私達はお屋敷に入った。お屋敷に入ると使用人とお祖父様と長男一家が出迎えてくれた。
「おぉ。君は優妃ちゃんかね。随分と綺麗になったね。娘の芽亜里にも少しは見習ってほしいものだよ。」
「今その話をしなくてもいいだろ。」
芽亜里のお父さんの秋楽おじさんは私がすごく苦手とする人だ。私を理解する薫お兄ちゃんと違って、偉そうで次期当主は自分だと決めつけているからこのタイプ苦手だ。
「おぉ。我が子達と孫達よ。よく来たな。ゆっくりしていってくれ。」
この家を復興させた凄腕のやりて、現当主の源蔵お祖父様。自分の子供より孫に愛を注ぎ、孫と仲良くなるために魔術や他の孫の趣味を知ろうとしてくれるいいお祖父様だ。
少しエントランスで話してから客間に移動した。荷物は使用人にお屋敷から少し離れたゲストハウスに運んでもらった。それから私達孫組は大人の邪魔をしないように配慮して使用人の神威君と美紅利ちゃんと一緒にお屋敷の裏にある花畑に行った。
「それにしても大きなお花畑ね。こんなのを完成させるには時間がかかったでしょうね。」
「いや、優妃。考えてみろよ。あの祖父様だぜ。花を大量に買って毎年立派なのを作るようにしてるんだよ。」
だと思ったわよ。地道に育ててたら4年でこんなに広い土地を埋め尽くす花畑が出来るわけがないもの。
「そういえば、烏の鳴き声がしないね。」
「ホントだ。鳴き声がしないね。」
「確かに莉亜ちゃんと芽琉ちゃんが言う通りだ。」
この黒野の森には昔から沢山の烏が住んでいて南野家の人間は烏と共存していた。沢山の烏が住んでいるからこの森は烏森と呼ばれ、人々が恐れる場所となっていた。
「烏が居ないなんて不吉だわ。」
「優妃の言う通りだ。確かに不吉だ。なんか怖いぜ。」
「芽亜里お嬢様大丈夫ですか?」
「あぁ。一応大丈夫だぜ。神威君。」
そろそろ中に戻ろうと言う話しになり私達はお屋敷に戻った。お屋敷でテレビを見て分かったことだけど、どうやら台風がすぐ近くまで迫っていたようだ。もう少しニュースを観ようと、この時思ったわ。
あれから数時間経過して夕食の時間になり、食堂に移動して夕食を食べることになった。
「うわぁ。相変わらず豪華ね。4年と変わらず豪華だなんて驚くわ。」
出てきた料理は全て元料理人の桐崎剛座さんが作ってくれている。
「今日はいつもより豪華だよ。4年ぶりに来てくれた優妃ちゃんのためだからね。」
「秋楽の言う通りだ。今日は優妃を歓迎するために高級食材集めて作らせたのだ。どんどん食べなさい。」
「ありがとうございます。秋楽おじさん。お祖父様。」
豪華な食事をみんなが食べ終わった瞬間に双子の莉亜と芽琉が話し始めた。
「みんな食べ終わったみたいだね。」
「それじゃあ、手紙を莉亜に読んでもらうね。」
二人が突然そんなことを言ったからみんな固まってしまった。
「それじゃあ、私が読むね。」
『親愛なる南野家の皆様、初めまして。南野家当主の源蔵様に仕えております黒月の魔女クロノエルと申します。今回は源蔵様にお貸した白金や黄金などを全て返していただくためにお手紙を差し上げました。なお、源蔵様との契約によりお返しいただくのと同時に利子として南野家の全てをいただきます。しかし、皆様が私の肖像画の側にある碑文の謎を解けたならこの権利を放棄します。私と源蔵の謎を解けるか知恵比べをお楽しみください。』
ついに魔女のゲームの開催宣言が言い渡された。恐怖はこれから始まる。終わらぬ悪夢の始まりだ。