に返事をした二人を見て満足そうな顔をした士はそのまま二人に背を向けて、光写真館の中へと入っていった。
夏海「二人共・・・元気でね。」
栄次郎「体に気をつけるんだよ。」
大樹「お宝の情報が手に入ったら、僕の所に寄越してね。」
士に続くようにして、夏海達もそれぞれ誠也達に別れの言葉を掛けて光写真館へと入っていった。
やがて、誠也達二人以外が写真館の前から居なくなると、写真館がうっすらとその姿を霞の様に消し始めた。
誠也「士さ~ん!俺!強くなって士さん達みたいなヒーロー、仮面ライダーになるからーーーー!」
消えゆく光写真館へと大声で宣言する誠也。
それが聞こえたのか、消えかける光写真館の中から士の声が響いてきた。
士「ああ!目指してみろ!お前が描いた「仮面ライダー」に!!」
その声が響いた後、光写真館はこの世界から消え去った
誠也「なってみせるよ、みんなを絶望から救う仮面ライダーに!!」
*
あれから数年。
仮面ライダーになると宣言した少年・鳴海誠也は中学2年生となり、そして・・・・・
誠也「・・・・暑い。」
真夏の炎天下の中、田舎にあるようなバス停のベンチに汗だくになりながら座っていた。
誠也「・・・・・・・暑い。」
紅い長い綺麗な髪を後ろで束ねた髪を、地面に付いてしまうんじゃないかと言うくらい上半身を「ぐで~」と倒し、女の子と見間違えそうな顔は汗が滝のように流れていた。
誠也「・・・・何で俺は・・・・こんな暑い所で・・・汗だくに・・・なっているんだろう。」
カナリヤ『・・・しかたが無いでしょう。
ベンチに座って呟いている誠也に対し、誠也の肩あたりをパタパタと飛んでいる金色に光る一対の羽がそう誠也に話しかけた。
誠也「まったく、徹夜でレポートを仕上げたせいで寝不足だなんて・・・おかげでこっちは孝介さんが起きるまでこの炎天下の中、足止めだよ・・・・。」
そう言いながら、誠也は自分のすぐ横のベンチで横になってのんきに寝ている大学生位の男性・
ここは山に囲まれた
彼・鳴海誠也は家の隣に住んでいる皆神孝介の生まれ故郷、御奈神村に住んでいる彼の叔母のバイトを手伝うために孝介と相棒であるカナリアと共に来た。・・・表向きは。
実は誠也の真の目的はバイトでは無く、この村に周辺で起きている怪物事件の調査なのである。
誠也には実は秘密が有る。それは、この世界、とは別の世界に有る組織「財団X」が作りこの世界に放ったクロンギやミラーモンスター・イマジンなどの怪人や財団がこの世界にバラまいた「ガイヤメモリー」や「ゾディアーツスイッチ」等を悪用する者たちが起こした事件を、不思議な鳥・カナリヤからもらった力、仮面ライダー・ウィザードの力で解決していると言う秘密である。
事の発端は誠也の父・
その話しは、御奈神村と言う村の周辺で怪物が現れたと言う話なのである。
普通の人なら熊か何かの見間違いなのではと思うのだろうが、誠也は違った。
誠也はこの怪物が「財団が放った怪人なのでは?」思ったのである。
誠也はさっそく、その御奈神村へと調査に行こうと思ったその時、隣に住んでいる皆神孝介がバイトの為に、故郷である御奈神村に帰る事を知ったのである。
「渡りに船」と、誠也は孝介に自分もそのバイトを手伝いたいと言い、孝介に付いて行く形でこの御奈神村に来たのである。
だが村に行く前の晩、孝介は徹夜でレポートを仕上げたため、睡眠不足のためフラフラ。孝介は仮眠を取るため御奈神村に付いた時に降りたバス停のベンチで横になりいきなり寝始めたのである。
初めて来た場所で、右も左も解らない誠也は、今日からお世話になる孝介の叔母の家の場所を知らないため一人で先に行くこともできず、かと言ってどこか別の場所で時間をツブそうにも、バス亭から見える範囲には畑と道しかなく、あまりバス亭から離れると迷子になりかねない。そう思った誠也は、仕方がなく唯一この場所を知っている孝介が起きるまで待つという選択をしたのだが、早くもその選択が間違いだったのではと思い始めた。
誠也「・・・暑い・・・汗が滝のように流れ出てくる・・・・・このままじゃ・・・脱水症状になる・・・・・頭が・・・ボ~ッとしてきた・・・・・・」
誠也は暑さのせいで思考が定まらず、意識がボ~ッとしだした。そんな時、誠也の耳に声が聞こえてきた。
???「・・・もうすぐ始まるよ、誠也。」
誠也「?今の声・・・・・」
カナリア「ん?どうしたの?」
誠也「今・・・・なんだか懐かしい声が聞こえたような・・・あれは・・・アルコル?・・・・・まさかね」
カナリア「え?アルコル?」
誠也「いや・・・・何でも無いよ。どうやら暑さで幻聴まで聞こえだしたみたいだ・・・・・このままじゃ脱水症状で死んでしまう・・・・・」
カナリヤ『た、確かにこのままじゃ脱水症状になりかねないわね。その辺にある自販機で何か飲み物でも買って水分補給したほうが良いんじゃ?』
そう言うカナリヤ。ちなみにこのカナリヤの姿と声、これは特別な力を持っている者やカナリヤが許可した者以外には見ることも聞くこともできなのである。
普段、周りに人がいる時は念話で話すのであるが、今この場に居るのは誠也と孝介だけであり、カナリヤの姿と声を見ることも聞くこともできない孝介は寝ているため、カナリヤは堂々と誠也に声を掛けたのである。
誠也「その辺りに有る自販機って・・・何処に自販機があるの?辺りには田んぼと道しかないよ・・・・自販機のある場所まで行こうにも・・・・下手にここを離れて・・・迷子になったら・・・・まずい・・・だろう?」
暑さのせいで言葉が途切れ途切れになる誠也。
カナリヤ『迷子になったら確かにまずいと思うけど、脱水症状になって倒れたら元もこうも無いと思うわよ?』
誠也「確かに・・・そうだけど・・・ああ、暑い・・・なんで・・・・こんな中で・・・寝てられんだ?孝介さんは・・・・・ま・・まずい、目まえがしてきた・・・・・」
そう言ってベンチにもたれ掛かりながら目をつぶり頭をフラフラさせる誠也。
カナリヤ『ちょ、大丈夫?』
カナリヤの心配する声を無言で聞く誠也。そんな誠也にふと声がかけられた。
女の子の声「大丈夫?」
不意に声をかけられた誠也は閉じていた目を開き、声の主を見た。
誠也と同じぐらいの年の女の子が、心配そうに誠也の顔を覗き込んでいた。
女の子「大丈夫?」
夏らしい薄手の私服姿の女の子は、返事がない誠也対し心配になったのか、再び大丈夫かと声を掛けてきた。
誠也「あ・・・・汗・・・かきすぎて・・・・脱水症状寸前・・・・・の・・・飲物・・・・・・」
意識が朦朧としだした誠也は途切れ途切れの言葉で自分の状況を女の子に話した。
女の子「え?た、大変。な、何か飲み物・・・・・」
そう言って女の子は辺りをキョロキョロと見回した後、ふと自分が手に持っていた薄い緑のビンを見た後、それを誠也の前に差し出した。
女の子「これ、飲んで。」
誠也「え?良いの?」
女の子「うん」
誠也「あ、ありがとう。」
誠也はお礼を言った後、差し出された薄い緑のビン・・・ラムネに口を付けてビンの中身を飲み始めた。
ゴクゴクと喉にラムネの炭酸のシュワシュワを感じながらビンの半分位までを飲み干す誠也。
誠也「ぷは~、生き返った~。あ!ありがとう、危うく脱水症状になる所だったよ。」
女の子「よかった。もう大丈夫そうだね。」
そう言って女の子は誠也達に背を向け、この場から去ろうとした。
誠也「あ、ラムネ・・・」
女の子「それ、あげるよ。全部飲んじゃっていいから。」
誠也「あ、ありがとう。」
女の子「じゃあね。ばいばい」
そう言って女の子は小さく手を振ると道の先へと走っていった。
誠也「ばいばい!」
誠也はお礼にと、女の子の背に声をかけ、大きく手を振り返した。
女の子も一度だけ振り返って、小さく手を振り返した後、再び走って行った。
カナリヤ『飲み物をもらえて良かったですね。』
先程までの会話では黙っていたカナリアが誠也に声を掛けた。
誠也「うん、本当に脱水症状になる寸前だったから本当に助かったよ、ん?」
誠也は自分の手に持っているラムネ見た。
誠也は先程、飲む前に見たラムネの状態を思い出したのである。
誠也(ラムネは元々口が空いていて、中身が三割ほど無くなっていた。それはどういうことだと言うと、このラムネを先に飲んでいた人物が居たという事を示している。
そして、これは先ほどの女の子がくれた物・・・つまり先にこのラムネを飲んだ人物は・・・・)
それに気づいた誠也は、急に気恥ずかしくなって顔を赤くした。
カナリヤ『誠也?急に顔が赤いけどどうしたの?』
誠也「な、なんでもな「ふわ~~、よ~~く寝た~」いよ・・・って、ようやく起きたよ。」
誠也は呑気に欠伸をしながら背伸びをする孝介に呆れたような顔を向けながら孝介に話しかけた。
誠也「ようやくお目覚めですか、孝介さん。」
孝介「ん?ああ誠也。ゴメンな、待ちぼうけさせて。」
誠也「良いですよ。寝不足で隣をフラフラとおぼつかない足取りで歩いてもらうよりは、待ちぼうけするくらいは。それよりも、いい加減に移動しましょう。ここは暑くてしょうがない。」
孝介「そうだな、これ以上ここにいたら脱水症状になっちまうしな。」
そう言って自分の旅行カバンを持って立ち上がり歩き始めた。
誠也「そうですね。」
そう言って誠也も続いて自分の荷物を手にしてベンチから立ち上がって孝介に続いて歩き始めた。
*
皐月「・・・それでバスを乗り逃がしたの?」
孝介「はは、そうです。こっちの時刻表、すっかり忘れてましたよ。」
誠也は今、この村でお世話になる岩永の家の茶の間に孝介と共にいた。
誠也の目の前で孝介と話す20代位のおっとりとして優しい外見の女性。彼女は孝介の叔母である
誠也《・・・・若い。確か俺と同じぐらいの年の子供が居るって聞いてたけど・・・》
カナリヤ《・・・ええ。確かにそう聞いてたけど・・・とてもそうは見えないわね》
誠也は目の前で皐月と話している孝介の後ろから皐月をこっそりと見て、その第一印象をカナリヤと念話で話していた。
孝介の叔母・岩永皐月は誠也と同じぐらいの子供がいる年齢の女性であるはずなのだが、その見た目はその年齢に見えないぐらい若々しい姿であった。
誠也《・・・・なのはの所の桃子さんと言い、クロノの所のリィンディさんと言い、最近の子持ちの女性はどうなっているんだ?(汗)》
カナリヤ《いいえ、彼女達だけが特別で、世の子持ち女性全員がこういう訳じゃないと思うんだけど(汗)》
そんな風にカナリヤと念話で話している誠也に対し、孝介と話していた皐月が不意に誠也に声を掛けてきた。
皐月「あなたが誠也ちゃんね。初めまして、孝介くんの叔母の岩永皐月よ。」
誠也「へ?せいや・・・ちゃん?。」
皐月に「ちゃん」付けで呼ばれて思わず聞き返す誠也。
皐月「誠也ちゃんは中学生なのかな?」
誠也「あ、はい。中学2年生です。(ちゃん付け・・・何で?)」
皐月にちゃん付けでまた呼ばれて「何故?」と頭に?マークを浮かべる誠也
皐月「2年生・・・じゃあウチの翔子と同い年位ね。」
誠也「そう・・・なりますね。」
皐月「うちの翔子が通っている学校はまだ夏休み前だけど、誠也ちゃんの所はもう入ったのかな?」
誠也「え、ええ。校舎の工事をする為、夏休みに入るのが少し早くなったんです。」
皐月「工事?」
孝介「誠也が通っている学校の校舎が夜中にガス爆発で吹っ飛んで、その修理のための工事ですよ。」
皐月「ガス爆発?!そ、それは大変だったはね。」
誠也「え、ええ。まあ。(^^;(じ、実はガス爆発で校舎が吹っ飛んだんじゃないんだよね~))
そう心の中で苦笑いをする誠也。
実は誠也が通っている学園の校舎の爆発は表向きはガス爆発となっているが真相はちがう。誠也が追っていたガイアメモリーの使用者が、誠也から逃げている内に校舎に逃げ込み、そのまま校舎内で戦闘を続行。
メモリーブレイクを行うための止めの一撃が思いのほか威力があり過ぎて、相手もろとも校舎を盛大に吹っ飛ばしてしまったのが事実である。
カナリヤ《全く、手加減をしないから校舎を吹っ飛ばすなんてマヌケをするんですよ。》
誠也《う、うるさい!マヌケで悪かったな!!》
カナリヤの念話に対して念話で返す誠也。
孝介「なんだ、柄にもなく緊張してるのか?」
念話でカナリヤと話していたせいで、孝介が急に話さなくなった誠也に対して緊張しているのかと聞いてきた。
皐月「そう緊張しないで、自分の家だと思ってちょうだいね。」
誠也「あ、はい。」
そう返事をした誠也を見た後、皐月は孝介との話に戻った。
孝介「それでアルバイトの話なんですけど・・・お祭りのある8月10日までの滞在でいいんですか?」
皐月「ええ。誠也ちゃん共々延長して夏休みいっぱいでも大歓迎よ。それとお仕事の話なんだけど、二人共今はまだ着いたばかりだからね。荷物置いて来なさいな。孝介くんの部屋、今も空いているから。それと誠也ちゃんの部屋なんだけど・・・・ごめんなさい、まだ準備できてないの。孝介くんと来るのは男の子だって聞いてたから、孝介くんと同じ部屋にしようと思っての。でも、女の子である誠也ちゃんを孝介くんと同じ部屋にするわけにはいかないし・・・・」
誠也「へ?ちょ、ちょっと待ってください!女の子って・・・誰のことです?」
皐月「え?誰って・・・誠也ちゃんのことよ?」
誠也の発言に対し、「何を言ってるの?」と言うような顔を誠也に向ける皐月。
誠也「・・・・あの~、俺・・・男なんですけど・・・・」
皐月「へっ?・・・・・男・・・の子?」
誠也「・・・・はい。」
誠也の男の子発言聞いて一瞬動きを止めた後、その事を聞き返す皐月
皐月「・・・・・あ、あははははは・・・・ご、ごめんなさい!女の子みたいに可愛い顔していたからてっきり女の子だと・・・・・。」
誠也「あ、はははは・・・・また間違われた・・・・・・」
女の子だと間違われて乾いた笑いを浮かべる誠也。
孝介「あははははははっ!また間違われたな誠也!あはははははははっ!!」
誠也「孝介さん、笑いすぎ!!」
皐月「あ、じゃあ、男の子だったんなら誠也ちゃん・・・じゃなくて誠也くんの部屋は孝介くんと同じ部屋で良いわね。」
誠也「あ、はい、構いません。」
孝介「あははは・・・・俺も、構いません。」
笑いがようやく止まってきたので、返事をする孝介
皐月「悪いわね、二人一緒で。」
誠也「構いません。こちらは置いてもらう側ですから。」
そう言った後、二人は荷物を持って二階にある割り振られた部屋へと向かった。
*
誠也「ふ~ん、男二人で数日生活する分には十分な広さですね。」
孝介「確かに。」
部屋の入口の襖を開けて部屋の中を見る二人。
古い木材と畳の匂いがするその部屋は、家の庭に面した窓とタンスが一つ、座布団が数枚重ねて隅に置いてあるだけの部屋だった。
孝介「・・・懐かしいな~」
そう言った孝介はパンパンッ!と部屋の中央に向かって手を合わせた。
それを見た誠也はそれに習って、自分もパンパンッ!と部屋の中央に向かって手を合わせた。
二人「「これからしばらく、お世話になりますっ!」」
そう言った後二人は荷物を放り出して、部屋にあるタンスの中に衣類を納め始めた。
誠也「そう言えば、皐月さんからのアルバイトってどんな物なんですか?まだ内容聞いていないんですけど。」
孝介「そう言えば、言ってなかったな。皐月さんの旦那さん、宮大工をやっている人で、そのせいで仕事で家を空けることが多いんだ。今も春先から仕事で家を空けてるんだ。」
誠也「あ、そうだったんですか。どうりで旦那さん見ないわけです。」
孝介「で、その間の手伝いをしてくれないか?ってのがアルバイトの内容だよ。」
誠也「ああ、そう言うことですか。確かにこの炎天下の中、女手しかないこの家にとって男手は必要ですよね。」
孝介「ああ、特に今は夏祭り前だから、男手はより必要だろうからな。」
そんな風に誠也は孝介と話していると、不意に部屋の入口の麩がいきなり開かれた。
二人「「ん?」」
開かれた襖の先には、先程、誠也がバス停でラムネをもらった女の子がいた。
誠也「あれ?君はさっきの?」
女の子「あ・・・・あなたはさっきの・・・・」
誠也を見た後、入って来た女の子は誠也が自分がさっきバス停で会った子だと気づいた。
孝介「ん?知り合いか?」
誠也「さっき孝介さんがバス停で寝ていた時にラムネをくれたんですよ。」
孝介「へ~、そんな事があったんだ。でもなんでそんな子がここに・・・あ!」
誠也「ああっ。そうか!」
誠也と孝介は皐月に誠也と同じぐらいの歳の女の子が居ることを思い出し、この子がその子だと思い至った。
誠也「君が皐月さんの娘さんの翔子ちゃんか。さっきはラムネ、ありがとうね。」
翔子「あ・・・うん。別に大したこと無いよ。」
誠也が言ったラムネのお礼をたいしたことないと言って返事をする翔子
孝介「翔子ちゃん、久しぶりだね。」
翔子「・・・うん/////」
孝介に声をかけられ、赤くなりながらうつむいて返事をする翔子。
そんな翔子を見て、誠也は先ほどのラムネの件を思い出した。
誠也(そ、そう言えば、俺・・・・この子と間接キスしたんだよな・・・・・こんな・・・可愛いこと・・・・・////////)
目の前にいる少女・翔子を見て、先ほどの間接キスの事で誠也も顔を赤くした。
孝介「ん?なんだ誠也、お前も顔を赤くして?翔子ちゃんがあんまりにも可愛いから照れてんのか?」
翔子「か、可愛いい///////」
誠也「な?!そ、そんなんじゃありません!これは暑さのせいです!!」
顔が赤いことを指摘されて、それに反発する誠也。
カナリヤ《間接キスぐらいで照れるなんて、可愛い所あるわね~♪》
誠也《うるさい、カナリヤ!焼き鳥にするぞ!!》
念話でチャチャを入れてくるカナリヤに対して同じく念話で対応する誠也。
そんな風に念話で話している誠也とカナリヤを余所に孝介は翔子と話しを続けていた。
翔子「あの・・・所で二人はどうしてここに?」
誠也「え、あ、今日からバイトで岩永家にお世話になることになってるんだけど、皐月さんから聞いて無いの?」
翔子「え?でも確か孝介お兄ちゃんと一緒に来る人は確か男の子のはずだけど・・・・」
誠也「あの~、その男の子って・・・・俺の事だと思うんだけど・・・・」
翔子「え?・・・・あなた、女の子じゃないの?」
誠也「・・・・男・・・なんだけど・・・・・」
またもや女の子と間違われた事に対してドッと疲れが湧いてくる誠也
翔子「え、ええええっ!?そ、そうなの?あっ!じゃあ、私・・・・さっきので男の子と////」
翔子は先ほど自分があげたラムネの瓶で目の前の男の子と間接キスした事実に気づき、急に顔を赤くした。そんな時、翔子の後ろからいつの間に来た皐月が誠也と孝介二人に声を掛けてきた。
皐月「孝介くん、誠也くん、夕飯で何か希望ある?」
何気ない風に二人に対して聞いてくる皐月。その途端、顔を赤くしながらとっとっとっ小さな足音を残して、翔子は小走りに二人の前から去っていった。
誠也「え・・・」
孝介「ん?逃げ・・・た?」
去っていった翔子を見て誠也は呆然とした。
誠也「き・・・嫌われてるの・・・かな?」
皐月「あら・・・」
孝介「・・・・・」
皐月「ごめんなさいね。あの子ったら・・・」
誠也「あ、いや・・・いきなり家に見知らぬ人がいたらびっくりすると思います。」
孝介「そうだな。けど、案外お前があんまりにもカッコイイから照れて逃げちゃったんじゃないか?お前結構モテてるもんな。幼馴染のはやてちゃんに、従姉妹の美夏ちゃんに義姉の悠菜に最近妹になった霞ちゃんと・・・・お前の周りはいつも美少女だらけだもんな~。」
皐月「あらあら、誠也くんってモテモテなのね。」
誠也「孝介さん!変な事は言わないでくださいよ!!皐月さんが誤解しちゃうじゃないですか!!はやては唯の幼馴染だし、悠菜姉はその義姉。美夏は従姉妹だし、霞は義妹ですよ。」
孝介「ホントかな~。俺は少なくてもはやてちゃんは脈があると・・・」
誠也「孝介さん!あんまり有る事無いこと言うと、京香姉さんに孝介さんに虐められたって言いますよ!」
孝介「げ!それだけは勘弁!!京香さんを怒らせるとおっかないんだ、黙るから勘弁を!」
皐月「京香さん?」
誠也「あ、姉です。
皐月「あ、そうなんだ。へ~、孝介くん、誠也くんのお姉さんと同じ大学に通っているんだ。その様子だと、その人に頭が上がらないみたいね、フフフッ」
孝介「ええ、まあ普段から世話になってますからね・・・(怒らせると怖い人だからってのもあるんだけどね~)」
皐月「それよりも誠也くん、あの子、何か言ってた?」
誠也「いいえ、得には・・・」
皐月「そっか・・・・本当にごめんなさいね。なんだか人に慣れて無いみたいで・・・」
困った顔をする皐月。そんな皐月に対して申して誠也は申し訳なくなり咄嗟にフォローの言葉を入れた。
誠也「心配しないでください、折をみて話してみますから。大丈夫、仲良くなってみせますよ。」
皐月「お願いね。」
誠也の言葉を聞いて少し安心したのか、皐月は笑顔で言葉を返した。
*
夕飯の時間までまだ時間があったため、誠也はまず、こちらに着いた事やこちらの様子などを携帯で姉の京香に連絡しながら散歩する事にした。
誠也「・・・・と言うような感じだよ。」
京香『そう・・・誠也、余り孝介くんやそちらの家の人達に迷惑をかけない様にね。』
携帯から聞こえる誠也の実の姉・京香と会話する誠也。
誠也「大丈夫だよ。もうちょっと実の弟を信じてよ。信用ないな~」
京香『当たり前よ!あなたはお父さんに似てトラブルに首を突っ込む癖があるんだから、それで今までどれだけ私や悠菜に心配かけたと思ってるの!』
誠也「うっ!それ言われると何も言えない・・・・そ、そうだ!そっちはどうなの?霞の様子はどう?発作とか起こしてない?」
そう言って、誠也は一つ年下の義妹の
霞は正確に言えば誠也の父・誠司の二人いる家の上の方の妹の娘で、従兄妹である。
5年前、家族を通り魔に目の前で皆殺しにされ、天涯孤独になった霞は唯一の親戚である鳴海の家に引き取られたのである。
霞は目の前で家族を殺されたせいで、心に深い傷を作ってしまい、そのせいで、時々その時の記憶がフラッシュバックし、激しく取り乱してしまうことがある。俗に言う重度の
医者は、「心の傷が原因なので、刺激を与えず、少しずつ心の傷を癒していくしか方法は無い。」と言った。
そこで誠也達は日常生活で、
京香『今のところは大丈夫よ。圭介くんやはやてちゃん、美夏ちゃん達がいつも側にいてくれるし、最近は新しい友達・・・かなでちゃんって名前の子らしんだけど、その子と気が合うらしいらしく、そのおかげか体調も良いみたいよ。』
誠也「そっか、そっか、新しい友達ができたんだ。最近は安定してきているから、少しは安心していたんだけど、不意に発作が起こることもあるからね。」
京香『あれから5年も経っているとは言え、やっぱり心のキズなんだから、そう簡単には癒えないわよね・・・・』
誠也「うん・・・まあとにかく、こっちは上手くやるから、そっちの事は任せるね。」
京香『ええ、お姉ちゃんにドンと任せて置きなさい。』
誠也「うん。あ、そうだ、悠菜義姉さんはいる?」
京香『え?悠菜?居るけど・・・話しあるの?』
誠也『うん(そうか、去年から始めた恒例の調べ物から帰ってたのか)』
誠也は義理の姉・悠菜が去年一時的に行方不明になった後から始めた、誠也達に内容を教えない調べ物から帰ってきているのだなと思った。
京香『じゃあちょっと待ってて。』
そう言って、電話口から京香がいなくなり、代わりに別の人物が電話に出た。
悠菜『もしもし?』
誠也「あ、悠菜義姉さん?」
電話口に出たのは誠也と3つ違いの義姉の鳴海悠菜、旧姓・藤堂悠菜であった。
悠菜は誠也の従兄妹で両親が事故死したせいで、誠也が5歳の時に鳴海家に引き取られた。
悠菜は家族の中で義妹の霞と同じくカナリヤの存在やライダーの事を知っている、数少ない協力者であった。
悠菜『取りあえず元気そうね誠也。孝介さんに迷惑なんてかけてないでしょうね。』
誠也「かけてないよ。むしろこっちがかけられてるぐらいだよ。」
そう言って誠也は今日の昼頃に脱水症状になりかけた事を思い出してその事を話した。
悠菜『・・・それはまた大変だったわね。どうやらそっちも暑そうね。』
誠也「暑さじゃこっちもそっちも対して変わらないね。所でそっちの方はどう?財団絡みの事件は起きてる?」
悠菜『今の所は起きてないわね。最も起きても圭介が居るから問題ないわよ。』
誠也「確かにそうだね。ところで竜輝は・・・・ちゃんと協力してくれてるの?」
悠菜『ええ。双葉ちゃんやユーリちゃんの事で今までは協力してくれてなかたけど・・・今年生まれた新しい妹のピティちゃんのおかげで、ミラーモンスター関連で協力してくれてるわよ。』
誠也「そうか・・・よかった。所で、田中先輩の方はどうなってるの?少しはマシになって響鬼の力を使えるようになった?」
誠也は最近仲間になった、自分と同じようにカナリアからライダーの力を受け継ぐことができる素質を見出され、仮面ライダー響鬼の力を授けられた一つ上の先輩である
悠菜『まだまだよ。「あやめさんを守るんだ!」と気合は十分なんだけど、響鬼の力を完全に使いこなせるようになるのは当分先ね』
誠也「まだまだか・・・・当分は俺と圭介、そして竜輝の3人でやっていくしかないのか・・・・。」
悠菜『ごめんね。ライダーの力を持った私も本当は協力しなきゃいけないんだろうけど・・・・」
誠也「良いよ、謝らなくて。どうしても調べなきゃならないことがあるんでしょ?」
悠菜『・・・・うん。けど・・・調べる内容について話してもいない・・・・そんな私のわがままのせいで迷惑を「義姉さん」って誠也?』
誠也「僕らは家族でしょ?家族って互いに迷惑をかけられるもんでしょ?それとも悠菜義姉さんは俺のこと、家族だと思ってないの?」
悠菜『そんな事思ってないわよ!』
誠也「なら、別にいいじゃない。これぐらいの迷惑、かけても問題ないよ。」
悠菜『誠也・・・・ありがとう。』
誠也「良いって。じゃあそろそろ切るね。」
悠菜「ええ。そっちの調査、頑張ってね。」
誠也「うん、そっちこそ。じゃあ。」
そう言って誠也は携帯を切った。
誠也「ふう~」
カナリヤ『向こうの様子はどうだったの?』
誠也の側を飛んでいたカナリヤが、携帯知った向こうの様子を誠也に聞いてきた
誠也「霞の発作も起きず、一応平穏みたいだよ。」
カナリヤ『そう・・・・なら問題はこっちの方ね。取りあえず、例の怪物を探すにしても闇雲に探すのは得策じゃないわね。』
誠也「そうだな。山の中に居るのはまず間違いないんだけど、山の中を当てずっぽに探すのは危険だよな。」
カナリヤ『そうね、ヘタをすると遭難してしまう可能性もあるし・・・ここはやっぱりあの子達に頑張ってもらいましょうか。』
誠也「そうしますか。」
そういった誠也は周りを見て誰もいないのを確認すると、指輪を取り出し右手の指にはめてベルトのバックルにかざした。
電子音声『ガルーダ!プリーズ!』
電子音声の後、誠也の目の前に魔法陣が現れ、その中からプラモのようにパーツが板に付いた物が現れる。
それらは誠也の目の前で勝手にパーツ同士がくっ付いて鳥の形をとった。プラモンスター・ガルーダである。
誠也「じゃあよろしく。」
そう言ってガルーダの胸に右手につけた指輪をはめ込んだ瞬間、ガルーダは声を出して山の方へと飛んで行った。
カナリヤ『一体だけで良いの?もっと呼んだ方がいいんじゃ・・・』
誠也「あのね、魔法使うのって結構疲れるんだよ、夕飯前にこれ以上は無理。」
カナリヤ『あのね~。』
誠也「さ~て夕飯だ。皐月さんのご飯はどんなんだろうな~♪」
カナリヤ『こら!まだ話はおわってないわよ!!』
カナリヤの相手をせず、誠也は岩永の家へと戻るために歩き出した。物陰に隠れて一部始終を見て居た小さな陰に気づかないまま・・・
翔子「な、何もない所から赤い鳥が出てきて山の方に飛んで行っちゃった・・・・なんなのあれ?」
つづく
初登場キャラ出典作品
カナリヤ(平成仮面ライダーシリーズ(仮面ライダーバトライドウォー))