「………」
やけに周りの生徒たちが気になる。
もしかしたらこの中に俺にあの手紙を送ってきた人がいるのではないか…
今もこっそり様子を伺っているのではないか…
そんな思いが次々と頭に浮かぶ。
反対にもしかしたら手紙はドッキリで今も見られているのでは?という考えも…
そう考え始めると、ちょっとした笑い声にも敏感に反応してしまう俺がいる。
あの背の高い女の人…こっち見て笑ってないか?
あのロリ巨乳属性持ちの幼女…熱い目線送ってきてないか?
ああ、知っているとも。どうせ俺の勘違いだ。誰一人として俺に興味を持つ人はいない。
それでも…俺は魔法使い一直線な童貞だ。
ラブレターを貰ったのに普段通りでいろと言う方が無理な話である。
そんなこんなで俺は目線にびくびくとしながら別棟へと歩いていた。
別棟。放課後は一部の部活動が使っているだけの校舎。
それも本校舎を追い出されたあまり活動が活発ではない部活動の部室がある校舎。
全く人の気配はない。まるでこの世界には俺しかいないのではないか…と思えてくるほどの静けさだ。
かすかに校庭で活動を行っている部活の声は聞こえてくるのだが、今の俺の耳には届いていなかった。
ひとつのドアを見つめる。
少し目線を上げるとそこには一つのプレートが。
『科学室』
この扉の向こうに初めての彼女(仮)がいる…!
扉に手をかける。
ごくり、と喉が鳴った。
一旦深呼吸。すー…はー…すー…はー…よし。
「いざ…!」
俺は扉を勢いよく開けた…!
「………」
絶句だった。
期待に胸を膨らませ、ドアを開けた俺を待っていたのはどこまでも続く漆黒の闇。
誰の声も聞こえない。人の気配もない。
考えるまでもなく、頭の中には一つの言葉が浮かんだ。
騙 さ れ た … !
「マジかよぉぉぉ…」
膝が地面とキスをした。そのまま掌も床とハイタッチ。
簡単に言えば『orz』こんな感じで俺の動きは止まった。
だって…だってよぉ…これだけ期待させといてそれは…あぁ…
改めて顔を上げる。
もしかしたら恥ずかしがっているだけかもしれない。
暗闇の中で俺を待っているかもしれない。
あぁ、これだけの状況でもまだ俺は諦めることができなかった。
ゆっくりと立ち上がり、ドアの横にあるスイッチを押す。
パッ、と電気がついた。
暗かった部屋の中に光がさす。
これまでは見えなかった部屋の奥まで今は見渡せる。
やはり人はいない。
どこにも、誰も、何度確認しても…
一番奥の机の上。何かが乗っているのが見えた。
もしかしたら俺に向けた何かかもしれない。そんな淡い希望を持って俺は部屋の奥へと向かう。
そこにあったのは1つの封筒。
俺の机から出てきたあの封筒と同じもの。ということはこれは俺に向けた手紙だ。
封筒を開く。
中から出てきたのは一枚の紙。これも先程見たものに似ている。
書かれている文字も似ていた。急いで目を通す…と
『先輩は私のものですからね?浮気なんて…許しませんから…』
…え…と…?
何がなんだかわからないのですが…これは…あれかな?手紙を渡す相手を間違えたとかそういうやつかな…?
あー…うん。逃げよう。これはダメなやつだ。
手紙を封筒に入れ直し、机の上に置く。
しかし、このとき俺は混乱していて気づいていなかったのだ。
後ろから忍び寄る小さな影に…
ガンッ!!!
後頭部に衝撃がはしる。
突然の衝撃に体が前に倒れていく。
その瞬間は本当にスローモーションのようだった。だんだん床が近づいてくる。
顔面が床に思いきりぶつかる。再び衝撃がはしった。
襲いくる痛みの中朦朧とする目を後ろに向ける。そこにいたのは…
「大丈夫ですよ先輩…あんな女には渡しませんからね…」
うっすらと見える影が動く…
意識が途切れた
前に『後編に続く』と言ったな。残念次が後編だ。
今回は中編である!すいません!展開を変えたせいで一話に収まりませんでした!
次でこの話は終わらせて次のお話にいくと思うので許して…ね?