ドラゴンボールY 逆行のヤムチャ 作:枝豆豆腐
3年って時間は長いようで案外短いもんだ。修行に明け暮れたこの3年を思い出しながら、しみじみとそう感じる。
結局あの後四身の拳の取得に1年もの時間をかけ、ブルマに散々絞られてからカプセルハウスに帰ってきた。訳の分からん技だとは思っていたが、仮にも界王様の教えを受けた俺が1年もかかるとは、天津飯恐るべしと言ったところか。
しかしその苦労に見合うだけの成果があった。当初の目論見通り組手を好きなだけ行うことができたし、自分を外から観察しながら修行できるのは、今までとは比べものにならない程の効果があった。
更に身体を分けることでブルマとデートしながらでも修行を並行して行えるというまさかの副次効果まで得る事が出来たのだ。身体が複数に増やせるのは私生活で非常に便利だった。
加えて、分身を一つに戻した時にその記憶や経験を統合する効果のお陰で修行の効率が圧倒的に上がったのも大きい。力そのものを4つに分ける関係上、流石に4倍の効率で身体を鍛える事は叶わないが、これらの相乗効果で俺は自分でも驚くほどの速度で強くなっていった。
そうして、充実した日々を送る内に天下一武闘会が始まる時期になったのだ。
今回は武天老師様が参加していた時のように辞退する理由がないし、ピッコロも大会の中でしか暴れはしない。なので、心置きなく参加させてもらった。
とりあえず予選でやられた餃子に仙豆を飲ませて回復させ、本線の対戦表は少し弄ってもらった。具体的には、準決勝で悟空とピッコロ、決勝戦ではその勝者と俺が当たるようにだ。
一応ピッコロを倒すのは悟空の役目だろうと考えてのことである。因縁がある2人だし、お互いに意識している。俺が勝っても改心のきっかけになるとは思えんし、悟空に対する執着が未来できっと意味を持つはずだ。神様には悪いが、初戦で俺に負けてもらった。
その後の天津飯と俺の戦いは今大会ではかなりハイレベルなものになったと思う。俺と1年間修行をしていた事に加え、四身の拳を修行に使うというアイディアを俺と共有していた天津飯はこの3年でかなり強くなっていた。
俺の見立てではおそらく、今の天津飯は本気の悟空やピッコロにも引けを取らないだろう。負けてやるつもりはないが、前回も前々回も参加を見送った俺も大会を楽しんでいた。俺は力自体はある程度抑え、お互いに四身の拳を使って鍛えた技術と経験値を存分に発揮して戦った。
結果として、ここから先の戦いを経験し、様々な師に教えを受けた俺がその技術で勝利を収めた。正直言うと前回の経験があるのに技で負けて力押しで勝つのは少し恥ずかしいと思っていたので、素直に嬉しい。
悟空は俺と天津飯の成長を喜び、ピッコロには警戒の視線を向けられる事になったが。
しかし、準決勝でのピッコロと悟空の戦いは俺たちの戦いを遥かに上回る派手なものになった。というか、観客は全員逃げてしまった。寧ろこの状況で残ってるこの司会の人はなんなんだろうか。
激戦の末に勝者となったのはやはり悟空で、負けたピッコロは悟空に見逃されて去っていった。
そして当然、悟空も俺もこの後に決勝戦をやる気であった。悟空は仙豆を食べて回復しているし、俺も万全だ。ステージはちょっと残念な事になっているし観客はいないが、司会はやる気に満ち溢れていたし構わないだろう。
そして、俺は前回を通しても初めての天下一武闘会優勝者となった。俺に負けるつもりはないし、実力差はかなりのものだ。悟空もそれは戦いの中で感じたはずだ。
悟空には悪いが、これで今後も目標を持って鍛えることだろう。先の激しい戦いを考えた時に、これからサイヤ人襲来までの6年をどう過ごすのかというのは大きな影響がある。もし新婚生活に影響が出たら……チチさんごめんなさい。まあ、流石に悟飯が生まれない事はないだろう、多分……きっと…。
神様にも話があったので、この機会に片付けてしまおうと、試合の後は神様の宮殿に行かせてもらった。
カリン様も来てもらい、そこで自分が未来の知識を持っていること、未来で起こることを俺の知る限り全て伝えた。
こういう時、この方たちが心を読めるのは楽だ。そうでもなければ頭がおかしい奴扱いされて終わりだろう。
にわかには信じられないといった風であったが、心を読める以上全てを否定する事もできない。とりあえず今のところは信じていただけるという事で落ち着いた。
この2人に話したのはこれから先に協力が必要不可欠になることと、心を読めるから頭から否定することは無いだろうという計算、そしてどちらにしてもそこまで未来に影響のないだろうという失礼な考えからだったりする。
まあ、その考えは本人達も読んでいるだろう。俺が何を求めているかもだ。
神様は俺のこれからの計画には否定的だった。地球の神として地球を危険に晒したくないというのはわかるつもりだ。確かに、サイヤ人にさえ気を付けて対処してしまえばフリーザと戦う必要はないし、人造人間も今から動けば何の問題もなく解決できる。敢えて言うならブウの件だが、神龍の力を使えば地球から離れた場所に移したり、バビディにそう簡単には見つからないようにする事も不可能ではない。後は界王神様やビルス様にでも任せればいい。
しかし、実際に全て上手くいくかなんてわからないし、万が一問題が発生すれば、その時悟空達が弱いままではどうしようもなくなる可能性もある。何より俺は未来の悟空達に負けたくなくて人生をやり直しているのだ。
結局、渋々ながら神様に納得してもらい協力してもらえることになった。カリン様は最初から俺の案に賛成だったようなので、簡単に引き受けてくれた。
一先ずこれで6年後から始まる戦いの、最低限の準備はできたと思っていいだろう。
☆☆☆☆☆☆☆
オッス!オラ悟空!結局今回の天下一武闘会も決勝負けちまった。神様のところで修行して強くなったつもりだったけど、天津飯もヤムチャも強くなってて驚いたぞ。
天津飯が強くなってることは分かってたが、あそこまで強くなってるとは思わなかった。オラが神様のところで修行した〝空〟の極意も身に付けるみてぇだったし、一つ一つの動きの練度や無駄の無さが段違いだ。
パワーとスピードはオラが上だと思うが、長期戦になればどうなるかはわからねぇ。ピッコロと、そしてあいつの事ばっかり考えてたが、他にもまだまだ強ぇ奴はいっぺぇいるし、他のみんなも強くなってるんだ。
ピッコロとの戦いは本当にギリギリだった。観客はみんな逃げちまったし、最後はオラも立ってるが苦しいような状態だったがなんとか勝つことができた。だが、その後の決勝でヤムチャの奴に負けちまった。
ヤムチャは初めて会った時から不思議な奴だった。最初に戦った時もオラは手加減されてて指導されてる様な感じだったし、その後旅の途中に何回組手しても一度も勝てなくて底が見えない強さだった。
旅の後はヤムチャは天下一武道会にも出てなかったし戦った事はないが、いつもオラより先に進んでいる事は感じてた。
ピッコロ大魔王との戦いではオラ達が手も足も出なかったピッコロ大魔王を1人で足止めし、ボロボロになりながらも生き残っていた。あの時はオラ達のせいでヤムチャが死んだと思っていたから、生き残っていたヤムチャを見た時の事はよく覚えている。
超神水でパワーアップしたおかげでピッコロ大魔王を倒して、それでヤムチャを超えたと思っていたが、やっぱり一度も勝ったことがないヤムチャに勝ちたいってのは今回の大会の目的の一つだった。
ところが、神様のところで修行したってのに決勝でヤムチャに負けちまった。パワーもスピードも、そして技も何もかもヤムチャの方が上だった。オラみてえに神様に鍛えてもらった訳でもねえのに、いってえどんな修行をしてたのかオラには想像もつかねえや。
今度こそヤムチャに勝つために鍛え直さなきゃならねえ。オラがチチと結婚してパオズ山に住む事になったから、ヤムチャも偶に顔を出してくれるらしい。いっぺえ戦えるな!
ん?なんだチチ?子供が欲しい?オラよくわかんねえぞ
四身の拳 は 影分身 に しんか した
いや…全部本体らしいから記憶とか経験も引き継ぐよなって…そしたら最初に浮かんだのが影分身だったんだ…
四身の拳の理屈が意味わからないのが悪い(確信)