いつもながらに遅い更新ですみません。さらに言えば本編を進めず番外編ですみません。もっと言えば、短い上に②-1とか書いてあってすみません。非常にゆっくり書いていますが、近いうちに本編も更新しますので、ご容赦ください。
さて、今回の話は、CHICO with HoneyWorksの「プライド革命」のPV?を見ていて、ああいう男装で男子の中に入っているようなシチュエーションがぐっときて書きました。ぐっと来た感じを表現できてはいないかもしれませんが・・・
―これは、まだ僕が男性操縦者としてIS学園にいた頃の思い出
「麻倉君、織斑君!もう授業始まるって!ゆっくりお昼ごはん食べてる場合じゃないよ!」
「そう焦るなって、もう少しなんだ。それに、次の授業は千冬ね・・・織斑先生じゃないから、多少遅れても『男子トイレが遠くて~』とか理由つければ大丈夫だって」
「何か変な方向でたくましいというか・・・」
「今日はこんなに天気が良いのに、一日中座学だしもったいないよなー。オイラも何か眠くなってきた」
「麻倉君まで!」
「落ち着けってシャルル」
「怒られても僕は知らないからね!」
男性操縦者の三人でいた時には、こんな馬鹿をやっていた光景がよくあった。周りの女子たちからは、嫉妬の目より、歓喜の目(たまに興奮の混じった目)で見られていたと思う。僕もそういう思いはわからなくはないけど、いざ当事者になってみると、この視線は怖いんだなということがわかった。麻倉君や織斑君は気づいてすらいないみたいだけど。
「それで?遅れた理由を聞かせろ」
「全員一発ぶった後にかよ!」
「質問に答えろ。もう一発行くか?」
「いえ、すみません・・・。えっと、男子トイレが遠くにあったもので」
「デュノア、本当か?」
「えっと・・・」
(やめて!『頼むから』みたいな目で二人ともこっち見ないで!ええい、仕方ない!こうなったら『シナバモロトモ』だ!)
「ほ、本当のことです!」
「そうか・・・。では今日は予定を変更して模擬戦を行う。織斑、麻倉前に出ろ!」
「葉と試合するのか。今日は負けないぞ!」
「何を勘違いしている?相手は私だ。二人同時でも構わん」
「げ、それはさすがに・・・。オイラ達じゃなくても・・・」
「さっきは、デュノアがお前らの為に覚悟を以て
「「「バレてる・・・」」」
その後、ぼろ雑巾のようになった二人を見て、「だから言ったのに・・・」と言って、苦笑いを浮かべていることしかできなかった。
― ― ―
その何日か後、僕たちは模擬戦をしていた。今度はもちろん三人でローテーションを組んで1対1で。
「白式シールドエネルギー消失、勝者デュノア」
「くそっ!!何で勝てないんだ!」
「やっぱりまだ僕には敵わないかなー」
「絶対次は勝ってやる!」
「よし、次はオイラと頼む」
「もちろん!今のところ4勝2敗で、僕の方が勝ち越してるね。もっと差がついちゃうかもしれないけどいいの?」
「負けっぱなしってのも楽じゃないしな。今日中にはひっくり返るさ!」
二人は、負けてももっと強くなって何度も挑んでくる。お互い高めあっていくっていうのが本当に楽しくて、ついつい少し意地悪なことも言っちゃう。それでも離れないでいてくれて、むしろ楽しんでいるようにも感じる。男の子ってこういう感じなのかな?
「今日の模擬戦はこれくらいにするか」
「そうだな。さすがに疲れたぜ」
「じゃあ、僕はあっちで着替えてくるね。・・・絶対付いて来ないでねっ!!」
「いいから行ってこいよ」
「絶対だよ!」
いつもなら、ISスーツの上から制服を着るだけにしていたけど、この日は強くなっていく二人に負けないようにかなり必死にやってたから、いつもより汗をかいていて、さすがにこのままでいるのは気持ちが悪い。見られたら困るという事情が半分と、見られるのが恥ずかしいという女の子としての思いが半分で、かなりドキドキしながら着替えていた。
部屋割りが変わり、一夏の引っ越しを手伝った後、僕はシャワーを浴びていた。その日はものすごく疲れていたのに、妙に頭が冴えていて、シャワーを浴びながらつい考え事をしていた。
正直言って、今の生活はすごく楽しい。麻倉君や織斑君とは気兼ねなく軽口を叩き合ったり、泥だらけの汗まみれになりながらも遅くまで訓練したり、何より真っ直ぐにぶつかってきてくれる。でも、楽しいと思うほど、不安も大きくなる。僕が本当は女の子だと知ったら、今の関係性はどうなるだろうか。僕だけ真っ直ぐにぶつかっていけないことが後ろめたく感じる。そんなことを考えていたから、麻倉君の声に気が付かなかった。
「おーい、シャルル。シャンプー切れてるだろうから、替えのやつを・・・」
「あ」
「あ」
人生で初めて男の人に裸を見られた瞬間であり、これまでの人生で一番恥ずかしい瞬間であり、そして、人生が変わるきっかけとなった瞬間だった。
次回は、本編か番外編の続きにするかまだ考え中です。筆の乗り具合にもよりますが、近いうちには投稿したいと思っています。