艦面ライダー『マスこれ』 〜ライダーよ艦娘よ、市民の平和を守り抜け〜 作:rockzero21
そして原作の方では……猿渡一海氏と内海成彰氏に黙祷。
最近不気味なまでに平和だ、と榛名は思う。いや、平和と言っても深海棲艦が出現するのは変わりないし、其れに立ち向かう必要だってある。陸の方では東都の首長の補佐が西都側に寝返ったという話も聞く。然し、其れは余りにも平和に感じられた。そう、以前は被害が多数発生していたはずの陸型深海棲艦が此の頃めっきり姿を見せなくなり、多少私たちの仕事は楽になった。だが、其れは何らかの悪い切欠ーー新装備開発だとかーーとしても感じられる。はて、どうしたもか。
「榛名! 其方の敵を御願いします!」
比叡御姉様の言葉でふと我に帰る。そう今はただ目の前の敵を倒していくしかない。其れすらも失ってはさらなる敵を討つことなど不可能だろう。私はいつもの通りに答えた。
「はい、榛名は大丈夫です!」
任務は成功、金剛御姉様は意気揚々と提督に書類を届けに行った、いや態々其処で気合い、入れて、行っても如何にもならないのではないだろうか。まあ戦闘で本気を出すのは当たり前にしているし、姉としての威厳も十二分にあるので指摘するようなものでもないかもしれない。兎も角全速力で執務室へ向かっていく御姉様を三人で追いかけていた訳だが、
「何よ、さっきからずっと七面鳥七面鳥って、馬鹿にしてるの⁈」
怒号が飛んできた。「弓道場」から「此の声」で「そんな事」を言ってる以上、十中八九間違い無いだろう。果たして、瑞鶴が顔を真っ赤にして、其れこそ彼女には悪いが七面鳥の様に、走って行った。別に珍しい話でもなし、目を止めるほどでも無いのに私と霧島はつい立ち止まってしまった。今迄の喧嘩、と言うより寧ろ其れは自暴自棄になった様に見えた。此れは追うべきものかどうか……
「ハルナ、キリシマ! 早く来るデス!」
そうだそうだ、人の前に自分の用事を片付けなければならない。私達は其の場を後にした。
然し因果は無かったものの予感は的中した様だ。久しぶりに暇を出されたので買い物にでも出てみたら、挙動不審の男が居る。本来こういった物は自衛隊は憲兵を含め不介入となっているが、然し何か、私の五感から感じられる微細な何かが必死に警鐘を叩いていた。念の為後をつける。案の定だった。彼は行成女性に抱きついて……顎を大きく開けた。そして女性に齧り付こうとする当に其の一瞬、私の蹴りが其の男を吹っ飛ばしていた。男は標的を私に変え、仕切りに追いかけてくる。私は済んでの所で裏路地に其の身を隠し、態勢を立て直そうとした。然し其の瞬間何者かに頭を抱きかかえる様に掴まれてしまった。撒けてなかったのだ。今度こそと言わんばかりに奴は大口を開け私の首を捉える。そして……頭上から橙が落ちてきた。例えではなく実際に画としてオレンジが頭に衝突した。思わぬ場所からの攻撃に奴は手を離し、逃れた私は透かさずカッティングブレードから手を離して、「変身!」と叫ぶ。するとオレンジは忽ち鎧へと姿を変え、鎧武となった私に装着される。対する相手も、熱を発しつつ其の姿を烏賊を模した怪人に変える。
突き出してくる触手を切り裂いていき、先ず一太刀相手に入れた。其処を更に追撃しようとした私だったが、振りかぶった右手が軽くなるのを感じた。見てみれば大橙丸が烏賊の粘液により吹っ飛んでいる。其処を烏賊怪人(仮称)は墨で牽制してきた。今迄一本一本切断していた為タイミングを図れなければ御陀仏ということだ。そして十本の触手が突き出され、
『メロンアームズ!天下御免!』
盾、メロンディフェンダーが全てを弾き返す。尚も烏賊怪人は攻撃を続けるが最大摩擦と脚力の和を越す程のエネルギーが無ければ、其れこそ頭を豆腐で殴る様な物だ。私は必殺技を発動させる。
『イチ、ジュウ、ヒャク……』
刀身に緑のエネルギーが纏わりつく。私は無双セイバーを上に構えた。
「無双カット!」
カウントが終わり、トリガーを握り込む。
『メロンチャージ!』
振り下ろされた刀からエネルギーを以って相手を断つ。そして余剰が輪切りメロンを形づくり……
「ーー逃げられましたね。」
怪人が立ち去った後が見られた。
榛名によって怪物の写真は既に何人かに知られていた。勿論其の中にはユグドラシルコーポレーション、提督、そして其の命を受けた如月が居た。彼等により翌日朝には足取りの割れることとなった訳だが、幸にも不幸にも横須賀市内に潜伏しているとのことだった。
「ーーという事で、皆さんも外出時、特に夜は気を付けて下さい。」
鳳翔の言葉によって臨時会議は締め括られた。確認するように一名一名を見ると、凡そ会議などしるかといったふうな者、馬鹿正直に寝ている者、重要な知らせを聞いていないことを心配する彼女だったが、もっと気掛かりなのは、翔鶴の隣の空席である。欠席届は事前に出ていた。但し其れ自体が気掛かりの種だった。
彼女ーー瑞鶴が特段上手いかといえば、寧ろ平均より下だろう。然し努力を怠る性格でないことは確実だし、先輩を敬う気持ちも十二分にある。昨日加賀と仲違いしたようだが其れ程問題になるとも思えなかった。だからこそ気に掛かっていたのだ。
実際のところ、当の瑞鶴は壁を隔てた反対の廊下で盗み聞きをしていた。何となく人と、姉とですら顔を合わせたくなかった。其れでも重要な話を態々聞きそびれに行く程馬鹿じゃない、其処で此のような方法を取っていた。
結局、瑞鶴の意に従うように未だ姉を除けば誰一人として会っていない。其の翔鶴とさえキャッチボールとは御世辞にも言えるほどではなかった。ずっと周囲と距離を取っていたかった。
何て思っていれば当然暇になる訳で、先ず弓道場で鍛練しようかとも思ったが、恐らく朝練中、却下。続いて街へ遊びに出るという選択肢を出したが、馬鹿正直にも鳳翔の言葉に従うこととなった。とすれば、此の儘自室で艤装の手入れでもしていようか。装備を外そうとした彼女だが其の瞬間、感じた事もない衝動に捉われた。本能と言うべきだろうか、其れに突き動かされていった彼女は部屋を出て行った、丁度帰ってきた翔鶴には何も言わず。そして、其の足は鎮守府を出て森の中へと入っていった。
森の中に男性二人が対峙していた。方や如何にも不審者という風貌、逆に少年の如きもう一人は、歴戦の兵士か、獰猛な獣のように相手を見つめた。すると不審者の方は、雄叫びを上げ其の姿を烏賊型の怪人に変貌させた。そして更に蛸型の怪人も現れた。
瑞鶴は一連の流れを後ろから見ていた。何うやら終着地は
「
『
彼を中心に熱風が吹き荒び、機械調のエフェクトの中から緑の表皮に非対称形の鎧を着た蜥蜴怪人、仮面ライダーアマゾンニューオメガが現れた。其れと同時に瑞鶴の気分の高揚も最高点に達した。覚醒、と称するのが相応しいだろうか。其の姿は鎧を身につけた骸骨を髣髴とさせる怪物へと変貌した。
設定変更
平成ジェネレーションズFINALを平成三十年秋から二十九年末に変更。