勇儀の姐御に憑転とか………   作:姐御!結婚してくれぇい!!

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吸血鬼異変開始とか………

 土の匂いに草木の匂いを豊満に感じるなんて、新鮮な気分だよ。それにしても、アタシの持ってる記録じゃあアタシは人間でしたってことらしいねぇ。まあ、アタシ(・・・)は鬼であって人間じゃあないがね

 にしても、アタシは姐御で定評があるのかい?まあ、知ったこっちゃないね。アタシはアタシのやりたいようにやるだけさ

 

「ぐへへ。おめぇさんが何の妖怪かは知らねぇが、イイ体してんじゃねぇか。とても柔らかくて喰いやすそうだ」

 

 何か愚痴愚痴言ってるけど、アタシはいま今生の抱負を考えてるところなんだから黙っててほしいんだけど、いい加減鬱陶しくなってきたよ

 

「っるさいねぇ。黙ってらんないのかい?」

 

「ヒィ!? い、命だけは助けてく────」

 

 なんで相手の実力を鑑みることが出来ないのかねぇ。そうすれば少しは長生きできただろうに

 まあ、彼我の差がわからないような弱小妖怪じゃあ、アタシじゃなくても誰かが殺っちまっただろうけどね

 

「─────」

 

 それにしても、この森は植物以外に生命の気配が微塵もないのが気になる。でも、アタシら妖怪からすれば妖気が充満してて住みやすい森みたいだねぇ

 まあ、アタシは此処に住む気は微塵もない湧かないんだけどね。………アタシどうにも生気が溢れていて活気のある場所が好みらしい。まあ、産まれて四半刻も経たない若造が何言ってんだって話になりそうな気はするが……

 

「─────────!」

 

「なんだい、鬱陶しいねぇ。捻り潰されたいのかい?」

 

 三つ編みで銀髪の少女(・・)ねぇ。前の記録を見るに似た面影の薬師が居た気がするけど、この際だから何かの縁として手を貸してやるっての言いかもしれないね

 

「…………気が変わったよ。アンタの住む村?まあ、村でもなんでも構わないけど、其処まで送ろうじゃあないか。ついでに、何か困ったことがあったら助けてあげるようじゃあないか。アンタは見込みもあるし気に入ったからね」

 

「やっとまともに会話が成立したわね。私は八意永琳よ。貴女は?」

 

「アタシかい?アタシは星熊勇儀だ」

 

 それにしても、八意永琳の容姿が随分と幼い気がするのは気のせいじゃあないようだけど────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぁ。………懐かしい夢を見たねぇ」

 

 この世に生を受けた瞬間の記憶を夢に見るなんて、随分と感傷的になってるみたいだ。なんだかんだで、呑み下せないことがあると何時もこの夢を見るから、アタシはやっぱり萃香達のことを飲み下せてなかったみたいだ。なんにしろ、萃香と華扇が下に(地底)下ってからもう随分と時間が経ってるけど、やっぱりアタシも行けば良かったのか、若干迷ってるよ。まあ、アタシには山と人里を適度に守り、適度に掻き混ぜる任を親友から任されてるわけだけど、それを抜きにしてもこの一帯(幻想郷)は友の夢が現実へ顕現した証しだから、最後まで見届けて、手を貸してやらないとねぇ

 

「星熊様!」

 

「なんだい?」

 

 天狗の内で最速と名高い文が急ぎで来るくらいだ、相当な大事なんだろうね

 まあ、それを抜きにしても、今のアタシの立場は山の相談役ってことになってるから早々にアタシが出張る必要性は特に無い筈だから、日頃から余り忙しい身の上ではないけどね

 

「星熊様?」

 

「すまないね。少し考え事してたよ。で、用件は?」

 

「はい。昨日未明にて妖怪の山麓、霧の湖湖畔に深紅に染まった館が外の世界より転移してきました。その後、その日の日没後に付近に存在していた妖精や妖怪を制圧し、支配下に置いて勢力を拡大しつつあります

 その件について、妖怪の賢者八雲紫と我らが長である天ヶ瀬様が会談した結果を報告し、御返事を戴きに参りました」

 

 本当は文から堅苦しい報告問答なんて聞きたかないんだけど、そんなことも言ってられないみたいだね。しかし、霧の湖近辺に出現した深紅の館となるとアレと見てまず間違いないだろう

 吸血鬼異変なんて呼び名だったはずだけれど、アタシが出ても大丈夫なのかねぇ

 

「つまり、アタシに協力してくれってことだろ?」

 

「っ!?

 ───はい。今夜、件の館にこの幻想郷にて最上位の実力を持つ方々を選出して少数精鋭にて制圧することとなりました。その報を届け、御返事を持ち帰るように天ヶ瀬様から命を承った次第にございます

 どうか、色の良い御返事を」

 

 本当にこういった物事だと堅苦しくなるのは文の良くも悪いところだねぇ

 まあ、公私を分けるのはいいことだけれど、気紛れてはいえ手塩にかけて育てた文にそんな態度を取られると少し寂しい気がするんだけれど、アタシも情が深くなってきてるねぇ

 そんなことよりもまあ────

 

「仕方がないから軽く運動してくることにするよ。報酬は天狗秘蔵のアレを酒樽五つ分用意しておくれ」

 

「うぇ!?───ん゙ん゙っ。それの件につきましては流石に天ヶ瀬様の了承なく決めることは私の権限では叶いません故、天ヶ瀬様ご判断を仰ぐ為に四半刻程の御時間を戴けませんでしょうか?」

 

「冗談だよ。樽二つ三つ分程なら事前に許可が出てるんじゃあないのかい?それで構わないよ」

 

「…………寛大な御気遣いを戴き感謝致します(鬼が冗談言うとか──いえ、勇儀さんが特別なだけでしょうけど、心臓に悪い冗談は言わないで戴きたいのですが………)

 それでは、今夜亥の刻に八雲紫が参られる予定となっております。それまでに必要な物品が有りましたら、御近くの哨戒天狗に御申し付けください。必ず御用意致します。(わたくし)めはこれにて失礼致します」

 

 今度文と二人っきりで呑もうかねぇ。ちょうど朱義が今月分の酒を持ってきたから先月分が2斗(約36L)程残ってるから二人で呑む分には丁度良い量だ

 よし、吸血鬼異変が終わったら呑みに誘おう

 

 

 

 

 

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