Re:雪のように白く、美しく 作:海童(ワダツミ)
『緊急事態、緊急事態、ただちに研究員は避難、戦闘班は対処お願いします。』
研究所内では謎の攻撃に戸惑い、多くの人間が入り乱れる。
「誰の攻撃だ!? 逃げられる前に急いで索敵しろ!」
「怪我人はいないな? ISを装備していない人間は急いで避難しろ、そうでないといずれここは戦地になるぞ!」
破壊された入口からIS、ラファール・リヴァイヴが10機、そして生身の人間が蜘蛛の子を散らすように出てくる。
研究所のほうは入口以外はまだ被害はないため、逃げるのなら今のうちだろう。そして、あらかたIS乗り以外が避難できたであろうタイミングで、それは現れた。
「慌てなくても、逃げたりなんかしない…………IS全部ぶっ壊すまではな!」
全身装甲の白と青ベースの機体、ガーベラ:刀魔だった。
「誰! あなたは何をしているの!? こんなことをして許されると思っているの!?」
「許してもらうつもりなんてはなから無いさ。………むしろ謝ってもらいたいくらいだ。『ISを利用して女尊男卑の世界を作り上げてごめんなさい』ってな!」
「きゃあっ!?」
ガーベラの手に握られたビームライフルは正確に一機のISを撃ち抜き、シールドエネルギーを削った。その攻撃はこれから始まる戦いの引き金となる。
「――――総員、目標はあのフルスキンよ、撃て!」
10体のラファールからマシンガンが放たれる。
当然刀魔はそれぞれを回避していく。が、連射攻撃を10方向から撃たれもすればすべてを避けることはできない
「ぐうっ!」
苦しい声が聞こえる。それもそうだろう、衝撃が肉体に届いているのだから。
「――――――墜ちろ」
威圧のある言葉とともに目の部分が怪しく光る。瞬間、ガーベラの姿が消えた。
「なっ、何処に」
「――――こっちだ。」
一機の後ろに回り込んでいる。そのまま手に持っていたビームサーベルで切り裂いた。攻撃を受けたISが解除される。
「嘘だ! そんな、一撃でだなんて――――」
それに驚いてしまったが最後、話菅な隙を見せてしまった残り9機のラファールも二刀のビームサーベルによって葬られた。そして、刀魔はISが解除されて倒れている女性の腕についているリングをすべて壊した。
「ゲホッ、ガハッ………これでイギリスは終わったか?」
「そこまでです」
刀魔の後ろに一人の女性がレイピアを構えていた。
「………まだいたか、墜ちろ!」
鋭い横凪ぎのサーベルが振られる。しかし、その女性はそれを避けた。
「………やるな、何者だ」
「私は只のメイドです。まだ、お嬢様が留守のうちに滅ぼさせるわけにはいきません」
「はぁぁぁぁっ!」
「でやぁぁぁっ!」
ビームサーベルとレイピアがぶつかり合う。刀魔の左手にもう一本のサーベルが握られ、チェルシーの胴を狙うが、それを予想していたかのようにバックステップを踏み避け
突如、空気に沈み消えた。
「なにっ!?」
チェルシーの乗るダイヴ・トゥ・ブルーの
当然刀魔はすぐには対応できず、辺りをとりあえず見渡す。が、視界どころか簡易式レーダーにも反応しない。
「これはきついな……」
刀魔のつぶやきもお構いなく、背後に突如チェルシーの腕が現れ空中魚雷を放つ。
「ぐはっ……」
気づくはずもなく、まともに攻撃を喰らった刀魔は悲鳴を漏らす。後ろを確認するが、ちょうど腕が消えていくのが見えたところで何もできない。これにはお手上げ状態である。
チェルシーはお構いなく魚雷攻撃を続け、ついに刀魔の右腕の装甲が完全にはがれ、腕が完全に見える。
「なっ!?」
ダメージレベルがCにもなればその箇所が剥がれるのは不自然なことではない。が、彼女が驚いたのはそこではなく、剥がれて見えた刀魔の腕だ。4・5個の切り傷、もはや全体が変色しているほど無数の青あざ。到底普通にしていれば、ISを纏っていれば付くはずのない傷。
慌てて空間潜行、武装を解除し刀魔に近づく。さらにこの時チェルシーはあることに気付く。
「あなたのそれ、ISではありませんね?」
「……当然だ、男がISなんて使えるわけないだろうに」
普通ISなら絶対防御が働くため、こんな傷がつくのならとっくに解除されているはずである。
「どうしてそこまでしてこの施設を? 私にはいまだ理解ができませんが」
だが、その質問に答えは返ってこなかった。いや、返せなかった。
「――――!? おいお前、直ぐに離れろ!」
『上空より巨大な熱源反応接近』
刀魔の声かけと同時にISのセンサーが反応する。
二人が飛び離れた場所に、巨大なレーザー攻撃が降り注いだ。
この次から前作と違う流れになるため連続投稿がここで止まります(努力すればいいのに)