あけましておめでとうございます!新年明けてからすぐ投稿しようと思ったのですが、中々筆が乗らずだらける日々・・・
久々にこの小説の情報を見てびっくり!
「評価のバーに色がついてる!!」
皆さま本当にありがとうございます。たくさん頂いている感想も読んでいます!(返信する気力が出ず放置していて申し訳ない・・・)
今年もこの小説をよろしくお願いします!
今回は切りの良いところまでにしたので、短めです。
「えーっと、学園祭の出し物ですが・・・全部却下!」
「えー!何でー!」
「良い案だと思ったんだけどな」
「ポッキーゲームだとかホストクラブだとか・・・。いい訳ないだろ!ですよね、山田先生!」
「ポッキーゲームなんて、先生はいいと思いますよ!」
「先生まで!?なあ葉何とか言ってくれよ!」
「オイラは何でもいいぞ?全部一夏がやってくれるからな」
「このクラスの女子たちがそれで許してくれると思うか?」
「織斑一夏と麻倉葉はこのクラスの共有財産である!」
「女子を喜ばせる義務を全うせよ!」
「「「「そうだそうだ!」」」」
「な?」
「うぅ~」
夏も終わりに近づき、IS学園でも学園祭の時期が迫っていた。困惑する一夏、興奮気味な女子たち、力なくうなだれる葉。
「それならメイド喫茶でいいのではないか?」
「男子が執事服でキッチンを担当してもらえばいいんじゃないかな?」
「織斑君と麻倉君の執事服・・・いい!」
「まあ、さっきのに比べればまともか」
こうしてクラスの出し物が決まり、裏方だと決まった一夏と葉は少し安堵していた。結局ホールにも立たされることを彼らはまだ知らない。
「当面君のコーチをしてあげるって言ってるの」
「・・・それは俺が弱いってことですか?」
「そういうこと。機体性能で言えば専用機持ちの子達の中でも間違いなくトップクラス、でも実際の試合での勝率はお世辞にも高いとは言えない。そうでしょ?」
「悔しいけど言い返せませんね。みんなを護ると言いながらいつも葉やみんながお膳立てしてくれた上での勝利。俺の功績は《白式》の能力による最後の一撃だけ。実際には葉達に護られてるだけだ」
「そう。私に教われば確実に強くなるわよ?」
「よろしくお願いします!」
「で、何でこの訓練に葉もいるんですかね!?」
「一夏も呼ばれてたのか、よろしくな!」
「おお、よろしく・・・って、そうじゃなくて!葉達より強くなるって話じゃないんですか!」
「正直なところ、ISの操縦技術云々で言えば、一夏君と葉君はそれほど大きな差はないの。ISの技術として使ってるのだって、せいぜい瞬時加速ぐらいだし。差があるとしたら、剣技と戦闘経験の差だけど、それも慣れてしまえば通用しなくなってくる。そうよね、葉君?」
「ああ、試合をしてても最近は負けることも多くなってきたな。この間の篠ノ之束の言葉から、どうやらオイラ達は狙われやすい立場にあるらしい。だったら、強くなれるときに強くなっておかないとな」
「どうりで、葉がこういうことに積極的になるのが珍しいと思ったら・・・」
「目的は葉君に言われちゃったけど、大体そんな感じ。というわけで、さっそく始めましょうか。セシリアちゃん、シャルロットちゃん、サークルロンドやって見せて!」
「せっかく一緒に居られる時間を邪魔されるのも癪ですが・・・葉さんが決めたことなら仕方ありません」
「そうそう♪早く早く!」
それぞれ思うところはありつつも、シャルロットとセシリアはISを展開する。展開するまでの時間の短さからも、この二人の確かな技術が見て取れる。
「じゃあ、始めます」
シャルロットのかけ声で、二人が同時に動き出す。一定の距離を保ちながら円の軌道で飛んでいる。
「なあ、これから何が始まるんだ?」
「この二人ってことは射撃の技術だと思うけど・・・。俺たちに射撃の技術ですか?」
「そう。でもそれだけじゃないんだな」
楯無がそう言うと、シャルロット達は射撃を始める。お互いに撃って回避してを繰り返しながらも、おおよそ先ほどまでの円の軌道を保っている。
「これは、射撃と回避、それを同時に行えるだけの高度な機体制御を覚える練習なの」
「どうしてそれを俺たちに?」
「あら、忘れたの?今の二人には遠距離攻撃武器があるでしょ?」
「あ、荷電粒子砲!」
「鬼火!」
「そう、正解。織斑君の荷電粒子砲はセカンドシフトで最近使えるようになったから仕方ないとして・・・葉君、あなたあの強力な砲撃をほとんど使ってないでしょ?」
「うっ!いや、でもあの威力はさすがにヤバいというか・・・」
「言い訳しない。絶対防御があるんだし、執拗に当て続けでもしなければ問題ありません。今までの試合でだって使える場面は何回もあったはずよ」
「うぅ・・・実を言うと、射撃系の武器はあんまり慣れてなくて使いづらいんだよな」
「だ・か・ら、お姉さんがじっくり教えてあげる。二人っきりでね」
楯無が葉の耳元で囁く。葉はただただ顔を真っ赤にするほかなかった。こういうことに耐性がないためだ。影響は葉一人に留まらない。
「葉!?」
「何をしてますの!?ってシャルロットさん、前、前!!」
「へ?あ、うわぁ!」
ドゴン!という大きな音と共に、シャルロットとセシリアの二人が衝突し、落ちていく。先程までの高い技術を持った操縦者とは思えない状況だった。
「とまあこんな風に少し集中を乱しただけで事故につながるから気をつけてね!最終的には葉君と一夏君の二人でさっきまでのができるようになるのが目標ね!」
「「は、はい!」」
「それと・・・葉君、さっき言ったことは本気よ?ISのこと以外にも、イロイロ教えてあげる」
そう言いながら笑う楯無。葉はただ苦笑いで返すだけだった。
「そこ!射撃が止まってる!何してるの、もう一回!」
楯無による一夏、葉へのコーチは二人の想像以上にスパルタだった。機体制御に集中すれば射撃が止まり、射撃に集中すれば機体はあらぬ方向へと飛んでいく。この訓練を休みなしで3時間近く続けており、少しでも休もうとすると(主に葉)檄が飛ぶ。
「今日はこのくらいにしておきましょうか。お疲れ様。また明日同じ時間ね!」
「はい・・・」
さらに2時間後、ようやく終わりが告げられた。
「ささ、葉君!部屋に帰るわよ!」
「おう・・・てか何でそんなにテンション高いんだ?」
「特訓で疲れてる葉君を優しくマッサージする私。それをきっかけに二人の距離がさらに近づいて・・・キャー!!」
「ま、まあよくわからんが楽しそうだな・・・。それでこの特訓はいつぐらいまで続くんだ?」
「二人の上達具合にもよるけど、今のメニューは2週間くらいね」
「ちょうど学園祭前くらいまでか。今のメニューはってことは次もあるのか?」
「ええ、もちろん。今は射撃と機体制御に慣れてもらう訓練、言ってしまえばまだ導入の段階なの。ISは起動時間が物を言うの。さらに言えば、射撃の命中精度を上げるのなんてコツコツとした地味な訓練でしかできないのよ」
「そういうもんか。まあとりあえず明日からもよろしくな」
「もちろん!」
(『明日からもよろしく』。たったそれだけなのに、今の自分を認められているように感じる。人の言葉に一喜一憂するなんて柄じゃなかったのにな)
善意で二人の指導をしているというのはもちろんのこと、楯無には二人を自衛できるようにしなければならないもう一つの理由があった。だからこそ、訓練中は心を鬼にして厳しく当たっていた。それは二人を教える立場として、またIS学園の長としては正しいことだ。しかし、乙女楯無としては、自分の想い人に厳しく当たるのは辛いものがあった。厳しくしつつも、内心では葉に嫌われはしないだろうかという思いも抱えていたのであった。だからこそ、今は安堵している。
「さ!帰りましょ!」
厳しい特訓はしばらく続くのであった。
次回、学園祭!