5月の末あたりから気温がぐんぐんと上がり、まるで真夏のような日々が続いていて暑いです。今日など気温が31度のもなりました。けど、この気温で作者が住んでいる場所では、まだマシな方なんですよね~。今からこれだと、本格的に夏が到来したら、どれほど気温が上がるのか(^^;)
まあ、それはさておき、第65話をどうぞ。
紫のロボット「ボルフォーーッグ!」
誠也達『え・・・・ええええええええええっ!?』
突如目の前に現れたパトカーが変形し、紫の忍者風のロボットになった事に呆然として佇む誠也達
千早「ね、ねえ・・・これってもしかして・・・カナリヤが新しく作った、新しい秘密兵器か何・・・かな?」
目の前の紫のロボットを唖然と見つめながら、こんな物が作れるのはカナリヤぐらいだと思い、コレはカナリヤが新しく作った物なのかと誠也に尋ねる千早。
誠也「い、いや・・・・少なくとも俺は知らない。」
誠也も千早と同じように目の前の紫のロボットを見ながら、自分自身も見たことも聞いたこともないため、自分も知らないと千早に答える誠也。そんな誠也達の視線を受けながら、紫のロボット・ボルフォッグは次の行動をする。
ボルフォッグ「シルバームーーーンッ!」
ボルフォッグは三日月形のブーメランを取り出し両手に持つと、それを目の前に居るロイミュードとメガへクスへと投擲した。放たれたブーメラン・ジルバ―ムーンは、まっすぐに二体の怪人・ロイミュードとメガへクスへと向かい、その体を真っ二つにされて倒れた。ボルフォッグは倒された怪人達が動かなくなったのを確認すると、次の行動へと移った。
ボルフォッグ「ガンドーベル!ガングルー!システムチェンジ!!」
ボルフォッグの言葉に反応して一台の白バイとヘリが現れると、それぞれ変形を開始し、ロボットになって怪人達に対し攻撃を開始した。
ボルフォッグ「ウィザード、ナイト、ここは我々に任せて、お二人はトンネル内に居る方たちの救助に!」
誠也「え?・・・・俺達を知っている?」
千早「味方・・・・なの?」
ボルフォッグ「はい、疑わしいとお思いでしょうが、少なくとも私は敵ではありません。」
誠也「わ、わかった。今はあんたを信じよう。今は一刻も早くトンネル内の人達の助けに行かなきゃならない。だからここは任せる」
千早「いいの?」
目の前のロボットを信じて、ここを任しても良いのかと誠也に尋ねる千早。
誠也「今はトンネル内の人達を一刻も早く助けることが第一だ。それに・・・敵だったら、この場面で俺たちに手を貸すのは不自然だよ。敵だったら、あのまま怪人達と共に俺達を襲った方が良いはずだし。」
千早「た、たしかにそうね・・・。」
誠也の言葉に納得し、頷く千早。
誠也「でも、念のためにナイトはここに残って、みんなを守りつつ怪人達を。」
千早「わかった、気を付けて。」
誠也「そっちも」
互いに言葉を交わした後、誠也はその場を離れてトンネル内へと向かった。千早はその背中見送った後、先ほどから怪人達に対して攻撃を続けているガンドーベルとガングルーの二体のロボットを見ながら、千早はボルフォッグの横へと移動して声をかけた
千早「さて、え~と・・・たしか「ボルフォッグ」でしたっけ?少しの間だろうけど・・・よろしく。」
ボルフォッグ「こちらこそ。では・・・・参りましょう!」
短い挨拶をたがいにした後、千早とボルフッグは残った怪人達へそれぞれ互いの得物を握りしめて立ち向かっていった。
*
暗いトンネルの中をウィザード姿の誠也は、襲われた響達の元へと急いでいた。
誠也「中に入って行った響さん達は無事かな。一応護衛として、プラモンスター達を付けたけど・・・・」
先ほどの複数の怪人達の襲撃を受けて、助けに行くのが遅くなってしまい、響達の身を心配しながら走る誠也。そんな誠也の前に、怪人達から逃げ出してきたのか、息を切らせながら走ってきた、響達と共にトンネル内に入ったスタッフの姿が見えてきた。
誠也「トンネル内に入ったスタッフ?お~い、無事ですか?」
自分の進む方向から来たスタッフに対して、誠也は声をかけた。
スタッフ「え?か、仮面ライダー?!ほ、本物?!」
突如現れた、都市伝説として最近巷を騒がせている、仮面ライダーに声をかけられて驚くスタッフ。
誠也「皆さんを助けに来ました。他の人達は?確か他に765プロのアイドル二人がトンネル内に入ったと聞いていますが?」
スタッフ「そ、それが・・・その・・・・と、途中まで響さんは一緒だったんですが・・・貴音さんが一緒に来ていない事に気付いて、戻って行ってしまって・・・・」
誠也「なっ!なんて無謀な!」
誠也はスタッフの話を聞いて、響が自分達が襲われた場所へと戻って行った事を聞きい焦った。
誠也「あなたはこのままトンネルを出てください。入り口付近でも怪人達の襲撃がありましたが、今俺の仲間が怪人達の殲滅をしています。他のスタッフ達と共に逃げてください。」
スタッフ「わ、わかりました。」
誠也の話を聞き、その場からトンネルの出口へと走っていくスタッフ。そのスタッフの背中を見送った後、誠也はスタッフ達とは反対方向へと走り出して行った。
誠也(怪人達が居る所に戻るなんて・・・・二人共無事で居てくださいよ。)
誠也は走りながら、襲撃された場所に戻って行った響と、襲撃場所に居るであろう貴音の身を案じながらトンネル内を走った。やがてトンネルの出口付近に差し掛かった時、誠也の耳に、襲撃をしてきたであろう怪人の声が聞こえてきた。
怪人「グ・・・・グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
誠也「なっ!怪人の・・・・叫び声?」
誠也の耳に入ってきた怪人の声・・・それはまるで最後の断末魔の叫び声のように聞こえる物だった。
誠也「一体何が・・・」
叫び声を聞いた誠也は、急ぎトンネルの出口へと向かう。やがて見えてくるトンネルの出口。その出口付近に、一点の方向を見て立ち尽くす一人の人影を誠也は見つけた。
誠也「あれは・・・響さん?」
トンネル出口付近に佇んでいた人影、それは貴音を心配して戻って行った響と護衛のために付けていた二体のプラモンスター達の影だった。誠也は無事な響の姿を見て安堵したが、響が見ている視線の先を見て、再びその身に緊張が走る。
響の視線の先、そこには真っ二つにされた、響達を襲撃した怪人の遺体と、それを見下ろす一体の・・・死神が居た。
誠也「な、何だあれ・・・・・」
誠也の視界に映る死神としか言いようの無い姿をした物が居た。大きさは成人男性よりも一回り大きい物で、全身を漆黒の鎧のような物で身を包んでおり、見方によってはパワードスーツの様な機械にも見える物だった。そして背中には漆黒の悪魔のような大きな翼が生えており、その手には灰色の光で出来た、死神が持っているような大鎌を持っていた。
誠也「響さん!」
誠也は死神の姿を見ると、それを警戒して、響と死神との間に移動し、響を背で庇いながら死神と対峙した。
響「え?その声・・・ひょっとして「セイカちゃん」?!」
誠也「うっ!セイカちゃん言わないで・・・」
響の「セイカちゃん」呼びに対して精神的にダメージを受けながらも、目の前の死神に対して警戒し続ける誠也、
誠也は響を背で庇い、死神を睨みつけながら、後ろに居る響に今の現状について尋ねた。
誠也「響さん、アイツは一体何なんです?貴音さんは?」
響「わかんないよ。貴音を探しにトンネルを戻ってみたら、貴音の姿は無くて、代わりにアイツが怪人と戦ってて・・・」
響は自分が見た事そのままの事を、驚き戸惑いながらも誠也に話した。
誠也「貴音さんは?」
誠也は響の側で、貴音を守るように、目の前の死神に対して威嚇を続ける二体のプラモンスターに、貴音の行方を聞いてみた。
レッドガルーダ『――――!―――――!』
イエロークラーケン『――――!――――――!』
誠也の問いかけに対して、首を横に振って答える二体のプラモンスター。首を横に振っているので、おそらく「しらない」と言っているのだろうと誠也は解釈した。そんな誠也達のやり取りを静かに見ていた死神だったが、やがてその場で出来る事はすべてやったと言うかのように、背中のバーニアを吹かし始め、飛んでその場から立ち去ろうとした。
誠也「なっ!飛び去る気か!ま、待て!」
飛び去ろうとする死神に対して、慌て声をかける誠也。
誠也「お、おい!この場に女性が一人居なかったか?俺達はその人を探しているんだ!」
今にも飛び立とうとする死神に対して声を張り上げて、貴音の事を聞く誠也。その声が聞こえたのか、死神はゆっくりと首を動かし誠也達の方に視線を向けて、男か女かわからないくぐもった声で話した。
死神『・・・・・四条貴音は無事だ。そのうちお前たちの所に戻ってくるはずだ』
響「貴音が無事?って・・・・おい!」
一方的に言葉を発した後、死神はバーニアを吹かし、漆黒の夜空にその黒い翼を羽ばたかせてその場を後にした。
響「貴音が・・・無事って・・・アイツが貴音を助けたのか?」
誠也「わかりません。とにかく、いったんみんなの所に戻りましょう。」
響「う、うん・・・」
死神が飛んで行った夜空を見ながら生返事をした響は、誠也に促されながらトンネルの反対側の出入り口へと、誠也と共に向かった。