Re:雪のように白く、美しく 作:海童(ワダツミ)
君の名は をみた衝動で書き終えたこの回、さらに謎の追加タグ、この作品はどうなるのか……
「こんな隠し技があるのか……という感じではなさそうだな」
「間違っていないけど間違っています。とはいえこうなっては別です―――あなた、もしよければ協力していただけますか?」
「随分な手のひら返しで、協力すると思うか? 慈悲だ、話だけ聞いてやる」
チェルシーもまさか話を聞いてもらえるとは思っていなかったのだろう、面食らった表情を見せるが、すぐにまじめな顔に戻る。刀魔に話そうとするが、しかしそれは出来なかった。
―――第三者によって。
「はろはろ~、そこから先はこの私にお任せなのだ!」
「「篠ノ之 束!?」」
いい大人というのにうさ耳+不思議の国のアリスに出てきそうな歳不相応な格好をしているこの女性こそ、ISの生みの親、篠ノ之 束である。
「ところで君たち、この辺にカメラとか盗聴器とかってあるかな?」
「……なるほどな。無いぞ、束」
刀魔からのその言葉を聞いたとたんに、束は表情を変えた。それは、先ほどまでの何を考えているかわからない笑顔ではない、真剣な顔。当然世間一般の人がこの篠ノ之 束を見れば、百人中百人が誰だと尋ねるだろう。しかし、質問に答えた刀魔はおろかチェルシーも特別驚いた態度はとらなかった。
「今の攻撃はイギリスとアメリカが極秘裏に開発していた攻撃衛星、ううん、そこにいるチェルシーの妹、エクシアと融合したISなの。
「あれがISというのなら、俺は壊すだけだ」
きっぱりと壊すと言い放った刀魔に対して、束は頬をかきながら申し訳なさそうにお願いをする。
「あーっと、出来たら今回はエクシアちゃんの救出をお願いしたいんだけど」
「それは俺の機体を知っていてのことなのか、それとも俺が男という前提条件を忘れているのか?」
「ん、そのことならあれをみて」
束が指をさすほう、小さな丘のほうから二つの影が見える。それはこちらに向かっているようで、しばらくすればその影は鮮明に見えた。一つは卵の形をした丸型ポッド、それなりの大きさでピンポイントに説明すれば、ISが一機入っていそうなサイズである。もう一つ、そのポッドを持っているのは紫紺のボディに流麗な羽、サイレント・ゼフィルスであった。
ISのデザイン上目元を隠している姿になっているマドカは、刀魔の姿を確認して少しおびえたようだが、そのまま刀魔と束、チェルシーの前に降りる。
ポッドが地についたのを確認し、束は表面についているボタンを押す。
ポッドは開かれ、そこにあらわれたのはやはりISだった。緑色の全身装甲、武装は全くなく、目の部分にある青く輝くパネルが刀魔を見つめる。
「―――ジェガン、そう名付けてる。別に言葉自体に意味はないんだけどね」
「これを、俺が使えるのか? いや、使えたところで俺がISを嫌うのは知っているだろう」
「これはISじゃないよ。システム自体はレイズコアのものを使っているし、今使っているそれに宇宙対応させただけのものだから」
心底いやそうな顔をしていたが、束の説明もあってかしぶしぶガーベラを解除、ジェガンに乗り換える。数回手を閉じては開き、軽くジャンプして動作を確かめる刀魔。
ある程度準備は出来たのか、束たちのほうを確認する。そこにはガーベラを纏い天に向けてメガ・ビーム・ランチャーを構えた束、BT粒子加速器「アフタヌーン・ブルー」に接続したチェルシー、マドカがすでに準備していた。
「私たちのほうは準備できました、あとは刀魔様のみです。」
「ふん、この件が終わればお前にはいくつか話さなければならんからな、覚えていろ」
「とーくん、あとはよろしくね」
刀魔:ジェガンはガーベラからビームサーベルを回収すると、その切っ先を宇宙へとむけた。
「ISを殺すのは、俺の仕事だ」