艦面ライダー『マスこれ』 〜ライダーよ艦娘よ、市民の平和を守り抜け〜   作:rockzero21

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新年明けましておめでとうございます。新年という事で一時間でさっと書き上げたんで中身は気にしないでください。


第一果 青い果実

 榛名は未だにベルトのことについて考えていた。丁度いい事に彼女の装束する第1艦隊は本日は出撃しなかったため、其れを咎めるものは誰もいない。とはいえ、榛名自身としては其れが無責任な気がしてならない。一応の体を持つため榛名は外を歩きながら考えることにした。歩きながらなら少しばかりの知恵も出てくるかもしれない。そういえば提督は錠についても匂わすような発言をしていたが、ひょっとすると其れはベルトと関係があるものなのだろう。ベルトにちょうど入りそうなくぼみがあることも知っている。然し此れを使用したらどうなるのか、彼女には到底予想もつかなかった。そんなわけで彼女は歩いていた、脅威が迫っているとも知らずに。

「……ミツケタゾ……」

 其の突然の声に榛名は吃驚して振り返った。青白い無機質な肌に怪物のような装備。陸地にいること以外は精鋭部隊である榛名には見慣れたものであり、其れと朝礼時の情報から其の正体は容易に推測できた。

(陸地の深海棲艦……!)

本来海にしか現れないはずの深海棲艦の変異体であり、陸地での先頭に向かない艦娘には有利に働ける。其の上大元の性能でさえ一級品という厄介な奴だ。今現在奴に関する情報は現代兵器と艦娘は対処できない、其の一点のみ。其れでありながら榛名は果敢にも、いや無鉄砲にも立ち向かっていった。効く筈もなく返り討ちにあったのは言うまでもなかった。だから榛名は考えていた。どうしたら奴を倒せるか。どうしたら相手を上回れるか。どうしたら力が手に入るか。力が、皆を助けられる力が欲しい。力を…力を!!

 其の瞬間一人の人物がバイクを駆り深海棲艦に体当たりを仕掛けた。そしてそのまま榛名の前で止まるとメットを外した。其の中から出てきた顔は、軽巡夕張だった。

「すまないな、あとは私に任せてくれ。」

「ま、任せるって、何を……」

「まあ見ていろ。」

そう言って夕張は懐からある物体を取り出した。其れは榛名にとってひどく見覚えのある、いやさっきまで考えていたもの其のものだった。急いで懐から取り出した榛名の其れは鎧武者の風貌は違えど同一のものだった。そして動揺したのは夕張もだった。

「榛名、なぜ其れを持っている!?」

「(呼び捨て……そんな人だったっけ)あ、朝起きたら枕元に……」

「……葛葉か……丁度いい、二人でやるぞ。ベルト、戦極ドライバーを装着しろ。」

榛名は其れに従い、夕張もまた同様にする、と双方の腰に銀のベルト、フォールディングバンドが巻きつく。そして夕張はメロンの絵のついた錠前、ロックシードを横のスイッチで解放し、榛名も其れに習ってオレンジの其れを開ける。

『メロン!』『オレンジ!』

するとボイスが流れて彼女らの頭上にそれぞれジッパーが円形に開き、其の穴から果実を模した何かが落ちてきた。其れに驚く榛名を横目に夕張はロックシードをドライバーの窪みにはめ、錠を閉めた。榛名も同じように嵌める。

『『ロック! オン!』』

するといきなり法螺貝の音が現代風に鳴り始めた。

「えっ、何なんですか、これ…」

「開発者の趣味だ。独壇いいとは感じられんが。変身!」

そして夕張はベルトの刀を模した部分、カッティングブレードを倒して錠前を切断する、とそこにメロンの切断面が現れかつ上空で停止していたメロンが重力に従うように落ち、丁度夕張の頭が嵌まった。そして其の体に白いスポーツウェアのような装備、ライドウェアが装着される。そしてメロンが展開して鎧になり、露わになった頭部には戦国時代の兜にも似たヘルメットがついた仮面の頭部が現れた。

「す、姿が変わった……」

「此れはアーマ、いや失礼、仮面ライダーと呼ばれる装備だ。私のは斬月と呼ばれる。此れがあればあの深海棲艦どもを倒せる……変身しないのか?」

そう言われて榛名はすぐに変身できなかった。今正に手の内に其の力が宿っている、其の事が彼女にとって感嘆するべき事だったから。確かに力というのは何かの代償としてしか手に入らない、然し力を既に手に入れたのなら其れを行使するしか手はない。榛名はいつものように恐怖を振り切りカッティングブレードに手をかけた。

「変身!」

 すると彼女の頭部にオレンジが嵌まり彼女の体はところどころに雲や鱗を模したような金色のラインの入ったスカートのついたライドウェアが装着される。同時にオレンジの中で榛名の頭に仮面がつき、上から兜パーツが嵌められる。そして鎧に展開した其の姿は将軍や軍師を模した斬月に対して武将や戦鬼を模した姿へと変わった。

「成る程、鎧武か。どうやらこちらとして不足はないようだ。行くぞ!」

そう言うなり斬月は左腰に装備された刀。無双セイバーを引き抜き、元から持っている盾、メロンディフェンダーと共に構えて走り出す。鎧武もまた、無双セイバーと刀、大橙丸を構えて突撃していった。

 

 結論から言えば、榛名がいうような心配は皆無だった。元来軍艦とは砲雷激戦を行うもので、刀を使った接近戦はできない。遠距離戦からしても無双セイバーのガンモードで対応できるし、必殺技を跳ばすことも可能である。しかも彼らは駆逐艦を先に倒していくことで、援護射撃が行わせなかったのも原因の一つだろう。さて変身を解いた榛名は同じく変身を解いた夕張によりあるビルへ通された。外出届を出さなくていいか心配だったが、夕張曰く話が通っているとのことだった。然し榛名は安心するに至ったものの、今度は夕張に対する疑念が出てきた。少なくとも横須賀(うち)には夕張はいない。ではなぜこっちにいたのだろうか。すると扉からスーツを着こなした男が現れ、榛名と対面して座った。

「さっきは済まなかった、数が数でな……」

「いえいえ、私だけだったら倒されていました。でも何故さっきのことを……」

「そうか、最初に説明しておこう。私が先の夕張で、名を呉島貴虎と言う。」

「……え、えぇ〜⁉︎」

俄かには信じがたい出来事だった。男が艦娘になれるなど聞いた事もない。加えて通常なら建造前と後、其処まで差のない外見が夕張のものとは大きく異なっている。すると其の思いを汲み取ったかのように彼は語り始めた。

「そうだな、先ずは陸型の深海棲艦についてだな。ご存知の通り、奴は深海棲艦、とことんでかい攻撃や艦娘の砲撃ぐらいしか効かない。しかも其の装甲は硬く、味方側の出力の出ない陸地ときた。然し我々はとある抜け道を見つけた、其れが仮面ライダーだ。此れを深海棲艦を倒す素質のあるものが行使する事によってさっきのように倒す事ができる。然し私は残念ながら提督の素質を持っていない。其処で、とある鎮守府で自殺してしまった夕張を再生、自らの魂を組めるようにした。尤も此の洋風西瓜を操る分の力が足りなかった所為もあるが。」

成る程一応筋は通っている。其れに提督の反応との一応のリンクは観れた事だから本当なんだろう。其の他にも色んな話をされた。数年前の植物の大侵食の事、此の会社『ユグドラシル・リブート』の事、『葛葉絋太』という人物の事、といきなり警報が鳴り始めた。

「深海棲艦が出たようだ。場所は此の通り、お前はこっちへ向かってくれ。」

「わかりました。」

「其れと自動二輪免許は持っているか? 若しそうだったら此の花を模した錠前を開ければバイクに変身する。其れと行き詰まったら別の錠前を使ってみろ。」

其の言葉を合図に呉島さんは準備に、榛名は現場へ動き出した。

 

 現場にいたのはどうやら深海棲艦だけではないらしい。何度も斬ってはいるものの硬い装甲に覆われたように、此方が刃こぼれするのではないかというほどの力が毎回のようにかかっている。

「確かこういう時は……」

といって錠を付け替えようとする。然し攻撃されている中で榛名は其のような暇などなかった。深海棲艦はもとより、もう一体が力が強すぎる。然し此処まで来て服装に反して時折思い出す程度の神様が助けてくれたのだろうか、『GAME START!!』という威勢のいい電子音声とともに何かが空から降ってきた。

 マゼンダやピンクと呼ばれるであろう色を基調とし、黒いラインの入ったエクストリームスポーツのような服装、アクセントのような黄緑カラー、胸についたスーファミの四色ボタンとライフゲージが組み合わさったような胸部、そして何より目を引くのはSDキャラのような目と逆立った髪のようなオブジェクトが目立つ頭部だった。

『ガシャコンブレイカー!』

『ガシャコンソード!』

其の人物は剣を二本構えて勝てるわけがなさそうな三人に対しての勝負に有利に立っていた、

 此方とて其れを無駄にするようには習っていない。榛名は素早く錠をパイナップルに付け替え、カッティングブレードで切り裂いた。

『ソイヤッ! パインアームズ! 粉砕・デストロイ!』

するとロックシードには断面が表示され鎧が装着、手には鎖分銅が添えられた。なんだか力が入りやすい、其の力で武器、パインアイアンを振り回し、たちまち塞いでいた敵はいなくなる。そして其の儘ブレードを一回倒しパインアイアンを敵に投げつけると巨大化した。

『ソイヤッ! パイン・スカッシュ!』

そして其の儘キックを打ち込む。深海棲艦は倒され、もう一体の怪人も気を失った。と、其処へまた新たな人物がやってくる。赤と青の有平棒のような人物。彼?が何かのボトルを構えると怪人から何かが抽出され人間に戻っていく。

「何者……」

「俺かい? 俺は仮面ライダービルド、作る、形成するという意味のビルドだ。以後、お見知り置きを。See you。」

そう言うなり仮面ライダービルドはどこかへ行き、ピンクの戦士もまたいつの間にかいなくなっていた。

 其の晩榛名は夢の中で話しかけられた。

「あなたは運命を選ぼうとしている……でも大丈夫……あなたなら、きっとうまくやれる……」

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