ドラゴンボールY 逆行のヤムチャ 作:枝豆豆腐
四身の拳を使ったに違いない……おのれ天津飯…
あの天下一武道会で優勝した後、俺はサイヤ人の襲来に備えて忙しい毎日を過ごしていた。
勿論、何はともあれ修行第一だ。この8年で既に100倍の重力を克服し、更に四身の拳を駆使して技にも磨きをかけ、少し前まで不完全な形でしか使えていなかった界王拳を完全に身につけ、更に精進している。
ブルマと一緒に悟空のところにも偶に顔を出し、あいつの修行にも付き合ってやっていた。その時間自体は大したものではないとはいえ、あいつの場合自分より上の目標がある事が一番重要なのだろう。かつてのこの頃の悟空より遥かに強くなっている。武天老師様がかつて天下一武道会に出場し、慢心させないようにと悟空達の壁になったのはやはり正しかったという事だろう。
また、天津飯達やクリリンはよく西の都に来るようになった。重力室での修行を気に入ったようだ。また、俺に修行をつけてくれと頼みに来る事も多い。あいつらは自分が伸び悩んだと感じた時に相談にくる事が多いが、俺自身もそういった経験は多く、かつての世界では素晴らしい師に恵まれていた為にそれなりに上手く修行に付き合ってやれたと思う。
そういった具合に俺も仲間達も順調に強くなっている訳だが、やはり将来に対しての不安は大きい。俺はナメック星には同行できなかったからあの時の戦いを詳しく知っている訳ではないが、少なくとも地球に来た時のフリーザの強さに今の自分達が遥かに及んでいない事はわかる。
策はあるが、本当にそれで上手くいくのか、前の歴史よりも良い結果を得る事ができるのか、考え出すと止まらない。
そして、サイヤ人の襲来が迫っているという事は、俺とブルマの別れも近付いて来ているという事だ。前回の俺は、最後の時まで独り身だった。それなりに色々な女と付き合ったが、結局ブルマより良い女はいなかった。いや、俺がブルマに未練を持っていたのかもしれない、この世界でもう一度ブルマと暮らす様になってから、余計にそう感じる。
前の世界よりも良い歴史に導く、自分に何度そう言い聞かせても、ブルマを見る度に決心が揺らいでしまう。より良い未来の為に、トランクスがもたらす情報や薬が必要だし、もし未来のトランクスが来なければ俺の持つ未来の知識も活躍できなくなる。そもそも誰と結ばれるかなんてブルマ本人が決めることだ。俺が何を考えたところで、ブルマがベジータの方が好きだと言えばそれまでだ。何よりトランクスという1人の人間を消してしまう事なんて……
とりあえず、全部忘れて修行しよう。
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まあいくら悩んでいても時間は進んでいくもんだ。ラディッツの襲来は拍子抜けするほど簡単に解決した。
俺だけじゃなく、悟空もラディッツより強いし、なんなら天津飯やクリリンもラディッツより強かった。何かできる筈もない。
最初は調子に乗っていたものの、悟空達が気を開放して力の差に気付いてからはあっさり下手に出ていたくらいである。そして、ベジータから通信で見捨てられていた。
さりげなくラディッツとの会話の中でドラゴンボールについての情報も流したところ、案の定ベジータから反応があった。これで間違いなく地球に来るだろう。
そしてベジータから殺害予告をされたラディッツは最早俺たちの仲間になってベジータと戦うしか道はなかった。前回は殆ど縁がなかったとはいえ、悟空の兄でサイヤ人だ。鍛えれば戦力になるだろう。
遅れてやってきたピッコロはショックを受けていた。この8年真面目に修行していたつもりなのに悟空には大きく差をつけられ、天津飯やクリリンにすら遅れを取っていたとなれば当然だろう。
そんな訳でラディッツとピッコロも含め、みんなでベジータ達の来る一年後まで修行することになった。しかし俺と悟空には他にしなければならない用事があった為、神様に一芝居打ってもらう。
何かと言えば界王様のところへ修行しに行くことだ。俺は前回死んだ際に界王様の元で修行して界王拳を身につけたが、元気玉を覚えることができなかった。今後の戦いで元気玉が必要になる可能性は十分に考えられるし、それ以外にも界王様と繋がりを持っておく事は今後プラスになる。元気玉に関しては俺が覚えられない可能性も高いので、実績のある悟空も同行させて覚えてもらおうという魂胆だ。悟空は現時点で他のメンバーに比べて頭一つ抜けているし、多少界王様のところに居ても遅れをとることはないだろう。
それに、正直俺も今のレベルで行き詰まっている部分がいくつかあり、界王拳や元気玉を考案した界王様に相談に乗ってもらえないかという思いもあった。
なのでラディッツとの戦いが終わった後、神様からの提案で俺と悟空を界王様の元で修行をつけてもらうというストーリーで、四身の拳(二身バージョン)で半身をピッコロ達の修行と監視に残し、俺たちはあの世に向かった。
前の世界で悟空が瞬間移動で界王星に行っていたり、占いババ様が閻魔様のところにいたりしたので生身でも行けるのではないかと思っていたが、やはり可能だった。
今の俺と悟空なら蛇の道は簡単に踏破することができた。10倍の重力も苦にならない。界王様に会って事情を話 して協力してもらい、俺はこっそり悟空のいないところで前の世界も含めて事情を説明した。
界王様も当然心や過去を読めるので、完全には信じられない様子であったが一応理解を示してくれた。自分の命に関わる情報があったのも大きかったかもしれない。
結果として界王様の協力を得て、悟空は3ヶ月程で界王拳と元気玉を取得して帰ることになった。俺はやっぱり元気玉を覚えられなかった。界王拳は元から覚えていたが、界王様と2人で色々と試して改良を模索中だ。
帰り道もそれほど時間をかけずに帰ることができ、閻魔様はてっきり蛇の道の途中で引き返してきたのかと勘違いした様子だったが、ちゃんと修行を受けてきたと説明して神様を呼んでもらった。
地球に帰ってからは一度分身と合体して情報の整理だ。思いの外ラディッツとピッコロは素直に修行を受けてくれた様で、特に問題は起きていない。ピッコロが悟飯に妙に懐かれて丸くなっている様子だということくらいか。
そう悟飯、悟飯である。正直に言えば現時点で悟飯の戦力が必要ということもなかったのだが、将来的に必要になる可能性は高い。その為、チチさんを説得して修行に参加させていたのだ。
悟空は悟飯の潜在能力に気付いていた様で話は早かったが、チチさんを説得するのは大変だった。最終的に俺が今後も悟飯の家庭教師として勉強を見るハメになった。
実は俺は前回の世界でもブルマと長いこと一緒にいたから普通に一般レベルなら勉強も教わっていた。今回はその下地に加え、四身の拳を活用していたので高校生になるくらいまでなら教えることもできるだろう。
チチさんも息子がバオズ山で学校にも通わず勉強しても効率が悪いことを理解していた様で、なんとかその路線で交渉した結果だ。
その後はみんなに界王拳などを教えながら修行をつけて一年を過ごした。悟飯は才能はあってもまだ幼い。ピッコロやラディッツ達過激派と悟飯の修行に関して意見をぶつけるのはしょっちゅうだったが、逆にそれで距離が縮まった部分もあった。
ラディッツといえば、弟や戦闘民族でもない俺たちに負けているのが相当悔しかったようでかなり真面目に修行に打ち込んでいた。サイヤ人だけあって成長も早い。偶に組手でちょっとやり過ぎて仙豆で回復させていたのも良かったかもしれない。ベジータ相手に勝つとなると厳しいだろうが、戦闘にならない程の差ではというところまで強くなっている。
焦っているのはピッコロだ。ラディッツが来た時点で仲間内ではおそらく悟飯を除いて一番弱かった。流石と言うべきか急激に成長してはいるが、8年間でできた差を埋めるのは簡単ではない。最も過酷な修行を続けているが、ベジータ達が来るまでに悟空や天津飯達に追いつくのは難しいだろう。
悟空は界王星から帰ってきて更にその実力を伸ばしている。身近に俺という目標がある為か、頻繁に組手でボロボロになるまでやり合っている為か、とにかくこちらが驚く程のペースだ。相変わらずこいつは常識では測れない。既に100倍までは行かずとも相当な重力を克服し、界王拳も使い熟す悟空には俺もウカウカしていられない。
勿論俺も指導や勉強を教えながら修行を続けている。これまでのリードは大きいが、こいつらの急激な成長に負けない為に過酷な修行を続ける毎日だ。地球の危機にこんな感想はどうかと思うが、今の俺は充実している。かつての世界ではこうして高め合うを諦めてしまい、置いていかれていたように感じていた。しかし、前もこの時点ではまだ悟空の一歩後ろについていけていたのだ。またそうならない為に、まだまだ強くならなくてはいけない。
サイヤ人については諸説あり、ラディッツは下級戦士ではないという説もあります
この作品を書くにあたり色々と悩んだのですが、超の設定を漁ってたら細かいことはどうでもいいかなと思うようになりました(ダメです)