仮面ライダーを受け継ぐ者   作:剣 流星

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どうも、剣 流星です。

愛用のノートパソコンが故障して執筆が一時中断になってしまい、投稿が遅れました。

みたま「なるほどね~。それなら仕方がないね~で、本音は?」

いや~「宇宙よりも遠い場所」を始めとした、今季のアニメが面白くて、全部見るのに時間を費やして執筆が滞っちゃった((ゝω・)テヘペロ

みたま「・・・・中年のおっさんがそれやっても全然可愛くないからね」

・・・・と、とにかく、第63話をどうぞ~♪


第63話 鏡の中からの刺客!狙われたアイドル達!!⑨

 

律子「はーい!みんな注目!!今から撮影の詳細を説明するわよ!」

 

765プロのアイドル達に撮影の詳細の説明を始める秋津律子。

アイドル達も、仕事の説明が始まると聞こえたとたん、今までおしゃべりしていた口をすぐに閉ざし、律子からの説明を聞き洩らさないようにしようと真剣に聞こうとする。

 

そんな仕事モードへの切り替えの早さを見て、セイカ(誠也)は普段は騒がしくて、自由|(フリーダム)だが、仕事の時はちゃんとするプロなのだなと感心した。

 

律子「まずみんなには2人一組に分かれてもらい、今いるこのトンネルの出入り口から反対側の出入り口までカメラと共に一組ずつ入って帰ってきてもらいます。組み合わせと撮影の順番は今から配る紙に書いてあるから、それを見て組を組んで。それから、中は薄暗いから足元に気を付ける事、良いわね」

 

765プロのアイドル達『はい!』

 

 

律子の言葉に対して声を揃えて返事をするアイドル達。そのアイドル達に対して組み合わせ表が書かれた紙を配り始める律子。全員に紙が行きわたり、その紙を見て自分の組む相手と撮影の順番を確認するアイドル達。ちなみに組み合わせは次の通りである。

 

一組目 我那覇響・四条貴音

 

二組目 萩原雪歩・菊池真

 

三組目 高槻やよい・水瀬伊織

 

四組目 双海亜美・双海真美

 

五組目 星井美希・三浦あずさ

 

六組目 天海春香・如月千早

 

雪歩「あの~」

 

律子「うん?なに?」

 

 

組み合わせ表を見て確認していた雪歩が、律子に対し意見があるのか、おずおずと手をあげた。

 

 

雪歩「2人一組に分かれるって言ってましたけど・・・・さっきから立ったまま気絶している四条さんの組みはどうするんです?」

 

 

辺り一帯に幽霊がウヨウヨ居る事をセイカ(誠也)とこあの口から聞いて、立ったまま今だに気絶している四条貴音の側で、貴音をどうするのかと聞く雪歩。

 

 

律子「あ・・・・忘れてた。どうしよう・・・」

 

プロデューサー「う~ん・・・これはしばらく目を覚まさなそうだな。」

 

 

立ったまま気絶している貴音に対し、「お~い、お姫ちん?」と声をかけたり肩を揺さぶったりしている双海亜美・真美達を見ながら、どうしたものかと考え込むプロデューサー。

 

 

あずさ「この組み合わせ表によると、貴音さんは一組目で一番最初になってますね。どうしましょう?」

 

プロデューサー「う~ん・・・・・・仕方がない、とりあえず貴音の居る組の撮影は一番最後に回して、貴音が目を覚ますのを待つと言う事で。」

 

律子「それしかないですね。と言う訳だから、2組目の二人・・・真と雪歩は早速撮影の準備に取り掛かって。」他のみんなもいつでも行けるよう準備をしておいてね。さあ、みんな!準備に取り掛かって!」

 

 

アイドル達『はい!』

 

律子の声で一斉に準備に取り掛かるアイドル達。そんなアイドル達を見ながら、こあは自分の側に居るセイカ(誠也)に声をかけた。

 

 

こあ「マスター、私達はどうします?トンネル内は撮影中の人達とカメラマンしか入れませんよ?撮影中の護衛はどうします?」

 

セイカ(誠也)「撮影中は、中に入っているカメラの映像をモニターしているはずだから、それを見みて、異変が起きたら駆けつけると言う形を取るしかないな。」

 

こあ「それで大丈夫でしょうか?異変が起きた事をモニターで見てから、駆けつけるのでは間に合わないのでは?」

 

セイカ(誠也)「カメラに映らない死角からプラモンスターに護衛をさせるから、駆けつけるまでの時間は稼げるはずだよ。それにしても・・・こんな幽霊がうじゃうじゃ居る場所で撮影したら心霊写真や映像は取り放題だろうな~(^_^;)」

 

 

こあ「そうですね。心なしか、幽霊さん達も張り切っているみたいですしね(^_^;)」

 

プロデューサー「うん?どういう事だい?」

 

 

セイカ(誠也)達の側で二人の会話をたまたま聞いていたプロデューサーが、二人の会話の内容について質問してきた。

 

 

セイカ(誠也)「いや、心霊現象や幽霊について詳しい人?(注:鬼灯様の事です)に聞いたんですけど、幽霊と言うのは基本的には霊感やそれに準ずる力を持った人達・・・霊が見えたり感じたりする人以外には基本的には無害なのが殆どなんです。」

 

プロデューサー「うん?無害?」

 

セイカ(誠也)「ええ、霊って基本的には自分のした事に対して、反応をしてくれる人間にちょっかいをかけるもんなんです。人間だって自分に対して反応しない人を相手するより、反応してくれる人を相手する方が良いでしょう?霊って元は生きてた人間なんですから、そこは同じなんです。」

 

 

プロデューサー「へ~、そうなんだ。」

 

 

セイカ(誠也)の話を聞いて感心したような声をあげるプロデューサー。

 

 

セイカ(誠也)「でも、これがカメラなんかで撮影している人ならば別です。カメラのような周りを撮影する機械なんかは、霊力の有る無しにかかわらず、その場に居る霊を写し取ってしまうんです。ほら、時々出る心霊写真や映像はそういった、その場にいる霊なんかを映してしまったものなんです。」

 

こあ「そうだったんですか。なるほど・・・・だから今、周りにいる幽霊さん達、張り切ってたんですね。」

 

 

セイカ(誠也)の話を聞いたと、何も居ない空間を見て苦笑いをするこあ。

こあの見つめたその先には、数体の幽霊が集まって話し合いをしていた。

 

 

生首の霊『よ~し!久々の全国放送での撮影だ!張り切って心霊映像を作るぞ!!お茶の間の人達を恐怖のどん底に引きずりこんでやる!!』

 

落ち武者の霊『手順はいつもの手で行くか?最初にラップ現象の奴で』

 

首吊りの幽霊『いや、それだとワンパターンだ。この間、事故死した新入りの幽霊が言っていた新パターンを使おう』

 

 

いかにして恐怖映像を作るかを嬉々として話し合う幽霊達。それを呆れた顔でセイカ(誠也)とこあは見ていた。

 

 

こあ「それにしても・・・」

 

セイカ(誠也)「うん?」

 

こあ「アイドルってこんな事もやるんですね。私はアイドルって、ライちゃんの時のような、歌って踊る事だけがお仕事だとばかり思ってました。」

 

 

撮影のために準備をしている765プロのアイドル達を見ながらこあはつぶやいた。

 

 

セイカ(誠也)「ライちゃんって・・・ああ、「ローレライ・ロア」の事か」

 

 

セイカ(誠也)はこあの言った「ライちゃん」とは誰なのか一瞬わからなかったが、すぐにそれが「ローレライ・ロア」の事である察した。

 

ローレライ・ロア。それは、誠也がはやてと共に「仮面ライダー・ディケイド」である「門矢士(かどやつかさ)」達と共に異世界を旅した時に立ち寄った「エミルクロニクル」の世界で出会った人物の一人である。

 

エミルクロニクルの世界。そこは三つの世界が重なり合い、三つの種族と新たに加わった機械種族達が暮らす世界で、誠也はこの世界で、何らかの要因で転移してきたこあと初めて出会ったのである。

 

その「こあ」や「はやて」、司と共にとある事件で出会ったのが、「ロア」の一人である「ローレライ・ロア」でであった。

「ロア」とはそもそも、エミルクロニクルの世界で語られていた、「お話し」の中の登場人物が実体化して出てきた存在であり、誠也達はこの「ロア」達が絡んでいる事件を追っていて、「ローレライ・ロア」はその時に出会った、人魚が出て来るお話しの主人公の人魚の少女であった。

 

誠也達はこの事件で、街中で歌を歌っていた「ローレライ・ロア」を発見した。「ローレライ・ロア」の歌声は、人魚なだけあり、とても素晴らしいもので、歌を歌っていた「ローレライ・ロア」の周りにはたちまち人が集まり、人で出来た海が瞬く間にできてしまうほどであった。そう、集まりすぎてしまうぐらいに。「ローレライ・ロア」の

歌を聞きたいがために、人がどんどん集まってしまい、その場が大混乱になりかけたのである。

 

それを治めるために、その場に集まった人々の一人から、歌を歌う場所・・・コンサート会場を提供してもらい、歌う場所を変え、聞く人間の人数を制限する事により、その場を収めたのである。

 

こあはこの時の、「ローレライ・ロア」のコンサートの時の事を思い出し、その事を誠也に言ったのである。

 

 

セイカ(誠也)「アイドルの仕事は歌って踊る事以外にも色々あるんだよ。例えば今回のような特番やバラエティーに出たりする事もアイドルの仕事の一つなんだよ。」

 

こあ「そうなんですか。アイドルって大変なんですね。それにしても・・・久々に「ライちゃん」の事を思い出したら、なんだか久しぶりに「ライちゃん」の歌が聞きたくなってきました。「ライちゃん」の歌・・・・もう一度聞きたいな~」

 

 

こあは懐かしそうな顔をしながら、今はもう会えない、異世界に居る友人の顔を思い出して、しみじみとした。

 

 

セイカ(誠也)「そっか、こあはローレライの歌が聞きたいのか。だったら、ロアのみんなが「カーマイブリッグ」から帰ってきたら(・・・・・・・・・・・・・・・・・)、ローレライ聞いてみなよ。ローレライならきっと、喜んで歌ってくれるはずだよ。」

 

こあ「はい。頼んでみます♪って・・・・マスター、なにご近所に住んでいる友人感覚で言っているんです?異世界に居るライちゃん達にそう簡単に会えるわけないじゃないですか~」

 

セイカ(誠也)「あれ?そう言えばまだ、こあには話していなかったっけ?家の庭に有る、株分けした「想いの樹」にできた「ゲート」の事」

 

こあ「え?ゲート?」

 

セイカ(誠也)「うん、実は半年前に俺の家の庭に植えてある「想いの樹」がイエス様の「奇跡テロ」のせいで・・・・・!」

 

 

こあに事情を説明しようとした時、ふと自分達を見つめる視線に気づくセイカ(誠也)。セイカ(誠也)はその視線の主を見つけるために周りを見回した。

 

 

こあ「?どうしました?マスター」

 

セイカ(誠也)「・・・・・・いや、何でもない。」

 

 

気のせいだろうと思い、視線の事を頭から追い出し、こあに続きを話そうとしたが、撮影の最初の組が、トンネル内に入ろうとしているのが見えたセイカ(誠也)は、あわててアイドル達の護衛をするためのプラモンスターを召喚するため、自分達が乗ってきた送迎用のバスの影にこっそりと移動した。

 

そして、周りに誰も居ないのを確認すると、二体のプラモンスター、ガルーダ・クラーケンを呼び出した。プラモンスター達は一鳴きした後、セイカ(誠也)の命令を聞いて、トンネルに入るアイドル達の後をこっそりと付いて行った。

 

やがて始まる撮影。カメラマンと共にトンネルの中に入って行く萩原雪歩・菊池真ペア。セイカ(誠也)はその様子をカメラマンが移しているカメラの映像を、モニターでプロデューサーや律子・こあと共に見守っていた。

 

撮影は順調に進んでいく。トンネル内を映すカメラの映像からは時折、映っているアイドル達の後ろで霊が映り込んだり、ラップ現象の音をカメラのマイクが拾ったり、ポルターガイストにより、道端の小石が宙を舞ったりと、普通なら異常現象なのだが、心霊特番の撮影としてはむしろ美味しい現象が起きる以外はいたって、順調に撮影は進んでいった。

 

やがて星井美希・三浦あずさペアが帰ってきて、次の組である天海春香・如月千早ペアがトンネル内に入ろうとした時、今まで気絶していた貴音が目を覚ました。

 

 

貴音「う~ん・・・・・はっ!私はいったい?」

 

プロデューサー「お、やっと目をさましたか。大丈夫か?」

 

 

立ったまま気絶し続けると言う離れ業をしていた貴音に、プロデューサーは「大丈夫か?」と声をかけた。

 

 

貴音「・・・わ、私は一体・・・・確か・・・・セイカさんとこあさんが・・・・周りに幽霊が・・・・・・・・・・!!」

 

 

気絶する直前の事を思い出し、顔を真っ青にする貴音。

 

 

貴音「ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ幽霊が、辺り一帯に!!!」

 

 

気絶する直前の事を思い出し、再び気絶しそうになる貴音。

 

 

プロデューサー「貴音!落ち着いて!セイカくん達の話だと、幽霊は見えない人間には基本危害は加えないって話だ!だから幽霊が見えない君には危害を加えたりしないよ!」

 

貴音「・・・・えっ!ほ、本当ですか?!」

 

セイカ(誠也)「ホントホント、だから幽霊の見えない貴音さんには幽霊達はちょっかいを出さないはずですから安心してください。」

 

貴音「・・・・本当?」

 

セイカ(誠也)「はい」

 

セイカ(誠也)の「はい」の返事を聞いた後、ホッとして安堵の顔を浮かべる貴音。

その顔を「ヤレヤレ」と思いながらセイカ(誠也)は、こあとプロデューサー、あずさと共に視線をモニターへと戻した。

 

モニターの中では天海春香・如月千早ペアが撮影を終えて、トンネル内から出て来る姿が映し出されていた。それを見ていたセイカ(誠也)達は視線をモニターからトンネルの入り口へと向けた。

 

 

春香「はぁ~、怖かった・・・・」

 

千早「だ、大丈夫?春香?」

 

 

トンネルの入り口、そこから撮影のカメラマンと共に出て来る春香と千早二人は、そのままモニターの前に居たセイカ(誠也)達の元へと歩きて来た。

 

 

プロデューサー「お疲れさん、二人とも」

 

律子「撮影はどうだった?」

 

春香「怖かったです!中は暗いうえに空気は妙に冷たいし、おまけにトンネル内は静かで音が良く響くからなおさら不気味で・・・・・」

 

 

少し涙目になりながらトンネルでの出来事を早口でまくし立てるように言う春香。そんな春香の姿を苦笑しながら見ていたセイカ(誠也)は春香と共にトンネル内へと入って行った千早へと話しかけた。

 

 

セイカ(誠也)「・・・それで千早姉。どうだった?何か問題は有った?」

 

千早「・・・・特にこれと言った問題は無かったわ。ミラーモンスターの気配も無かったし、妙な霊の気配を感じる以外はとっくになかった。」

 

セイカ(誠也)「そっか。」

 

 

千早のトンネル内の話を聞いて、とりあえず安心するセイカ(誠也)

 

 

こあ「今の所、異変は有りませんね。このまま何事もなく撮影が終われば良んですけどね。」

 

セイカ(誠也)「ああ。」

 

 

こあに返事をしながら誠也は、撮影最後の組である響・貴音ペアがトンネル内に入って行く姿を見た。トンネル内に入って行く貴音の足が、生まれたての小鹿のように震えているのが見えたが、見なかった事にして、視線をモニターに移した。

 

トンネル内を懐中電灯のわずかな明かりを頼りに、カメラマンと共に進んでいく響・貴音ペア。今だに震えたままの足で、響にしがみつきながらトンネル内を歩く貴音。

 

そんな貴音の姿を見て若干苦笑しながらモニターを見るセイカ(誠也)達。自分の蹴った小石が起こした音や、自分の影を見て、何回か短い悲鳴を貴音が出した以外特に問題もなく、撮影は順調に進んでいった。

 

やがて撮影は折り返し地点の反対側のトンネルの出入り口へと出た所で、異変は起きた。

 

 

響「ふ~、折り返し地点、これで半分だぞ。ほら貴音、あと半分だ、しっかりするんだぞ。」

 

貴音「え、ええ。あと半分あと半分・・・・・」

 

 

震える足で必死に歩きながら、響にしがみついて歩きながらブツブツと「あと半分あと半分」と自分に言い聞かせるようにつぶやく貴音。

 

 

響「まったく、貴音は本当に怖がりだな~。セイカも言ってたじゃないか。「幽霊は自分の姿が見えない人にはちょっかいを出さない」って。」

 

貴音「た、確かにそう言ってましたけど、それでも怖いものは怖いんで・・・・・・・!」

 

 

―――――――――――――♪

 

 

響の言葉に対して返そうとした貴音は、突如自分の耳に聞こえてくる不可思議な音に反応し、突如険しい顔をしながら周りを見回した。聞こえてきた音。それは以前春香を襲った怪人が出て来る前に聞いた音であったため、貴音は最大限に注意しながら周りを見回した。

 

 

響「ん?どうした貴音?急に険しい顔をして?」

 

 

急に立ち止まり、周りを険しい顔で見回す貴音に声をかける響。

 

 

そんな響の声が聞こえてないのか、貴音は返事もせずに周りを警戒し続けた。そんな貴音を見て、声が聞こえてないのかと思い、響はもう一度貴音に声をかけた。

 

 

響「なあ、貴音!」

 

 

先ほどよりも大きな声で貴音に声をかける響。その瞬間、貴音の瞳が、道路脇に設置してあるミラーに釘付けになった。

 

 

ミラーモンスター「ガアアアアアアアアアアアーッ!!」

 

 

突如ミラーの中から、山羊型のミラーモンスターの一種、レイヨウ型のミラーモンスターが姿を現したのである。

 

響「なっ!」

 

貴音「あの時のモンスター!」

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 


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