仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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どうも、剣 流星です。
作中では今だに暑い夏、真っ盛りですが、現実ではようやく暑さも少しずつ和らいできている今日このごろです。
さて、では第2話をどうぞ。



第2話 春日神社の巫女と銀髪の美女

翔子「・・・・昨日のアレ、なんだったんだろう。」

 

誠也が岩永の家を訪れた次の日の朝。

岩永翔子は昨日の夕方目撃したある事について考えていた。

昨日の夕方、翔子は家に来た従姉妹に当たる孝介が連れてきた、紅く長い綺麗な髪の女の子のような顔の男の子・鳴海誠也の前から突然逃げ出してしまったのである。

理由は恥ずかしかったからである。

翔子は誠也が岩永の家に来る前、バス停のベンチで一度会っていたのである。

その時の誠也は暑さのあまり、脱水症状一歩手前の状態だったので今にも倒れそうな状態だった。

「の・・・飲み物・・・」と途切れとぎれの言葉で言う誠也を見て、さすがにこの状態はマズイと思った翔子は、自分がちょうど飲んでいたラムネを誠也に渡したのである。

ラムネを飲んで水分補給をした誠也は「ありがとう」と礼を言って来たので、翔子は返事を返した。

翔子はその時、誠也の事を男の子の服を来たボーイッシュな女の子だと思ってたので、誠也に対して自分が口を付けたラムネを渡すことに何の問題も感じてなかったのだが、自分の家である岩永家で誠也と再会して、誠也が男の子だと知り、自分がある重大なミスをした事に気づいたのである。

つまり、自分は自分と同じぐらいの男の子と間接キスした事になるのである。

 

 

翔子「うううっ・・わ、私・・・男の子と間接キスしちゃった、恥ずかしい~///////」

 

その事に気づいた翔子は顔を真っ赤にしながら一人で恥ずかしがり、身悶えたのである。

年頃である翔子にとって、同い年の異性・・・そんな相手と間接キスしたのである。恥ずかしがるのも無理はない。

しかも相手の誠也は女の子と見間違われるほどの整った顔立ちだった事が、翔子の気恥かしさを更に加速させていた。

 

翔子「間接キスした相手ともう一度合って・・しかも今日から一緒に住む事になるなんて・・・ううっ///////」

 

家を出て気持ちを落ち着かせるため村を一回り歩く頃にはようやく気持ちが落ち着いてきた翔子は、覚悟を決めて家へと帰ろうとした。

その時、さきほど聞いた誠也の声が聞こえてきたので、翔子は先程逃げてしまった事を謝ろうと、声のした方向へと向かった。

道の角を曲がると、その先に誠也が佇んでいるのを発見する翔子。早速声を掛けようとした次の瞬間、誠也の前に魔法陣の様な物が現れ、その中から何かのパーツがはめ込まれた板が現れた。

板からパーツが外れ、ひとりでに組み合わさり、やがて赤い色の鳥の模型のような物になった。

翔子はその光景を見て咄嗟に近くにあった塀影へと身を隠してしまった。

 

翔子(な、なに今の!何もない所から鳥の模型が出てきた!?なんなのあれ?!)

 

自分の目を疑うような気持ちになりながらも、翔子は塀の影から誠也を見続けた。

 

誠也「じゃあよろしく。」

 

そう言って目の前にある赤い鳥の模型に指輪のような物をはめ込むと、次の瞬間鳥の模型は意思持ったように動き始め、そのまま山の方へと飛びたって行った。

誠也はその後、鳥の飛び立った方向を見た後、一言二言独り言を言ってその場を離れたのである。

 

翔子「な、何もない所から赤い鳥が出てきて山の方に飛んで行っちゃった・・・・なんなのあれ?」

 

口にして言ってみたが、答えるものは誰もおらず、翔子はそのまま家に戻ったが、夕食中もその後も先程の不思議な事が気になって仕方がない状態であった。

そしてそのまま就寝し、朝になり起きてもそれは収まることはなかった。

 

翔子(昨日の事・・・気になって仕方がないよ。やっぱり直接聞いてアレがなんなのか聞いてみよう。)

 

そう思った翔子は学校に行くために制服に着替え、身支度を整えると、誠也と孝介に宛てがわれた部屋へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠也「ううっ・・・・こ、ここは・・・・・」

 

起きて最初に目にした見慣れない天井を見て、ここが自分の部屋で無い事に気づき、誠也は自分の身が置かれている状況が理解できず軽く混乱した。

寝ぼけている頭を振りながら周りを見回すと、自分が寝ていたと思われる布団の横で、同じ様な布団で寝ている孝介を発見し、誠也はようやく自分が昨日から孝介の従姉妹の家である岩永の家に泊まっている事を思い出した。

 

誠也「・・・・起きるか。」

 

隣で未だに寝ている孝介を起こさないように注意しながら、誠也は着替えの服を取り、寝ているあいだに汗を吸った寝巻きと下着を脱ぎ捨てた。

そしてバックの中から替えの下着を取り出す。

 

誠也「う~ん・・・・どっちがいいかな~」

 

そう言って誠也は取り出した下着・・・・パンツを両手に一枚づつ持って、その柄を見ながらうなった。

 

誠也「・・・・やっぱり、映司さんが以前勧めてくれたこっちのモンシロチョウの柄がいいかな~。でもちょっと派手なんだよな~これ。やっぱりここは、チェックの柄のこっちに・・・・」

 

そう言いながらパンツの柄で悩む中、突如スッーと部屋の入口である麩が開いた。

 

翔子「あ、あの・・・き、昨日の・・・・・・あ!」

 

誠也「え?」

 

翔子「・・・・・・」

 

部屋に入って来た翔子の視線が上から下に移動する。

今、誠也は下着を取替え用としている所である。ぶっちゃけ、今の誠也は何も身につけていない裸の状態である。

 

裸の誠也を目の前にして固まったままの翔子。そして同じく見られて固まったままの誠也。

しばらくの間、沈黙が辺りを支配した。

 

誠也「あ、あの・・・・」

 

翔子「え、え~と・・・も、もうすぐ朝ごはん・・・ですから!//////」

 

そう言って顔を真っ赤にしながら翔子は逃げるようにして走り去っていった。

 

誠也「・・・・見られた。」

 

両手と膝をついて項垂れる誠也。

 

カナリヤ『別に見られたぐらいで落ち込まないの。別に減るもんじゃないでしょう?』

 

誠也「減る!主に俺の尊厳とか!!」

 

カナリヤの声に突っ込む誠也。

 

孝介「う~ん・・・もう食えない・・・・」

 

側で今だに寝ている孝介が幸せそうな顔で寝言を言った。

 

誠也「・・・幸せそうに寝こけて・・・何か腹たってきた(怒)」

 

誠也がそう言った瞬間、ドゴッ!と鈍い音が部屋の中に響いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

皐月「おはよう孝介くん、誠也くん。ちょっと待っててねって・・・・どうしたの?孝介くん、その頭のタンコブ。」

 

居間で朝食の支度をしていた皐月は、居間に入ってきた孝介の頭の上にある大きなタンコブを見て、「どうしたの?」と聞いてきた。

 

孝介「さあ?朝起きたら出来ていたんです。いつの間に出来たんだろう?」

 

誠也「寝ぼけてどっかにぶつけたんじゃないんですか~」

 

孝介の後ろから付いてくる形で居間に入った、タンコブを作った張本人の誠也は何食わぬ顔でそう言った。

 

今日も授業がある翔子が、居間で既に先に朝食を食べていた。

だが、その視線はあからさまに誠也を見ないようにしており、頬は微妙に赤くなっていた。

 

誠也(き・・・気まずい。な、なんとかこの場の空気を変えないと。)

 

そう思った誠也は食卓にある自分の席に座ると、思い切って翔子に声を掛けた。

 

誠也「き、今日も授業があるんだね。」

 

翔子「・・・うん////」

 

少し頬が赤いが、あまり気にしないようにして誠也は話を続けた。

 

誠也「そっかー。俺の所は校舎がガス爆発で壊れちゃってね、修理のため夏休みが早めに始まったんだ。」

 

翔子「・・・そうなんだ。」

 

誠也「うん。」

 

翔子「・・・・」

 

誠也(い、いきなり会話が終わっちゃったよ・・・・)

 

カナリヤ《まったく、何不器用な事やってるんですか》

 

誠也《うるさい!傍観者は引っ込んでろ!!》

 

念話で茶々を入れてくるカナリヤに対してツッコミを入れる誠也。

 

誠也(とにかく、次の会話を・・・)

 

そんな風に考える誠也。だが次の瞬間、翔子が時計を見て急に立ち上がった。

 

翔子「あ、いってきます。」

 

誠也「え?あ・・・いってらっしゃい。」

 

翔子「・・うん////」

 

そう返事をして翔子は今を出て行った。

 

孝介「ふむ・・・先は長そうだな、誠也。」

 

誠也「・・・みたいですね。はぁ~」

 

そんな風にため息をついているといつの間にか食卓についていた皐月が孝介と誠也に話しかけてきた。

 

皐月「二人は今日の予定あるの?」

 

孝介「予定もなにも・・・」

 

誠也「僕ら、バイトしに来たんですけど・・・」

 

皐月「まあ、そうね。」

 

そう言って皐月はくすくすと笑った。

 

孝介・誠也「「?」」

 

皐月「誠也くんには悪いんだけど、孝介くんに帰ってきて欲しかったって言うのが本音。だがらそんなに難しく考えてもらわなくてもいいの」

 

孝介「そう・・・ですか。」

 

皐月「そう。だからバイトの手伝いを目的に来ている誠也くんには本当に悪いと思っているの。ごめんなさいね。」

 

すまなさそうに謝る皐月。

 

誠也「いいえ、いいんです。バイトの件もこっちが無理言って付いて来たようなものなんですから、あまり気にしないでください。(こっちもバイトの件は口実だしね。)」

 

皐月「でも、お仕事が本当に無いわけじゃないのよ?やって欲しいこともあるし・・・」

 

誠也「やって欲しいこと?」

 

皐月「ええ、実は・・・・」

 

そう言って皐月はやって欲しい事について話し始めた。

この御奈神村(みなかみむら)には古くから伝わる御伽噺・天女伝説を祀った春日神社(かすがじんじゃ)と言うそれなりに大きい神社がある。

そこの夏祭りは、何もない小さな村にとって外から人を集める大きな機会なのである。

当然、村全体でこの祭りの準備をするので誠也達にはその準備をして欲しいと言った。

 

誠也「なるほど。」

 

皐月「後は、私、今お昼は働きに出ているの。それで、これからお祭りの時期になると、外から知らない人が大勢来るから、家をずっと空けておくのが少し不安なのよ。男の人が居てくれると安心できるし・・・・言ってみれば家の管理かな。滞在がてら、ちょっと注意してくれると嬉しいな。」

 

誠也「それぐらいならお安い御用ですよ。」

 

孝介「ええ、もっともそれだけってのも気が引けますね。」

 

皐月「もしそれで気後れするなら、翔子の勉強でも見てあげてね。」

 

孝介「そういうことなら。後ついでだ、誠也、お前の勉強も見てやるよ。」

 

誠也「あ、それは助かりますね。夏休みがいつもより長くなったから、宿題の量もいつもより多いんで助かります。」

 

孝介「宿題の量、多いんだ。まあ夏休みが早く始まったから当然、宿題の量も増えるわな。」

 

そんな風に話している皐月が二人に対して何かが入った封筒を差し出してきた。

 

皐月「はい、まずはこれ。少し数ないけどね。」

 

孝介「いただきます。」

 

誠也「すいません、いただかせてもらいます。」

 

差し出された封筒を受け取る二人。

 

孝介「じゃあ後でいろはの所に行ってきます。祭りの手伝いならそっちで仕事をもらうんですよね。」

 

皐月「ええ、お願いね。」

 

誠也「いろは?」

 

誠也は孝介の口から聞き覚えのない名前が出てきたので聞いてみた。

 

孝介「ああ、神社をやっている俺の幼馴染だよ。」

 

誠也「あ、そうなんですか。じゃあその人、後で紹介してくださいね。」

 

孝介「ああ、紹介してやるよ。」

 

その後、誠也達は朝食を済ませ、後片付けをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食の後片付けを終えた後、誠也はこっそりと家を出て、岩永家の庭の人目が付かない場所へと移動した。昨日放ったプラモンスター・ガルーダと会うためである。

誠也が移動して人目がつかない所に移動したのを見計らって、ガルーダが誠也の前に飛んで現れた。

 

ガルーダ「ギィ~ギィ~♪」

 

誠也「・・・そうか、発見できなかったか。」

 

ガルーダ「ギィ~ギィ~♪」

 

そう言って返事をした後、ガルーダは胸の指輪を残して消えてしまった。

 

カナリヤ『魔力が切れて消えちゃったわね。やっぱりガルーダだけじゃあ、流石に探し出すのには無理があるわね。』

 

誠也の肩辺りをパタパタと飛んでいるカナリアが、魔力切れで消えたガルーダを見ながら呟いた。

 

誠也「しょうがない。ユニコーンとクラーケンにも出てもらうか。」

 

そう言って誠也はまず魔力切れで消えたガルーダの指輪を右手の指にはめて、ベルトのバックルにかざした。

 

電子音声「ガルーダ!プリーズ!」

 

電子音声の後、誠也の前に魔法陣が現れ、ガルーダが召喚される。

 

誠也「もういっちょ。」

 

更に誠也は右手の指輪にユニーコーン・クラーケンの指輪をはめてベルトのバックルにかざした。

 

電子音声「ユニコーン!プリーズ!」

 

電子音声「クラケ~ン!プリーズ!」

 

誠也の目の前に更に魔法陣が二つ現れ、ユニコーンとクラーケンがそれぞれ召喚された。

 

誠也「じゃあよろしくね。」

 

そう言って、誠也はガルーダ達にそれぞれの指輪をはめ込んだ。

指輪をはめ込まれたガルーダ達は、それぞれ別方向に飛んで行って消えた。

 

誠也「これでよし。後は報告を待つだけだな。」

 

カナリヤ『その間、皐月さんに言われた祭りの手伝いをしておきましょう。』

 

誠也「そうだね。」

 

そうな風に誠也が話していると、どこからか孝介が誠也の名前を呼んでいるのが聞こえてきた。

 

孝介「お~い、誠也!そろそろ神社に行くぞ~!」

 

誠也「あ、は~い!今行きま~す!」

 

そう、大きな声で誠也は返事をした。

 

誠也「行こう、カナリヤ。」

 

カナリヤ『ええ。』

 

そう言って二人はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孝介の後についていく形で歩く誠也と、その誠也に付いて飛んでいくカナリヤ。

しばらく道なりに進むと、やがて目の前に鳥居と石段が現れた。

 

誠也「ここが春日神社・・・結構大きいな~」

 

石段の下から上を見上げる誠也。

石段の上には神社の本殿の前にある鳥居が見えていた。

 

孝介「行くぞ。」

 

石段を見上げている誠也に対して声を掛けた後、石段を上り始めた。

 

誠也「あ、待ってくださいよ!」

 

石段を登り始めた孝介を見て、誠也も慌てて石段を登り始め、カナリヤがそれに続いた。

 

長い石段を登る事数分、やがて石段を登りきった頂上に待っていたのは、サッカーどころか、野球が出来そうな位に広い境内とその先にある立派な本殿だった。

 

誠也「うわ~広!本当に立派な神社だな。今年の元旦に初詣行った家の近くにある神社よりも広くて立派だな~」

 

広い境内を見回して言う誠也。

 

孝介「昔はよくここで遊んだな~」

 

孝介が懐かしそうな顔をしながらそう呟いた。

 

誠也「へ~、孝介さん、よくここで遊んでたんですか?」

 

孝介「ああ、さくやや、さっき言ってたいろはと一緒にな。」

 

誠也「へ~。」

 

そう言って誠也は再び神社の境内を見回した。

 

誠也「・・・・神社の人、いませんね。」

 

孝介「そうみたいだな。裏手にある自宅の方にいるのかな?」

 

そう言って孝介は神社の裏手の自宅へと歩き始め、誠也達もそれに続いた。

裏手の家にはすぐに着いたが、家には誰も居なかった。

 

孝介「・・・・ここにも居ないな~。いろはの奴。どこ行ったんだ?」

 

誠也「どうします?」

 

孝介「そうだな~」

 

知り合いが居らず、これからどうするか考え込む孝介。

そんな孝介に何者かが声を掛けてきた。

 

???「あの~いろはさんのお知り合いの方でしょうか?」

 

誠也・孝介「「え?」」

 

突然の声に驚き、慌てて声のした方を見る二人。

そこには髪の長い巫女服を着た女性が居た。

 

誠也「え~と・・・孝介さん、この人がいろはさん?」

 

孝介「いや・・・ちがう。え~と、神社で働いている方でしょうか?」

 

巫女「はい、あの~、いろはさんのお知り合いの方でしょうか?」

 

孝介「そんな感じです。」

 

巫女「いろはさんでしたら、お社の方にいらっしゃると思いますよ。あ、ですが今は・・・・」

 

孝介「何かまずいんですか?」

 

巫女「そうですね・・・よろしければ、午後改めて来て頂けますか?」

 

孝介「そうですか。わかりました。」

 

巫女「では失礼します。」

 

そう言って巫女は神社の方に歩いて行った。

 

誠也「どうします?」

 

孝介「社の方を覗いてみて、忙しそうなら、午後にまた来よう。」

 

誠也「そうですね。」

 

そう言って二人はその場を後にした。

 

境内に戻り本殿前まで戻ってきた二人。そんな二人の耳に「シャラーン♪」と鈴の音が聞こえてきた。

 

誠也「鈴?」

 

孝介「鈴の音だな。本殿の方から聞こえてくるな。」

 

そう言って、孝介は本殿の方へと向かって行った。

 

誠也「あ、孝介さん。」

 

本殿へと向かった孝介に、つづく誠也。

 

「シャラーン♪」と本殿から聞こえてくる音に釣られて中を覗く孝介。

 

誠也は孝介が邪魔で中が覗けず、その後ろに立ったまま、中を覗いている孝介を少し離れた所からじ~と見ていた。

(覗きだなんてあまりいい趣味じゃないですよ~)と心の中で言いながら、しばらく覗いている孝介を見ていると、突然本殿内から大きな叱咤の声が響いてきた。

 

???「誰!?また外の人ですか。何度も覗きに来るのはやめてくださいと言っているでしょう!」

 

誠也「へ?」

 

いきなりの声に驚く誠也。

 

???「早々に立ち去りなさいっ!さもないと・・・・」

 

孝介「で、出直してきますっ!」

 

突然走り出す孝介。

 

???「あ!こらっ!!待ちなさい!!」

 

本殿の中から棒のようなモノを持った、先ほど会った巫女服の女性とは違う巫女服の女性が怒りながら出てきた。

 

誠也「へっ?孝介さん?!」

 

カナリヤ『なんかあの巫女さん、怒っているみたいですよ!ここは逃げた方が・・・』

 

誠也「みたいだな!」

 

カナリヤの助言を聞いて、孝介の後を追うようにしてその場を逃げ出す誠也。

境内を走り抜け、石段を駆け下りそのまま神社を後にする二人。

やがて神社から離れた商店街までたどり着くと、二人は走るのをやめて立ち止まった。

 

誠也「ハアハア・・・・ひ、酷いですよ、孝介さん。置いて行くなんて・・・」

 

孝介「ハアハア・・・わ、悪い・・・・」

 

息を切らせながら話す二人。

 

誠也「さっきの人が、いろはさん?」

 

孝介「ああ、そうなんだけど、何か怒らせちゃったみたいだから、いろはに会うのは午後からにしよう。午後になれば、ほとぼりが冷めるだろうから。」

 

誠也「そうですね・・・午後、会う時は気が重いでしょうけどね。」

 

孝介「うっ!」

 

誠也「まったく、孝介さんが覗きなんてするから!せっかく巫女さんが注意してくれたのに・・・おまけに俺を置いて逃げるし~」

 

孝介「わ、悪かったって。ジュースでも奢るからそれで勘弁してくれ。」

 

そう言って孝介は商店街にあるタカミ商店という看板が出ている店先にある自走販売機前に移動したが、その店先の様子をみて立ち止った。

タカミ商店の店先には小さな子供が車座になって集まっていたのである。

そしてその中心には銀色の長い髪の女性が居た。

女性はチョークのような物で店先の道に数字を書いていた。どうやら子供達に算数を教えているようだった。

 

そんな女性を孝介は見ていると、女性が孝介の存在に気づき、立ち上がると、周りにいる子供たちを家に帰るように行ったのか、子供たちはその場から離れていった。

そして女性は孝介と話し始めたのであった。

 

誠也「・・・知り合いかな?」

 

カナリヤ『・・・・みたいですね。』

 

誠也「行ってみよう。」

 

そうカナリヤに言って、誠也は話し込んでいる二人に近づいた。

 

誠也「孝介さん。」

 

孝介「ん?ああ、誠也。」

 

誠也「知り合いですか?」

 

孝介「ああ、まあね。昨日、神社の石段の所で知り合ったんだ。銀子さんって言うんだ。」

 

銀子「よろしくね♪」

 

誠也「あ、鳴海誠也って言います。孝介さんのアルバイトを手伝う為に来て、今は岩永さんの所でお世話になってます。あ、ちなみに「男」ですからね。」

 

銀子「え、ああ、うん。(お、男の子だったんだ・・・)あ~誠也・・・くんね。うん、礼儀正しくて良い子だね~。私は銀子、ギンちゃん、もしくは銀ねえって読んでね~♪」

 

誠也「乗り軽っ!美夏並みに軽っ!」

 

誠也「そ、そうだな・・・・」

 

その後、誠也達は自販機で飲み物を買った後、それを飲みながら三人で話をした。

そしてしばらく話していると、飲んでいる飲み物がなくなったのをみて、銀子が空き缶を傍にあったゴミ箱に入れた。

 

銀子「じゃあそろそろ行くね。」

 

そう言って銀子は手を軽く振って歩き出した。

 

孝介「・・・・変な人だな。」

 

誠也「ですね、でも・・・悪い人じゃないみたいですよ。」

 

孝介「だな。」

 

そう言って二人も飲み干した空き缶をゴミ箱に入れるとそろそろお昼時だ気づいた二人は、お昼を食べるために岩永の家へと戻った。

 

 

 

お昼を食べるために岩永家に戻ってきた誠也たち。

孝介が皐月に渡された合鍵を玄関の鍵穴に入れて、開けようとした時、孝介がその動きを止めた。

 

孝介「・・・あれ?」

 

誠也「ん?どうしたんです?」

 

孝介「鍵が空いている。」

 

誠也「え!」

 

孝介「誰か帰ってるのか?ただいま~。」

 

そう言って孝介は家に入って行ったので、誠也はそれに続いた家の中へと入った。

 

誠也「・・・皐月さんでも帰って来ているのかな?」

 

カナリヤ『さあ?』

 

そんな風に誠也がカナリヤと話していると、居間の方から声が聞こえてきた。

 

翔子「・・・お、おかえり・・・なさい。」

 

誠也「あれ?翔子ちゃん?もう帰ってたの?」

 

居間には一人分のご飯の用意がしてあった。

服装は制服のままで、鞄も横に置きっぱなしであった。

その様子をみた孝介は疑問に感じ、首をひねった。

 

翔子「あ、え~と・・・家に帰ってお昼食べる時間があるから、いつもそうしているの。」

 

孝介「ああ、なんだ。」

 

誠也「お昼を食べに戻って来てたんだ。」

 

そう言いながら誠也は食卓の上のお昼を見た。

急いでいるのだろうがご飯にふりかけしかない・・・お世辞にもあまり良い昼食ではない物が机の上に置いて有った。

 

カナリヤ『年頃の娘さんのお昼にしては、物足りない物ですね。』

 

誠也《だな~》

 

食べようとしている本人も気まずいのか、視線が定まってない。

 

誠也「翔子ちゃん、お昼休みって何時まで?」

 

翔子「え~と、12時45分」

 

誠也「授業開始は?」

 

翔子「50分」

 

孝介「大体20分ぐらい時間があるな。なら、誠也。」

 

誠也「10分あればお昼を用意できるから、ちょっと待ってて。」

 

翔子「え・・・・・いいよ。悪いし」

 

孝介「いいからいいから。俺たちもお昼まだなんだ。だからちょっと待ってて。」

 

そう言って二人は翔子の返事を聞かずに、さっさと台所に入った。

 

 

誠也「使った分は後で補充するとして、もやしに肉をさっと炒めて・・・」

 

孝介「誠也、冷蔵庫の中にお浸しやら漬物なんかも有るみたいだから、これを使おう。後は手軽に出来るものを・・・」

 

誠也「さて、翔一さんから教わった料理の腕を披露するとしますか!」

 

そう言った後、誠也は孝介と作業を分担しながら昼食を手早く作って居間へと戻った。

 

誠也「はい、どうぞ。」

 

翔子「・・・これ、二人が作ったの?」

 

孝介「まあね。俺の家も誠也の家も父子家庭だから、自炊する機会が結構あったんで、料理は得意なんだ俺達。」

 

翔子「へえ~」

 

いただきます。と小さく頭を下げて、ぽつぽつと食べる三人。

 

翔子「・・・おいしい。」

 

少しはにかんだ笑顔をする翔子。

 

カナリヤ《お昼を作った報酬としては十分な物ですね》

 

翔子の笑顔を見て、カナリヤはお昼を作った誠也に対して念話でそう言った。

 

誠也《ああ、十分な報酬だよ。》

 

それからもくもくと昼食を取り、食べ終わった後、改めて出て行く翔子を見送った誠也達は、昼食の片付けをした。

 

誠也(少しは距離が近づいた・・・かな?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方の岩永家の居間。そこには机に突っ伏した孝介と縁側で涼んでいる誠也がいた。ちなみに皐月は未だに仕事から帰ってきておらず、カナリヤは村の中をもっと見ておくと言って誠也とは別行動中であった。

午後に再び春日神社に顔を出した誠也と孝介だったが、いろはは不在で、二人は会うことができなかった。

午前の事と、更に午後もいろはに会えなかったのが堪えているのか、孝介は机に突っ伏して動かないでいた。

 

翔子「ただいま~」

 

誠也「「お帰り~」」

 

学校から帰ってきた翔子は居間に居るのが誠也達だけだと知ると、そのまま軽く会釈して居間を通り抜けようとした。

ところが、机に突っ伏している孝介を見て、軽く目を丸くした後、孝介に話しかけた。

どうやら、孝介が元気の無いのに気づいてどうしたのかと聞いてみたようである。

そこで孝介は神社で合った出来事を話し始めた。

誠也はそんな二人から少し離れた縁側でそれを見ていた。

 

誠也(う~ん、孝介さんは親戚だろうから比較的普通に話せているみたいだな~。俺もあれ位話してもらえるようにならないとな~)

 

そんな事を誠也が考えていると、話し終えた二人は不意に立ち上がると、玄関へと向かっていった。

 

誠也「あれ?お出かけですか?」

 

孝介「ああ、ちょっといろはに謝ってくるよ。誠也は留守番を頼む。」

 

誠也「あ、は~い、わかりました。」

 

誠也の返事を聞くと、孝介は翔子を連れて家を後にした。

 

二人を見送った後、誠也はやることも無く、しばらくボーとしていると、不意に誠也の携帯が鳴り響いた。

誠也は携帯を取り出し、ディスプレイを見る。

そこには乃木坂美夏と表示されていた。

 

誠也「・・・美香か。何の用だ?」

 

そう言って誠也は携帯の通話ボタンを押して、携帯を耳に当てた。

 

美夏『ハロ~、誠也く~ん♪元気~♪あなたのアイドル・スィ~ト美夏ちゃんだよ~♪』

 

誠也「・・・相変わらず無駄にテンション高いなお前は。」

 

美夏『ぶ~、乗り悪いぞ~。せっかく電話してあげたのに~』

 

誠也「はいはい。」

 

そう言って誠也は適当な相槌をうった。

乃木坂美夏、誠也の母・清香の妹の秋穂の娘で誠也にとっては従姉妹に当たる。

歳は誠也の一歳下で、なんと、あの世界有数の財閥・乃木坂財閥を司る四大名家の一つ、乃木坂家の令嬢なのであり、誠也の力・ライダーの力とカナリヤの存在を知っている数少ない友人の一人でもある。

 

誠也「で、そっちの状況は?怪人共やスイッチ、ガイヤメモリー使用者関連の事件は起きてる?」

 

美夏『今の所は起きてないよ。最も起きてもこっちには圭介くんや竜輝くんが居るし、いざとなったらはやてちゃん達が居るから大丈夫だよ。だからこっちのことは気にしないで、そっちの事件に集中して。』

 

誠也「わかった。所で京香姉さんにはライダー関連の事はバレてないだろうな?」

 

夏美『バレてないわよ。京香さんがもし知ったら、大騒ぎになってるわよ。』

 

誠也「姉さんは母さんが死んだせいで、身近な人が居なくなったり、危険な目に合うことに対して異常に反応するからね。」

 

美夏『だね~。これからも注意しないとね。ほんじゃそろそろ切るね。あ、そうそう、帰ってきたら、面白い物を見せてあげるから楽しみにしててね。』

 

誠也「面白い物?」

 

美夏『うん、面白い物。あ!あと、帰ってくるときはお土産忘れずにね。ガイコツのキーホルダーとかペナントとか、東京タワーの置物とか。』

 

誠也「・・・何処の観光地の土産だ。無難に饅頭の詰め合わせでも買っていくよ。」

 

美夏『ぶ~、つまんないの~。まあいいや、そんじゃお願いね~。』

 

そう言って切れる携帯。

 

誠也「ふ~、全く、まだ来てから1日しか経ってないのにもう土産の催促かよ。さて、そろそろガルーダ達が戻ってくるな。迎えてやらないと」

 

そんなことを言いながら誠也は携帯をしまうと中庭方へと移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

初登場キャラ出典作品

 

 

 

春日いろは(かすがいろは)(黄昏のシンセミア)

 

銀子(ぎんこ)(黄昏のシンセミア)

 

乃木坂美夏(のぎさかみか)(乃木坂春香の秘密)

 

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