最近、激しい雨が降ったり、やんだと思ったら今度は真夏日の様な暑さ・・・・
はっきり言って激しく変わりやすい天候のおかげで体調を崩しがちです。
それはさて置き、第22話をどうぞ。
隆史「待てお前ら!勝手に幽霊を連れてきて、帰ろうとするな!!幽霊も連れて帰れええええええええええええ!!」
鳴海荘にある田中隆史の部屋の中に隆史本人の声が響いた。
はやて「あやめさんは先輩の彼女やろ?確かに生前の話かもしれへんけど、この世に迷ってるのだって先輩がだましたせいなんやから責任くらい取るべきやろう。」
隆史「恋人って何だよ!自慢じゃないが彼女いない歴=実年齢の18年だ!」
誠也「本当に自慢じゃないですね。言ってて虚しくないですか?」
隆史「うるさい!黙れ!美少女をしょっちゅうはべらせているリア充が!!って話がそれた。兎に角、彼女なんて居なかったためしがないんだから、騙したとか待たせたとか勝手に言うな!そんな覚えまるっきり無いからな!!」
誠也「じゃあ、あやめさんが嘘をついているって言うんですか?とても嘘を付くような人(?)には見えませんけど・・・」
そう言って誠也達は一斉にあやめを見た。
あやめ「隆史様、わたくしをお忘れになりましたの?」
あやめがひどく悲しそうな顔をし、それを見て隆史がバツの悪そうな顔をした。
隆史「と、兎に角知らんもんは知らん。」
はやて「先輩、鬼やな。」
なのは「鬼畜ね。」
フェイト「女の子泣かせるなんて最低です。」
隆史「何だよそりゃ!してもいないことに何でそこまで言われなきゃならないんだ!」
はやて達に言われて怒り出す隆史。そんな中、一人考え込んでいた誠也はあやめ対して質問をした。
誠也「あやめさん、あなたは「田中隆史」を探してたんですよね。」
あやめ「は・・・・はい。」
誠也「この人ですよね。」
あやめ「はい。」
この人で間違えないと言わんばかりのはっきりした声で返事をするあやめ。
誠也「なら、やっぱり先輩のことじゃないんですか?」
隆史「だから本当に知らないんだ!」
なおも違うと言う隆史。それを見た誠也はしばらく考え込むと、不意に口を開いてあやめに質問をした。
誠也「ねえ、あやめさん。あなたが知っている「田中たかし」とどうやって知り合いになったの?」
あやめ「え?あ、はい・・・あれは確かお華のお稽古日でしたの。」
隆史を一度見た後、あやめは思い返すようにしながら話し始めた。
あやめ「ねえやの「ふき」と歩いていて、鼻緒が切れてひどく転んでしまって。足が痛くて困っていたわたくしに、車引きをしていたたかし様が・・・」
フェイト「く、車引き?何それ?」
なのは「あ、フェイトちゃん知らないんだ。車引きって言うのはね、昔あった荷車や人力車に物や人をのせて運ぶことを業とする人達のこと言うんだよ。自動車がある現在では、浅草や京都なんかの観光地で、観光客をのせる乗り物として残っているけだだけどね。」
フェイト「あ、テレビなんかで時々出てるアレの事か。でも、ここ辺り人力車なんてあったっけ?」
あやめ「あの・・・続けていいでしょうか?」
フェイト「あ、すいません。どうぞ。」
あやめ「車引きをしていたたかし様が「朝霧のお嬢さんだろ、お屋敷まで送っていこうか?」って声を掛けてくださったんです。」
誠也「朝霧のお屋敷?・・・・あやめさん、どこに住んでたんです?」
あやめ「○×町の朝霧屋敷ですわ。しゃれた洋館で、ここいらでは珍しいので、「たかし様」もご存知だったんですわね。」
誠也「よ、洋館の朝霧屋敷?それってまさか・・・・」
はやて「ん?誠也、なんか知ってるん?ここいらで洒落た洋館って言ったら、すずかちゃんとアリサちゃんと美夏ちゃんの所以外聞いたことあらへんけど、何か知ってるんか?」
誠也「あ、ああ。乃木坂の方の爺ちゃんのお母さん、つまり曾祖母の旧姓が朝霧で、その実家は当時はここいら一帯でも有名な家だったって。けど、ずいぶん前に没落して無くなったって聞いてる。」
はやて「ちょ、ちょっと待ちいや!それ一体何時の話しや!?」
隆史「そ、そうだよ。肝心なこと聞くの忘れてた!あやめさん、今年は何年だ?」
あやめ「え?大正○×年でございましょう?」
誠也達「「「「「た、大正!?」」」」」
誠也達があやめの言葉を聞き、声を揃えて叫んだ。
隆史「な、なんだって、そんな大昔の幽霊が、何で今頃・・・・と、兎に角これで俺がその「田中たかし」じゃないことが証明できたな。」
あやめ「はい?」
隆史「あやめさん、同姓同名だよ。あやめさんが言てる「田中たかし」は。俺はその人とは別人だよ。」
あやめ「たかし様・・・・私の事がお嫌いになったのですか?」
泣きそうな顔をして言うあやめ。
隆史「うっ(罪悪感が・・・・けど俺は「田中たかし」じゃないんだからここは心を鬼にして)あのね、今は平成・・・って言ってもわからないか。兎に角あやめさんが生きていた頃から70年以上経ってるんだ。」
あやめ「はぁ?」
隆史「だから、「田中たかし」は、もし生きていても90過ぎのじーさんなんだから、俺じゃないよ。」
あやめ「わたくし15ですわよ。たかし様は18歳」
隆史「それはあやめさんが死んでるからですよ。幽霊になってるから生前のままの姿なんだ。」
あやめ「まぁ、たかし様ったら本当に冗談がお好きなんだから」
そう言って微笑むあやめ
はやて「うわ~、完全に信じてなで。これは自分が幽霊だって自覚が無いみたいやな。厄介やで、これは。」
そんな風に「厄介だな~」と言っているはやての側で、誠也はポツリと声を出して喋り始めた。
誠也「なあ、朝霧家に住んでいたって事は、俺の親戚ってことになるのか?」
はやて「そら、そうやろ。乃木坂のお爺ちゃんの母親が朝霧の人なら、誠也にとっても遠縁の親戚になるんやろな。」
隆史「そうか・・・そうだよな!よし、誠也、子孫は責任持って連れて帰ってくれ。」
誠也「ちょ、ちょっと!人に押し付けないでくださいよ!子孫だからって俺に丸投げしないでください!それに子孫だって理由だったら、俺よりも美夏の方ですよ責任あるのは!」
なのは「あ~美夏ちゃんか。確かにそうだけど、あの子幽霊とか苦手でしょう?あやめさんなんて見せたら、卒倒しちゃわない?」
フェイト「確かにそうだね。」
はやて「そうやな。なら、誠也が一番適任やな。」
誠也「待てよ!お前らまで俺に押し付けようとするなよ!」
隆史「兎に角、子孫なんだからお前が引き取れ。」
あくまで誠也にあやめを押し付けようとする隆史。そんな隆史を見てあやめがまた泣きそうな顔をしてしゃべりだした。
あやめ「たかし様、わたくしが迷惑なのですね・・・・。突然押しかけてきて、はしたないとお思いですね。でも・・・わたくし父の言う通りに嫁ぐなんて嫌ですの。身分が違ってもたかし様が好きなんです。ここに居させてください。」
さめざめと泣きながら訴えるあやめ。それを見た誠也は肘で隆史をつついて言う。
誠也「置いてあげたらどうです、可哀想じゃないですか。」
隆史「でも俺は「田中たかし」じゃないんだけどな~」
誠也「姿形もソックリなんだから、そっちもつながりがあるんじゃないんですか?何か記憶にありませんか?名前とか」
隆史「・・・・そう言えば確か祖父さんが、俺が生まれた時、父親の名前を俺に付けたって言ってたな。」
はやて「それやそれ!ひいおじいさんなら年代的にも合うし、絶対そうやて。」
隆史「う~ん・・・そうかもな。電話・・・してみるか。」
そう言って隆史は携帯を取り出すと、短縮ダイヤルから祖父の番号を選び、祖父の家にかけ始めた。
数回のコール音の後、何者かが電話に出る。
隆史「あっ、爺ちゃん?俺、隆史だけど。ひい爺さんってどんな人だった?まさか俺ソックリとか無いよな?」
祖父『いきなりかけてきてなんだ隆史。ソックリだぞ。若い頃の写真、見せなかったか?』
隆史「(ガーン!)マジですか。」
祖父『ん?どうした隆史?』
隆史「・・・ねえ、まさか若い頃死んだ良いところのお嬢さんの恋人とか居なかったよね。」
祖父『ああ、そう言や初恋の人の話しを、昔よく聞かされていたなぁ。身分違いのお嬢さんで、震災で亡くなったそうだなが、忘れられなくて、それで晩婚になったと言うておったな。』
隆史「(ガガーン!!)マジかよ・・・・」
その後、隆史は曽祖父の写真と、その初恋の人の写真(曾祖母に隠して大切にしていたらしい)を送ってもらう事にして、携帯を切った。
誠也「それで・・・どうだったんです?」
隆史「・・・ピンポーン、大正解。」
はやて「やっぱり関係があったんやな。」
隆史「曾祖父さんの初恋の人らしい、震災で亡くなったって」
そう言いいながら、隆史は当の本人であるあやめをみた。
あやめは不安そうにしながら隆史を見ている。
あやめ「・・・・たかし様。」
隆史「わかった、ここに居てもいいです。」
あやめ「まぁ」
隆史の言葉を聞いて嬉しそうにするあやめ。
なのは「結構良いとこあるんですね。」
フェイト「見直しました。」
隆史「ハイハイ、あんま嬉しくないけどな。」
誠也「あやめさんの事については、俺の方でも調べてみます。それじゃあ俺たちはこれで。」
はやて「ほんじゃ、さいなら」
なのは「さよなら。」
フェイト「また明日。」
そう言って誠也達は隆史の部屋を後にした。
隆史「ああ、さよならって・・・おい!ドア、ブッ壊れたままじゃないか!直していけぇええええええええええええええ!!」
*
鳴海荘からの帰り道を誠也達4人は一緒に歩いていた。
誠也「・・・・なんか、隆史先輩の叫び声が聞こえてきたような。(^^;」
なのは「ドアの事で叫んでいるんじゃないの?はやてちゃんの蹴りで壊れたままだったし。」
はやて「ああ、そう言えば蹴り飛ばしたまんまだったな~。」
フェイト「それじゃ叫びたくもなるよね。」
誠也「明日あたりにでも、業者の人に連絡して直してもらうよ。」
はやて「せやな、それにしても幽霊のあやめさんか~」
なのは「今だに信じられないよ。本物の幽霊に会ったなんて。」
フェイト「だよね。」
はやて「それにしても残念やな~」
誠也「ん?何が残念なんだ?」
はやて「いや、あやめさんの事や。あやめさん、着物着てるからわかりづらいけど、アレは格好な物(胸のこと)を持っとると見た!」
誠也「はあ?」
手を胸を揉む仕草をしながら突然あやめの胸の話しをし始めたはやてと、それを見て呆れた顔をする誠也
はやて「あの胸は揉みごたえがありそうや。けど、幽霊だから触れないから揉むことができない・・・残念や。」
誠也「・・・触れたら揉むのかよ。」
なのは「相変わらずの乳揉み魔だね(^_^;)」
フェイト「ブレないね~(^_^;)」
はやて「う~ん・・・このまま諦めるのは惜しいな~、どうにかして揉める方法は・・・・」
そう言って考え込むはやて。
誠也「いや、諦めようよ。大体幽霊の胸を揉むって・・・・呪われても知ら「そや!この方法なら!」って・・・へ?何か思いついたのか?」
はやて「そうや、これなら揉めそうやな。明日早速試してみよ~と。もし、成功したらあの胸を思う存分に・・・・ぐふふふふ。」
誠也「何をするつもりなんだコイツ。(^_^;)」
誠也は若干呆れた顔しながら、不気味な笑い声を出すはやてを見た。
*
日が沈んだ、あやめが居た公園。
その中にある、あやめが佇んでいた木の側に和装の格好をし杖を持った一人の男が居た。
和装の男「・・・ここにいた幽霊がいつの間にかいなくなってる。消滅したか?いや・・・・残っている霊気の残滓からそれらは感じられない・・・ならどこかに移動した?」
男はそう言いながらあやめが居た辺りを見ながらブツブツとしゃべる。
和装の男「どっちにしろ、困りましたね。悪意も無く長い間その存在を保っている珍しい存在だったから、私の研究素材にでもと思っていのですが・・・まあ、移動したというのなら見つけるまで。」
そう言って和装の男は何かの液体の中に何かの毛が入って密閉されているガラスの小瓶を取り出すと、持っている杖の横穴に差込み、杖を地面に突き立てた。
すると小瓶の中身が杖を通して地面へと染み込みはじめ、やがてその染み込んだ地面から2体の異形・・・バケネコの魔化魍が現れた。
和装の男「・・・ココに居た幽霊を私の前に連れてくるんだ。」
和装の男は現れたバケネコの魔化魍にそう言うと、バケネコの魔化魍は二つ三つ深く唸って返事をするとその場から飛び跳ねて夜の闇の中に消えて行った。
和装の男「さて、後は待つだけ。その間に財団X宛に出す研究資料のまとめでもしておきますか。」
そう言って和装の男もその場を後にして、夜の闇の中へとその姿を消して行った。
つづく