Re:雪のように白く、美しく   作:海童(ワダツミ)

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ちょくちょく話が前作より変わってるけど、文章力は変わらない(もしかしたらマシになった?)、そんな作品。


#6

とりあえずISを解除してマドカを安静な状態にする。そして、一夏の視線は例の写真にくぎ付けだった。

 

「………な、なんでこんな写真が……?」

 

織斑一夏は困惑していた。自分と同じ姓を名乗り、姉と瓜二つの顔を持つ少女、マドカの持っていたペンダント。そこにあったのは千冬姉とマドカのツーショット写真。

 

「(やっぱり、俺には千冬姉以外にも家族がいたのか……?)」

 

 

 

 

 

 

 

「織斑一夏」

 

はっとしたように声のした方を振り向く。そこにはゴールデン・ドーンとアラクネがいた。しかし、目の前でISの解除をしているのを見るともう敵意はなさそうだ。

 

「スコールさん、それにオータム、さん………」

 

「……Mを、マドカを助けてくれて、ありがとう。元はといえば、この子がちょっとやりすぎただけなんだけどね」

 

スコールが深く頭を下げる。

 

「そんな、俺は別に―――、(俺は少なくともマドカを倒そうとしていたのに)」

 

その一瞬の表情の陰りをスコールは見逃さなかった。

 

「あなたの考えていることはわかるわ。でもね、結果として貴方はマドカを助けた。それだけで良いじゃない。だからといってはなんだけど、少しだけヒントをあげるわ」

 

スコールが一夏に近づく。敵とはいえ、スコールも色香を持った女性。内心バクバクしながらも悟られないように一夏は耳を傾ける。

 

「……………貴方は、だあれ?」

 

とうていヒントとは言えないだろう、意味深な言葉をかけた後、スコールは離れる。

 

「それじゃあ、また会える日を楽しみにしてるわ。またね、巻紙 一夏君。」

 

「―――――えっ?」

 

一夏は急いで質問しようとしたが、時すでに遅く、亡国機業の面々は去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(訳が、わからない、なんで、なんで、――――巻紙? どこかで聞いたような―――)」

 

再び一夏の頭にはノイズが纏わりつく。まるでその名前は、昔から呼ばれていたような―――

 

 

 

 

「どうしたんだ? ずいぶんと顔色が悪いぞ? 織斑一夏」

 

そこには、全身が機械の誰かがいた。頭部にV字型のアンテナ、トリコロールの装甲、背中に背負った折り畳まれてる大きな銃。

 

「だ、誰だ?」

 

生身だからどうしようもないが、とりあえず身構える。

 

「――――安心しろ、刀魔……刀魔・R・シルヴィエだ。いや、名前を聞いたほうが、安心できないか」

 

「と、刀魔か……ごめん。俺は、お前の仲間になる気はない」

 

「ふっ、ならば聞こう。それは、その答えは本当のお前の意思か?」

 

織斑一夏は、心を握られたような感覚を覚えた。そして、少しの間だが黙ってしまった。そしてそれは刀魔の問いを間接的に答えたことになる。

 

「………だろうな。お前の本質は、今のお前じゃない。さっきのサイレント・ゼフィルスとの戦いを見させてもらった。途中から随分と戦い方が変わっていたな。まるでそう、何かを思い出すように」

 

事実、一夏とマドカの戦いはそうであった。序盤は明らかに一夏が押されていた。しかし、途中から一夏の動きが変わり、ビット攻撃からの近接のコンビネーション攻撃に対処できていたのだ。………もっとも、マドカの実力には最後まで届かなかったが。

 

「これは俺の仮説だが、今のお前は本当のお前じゃない。――――ん、来たか」

 

刀魔は手に持っていた背中のよりは小さい銃を構える。その方向には簪の打鉄弐式とラウラのシュヴァルツェア・レーゲンがいた。

 

「簪! それにラウラ!」

 

「一夏、大丈夫?」

 

「嫁よ、無事か! ――――!?」

 

ラウラは急上昇した。一夏も一瞬はなぜそうしたのかわからなかったが、ラウラがさっきまでいた場所をビームが通りすぎるのを見ると納得した。

 

「刀魔、何をしてるんだ!? ラウラは俺の仲間だ、攻撃しないでくれ!」

 

「………何を勘違いしている? 俺は『シュヴァルツェア・レーゲン』を攻撃しただけで『ラウラ』を攻撃してはいない」

 

「迷ってられない………春雷、打て!」

 

打鉄弐式のマルチロックオンミサイル、春雷が放たれる。刀魔はビームライフルを構え直し、一個一個確実に撃ち落としていく。

 

「さっきはよくも!」

 

春雷に対応している隙を見てラウラがプラズマ手刀を展開し近づく。刀魔はそれを見て、バックステップをし、ビーム状の剣を取り出した。そしてすぐ前進、つばぜり合いの状態になった。

 

「ビーム系統のソードだと!? それにさっきからスキャンをかけているのにISの情報がでない………、貴様何者だ、そしてそのISはなんだ!?」

 

「(あのビームサーベル、敵ながらかっこいい………)」

 

刀魔はもう一方の手で別のビームサーベルを取りだし、ラウラをはねかえす。

 

「二刀か、私も本気で行かせてもらおう」

 

刀魔が二刀に持ち替えたのを見てラウラももう片側のプラズマ手刀を展開する。

先に動いたのはラウラだった。まだお互いの距離が近いため小回りの利くプラズマ手刀のほうが有利、素早く胴部分を狙う。が、刀魔は体を無理やりひねり、掠れる程度に被害を抑える。そのまま避けるだけでなくビームサーベルを下から振り上げ、レールカノンの先端を切り落とす。

ラウラも一瞬焦りの色を見せるがわずかな隙を狙い蹴りを放つ。今度は命中し、刀魔とラウラの距離が開く。

 

「はあっ……!」

 

ラウラの頭上から薙刀を構えた簪の攻撃が降りかかる。その刃は正確に左肩をとらえ、深い傷を入れる。

 

「ぐっ、―――うらぁあ!」

 

「きゃぁっ……」

 

ビームサーベルの刀身を最大まで伸ばして無理やり攻撃を当てる。

 

「ラウラ、簪! 一旦攻撃は止めてくれ! 刀魔、お前も銃を下げてくれ!」

 

白式を展開した一夏がどうにか間に入り込む。

それを見て刀魔はビームサーベルをしまい3人から大きく離れた。

 

「……機体については話すわけにはいかない。名前はそうだな、刀魔とだけ名乗っておこう」

 

「男……?」

 

「――――今日は引いてやる。だが、織斑一夏。これだけは言わせてもらおう、…………今のままでは、俺とお前は剣を交えることになる。次に会うときまでに強くなるか、自分を見つけろ」

 

そう言うと、刀魔はブースターを吹かし飛んでいった。

 

 

 

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