1986年六軒島で起きた「六軒島大量殺人事件」
あれから20年が経った2006年に黒野という土地で魔女とのゲームが始まろうとしている。
「いいね。家がバスを所持してるのは最高だね。」
私は南野優妃。今日は年に一回の親族会議日で、南野家の人間がお屋敷に集まる日だ。
南野家はかなりのお金持ちでみんな裕福な暮らしをしている。その中でもお祖父様は莫大な財産を隠し持っていて、昔に一度だけお祖父様が所持している白金と黄金と宝石を少しだけ見せて証拠を提示した。その時見せられたものだけでも数百万の価値があるらしい、だからお祖父様の遺産を狙う親族は少なくない。
「お屋敷が山奥にあるなんて行くだけで大変よ。」
序列4位でお祖父様の長女の紫音おばさんだ。とても頭が良く、密かに次期当主の座を狙っている。
「でも、お屋敷に簡単に行けないのは防犯にも繋がるんじゃないかしら。」
序列5位でお祖父様の次女の優香おばさんだ。密かに次期当主の座を狙う紫音おばさんの陰から次期当主の座を狙っている人だ。
「優香の言う通りだ。こんだけ遠くて複雑な道なら変な奴はやって来ねえぜ。」
序列3位のお祖父様の次男で私のお父様の相馬ですね。私の尊敬する人で一時期次期当主の座を手にするかもしれないと噂になる程の実力者だ。
今回の親族会議の参加者は先程出てきた私を含める四人と序列1位源蔵お祖父様、序列2位秋楽おじさん、序列6位いとこの芽亜里、序列8位いとこの薫お兄ちゃん、序列9位いとこの奏太、序列10位いとこの莉亜、序列11位莉亜の双子の妹の芽琉、序列12位春香おばさん、序列13位お母様の彩芽、序列14位蓮司おじさん、序列15位城助おじさんの15人が参加する。ちなみに私は序列7位。
それ以外に使用人が8人いる。
合計して23人がお屋敷に集まることになる。
「皆様、もうすぐお屋敷に到着いたします。」
運転してくれているのは使用人の安藤美代子さんだ。27歳の女性で運転以外は苦手で、それ以外の仕事を他の使用人に任せているらしい。
森を抜けると南野邸が姿を現わす。お祖父様の前の当主が原因で傾いた家が復興し始めた時に建てられたらしい。かなりの豪邸で大きな庭と花畑があるのが特徴だ。
このお屋敷を舞台に恐ろしいゲームが始まろうとしていることなど誰も知る由はなく、誰にもゲームの開始を止めることは許されない。
「よぉ、久しぶり。優妃、4年ぶりだな。」
バスを降りるといとこの芽亜里が出迎えてくれた。
「お久しぶりですね。芽亜里は4年前より女性らしさが減ったように見えて残念だわ。」
「喧嘩売ってるのか?まぁ、元男子のくせに女性らしいお前には負けるよ。」
私には特殊な精神病を持っていて、体は男性で心は女性というもので3年前に手術を終えて女性として生きることにした。
「お前が元男子なんて周りに言ったらすごく驚かれるだろ。こんな綺麗な人が元男なんて信じられないってくらいにな。」
「そんな事より、あそこにあんな物あったっけ?」
私が指差す方向には森にたたずむ女性の銅像が存在した。
「あぁ、あれは2年前に祖父様が建てさせた魔女の銅像だ。お前も知ってるだろ。昔烏森と呼ばれていた黒野の森にある噂を。新月と月食の時に本気を出せる黒月の魔女の噂だよ。」
私はその噂をよく知っていた。魔女や魔術にいまだにハマっている私はあらゆる方法で身近な魔女である黒月の魔女について調べた。特殊な魔法陣、使うことのできる魔法、ありとあらゆる物を調べ上げて記憶した。
「きゃふふふ。黒月の魔女クロノエル、特殊な魔法陣を駆使して不可能を可能とする大魔女。」
「どうしたんだよ。優妃、なんかおかしいぜ。」
「おかしくないよ。魔女の話しになると人が変わったように熱心に怖いくらいに詳しく話してくれるんだ。」
薫お兄ちゃんはいとこの中で一番年上で私のことをもっとも理解してくれていて、私にとって一番怖い人だ。私を理解しているからこそ簡単に私の考えが分かってしまう。
これから始まるゲームは命がけのゲーム、終わることの無い悪夢の開催宣言はまだ少し先だ。