初めて書くので、あまり上手くは書けてはいないかもしれませんが、温かく見守ってください!
「みなさん、初めまして!1年1組を担当する山田真耶です。ISのことや生活についてなど、わからないところがあれば、何でも相談してくださいね!」
IS学園入学式当日。しかし、未だに葉は事態を呑み込めずにいた。それもそのはず、たまたま高校の受験会場で見かけたISを、好奇心から彼の持ち霊・阿弥陀丸と共に調べていたところ、女性にしか動かせないはずなのに、なぜか動かしてしまい、そのままよくわからないうちに勝手に話が進められてなぜか入学することになっていたのである。
「・・・君!麻倉君!!聞いてますか?」
物思いにふけっていた葉の目の前には、真耶が立っていた。呼ばれたことに気が付いていなかったらしい。
「自己紹介で、相川さんから始まって、今麻倉君なんです。自己紹介してくれますか?」
悪かったのはこちらなのに、申し訳なさそうな表情でお願いされていると、さすがに申し訳なく感じる。
「すみません、ちょっと考えごとしてて・・・。オイラは麻倉葉です。趣味はのんびりすること。何かよくわからないうちにここに来ることになっていましたが、これからよろしくお願いします。」
『葉殿、これほど注目されている中でも堂々とした自己紹介。さすがでござるな』
阿弥陀丸が声をかけてきたため、苦笑いだけ返す。もちろん、霊である阿弥陀丸の声はほかの人には聞こえない。だから葉も声には出さないが、内心では、阿弥陀丸の言葉への反論で一杯だった。
(ただの自己紹介でこんなに真剣なまなざしを向けられて、堂々となんてしていられるわけないだろ!オイラ、人から注目されるの苦手なのに・・・)
世界でISを動かせる男性はたったの二人。そんな貴重な人物が目の前にいれば、注目されるのも当然だろう。そして、もう一人の男性操縦者の織斑一夏は・・・
「織斑君!あなたもですか!私の話なんて聞けませんか、そうですよね・・・」
「あ、いや違くて!ちょっと考え事をしていたというか・・・」
どうやら葉と似たような境遇らしい。
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どうしてこうなった。一夏とセシリアが何やら言い争いをしていたため、それを横目で見ていただけであったのに、いつの間にかセシリアの怒りの対象が葉にまで飛び火し、決闘を行うことになった挙句、一夏の特訓に葉も参加することになってしまった。
「で、何で特訓を剣道場でやるんだ?」
「そうだぞ箒、ISの特訓じゃないのかよ!」
「うるさい!本人が動けないのに、ISでうまく動けるわけがないだろ!何事も基礎からだ!」
「そうだろうけどさ・・・」
「まずは一夏からだ。さあ、来い!」
「仕方ないな・・・。竹刀握るのも久々だけど、行くぞ!」
そう言って、一夏から箒に仕掛ける。何の考えもなしに振るわれた上段からの振り下ろしは難なく防がれる。一度距離をとって、今度は籠手を狙うが、それよりも早く箒の竹刀が一夏の面を捉えた。
「おい一夏!どうなっている!何でこんなに弱くなってるんだ!」
「いや、中学では剣道やってなかったし・・・」
「この弱さだと、家で素振りすらもしてなかったな?あれほど千冬さんにも言われてたのに!」
「それは、まあ、色々忙しくて・・・」
「これは鍛え直してやらないといけなさそうだな、その根性ごと!さあ、立て!もう一度だ!」
「いや、それよりISは・・・」
「問答無用!」
そう言って始まった特訓(しごき)がしばらく行われた頃。
「どうした、もう終わりか」
「いや、もう無理。少しは休ませてくれよ」
「時間がないんだぞ?もう一度だ」
「なあ箒。流石にそろそろ休ませてやった方がいいんじゃねぇか?一夏死にそうになってるぞ・・・」
「ほう?麻倉、お前が次はやると。いいだろう。お前もみっちりしごいてやる」
(箒怖えぇ!?というか、オイラもやるのか!?)
「準備はいいな?行くぞ!」
箒が一気に距離を詰め、葉の頭をめがけて竹刀が振り下ろされる。葉は刀を下から振り上げることで、難なくはじき、返す刀で箒の面を打った。
「オイラの勝ちだな」
「麻倉、お前剣道経験者だったのか?それにしてもこの強さは・・・」
「この剣技は、オイラ一人の力じゃなくて、オイラが友達と一緒にいろんな奴と戦って身についたものなんよ。だからそう簡単に負けるわけにはいかんのさ」
「・・・そうか。未経験者だと思って油断していたことは詫びよう。お前は強い。もう一度だけ相手をしてくれないか?」
「おう、いいぞ」
そして第二回戦が始まった。
一回戦目と同じように、箒から仕掛け、葉が防ぐ。しかし、今度は箒も防がれることは承知していたため、はじかれても体勢を大きく崩すことがなく、すぐにもう一度面へと振り下ろすことで、葉に反撃する隙を与えない。葉がそこで一旦距離をとろうと後ろに下がったところを、箒はチャンスと見て、思い切り踏み込み、一閃。箒自身でも過去最高と感じるほどの速さと力を持った一撃であった。
(これはかわせない!もらった!)
「何のこれしき!」
かわすことができない体勢からの剣を、葉はあろうことかそれ以上の速さと正確さで叩き落した。そして、そのまま箒の面を葉の竹刀が捉えた。
「二人とも凄かったな!何というか、剣道というよりも、本当の刀同士の切り合いを見てるような迫力だったぜ!」
興奮冷めやらぬ様子で感想を述べる一夏。もはや自分のための特訓であったことなどとうに忘れている。
「麻倉。わざわざ試合をしてくれてありがとう。完敗だったが、色々と学ばせてもらった」
「オイラも楽しかった。箒、お前強いな!」
「また時々手合わせしてもらってもいいだろうか?」
「もちろんだ」
「ありがとう。よろしく頼む。さて一夏、そろそろ休憩は終わっただろう?麻倉がこれほど強いと分かった以上、お前ももっと強くならんとな」
「げ!まだやるのかよ!箒も試合の直後だし、疲れてるだろ?また明日に・・・」
「私なら大丈夫だ。さあ、構えろ!」
「どんだけタフなんだよ!くそ!」
こうして、無事に特訓を終え、セシリアとの試合当日になった。
「で、箒。あれからISの修業を全くしてないんだが、何か申し開きは?」
「うるさい!そもそもお前の剣の腕があれほど鈍っていたから・・・」
「まあ、過ぎちまったもんは仕方ねぇ。なんとかなるさ」
「相変わらず緩いな・・・・。でも良いのか?葉まで俺たちに付き合ってISの訓練全くしなくて」
「さすがに少しだけ自分でも練習してみたさ。感覚は掴めてきたし大丈夫だろ」
「あの特訓の後に!?葉も意外とタフだな・・・」
「もしオイラが全力を出せないままセシリアに負けたら、オイラにもセシリアにもやりきれない思いが残るだろ?オイラにとってそれは楽じゃねぇんだ」
葉にとっては、楽に生きるということが何よりも重要である。そして、何のわだかまりもなく今を生きることこそ楽で楽しいということを葉は知っている。シャーマンファイトも、多くのシャーマンたちと全力でぶつかり、時に命を懸け、実際に何度か死んだりするほどの大変な戦いだったが、だからこそ、そこで得たつながりは、今や葉にとってなくてはならないものとなっている。
「そっか・・・。よし、俺もできる限りのことはやってやるさ!」
「おう、頑張ろうぜ!」
「では、最初は麻倉君とオルコットさんの試合からです。準備はいいですか?」
「ああ」
「もちろんですわ」
「それでは、第一試合開始です!」
葉のIS操縦者として最初の試合が始まる・・・
次回、葉VSセシリアです!