この素晴らしい灰の心は折れている   作:最初の死者ニート

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貴公らの勇気と、我が剣、そして英雄ジークバルトに…
太陽あれ!
     あるカタリナの騎士達


ボス戦

あれから翌日、私はギルドの指定席で座っていた。

周りからの視線が痛いのはきっと私の装備が起因している。

まぁ当然だ、これでも王都で一時期二つ名を授かるほどに活躍してたのだ、何故かはわからないが不吉の象徴とされながら。

この世界でもこの兜は不吉の象徴になるらしい、ファランの不死隊には申し訳ない。

さて、そんなことを考えながら時間を潰しても中々カズマ一行は一向に現れない。

酷く暇な私はふと、ある者を思い出した。

あのデュラハン、結局殺してないな。

あれがいると高難易度のクエストしかでないだろう、カズマ一行がドラゴンの討伐に行くわけもなかろうし、下手をすれば何もしないかもしれない。

そうすれば金の浪費だけが加速する、私も今は懐が寂しい(ウィズのところで溶かしてきた、爆発ポーションが木箱合わせて1009個だ。投げ放題だな)ため、彼らに援助ができない。

私は仲間を大切にする質だ、折角ウィズ以外のパーティーメンバーが出来たのに餓死させるなんて嫌だぞ私は。

ならば、奴を倒すしかあるまい。

もしかしたらあの異形のソウルを錬成して何か出来るかもしれない、あの大剣、リーチ長い上に直剣レベルの速度で振れそうだし気になっていた。

そうと決まれば、早く行こう。異形のソウルを早く錬成したいのだ私は。

 

 

 

道中、これではソウルを求める亡者と同じだと考え直して正気に戻った私だが、些か遅かったようで、既に城の前まで来ていた。

目の前には重厚そうな扉があり『いかにも』な雰囲気を醸し出してる。

うわぁ、やだなぁと思うがここまで来たら引き下がれないだろう、さっきから視線を感じる。

ここで退けばファランの不死隊の印象がががががが……

ええいやってやる、やってやるぞ。

扉を蹴りやぶ

 

トッ…

 

「……」

 

蹴りや

 

トッ…

 

「……」

 

【◎扉を開ける】

 

ギギギギギギッ…ギィッ

 

よし、行くか。

 

 

 

「よく単独で来ようと思ったな。」

「ソロプレイは慣れている。」

 

スケルトンどもをグルグルで薙ぎ払い続け、そしてやってきたボス部屋。

霧をくぐり抜けた先では、奴が座から立ち上がり大剣を手に取っているところだった。

 

「俺をそこら辺のモンスターだと思っているのか?だったら相手が悪かったな。」

「(私にとってはその辺のモンスターの方が初見殺しボスじゃない限り厄介なんだがな…)」

 

初見殺しボス>大量の敵>ただのボス、これは不死人の間では普通だろう?

 

「まぁいい。俺も騎士の端くれだ。隠れもせず堂々と来た相手には敬意を払う。」

 

そう言い、奴は丁寧な礼…いや、開戦礼を行った。

私もそれに倣い、同じく開戦礼を行う。

 

「……では、行くぞ!」

 

【裁かれた騎士 ベルディア】とのボス戦の始まりだ。


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