ずっと書きたかった話までようやく来ました!今更ながらこの作品もついにIS2期に入りました!1期の時よりも展開が早くなるのではないかと思います!
そして前回、学園祭の話だと言いました。書いてみると、学園祭要素結構薄いです。ガッツリカットしています。期待していた方がいらっしゃればすみません・・・
学園祭―
それは学校生活において最も盛り上がる行事の一つであり、学生であれば楽しみにしている人も多いだろう。
「ほら、麻倉君!もっと笑顔!」
「こ、こうか?」
「引きつってるって!あ、指名入ったからよろしく!」
「うげ!?何でオイラを・・・」
「手と足一緒に出てるし!?そんなに緊張しないで・・・注文取って来るだけだから!」
「オイラには荷が重すぎるぞ・・・」
学園祭の最中、追い詰められている人が一人。一夏はキッチン兼ホールとしての役割をこなしているが、特別料理ができるわけでもない葉は当然ホールの担当となった。しかし、接客には向かないタイプであるということは当人も自覚している。愛想よくなどできないため、憂鬱な気持ちだった。
「ご、ご注文は?」
「えーっとぉ、何にしようかな?店員さん、何かおすすめありますかぁ?」
「おすすめ!?えーっと・・・」
(くそう何を言えばいいんだ!?執事にご奉仕セットは絶対にやりたくないから論外として、女子の好きそうなもの・・・。ケーキ、それがあった!)
「ケーキセットがおすすめ、です」
「へぇー、そうなんだ~!じゃあ、この執事にご褒美セットで!」
「げ!?い、いやケーキの方がいいと・・・」
「執事にご褒美セットで」
「・・・かしこまりました」
(やだ、可愛い!!何かいじめたくなっちゃう!!)
葉の接客はお世辞にも上手いとは言えないが、それはそれで需要があるものである。いつもはマイペースで余裕を崩さない葉がガチガチになりながらも接客をしている不慣れな感じが「可愛い」「いじめたくなる」「お持ち帰りしたい」といった理由で特に上級生から人気がある。現に楯無は接客を受けては列の一番後ろに並んでいる。今日はもう3度目だ。生徒会の仕事は大丈夫なのだろうか。因みに、一夏は葉とは対照的に慣れた様子で接客をしており、本当にお嬢様扱いしてくれているように感じることから、特に同級生からの人気がすごい。
「葉、そろそろ時間じゃないか?劇の手伝いだっけか?」
「おお、そうだった!今すぐ行かないとな!」
「いや、そこまで急がなくても」
「きっと早くから行って準備することとかあるだろうしな!すぐ行こう!ということで失礼します」
「え、ちょっとー!」
「あんなに行動の速い葉を初めて見た気がする・・・」
劇の裏方と聞いていたのに、台本なしで出演する羽目になり、さらにはなぜか女子たちに襲われたり(正確には頭に乗っている王冠を狙われていた)したが、気づけば葉と一夏は更衣室にいた。女子たちから逃げていた時に、突然ステージ下から伸びてきた手に引きずり落とされたのだが、二人とも状況を飲みこめずにいた。
「巻紙さん?」
「一夏、知ってるのか?」
「さっき、装備の斡旋で来てた人だ」
「覚えていてくださったんですね。実はお二人のISを・・・いただきたいと思いまして」
巻紙という女性がそう言った瞬間、すでにその体にはISが換装されていた。右手による薙ぎ祓いを、二人はロッカー裏へと転がることにより回避していた。
「《白式》!」
「《マタムネ》!」
「ほう、今のを避けてすぐに臨戦態勢とはやるじゃねぇか」
先程までは右腕だけの換装だったが、今の行動の間に全身にISを纏っていた。足が八本、目が八個、完全に人型をベースとしない異形ともいえる様相だった。巻紙自身からも先ほどまでのような丁寧な感じは見受けられず、粗暴な言葉遣い、雰囲気へと変わっていた。
「このオータム様が寄越せって言ってるんだ。早く寄こしな!!」
「くっ!!」
一夏の方へとビームが飛ぶ。どうやら手足全てからビームが出せる仕組みのようだ。八か所から角度やタイミング、方向を変えてのビームは非常に厄介だ。一夏は飛び上がり、寸でのところで避ける。
「今だ!」
「阿弥陀流 後光刃!」
一夏が狙われている隙に、死角から葉の刀が閃く。だが、オータムは八本のうちの四本を後ろに回し、葉の攻撃をはじく。即席とは思えない連携を発揮する葉と一夏だが、オータムはそれすら防ぎきる。
「阿弥陀流・・・」
「させるかよ!」
間髪入れずに次の攻撃に移ろうとしたようだったが、オータムの蹴りが入り、後ろのロッカーに叩きつけられた。一夏よりも先に葉を落とすと決めたようで、葉の方に向き直る。しかし、何本かの足で一夏を牽制することも忘れない辺り、かなりの実力者だと言えるだろう。
「オラオラ、どうした!自慢の剣技は!」
(手数が多いし固ぇ!そして単純に強ぇえ!)
斬撃、ビーム、蹴り。圧倒的な手数の有利で葉は防戦を強いられる。だが、葉とてただやられているだけではない。ギリギリの戦いの中で、活路を見出すことができるのは、葉がで培ってきた特技である。現に、防戦一方になりつつも、葉はオータムのIS《アラクネ》の弱点を一つ見つけていた。
「一夏!」
「ああ!おらああああああ!」
「それで奇襲のつもりか?動きが見え見えなんだよ!」
「お互いにな!」
真っ直ぐ突っ込んでくる一夏をそれほど脅威とは捉えていないため、注意を向ける比率は変えず、一夏へとビームを放つ。しかし、その単調な攻撃を一夏は見逃さなかった。
「滑り込みだと!?」
急激に方向を変え、アラクネの下を通るようにスライディングをするような形になった。アラクネの足の可動域は広いが、胴体、蜘蛛でいうところの腹の部分が大きいため、下方向への対応は苦手となる。それに気づいてオータムは飛び上がるも、一夏の剣が届く範囲であり、体制も崩れた。葉がそこを見逃すはずもなく、
「阿弥陀流 真空仏陀斬り!」
不完全な体制だったため、どちらに対しても受けに行くことができたのは二本ずつ。そのうちの三本の足を切られた代わりに、何とか直撃は免れたのだった。
「下の方が死角になるのはわかってた。後はセシリアの《ブルー・ティアーズ》もそうだが、自分の手足以上の数の武器を操ろうとすると、意識外のことが起きた時、特に集中力にできる偏りが大きくなるからな。思っても見なかった一夏の反撃にびっくりしただろ?」
「俺たちを二人同時に相手できると思ったところにお前の油断があった。一人ずつ攫うんだったな」
敵は強いが何とかなると感じていた二人。だが、オータムの雰囲気に違和感を感じていた。キレてはいるが、むしろさっきまでよりも冷静にも見える。油断がなくなった証拠だった。先程までより数段速く、キレのある動きで、反応すら許さず葉に蹴りを入れる。
「葉!!」
「お前は冷静さを欠くと途端に動きが単調になるな」
「ぐあ!何だこれ!」
葉が蹴り飛ばされたことで焦って最短距離で決めようとする一夏に粘性の高い蜘蛛の糸のようなものが飛ばされ、壁に張り付いたまま身動きができない状況になった。
「お前はそこで待ってろ。さて、こっちも片をつけるか」
オータムが葉の手足を抑え、残った手に銃を換装する。
「ぐ、あ、が、あ!」
(抜けられねぇ!できることは鬼火しかいない。がステージ上にはまだみんながいる。もし外れたらあの威力だと確実に被害が出る)
容赦なく打ち付けられる弾丸に葉のシールドエネルギーは残り僅か。打つ手が何もなくなったところで、不意に弾丸が止んだ。
「危ねえ、危ねえ。強制解除される前に使わなきゃいけないんだったな。この強制剥離剤をな」
「何をする気だ・・・!」
「まあ見てろよ」
葉の胸に六角形の機械が取り付けられる。すると六本の触手のようなものが出てきて固定される。その直後、高圧電流が流れるような痛みが走る。
「があああああ!」
すぐに痛みが消えると、《マタムネ》の換装状態が解け、待機状態となってオータムの手の中にあった。
「まさか、人のISを!?」
「そういうこった。ぶっちゃけお前のはついでなんだがな。本命は《白式》だ」
「やめろ!そいつは下手すると大きな争いに繋がっちまう!!」
「それがいいんだろ?」
そういうとオータムは慣れた手つきで一夏にも同じことをし、葉の叫びも届かず、《白式》までもがオータムの手に入ってしまった。その痛みで一夏は気を失ったようだ。
「さて、目的は達成したしあとは持ち帰るだけだな」
「そうはさせないわよ」
葉とオータムは声のした方を向くと、楯無が立っていた。広げられた扇子には「学園最強」の文字が入っていた。IS学園の生徒会長は、そのまま学園最強という称号でもある。これはISに通じる人の中では有名なことであり、葉も本人に聞かされて知っていた。
「二人の様子からして、ちょっと手遅れだったみたいね」
「生徒会長サマのご登場か。本当ならやり合ってみたいところだが、こいつらに思った以上にやられちまってるし、あとは目的の物を持ち帰るだけなんでな。続きはまた今度にしてやるよ」
「待ちなさい!!」
言うが早いか、オータムは壁を突き破り一直線に飛び去っていた。《アラクネ》のスピードに、楯無は歯噛みする。機動力の差は歴然であり、今からでは追いつくことはまずできないだろう。千冬をはじめとする教師陣に必死で連絡を取り、応援を呼ぼうとする。その時、倒れていた葉が楯無へと一言呟く。
「悪い、後は頼む」
「え?」
もう動けないということを伝えているのかとも思ったが、立ち上がる葉の目にはあきらめなんてものは見えない。むしろ今まで以上の覚悟を感じる。意図が掴めないまま葉を眺めていると、空気が変わったのを感じた。押しつぶされそうなほどの圧倒的な存在感、人の発するものではないことだけはすぐに分かった。そして、それを葉が引き起こしていることも。
「
ついにS.O,E登場!この作品を書き始める前から構想にはあったので、ようやく出せてよかったです!楯無が来るのが遅い、葉と一夏相手でも本気を出せば勝てるというオータムの強化など、原作と少し変わっています。