今回は康介の学校での日常のお話。なぜ彼がそれを憂鬱だと言うのか・・・、それはこれを読んでのお楽しみです。
それではどうぞお楽しみください!!
――――この俺、獅倉康介は不良のレッテルを貼られている。
どこぞのオラオラ系主人公のように自己弁護しているわけではなく、本当の意味でレッテルを貼られているのだ。もちろん喧嘩なんか全然したことないし、教師に気合を入れたことも食い逃げもしたこともない。
ただ、俺の顔に向こう疵が刻まれることになった事件をきっかけにそう言われるようになっただけだ。もちろんただ不良呼ばわりされるだけなら実害はないのだが、俺の場合は社会的な意味で悪影響が及んでしまっているのが辛いところだ。
例を挙げてみると、まず20人くらいいた友達がその事件を境に俺の周りから離れていき、花陽と凛を含めて4人しか俺の周りに寄り付かなくなったことや、教師に何もしてないのに色々と疑いの目を向けられるようになったこと、そして極めつけにはその事件を起こしたという理由で内申点をほとんど削られたことで成績は上の中くらいだったのにまともな高校を受けられなくなってしまったなんてことがある。
つまり俺がこの淡田町高校、通称
それほどの境遇にありながら性格が歪まなかったのは、やはり花陽の存在が大きかった。彼女の存在とこの傷に誓った彼女との約束があったからこそ俺は真人間でいられたのだ。
そう、俺にとって花陽は想い人であると同時に恩人でもあったのだ――――
学校についた俺は周りにいる不良たちを刺激しないように速やかに下駄箱に入り、上靴を履いて教室に向かう。
「お、獅倉じゃねえか。うーっす。」
「おう、おはよ。」
この学校は不良校とは言われてるが、みんなが想像するような不良漫画に出てくる無法地帯というわけではなく、普通に話の通じる奴もそれなりにいる。少し荒っぽいだけで気のいい奴が多いのだが、
「テメーふざけてんじゃねえぞ!!!」
「ぶっ殺してやる!!」
こんな風に不良漫画さながらに喧嘩騒ぎが起きたりするのもまた事実だったりする。
「今のは多分3組か4組での喧嘩かな・・・。」
こんな時は触らぬ神に祟りなしってことで巻き込まれる前に自分の教室に入ってしまうのが一番だ。ちなみに俺は1組に在籍している。
「おはよーーーっす!!」
「おわ!?」
教室に入ると同時に誰かに後ろから飛びかかられて驚いたが、こんな事をする奴は俺の知り合いでは1人しかいない。
「もうガキじゃないんだからやめろよな成明・・・。」
「あっはっは!少年心を忘れてないと言って欲しいもんだな康介!!」
俺の小言に対して豪快に笑い返すこの男の名は
こいつの今の言動を見れば分かるが、性格は良く言えば無邪気、悪く言えばバカという感じの底抜けに気のいい男だ。
ちなみにこいつは身長180センチ越えの筋肉馬鹿なのでのしかかられると非常に重い。そんなわけでさっさと俺の上から離れてもらわないと重さでくたばりかねん。
「早くどいてくれ・・・。お前筋肉で重いんだからさ・・・。」
「おお、悪い悪い。」
成明もバカとはいえ加減が分からないわけではないのですんなり降りてくれた。
「それにしてもテンション高いな・・・。昨日抜き打ちテストがあったもんだから真っ白に燃え尽きてたくせに回復が早くないか?」
「ああ!それについてなんだがどうせ補修確定だと思えば気が楽になってな!ご指導ご鞭撻よろしく頼むぜ親友!!」
成明は俺の肩をバンバン叩きながら笑ってそう言った。
「まったく、成明はもう少し自分で勉強した方がいいと思うよ?」
「おいおい、そんなツレねえ事言わないでくれよ鷲次ぃ。」
後ろから声を掛けてきたイケメンに対して成明は猫撫で声を上げながら縋りつく。
成明に声を掛けたこのイケメンの名前は
鷲次は文武両道で見た目も性格もイケメンという正に完璧という言葉が似合うほどの男なのだが何故この不良校に入学したのかが俺にも分からない。俺みたいに内申点をごっそり削られるような事をやらかしたことは無いはずなんだが・・・。
「やあ康介、相変わらず朝からにぎやかだね。」
「正直めっちゃ疲れる・・・。」
「ははは、だろうねぇ。朝からお疲れ様。」
鷲次はこんな感じに気配りもできるいい奴だ。まさに俺の個性的すぎる仲間たちの中でもまさに良心、常識人ともいえる存在だ。言っておくが個性的すぎる仲間たちとは花陽と凛の事ではなく・・・。
「やれやれ、朝から騒がしいな。感情を御せぬのは未熟の証だといつも言ってるのだがな・・・。」
「まあまあ、賑やかなのはいい事だと思うぜ。ほい、上り。」
「ぐわああああああちくしょう!!また俺が大貧民かよぉ~!!」
「では今日の購買での昼飯購入担当は高樹に決まりだな。」
「ちくしょー!あれすっごく大変なんだぜ!?少しぐらい変わってくれよ!」
「大貧民になった奴がその日の担当ってルールは絶対だって決めただろ、文句言うなよ。」
俺と成明、鷲次の側で大富豪に熱中している3人がさっき言った個性的すぎる仲間なのだ。
「よう、今日も購買に行く奴を大富豪で決めていたのか?」
「そうなんだよ!もうかれこれ5連敗目だぜ?イカサマやってるぜ絶対さ!」
俺が3人に向けて声を掛けると、大貧民になった少年が俺の言葉に応える。
こいつの名は
「へへ、イカサマってのはバレなきゃイカサマにはならねえのさ。それ以前に千種が弱すぎんのよ。」
そう言って笑った男の名は
ちなみに俺たちは『マス』というあだ名で呼んでいる。
「千種は感情が顔に出すぎてるんだ。やはり感情を御せぬ者に勝利はつかめんという事がまた証明されてしまったな・・・。」
まるでこの世を憂うかのような口ぶりで語る男の名は
とまあ、こんな感じに俺は個性的な友人たちと共に学校生活を送っている。だが、これはまだ俺の学校生活の一側面でしかない。
「おらぁ!!獅倉ってヤツのクラスはここかぁ!?」
時は過ぎて放課後、さあ帰ろうと思っていたところに突然教室の外から俺を呼ぶ声が聞こえて来た。
「お、ご指名だぜ康介!」
「いってらっしゃい康介。」
「はぁ、行ってくる・・・。」
成明と鷲次に肩を叩かれた俺はため息をつきながら教室から出る。教室の外ではえらく気が立っている様子の2年生の先輩が立っていた。
「えっと・・・。俺が獅倉ですけど、一体何の御用でしょうか・・・。」
とりあえず俺は相手を刺激しないように敬語で用件をたずねる。さっきの俺を呼び出した時の声色を聞いた時点でそれが無駄な事は大体分かっているけど、下手に喧嘩を売るよりはマシだ。
「何の御用でしょうかだと!?とぼけてんじゃねえぞボケナス!この前俺のダチをボコったのはテメーだろ!!顔にデカい切り傷がある奴っていやぁテメーしかいねえのは分かってんだよ!!」
と、先輩は俺に対してまくし立てるようにそう言った。
「あ、ああ・・・。あの人の事っすか・・・。」
この先輩の言っていたことには心当たりがあった。それは三日前のこと――――
「あ~、今日は何もすることがねえなぁ・・・。」
その日は日曜日で俺は特にやる事が無くて暇だったので近所をぶらついていたのだが・・・。
「おいおい、そっちがぶつかって来たくせに謝るだけで済まそうって言うのか?ああん!?」
「ご、ごめんなさい!急いでいたもので、悪気はなかったんです・・・!」
如何にもガラの悪そうな男が気弱そうな男に、彼の胸ぐらを掴まんばかりの勢いでがなり立てるのを見かけた。
「うわ~・・・。面倒なところに出くわしちゃったなあ・・・。」
俺は電柱の影に隠れてその様子を見守る事にした。何故助けに行かないのかって?さっきのやり取りを見ただけじゃどっちが悪いのかそうでないかの判断は難しいと思ったからだ。俺自身がこの見た目のせいで不良としてのレッテルを貼られてることもあって、こういう争い事なんかではぱっと見だけで判断を下してはいけないと俺は考えている。
だからこそ俺はこうしてしばらく様子見に専念しようと考えたのだ。
「こういう時はよぉ、やっぱり
「誠意・・・ですか?」
「そうだよ、だから5万よこしな!」
しばらくするとガラの悪そうな男が法外な金額を要求しだした。もっともぶつかられただけで金銭を要求する時点で法外だと思うが。
「ご、5万!?高すぎますよ!!」
それに対し気弱そうな男は当然抗議するが、
「あぁ!?それが被害者に対する態度かよ!?」
「ひぃ!!す、すみません!!」
ガラの悪そうな男が胸ぐらを掴んで文句を言い始め、気弱な男は悲鳴を上げた。
「おら、さっさと金をよこせってんだよ!」
そう言ってガラの悪そうな男が手を上げようとした瞬間、俺は走り出し、
「そこまでにしといた方がいいっすよ。」
と、ガラの悪そうな男の肩を叩いた。
「なんだてめぇ?」
「その人はあんたに対してちゃんとぶつかった事を謝ってる。もうそれでいいじゃないっすか。たかがぶつかられた程度で金銭を要求するのはただの恐喝だ。」
俺はただ淡々と気弱な男にはもう非はないという弁明と、ガラの悪そうな男に対してそれ以上やるのは犯罪だという警告を告げる。
「あんた達の今のやり取りは録画させてもらった。その人を見逃せば俺も動画を消してこの場を去る。その手を離すだけで全部丸く収まるんだ、悪い話じゃないと思う。」
康介はスマホをかざしながらガラの悪い男に対して交渉を試みる。もっとも交渉というより強迫に近いものだったが、まあ悪くはない話だろう。そう思っていたのだが―――
「てめぇさっきから調子ぶっこいてんじゃねえぞおらァ!!」
「なっ!?」
「そんなに死にてえならてめえから先にぶっ殺してやらぁ!!」
そう言ってガラの悪い男は俺に向かって走って来た。
これは予想外だった。まさかこっちに怒りの矛先を向けてくるとは思ってもみなかった。俺としては実力行使だけはなんとしても避けたかったのに・・・。
なぜかって?そりゃあこんな目付きで額にデカい切り傷つけてるだけで既に不良のレッテルを貼られているのに、暴力沙汰なんて起こしてしまったら余計にめんどくさい事になるのが目に見えるからだ。
もっとも、俺の額に向こう疵がついた
「こうなっちまった以上は覚悟を決めないとな・・・。」
そう呟いて俺はスマホをポケットにしまって臨戦体制をとる。
「死ねえええええ!!!」
男が俺に向かって大振りで拳を繰り出す。
「わっ!?」
何とか俺は相手の攻撃をギリギリのところで躱した。成明との特訓であいつのやたら重いくせに滅茶苦茶速いパンチに慣れておいて正解だったな!
「くそっ!どりゃああ!!」
ガラの悪い男は攻撃が大振りだったせいで転びそうになるも何とか姿勢を持ち直して再び俺に殴りかかって来た。
「先に手を出したのはそっちだから、悪く思うなよ!!」
そうして俺は拳を上に振り上げた。
「っあ!!」
拳はガラの悪い男の顎にクリーンヒットしてそのまま少し上に吹っ飛んだあと、そのまま地面に落ちて倒れた。
「・・・。」
「まずいなこりゃ・・・。よし、人が集まる前にさっさと退散するか!そこのあんたもさっさとずらかりなよ!」
ガラの悪い男が気絶してるのを確認した俺はカツアゲされていた気弱そうな男にそう言うと、その場から一目散に走り去っていった―――――
「まさかあの恐喝男が同じ学校の先輩とは思っても見ませんでしたね・・・。」
「俺のダチはそのあと病院に送られたらしくってよぉ・・・。」
「え!?」
「軽い脳震盪だっつって明日には学校に復帰できるみてえだがな。」
「なんだ・・・、それならいいじゃないですか。」
俺は事態が軽く済んだことにほっとしたが、それが先輩の逆鱗に触れたようだった。
「よかねえよ!ダチのメンツがてめえに丸つぶれにされた以上てめえをぶっ飛ばさねえとあいつの気が済まねえんだ!!それに生意気な一年坊はシメてやらねえとな?」
そう言って先輩は拳をパキポキと鳴らす。ああ、これまた完全に殺る気まんまんだよ・・・。
「参ったな・・・。マジでどうしよ。」
「はっはっは!諦めろ康介、こればっかりはどうしようもねえよ!」
「康介って結構間が悪いって言うか運が悪いよね・・・。」
成明は腹を抱えて笑いながら、鷲次は苦笑いでそれぞれ俺の左右の肩をポンと叩いた。
「同情するなら援護してくれ!!」
憐みの態度を見せる2人の友人(成明の方は楽しんでそうだったが)に対して俺は心の奥底から救援を求める叫びをあげた。
「康介、流石に複数人に囲まれたら俺たちが助けに入ってやるけど相手は1人なんだ。こういう時は正々堂々とサシで勝負するのが男ってもんだぜ!」
「へへへ、そう言う事だぜ一年坊。」
「お前本当にあとで恨むからな!?」
確かに成明の言う通りだとは頭で理解してるが逆恨みで決闘を挑まれるなんてほんとにシャレにならない。それにここだけの話だが、今回のきっかけになった喧嘩も俺の実力で勝ったわけではなく
もちろん成明に鍛えてもらって培った実力に自信が無いわけではないのだが、いざ本気で人を殴るとなると『また花陽を悲しませてしまうようなことになるのではないか』といった感じの不安に駆られる。
「そんなに喧嘩が嫌ならサンドバッグにしてやるよ!!」
そう言って先輩が殴りかかって来る。ちくしょう、背に腹は代えられないのでやるしかないと俺は覚悟を決めて拳を構える。
「おらおらおら!!!」
先輩が俺に向かって両拳でラッシュを打ち込んできた。俺は両腕を楯にするように構えて先輩の猛攻撃を防ぐ。
「なにやってんだよ康介の奴!守ってばっかじゃなくて反撃しなくちゃ勝負にならねーだろ!」
「何故康介は反撃に出ない。反撃に出る隙くらいあるはずだが・・・。」
「おいおい、これホントに助けに行かなくてもいいのかよ?」
千種と直弥とマスの3人は俺が反撃に出ずに守りの一手に徹している事に対して焦れているみたいだった。
「康介は大丈夫だよ。彼は
『え?』
鷲次の言葉に3人が困惑する。
「つまり康介は
「うん。康介はあの向こう疵と
「その通り。あいつを鍛えた俺から言わせてもらえば康介は攻めに関しちゃ本当に微妙なんだが、その分守りに関しちゃものすげえ才能を持ってやがるんだ。つまり・・・。」
『康介の本領は守りにある!!』
怪訝な様子の直弥に対して鷲次と成明は自信たっぷりにそう言った。
「ぜぇ、はあ・・・。くそっ、なんでこんなにしぶといんだよてめぇ・・・!」
「・・・。」
喧嘩が始まってから多分5分ほど経った頃、先輩は息が切れて来たのか肩で息をし始めていた。まあ、ずっと休まずに殴り続けてたらそうもなるか。
対して俺は先輩のラッシュを数発受けながらも防御と受け流し、そして回避に専念していたおかげで
――――ようやく、時が来た。
「あ・・・?」
先輩は唖然とした。何故なら今まで守りに徹していた俺が防御の構えを解いたからだ。
「おいおい、康介の奴構え解いちまったけどいいのかよ!?」
「少しは落ち着けよ益忠。」
俺を見て焦る益忠の肩を成明がポンと叩きながらたしなめる。
「お手並み拝見、というわけか。」
「お、直弥の目が開いた!ってことはこいつは見ごたえがありそうってことだな!」
直弥の方はその細い糸目を開き、千種はそれを見て興奮していた。直弥は俺の後ろの方にいるので直弥の開眼が見れず、どんな感じなのか気になっていたのは内緒だ。
「ちっ、守りに徹して体力を削ろうなんざガキのくせに小賢しい手ぇ使ってんじゃねえぞ!!!」
先輩が激昂しながら殴りかかって来た。
―――よし、来たッ!
そう、俺はこれを待っていたのだ。持久戦に持ち込むことで相手の体力を消費させると同時に焦れさせることで相手の判断力を奪うのが俺の得意戦術だ。
実際この先輩は俺が守りに徹する中、むやみやたらに殴り続けることで体力を
「ああああああああ!!!」
憤怒の雄叫びと共に俺の顔にめがけて先輩の右拳が飛んでくる。だが、疲労のせいかその鋭さは先ほどに比べて恐れるようなものではなくなっていた。
「ふっ!」
「なっ!?」
先輩の拳が俺の顔面に直撃する寸前に俺は左腕を払いそれを弾いた。右拳を弾かれたことで先輩の体勢が少し崩れて胴体がガラ空きになったのを俺は見逃さなかった。
「はッッ!!」
すかさず俺は先輩の鳩尾めがけて全力の正拳突きを叩き込んだ。攻める喧嘩に関する才能はほとんどない俺だったが、『流石に守りだけじゃ勝てないから』という事で成明から基礎的な技を最大限の威力でぶち込めるように言われて正拳突きなどの基礎的な技を鍛えまくっていたのだ。
「あ・・・ぐっ・・・。」
先輩がうめき声を上げて崩れ落ちるように膝をつき、そのままうつ伏せに倒れた。
『・・・。』
一気に周りが静まりかえる。まずい、流石に逆恨みとはいえ襲い掛かって来た先輩をのしたのはマズかったか?そう思っていると・・・。
「うおおおお!!康介すげえなお前!」
と、千種が俺に後ろから飛びかかって来た。
「うおっ!?」
「いや~しっかし康介お前結構強かったんだな!!見直しちゃったぜ!」
「劣勢を強いられてるかと思いきや実はそれが計算ずくだったとはさすがの俺も恐れ入ったぜ。」
「実に見事な闘いだった。」
なんと千種だけでなくマスや直弥まで俺の側に駆け寄って俺の戦いを褒め称え、
「すげえぞあいつ、上級生倒しやがった・・・!」
「ああ、あいつ結構強ええんだな・・・。」
「いいぞいいぞ~!!」
さらに今の喧嘩を見ていた外野までが俺を囃し立て始めた。
オイオイオイオイオイオイオイオイ。これマズいどころの騒ぎじゃないぞ、俺は不良校に行っても健全な学校生活を送って花陽の側に立つに相応しい男になろうと決意していたのにどうしてこうなった!?このままじゃ交戦的な他の同学年の連中や上級生にまで目を付けられて、卒業まで終わる事ない闘争に明け暮れる事になっちまう・・・!
頼む・・・鷲次、成明、何とか俺をフォローしてくれ!俺は心の中でそう叫び、付き合いの長い友達2人に救いを求めるアイコンタクトをとった。
『康介・・・、頑張れ!』
2人は親指を立てながらいい笑顔で声を揃えて言った。
あんのやろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!ちくしょう、俺たちの友情とは何だったのか!絶望した!激しく絶望した!!
中学時代の3年間しかまだ付き合いのない成明はまだしも情状酌量の余地があるが、鷲次!お前は小学校に入学してからずっと、しかも俺が
「はは、はははは・・・。」
もう俺は笑うしかなかった。ああ、花陽との恋路(まだ付き合ってもいないけど)が遠ざかっていく・・・。そして代わりにむさ苦しく血生臭い男の闘争の世界が近づいてきている・・・。
―――そんなこんなで俺の高校生活の方向性がほぼ強制的な形で定まろうとしていた・・・。
こんな日常、花陽には言えない。
いかがでしたでしょうか?
花陽に告白して彼女と付き合いたいという密かな願望を持っていた康介に待ち受けていたのはそんな青春ラブコメとは程遠い、血生臭い戦いの臭いに満ちたバイオレンスな高校生活だった!しかもそれを知られてしまったら確実に花陽への恋路が絶たれてしまうこと間違いなしであった!
果たして康介はそんな血生臭い日常を送っている事を花陽から隠しきり、さらに己の恋を成就させることができるのか!?
―――と、そんな感じで2話目が始まりました。実は最近パソコン版の『信長の野望・大志』をダウンロードしまして、そのプレイに夢中で更新が滞っちゃっている状況です、本当にすいません。
とりあえず疾走することは確実にないので気長に待っていただけると幸いです。あと、感想なんかも書いてくださると筆の早さと更新頻度が上がると思います。
それでは次回もまたお楽しみください!!