烏森の魔女ゲーム 〈第1ゲーム〉   作:海神アクアマリン

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第5話

お父様達が出て行ってから1時間と少しの時間が経った。まだお父様達が戻って来ないのは流石におかしいと、体調を崩した紫音おばさんとお母様と使用人6人を残して、私と芽亜里と薫と奏太と莉亜と芽琉と使用人の露御寺隼人さんと桐崎剛座さんでお屋敷の様子を確認しに行くことになった。

 

ゲストハウスを出て5分ほど歩くとお屋敷に着いた。

「あれ、おかしいですね。鍵も閉めないなんて無用心ですね。」

剛座さんの言う通りだ。確かにおかしい。犯人が潜んでいる可能性を考えているなら鍵を閉めないことはあり得ないことだ。

「剛座、私と一緒に先を歩くぞ。お嬢様達を護衛するぞ。」

「かしこまりました。お嬢様達には指一本触れさせません。」

使用人2人を先頭に近くにある客間を調べることにした。客間の扉の前に立つと中から生臭い匂いがした。私達は嫌な予感がした。

隼人さんが警戒しながら扉を開けると中にはお父様達の死体があった。4人ともひどい状態だった。

『秋楽おじさんは手足を切り落とされて殺された。』

『お父様は首を切り落とされて殺された。』

『蓮司おじさんは杭のような太いもので心臓を貫かれて殺された。』

『城助おじさんは額に穴を開けられて殺された。』

全員の死体が別々の殺し方で最悪な状況だった。よく周りを見るとテーブルの上にお祖父様のコレクションの実弾を発射できる銃があった。どうやら何者かに襲われてここに逃げ込んで殺されたようだ。しかし、この部屋も密室の状態だった。

「一体どうやって旦那様達を殺したというんだ。」

「剛座、今はそれを気にしている暇はない。そこにある銃を持て。すぐにゲストハウスに戻るぞ。」

「かしこまりました。すぐに行きましょう。」

鍵の開いていたお屋敷の扉、4人死体のある密室、これは絶対に次の殺人が起こる。だとすると武器を所持出来るこちらではなく、病人もいて身動きのできないあちらを狙うのが普通だ。銃を持った隼人さんと剛座さんを筆頭にゲストハウスに向かった。

 

ゲストハウスに入るとすごく静かだった。あれだけの人間がいて静かなのは絶対におかしい。そう思ってみんなが居るはずの客間に入ると8人の死体があった。

『紫音おばさんは部屋の一番奥で全身を穴だらけされて血を抜かれて殺された。』

『神威は胸を貫かれて殺された。』

『美紅利は胸を貫かれて殺された。』

『弥勒は胸を貫かれて殺された。』

『業は胸を貫かれて殺された。』

『照間清美は胸を貫かれて殺された。』

『安藤美代子は胸を貫かれて殺された。』

『お母様はお腹に穴を開けられて殺された。』

「一体何があったと言うんだ。」

「こんなのやっぱりおかしいぜ。」

「薫お兄ちゃんと芽亜里の言う通り、不可能な犯罪が起こってる。この部屋は私が出て行く前にドアノブに魔除けのお守りをしたから魔女も悪魔も入れないはずなのに。」

人間も入れない、魔女や悪魔も入れない、鍵の閉まった密室による殺人。

「おい、みんな隼人さんと剛座さんが居ねえぞ。」

「きっとお屋敷の方よ。莉亜、芽琉、芽亜里、薫お兄ちゃん、奏太、早く追いかけるわよ。」

そう言って再びお屋敷に行くことになった。

 

お屋敷の扉は相変わらず鍵をかけられていなかった。エントランスから少し進むと、大きな絵画の前に着いた。今まで気付かなかったがその絵画には黒月の魔女クロノエルが描かれていた。その絵画の反対側の壁の側に隼人さんと剛座さんが倒れていた。近づいて見ると2人は死んでいた。側には魔女からの手紙があった。、

『隼人さんは頭を撃ち抜かれて殺された。』

『剛座さんは頭を撃ち抜かれて殺された。』

「なんて酷いことをこの人達まで殺すなんて。」

「おい、優妃と莉亜と芽琉。何をやってるんだぜ。」

薫が振り返るとそこには姿を変えた3人が立っていた。

「何かの冗談だろ。その姿、まるで魔女じゃないか。」

「ふざけたことをしてるとブン殴るぞ。」

 

私達は黒月の魔女の絵画の前で笑った。

「黒月の魔女クロノエル様。ご生誕おめでとうございます。」

「黒月の魔女クロノエル様の弟子として心よりお祝いいたします。」

「莉亜、芽琉、よくやってくれたわ。感謝する。後で褒美を与えるわ。」

「我らにはもったいないお言葉。」

「ありがとうございます。」

薫達は訳がわからないと言う顔をしていた。それもそうだ。魔女が目の前で話して居るのだからね。

「優妃、君は一体何者なんだ。」

「薫お兄ちゃん、私は6年前にクロノエル様の弟子になって、ちょうど今年旅立つから魔女の地位を譲ると言われたの。だから、私が魔女になるための儀式を行なった。そして、儀式を終えた私は黒月の魔女クロノエルとなったのよ。そう、これで私の勝ちよ。」

 

その後、9月7日から8日の間に起こった事件を警察が捜査した。警察は捜査の途中で当主の部屋から事件の詳細が書かれた文章を発見した。それはまるで1つの小説のようだった。それは警察の手により一部が公開される形となった。この事件は後に「烏森大量殺人事件」と呼ばれるようになった。

 

『南野源蔵。第1の生贄として死亡。』

『南野秋楽。第4の生贄として死亡。』

『南野相馬。第7の生贄として死亡。』

『南野紫音。第8の生贄として死亡。』

『南野優香。第3の生贄として死亡。』

『南野芽亜里。魔女の生贄として死亡。』

『南野優妃。魔女として行方不明。』

『南野薫。魔女の生贄として死亡。』

『南野奏太。魔女の生贄として死亡。』

『南野莉亜。魔女の弟子として行方不明。』

『南野芽琉。魔女の弟子として行方不明。』

『南野春香。第2の生贄として死亡。』

『南野彩芽。魔女の生贄として死亡。』

『南野蓮司。第6の生贄として死亡。』

『南野城助。第5の生贄として死亡。』

『露御寺隼人。魔女の生贄として死亡。』

『桐崎剛座。魔女の生贄として死亡。』

『神威。第9の生贄として死亡。』

『美紅利。第9の生贄として死亡。』

『弥勒。第9の生贄として死亡。』

『業。第9の生贄として死亡。』

『照間清美。第9の生贄として死亡。』

『安藤美代子。第9の生贄として死亡。』

 

烏森の魔女ゲーム。生き残れたもの無し。

 

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