Re:雪のように白く、美しく 作:海童(ワダツミ)
「ふぅ、まずは一機。とは言っても
今刀魔の使ったメガ・ビーム・ランチャーにはかなりの癖がある。まずチャージ速度がかなり遅い。フルチャージするのには3分ほど。これでも開発当初よりは短時間に押さえられているらしい。その上に次弾発射までのクールダウンの時間はおよそ1時間。実戦においてはほとんど使いきりのようなものだ。
その代わりにISのシールドエネルギーを完全に削り取る、機体ダメージも限りなく大きい、最悪の場合量産機だと操縦者にも影響が出るかもしれないほどの威力を持つ。
刀魔はメガ・ビーム・ランチャーを背中に背負い、屋上から飛び降り、空中でブースターをかけ、浮かび上がる。
「少し順序は狂ったが、次はシュヴァルツェア・レーゲンだ!」
刀魔とガーベラは、飢えていた。ISの滅び声に。
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すこしばかり時間は戻って京都タワー。
「ふふっ、ずいぶんと頑張っているようだけど、そろそろ限界じゃないかしら? 更識楯無」
「まだ貴女ごときに心配されるほどじゃないわ」
軽口を叩く余裕はあるが、楯無は機体の状態からして満身創痍である。折れたランス、アクアクリスタルもあとひとつと言う状況だ。一方のスコールは機体の所々に傷はついているもののまだまだ戦うことができる状態である。
「…………見ていてうざったらしいわね。何がそこまであなたを動かすのかしら?」
「……私は生徒会長なのよ? ここで引けば皆に被害が届く。それじゃあトップとして失格なのよね」
ボロボロになりながらもランスを構え直す。
「ならばここで散りなさい?」
さらに威圧をかけ、かすかな希望をつぶしにかかるスコール。
しかし、その緊張した場面はすぐに吹き飛ぶこととなった。
爆発音。
もちろん二人ともそちらの方を見る。すると、サイレント・ゼフィルスを纏っていたはずのマドカが生身で地面に落ちていく姿が見えた。
「M!? それにこの連絡は……更識楯無、この勝負の決着は、いずれ」
それだけの言葉を残してゴールデン・ドーンは一夏とマドカのところへと向かった。その場に残された楯無
「…………っ、………助かった? はっ、織斑先生に連絡を――――」
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「はっはっは! 流石に専用機5体じゃあ部が悪いと思ったが、案外なんとかなるもんだな! 所詮はただの青いガキってところか!」
オータムの目の前にはボロボロになった紅椿:篠ノ之 箒と小破状態のシュヴァルツェア・レーゲン:ラウラ・ボーデヴィッヒが並んでいた。
他の三人はISこそ解除されてないものの、這いつくばっている。見る限り戦い慣れしていたラウラと機体性能に助けられた箒が残った、というところか。
「くそっ、ここまで強いとは………箒、戦えるか?」
「不甲斐ないが、限界に近い……だが、恐らくあと少しで相手のシールドエネルギーも切れるはずだ。」
雨月、空裂を構える。幸いにも紅椿の場合は実体ダメージのみで、エネルギー面からすると無限に戦うことはできる。
「とっとと諦めちまえばいいんだよ!」
アラクネがレールガンを構える。ラウラも負けじとプラズマ手刀で体勢を整える。しかし、そんなオータムにプライベートチャンネルで連絡が入る。
『オータム、急いで撤退するわよ! Mが少しやりすぎたわ』
「くっ…………仕方ねぇ、今日のところは引いてやる!」
悔しそうにしながらそれだけ言い放ち、オータムは、そして亡国機業は去っていった。
「お、終わった……?」
『専用機持ち全員無事か? こちらは無事に爆弾は解除できた。我々も学園へ戻るぞ。』
「「「了解です」」」
モノレール内。
「どうやら全員命に別状はなさそうだな。………おい、織斑はどうした?」
この場には一夏以外の全員が揃っている。
意を決したかのように箒、ラウラが口を開く。
「それが、全く見当たりませんでした。それだけならまだしも、ISのほうもコアネットワークから切断しているため探知できません」
「おそらく乱戦にもつれ込んだ際に嫁だけが誘導されてしまったのだと思います、申し訳ありません」
それに続いて楯無が口を開く。
「それと、織斑先生。サイレント・ゼフィルスが何者かの一撃で撃破されました。」
その言葉で場の空気が明らかに変わった。それも当然だろう。現存していてかつデータ公開されているISスペックではシールドエネルギーを一撃で削りきれるものはない。
織斑千冬は一瞬不安げな顔をし、しかしすぐにするとい目付きに戻り、
「……すでに確認している。その事については学園についてから話そう。まずは織斑の回収が先だ。………あのバカ、迷惑をかけおってからに………」
この戦い、まだ、終わる気配はない――――