最近始まった、鬼灯の冷徹の二期のアニメにハマってます。
新OPの曲、一期の時のOP曲と同様、一度聞いただけで気に入ってしまい、即効でアマゾンで購入してしまいました。W
それはさておき、第61話をどうぞ
ロケに向かうバスに、こあと765プロの人達と共に乗り込んだ誠也は、バスの中辺りにある窓際の席へと座った。腰を下ろした瞬間に、「プルン♪」と、いつもと違う胸の感覚に気づき、自分の胸を見る。そして視線を窓へと向けると、そこには女物の服を身に着け、本物の女性の胸のように見える特注の胸パットを付けた自分の姿が、バスの窓の映り込んでいた。
セイカ(誠也)(うっ!)
本物の女性のようになっている自分の胸を見て、直視したくない現実を見せられ、誠也は今の自分を情けなく感じた。
セイカ(誠也)(本当に女性の胸みたいだ・・・・)
自分の変わり果てた胸を見て、おもむろに触ってみる。触った手にやわらかい感触が伝わり、誠也はますます情けなくなった。
セイカ(誠也)(ボディーガードする為とはいえ・・・なんでこんな格好に・・・こんな格好・・・霞達に見せられないよ・・・ああ、涙出てきた・・・)
「ぐすん」と鼻を鳴らしながら、自分の胸元に手をあてる誠也。
セイカ(誠也)(うん?)
自分の胸元に手を当てた手に、硬い金属を触った感触が伝わる。誠也はその硬い感触の元となる物を、自分の胸と服の下から取り出した。取り出した物は、エメラルド色の綺麗な石がはめられたペンダントだった。
このペンダントは、かつて
このペンダントはペアになっていて、片方を誠也が、もう片方をこあが身に着けている。誠也はこれらを使って、この世界に迷い込み、魔力切れで消滅寸前だったこあを助けた事がった。
ペンダントを見つめながら、このペンダントを手に入れた当時を思い出す誠也。そんな手の中のペンダントを見つめていると、不意にペンダントに変化が起きた。
セイカ(誠也)(うん?)
誠也の手の中のペンダントのエメラルド色の石が、ほんのわずかな淡いグリーン色の光を発し、文字のようなものが浮かび上がったのである。
セイカ(誠也)(なっ!)
石の光はすぐに消えたが、誠也はしばらく石を黙ったまま見つめた。
セイカ(誠也)(なんだったんだ?今の光・・・)
先ほどの光について思案する誠也。そんな誠也の思考は不意にかけられた声に中断させられた。
こあ「そのペンダント、まだ持っていてくれたんですね。」
声が聞こえた方向を見ると、そこにはいつの間にか隣の席に座っていたこあの姿があった。
セイカ(誠也)「うん?・・・・ああ、お守り代わりにいつも身に着けていたんだ。」
先ほどの石の光についてこあに話そうとしたが、きっと気のせいだと思い、頭の片隅に追いやった誠也は、こあの話に耳を傾けた。
こあ「お守り代わりに・・・ですか?」
セイカ(誠也)「ああ、この石を身に着けていると、なんだか勇気が湧いてくるように感じるんだ。」
こあ「勇気が湧いてくる・・・・私と同じですね。」
こあは、自分の服の下に有るペンダントを取り出し、誠也に見せた。
こあ「私も・・・怖い時や、困難な時にこのペンダントを「ぎゅ~」て握りしめると、勇気が湧いてくるように感じるんです。まるで・・・マスターが側に居てくれるみたいで///」
セイカ(誠也)「えっ?あ・・・///」
頬を赤く染めて、ちょっぴり恥ずかしそうにしながら言うこあを見て、自然に自分の顔が赤くなるのを感じ、恥ずかしそうにしながら思わず目をこあからそらす誠也。そんな風にお互い恥ずかしそうにしながらしている二人に急に前の席から声がかけられた。
亜美「何々?二人とも顔を赤くして?あ!ひょっとして二人で、これからラブラブタイムだった?」
真美「なになに、二人ってひょっとして恋人同士?」
いつの間にか、前の席の背もたれの上から顔をのぞかせながら、ニヤニヤ顔で誠也達を見る双子。
雪歩「えっ!二人は恋人同士だったんですか?!」
あずさ「お似合いですよ、お二人とも♪」
亜美・真美の二人の声を聞いて、通路を挟んだ向かいの席に座っていたあずさと、後ろの席の雪歩が騒ぎ出す。それをきっかけに、他の席に座っている765プロの面々もその話に興味を持ったのか次々にその話に乗っかってきた。
我那覇響「へ~、二人は恋人同士だったんだ」
真「恋人か~・・・ちょっとうらやましいな。」
こあ「へっ?あ、いや・・・ち。ちがいますよ!私なんかがマスターの恋人な訳ありませんよ!」
セイカ(誠也)「そうですよ!俺らはそんな間柄じゃないですよ!そ、それよりも、みなさん!数日後にある乃木坂グループからの仕事、聞いてます?」
誠也は話をそらすために、数日後の予定に入っているであろう、祖父・
あずさ「確か乃木坂グループが新しい試みを試すために作った旅館での仕事だったわよね。」
セイカ(誠也)「ええ。新しく発見した、温泉の中でしか生息できないドクターフィッシュを放してある温泉や、キューティクルベリーをはじめとした、今流行っている健康と美容に良いグルメ食材を食事に出すのを売りにした海沿いの旅館です。」
誠也は彼女らの今後の予定に入っている、仕事で行くとある旅館の事を説明した。この仕事は、乃木坂グループが誠也の協力の元、誠也が「トリコ」の世界で手に入れて持ち帰った、表向き新発見したことになっているグルメ食材とドクターフィッシュを使った、新しい旅館であった。
グルメ食材等をこの世界に持ち込んだ張本人として、誠也はこの世界でのグルメ食材とグルメ細胞、さらにグルメ食材を使った料理の第一人者となっているので、今回の、この旅館の建設に最初からアドバイザーとして携わっていた。そのため、誠也はこの旅館の事に介してある程度融通が利くため、その特権を利用する事を考えた。それは、夏休み中に、日頃お世話になっている人や、親しい友人達との旅行をする際に、宿泊する旅館をこの旅館にすることだった。
幸い、この旅館は本格的にオープンする前に、試験的にお客を呼び、実際使った感想を聞いて、最終調整をするプレオープンがまだだったので、それならばと誠也はこのプレオープンの客を自分達にしようと考えた。
だが、常日頃から忙しいアイドルをやっている、自分の姉のような存在である千早をはじめとした765プロの面々を呼ぶのは大変だと思った誠也は、765プロの面々に仕事として、プレオープンの客としての仕事を祖父を通して、乃木坂グループの名前で呼んだのである。
今人気急上昇中の765プロのアイドル達がプレオープンで泊まったと言うだけでも良い宣伝にもなるし、仕事の期間を誠也達が泊まる時に合わせれば、誠也達とも遊ぶ機会もできると言う一石二鳥の計画なのであった。
プロデューサー「この仕事は、表向き仕事で行くことになっているけど、それは口実で、実際は半分休暇の旅行のような物だから、みんな、久々に羽を伸ばすといいよ。」
やよい「旅行なんて久々です。楽しみです~♪」
美希「海が近いんだから泳ぐこともできるかな?」
律子「ドクターフィッシュって確か、海外の映像で時々見る、入った人の皮膚の角質を食べてくれる小魚の事よね?どんな魚なのかしら?」
秋津律子が旅館のドクターフィッシュの事について疑問を口にした。その疑問対して誠也は答えた。
セイカ(誠也)「今までの知られているヤツと違って、人の体の角質や汚れを食べてくれる物の他に、体の中に有る悪性の腫瘍や病原菌を食べてくれる魚や・・・」
プロデューサー「へ~、体に良さそうだね。」
セイカ(誠也)「あと、皮膚の黒ずみを食べて皮膚を美白にしてくれるメラニングラミーや・・・」
女性陣「(ピクッ!)」
セイカ(誠也)「皮膚の下の余分な脂肪を吸い取ってくれるダイエット効果のあるドクターフィッシュ・・・」
女性陣「(ピクピクッ!)」
セイカ(誠也)「後。この他にも様々なドクターフィッシュが『その話ぜひ詳しく!!』って、うわっ!すごい喰いつき!」
美白とダイエット効果のあるドクターフィッシュの話を聞き、その話を詳しく聞こうと誠也に迫る765プロの女性陣と、女性陣に迫られタジタジになる誠也。そんな誠也を苦笑しながら、こあはそれを眺めていた。
こあ(うわ~、すごい喰いつき。まあ、仕方がないよね。)
女性陣に迫られて、タジタジになっている誠也を苦笑しながら見るこあ。こあは、そんな誠也を見ながら誠也が先ほど取り出したペンダントを思い出し、それと対になる自分のペンダントを取りだした。
こあ(えっ?なにこれ・・・文字が浮かび出て、淡い光を放ってる!)
こあは取り出したペンダントにはめられたエメラルドグリーンの石が、文字を浮かび上がらせながら、弱々しい淡い光を出している事に驚く。
こあ(今までこんな事は無かった。何なの?コレ・・・・)
淡い光を出す石をみて、困惑するこあは、不意に誠也の方を見る。誠也は女性陣に迫られて、この事に気づいていなかった。
こあ(このペンダントはマスターから貰ったもの・・・・マスターは確か、エミルクロニクルのアクロポリスの露店で手に入れたったて言ってたけど・・・何なの?この石・・・・)
石は弱々しい光をしばらく出した後、光は消えて元の状態に戻った。
こあ(この石・・・・一体何なの?そう言えば以前・・・・)
こあは石を見ながら、以前、夢の中で出会ったナシムと名乗る小さな女の子の事を思い出した。
こあ(あの子は確かこの石を知っているような事を言っていた。確か・・・・ラティオがどうとか、機械生命体がどうとか。これってひょっとして、それらと関係があるのかも・・・・)
首を傾げて難しい顔をしながら考え込むこあ。そんなこあを見て、誠也は声をかけた。
セイカ(誠也)「どうしたの?こあ。なんか難しい顔をして。」
こあ「あ、マスター。実は・・・・」
石の事と、今さっき思い出した以前の夢の事を誠也に話そうとするこあ。だが、それはプロデューサーの声により中断させられた。」
プロデューサー「さあ、みんな着いたよ。今日の撮影はいつもの物と違って、夜の山の中での撮影だから注意して行動するように。」
765プロの面々『はい!』
プロデューサーの声に声をそろえて返事をした765プロの面々は、プロデューサーに続くように次々とバスを降りて行った。
セイカ(誠也)「こあ、行くよ」
こあ「えっ?あ・・・はい!」
先に席を立ち、バスの出口へと向かう誠也を追うようにこあもバスを降りるために出口へと向って行った。
こあ(石の事と夢の事・・・話しそびれちゃった。後で話さないと。)
石の事と夢の事を後で誠也に話そうと心の中で思いながら、バスを出るこあ。
そんなこあの背中を、一人の人物が見つめていた。
貴音「(アレは・・・・形は違っているけど、ラティオのGストーン。あんな物まで持っているなんて、あの子何者なの?敵なの?味方なの?見極めないと・・・)」
出ていくこあの背中黙って見つめる四条貴音。その視線は鋭く、顔は険しい顔になっていた。
つづく
おまけ
貴音「・・・・・・・・・・・・」
亜美「ねえ、お姫ちん。バス、降りないの?」
貴音「えっ!あ・・・・・お、おりますよ、今・・・・」
真美「「おりますよ」って言ったって、さっきからず~と降りずに、佇んでじゃん。どうしたの?あ、ひょっとして・・・怖いの?」
貴音「(ギクッ!)こ、怖くなんて、あ、ああああありませんよ!い、今おりますよよよよよよ!」
美希「うわ~、顔を真っ青になりながらバス降りて行ったよ。大丈夫かな?」
亜美・真美((これは・・・マジで怖がってる・・・・・これは・・・面白事になりそう!!))