Re:雪のように白く、美しく 作:海童(ワダツミ)
更識 簪除く1年生専用機持ちが全員ISを纏いモノレールの天井から出てくる。
すでに日は沈みかけ、空は紅く染まっている。それに照らされ、6機と2機は対峙していた。先に言葉を発したのはオータムだった。
「さぁて、織斑 一夏ぁ! この前の恨みは晴らさせてもらうぜ!」
恐らくオータムは学園祭での一件を根に持っているらしい(一夏に非があるかは別だが)。
「もういいだろう!? なんでそこまで俺に固執するんだ! もう諦めて…………」
「てめぇが無駄な抵抗したせいで作戦がうまく進まなかったんだよ、おとなしくアラクネの餌食になりな!」
白式から警告アラートが発される。もちろん敵意を表しているのはオータムだけではない、隣にいる織斑 マドカも同じだ。
「織斑一夏。私は、私であるがためにお前を殺す! サイレント・ゼフィルス、いや………『黒騎士』! ゆくぞ!」
ゼフィルスの操縦者、マドカの掛け声と共に戦いの火蓋は切って落とされた。
「落ちろ!」
サイレント・ゼフィルスの銃BT武器、スターブレイカーが紫紺の光を放ち、白式を捉える。
「さすがに喰らわない!」
一夏も簡単に倒れるわけにはいかない。
「こんどはこちらからですわ、ブルーティアーズ!」
間髪いれずセシリアのスターライトMk-Ⅲの援護射撃、ついで波状ビット攻撃を挟む。しかし、それは予想されていたかのようにサイレント・ゼフィルスは攻撃を躱す。
そのままゼフィルスのビットによる反撃がセシリアを襲う。すんでのところでその攻撃は白式のシールドとシャルロットのシールドによって防いでいる。
「落とす!」
「うりゃあああ!」
ラウラのレールカノン、鈴の双天牙月による支援攻撃もどうということなく避ける。
「一夏、シャルロット、こいつを受けとれ!」
箒の紅椿のワンオフアビリティー『絢爛舞踏』によって白式、リヴァイヴのエネルギーが回復されていく。
お互いに均衡状態だが、一夏たちの方が有利である。6種類の機体で適切な役割分担、エネルギーの無限生成。長期戦に持ち込んでしまえば決着が着く。
…………しかし、あくまでも長期戦に持ち込めば、今の状況のままであればの話だが。
ふと別の方向から誰か女性の声が聞こえる。
「あら、愉しいことしてるじゃない? オータム、それに織斑一夏………私も混ぜなさい?」
夕焼けに溶け込むような黄金、機体の全長とほぼ同等の大きさをした巨大なテール、両肩の炎の鞭……無慈悲な天使の如く
しかし、亡国機業側にだけ変化が現れたわけではなかった。
「あらあら、あいにくとまだ一夏くんを亡き者にされるわけにはいかないのよね…………、亡国機業、ここで滅びなさい! 更識家十七代目党首、楯無の名のもとに!」
力強い声の主は生徒会長である更識楯無のものだ。
「楯無さん!? なんでここにいるんですか! もしかしてこっそり着いてきて……」
「織斑先生の指示よ。もしかしたら亡国機業が尻尾を出すかもしれないっていうからね。――あのゴールデン・ドーンは私が相手するわ。皆、サイレント・ゼフィルスとアラクネはよろしくね!」
****
モノレールからかなり離れた鉄塔の上、刀魔は一人戦闘を傍観している。
「ガーベラ、起動」
掛け声とともに刀魔の体が機械に包まれる。全身装甲で白を基調としたトリコロールカラー、頭部のV字アンテナ。背中の大きな羽、少し丸みを帯びつつもそのシルエットは見る者を魅了させる。だが、それよりも目を引くのは手に持った自分の全長の数倍もある銃………全長15メートルのメガ・ビーム・ランチャーである。
「…………予想通り、始まったな。誤算と言えば、あの場所に居るだけの機体が全部出てないっていうところか……仕方ない」
少し飛んで高層ビルの屋上に移り、ランチャーを構える。スコープに移るのは、レールカノンを構えているシュヴァルツィア・レーゲン、ラウラ。
「さて、復讐劇の幕開けといこうか」
MAX NAMAKEMONOさん、感想ありがとうございます。