理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第94話 百鬼の宴

今の時刻は午前5時。自分達の名を語っていた偽物達を討伐し今は何をやっているのかというと、

 

妖怪「ヒャハハハ♪」」

 

妖怪「もっと飲もうぜ!」

 

と、妖怪達の陽気な声が聞こえる。そんな中で、

 

理 「ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!プハーー!」

 

美 「おっ!良い飲みっぷりだね理久兎!」

 

理 「ハハハまぁな」

 

自分は勝利の美酒の飲んでいた。美酒と言っても日本酒だが。

 

紫 「あまり飲み過ぎると今日の仕事に差し支え

   ますわよ御師匠様……」

 

理 「大丈夫だ!今日は有給とったから!」

 

ゲン「有給とれるんだ……」

 

自分の職場は有給が取れるように見えるだろうが実際は勝手に休むという置き手紙を亜狛に頼んで役所に置いてきただけだ。そのため恐らく明後日に文句は云われるだろう。

 

理 「まぁな♪」

 

と、言っている一方で風雅は文達に囲まれて会話をしていた。

 

風雅「ふぅ……」

 

文 「お疲れ様です天魔様」

 

はた「お疲れ様です……」

 

狼 「ご苦労様です天魔様……」

 

風雅「あぁ今日はありがとうな……」

 

風雅は残って警護をしてくれた事そして宴会の準備をしてくれた事に礼を述べた。

 

文 「私達としてはなにも出来なかったので」

 

はた「だからせめて宴会の準備ぐらいはね……」

 

風雅「ありがとうな文、はたて、それに白狼よ……」

 

狼牙「天魔様食べたい物がありましたらお申し

   付け下さい」

 

風雅「あぁその時は頼む……」

 

と、狼牙が言ったのを自分は聞き逃さなかった。

 

理 「あっ!ならわんわんおそこの刺身とっ

   て♪」

 

狼牙「だからわんわんおではない!その前に

   自分で取りにいけ!」

 

狼牙に断られてしまった。ちょっと悲しい。

 

理 「いいな~風雅だけ……」( ・ε・)

 

風雅「理久兎殿は相変わらずだな……」

 

理 「それが俺だからな♪」

 

何て楽しく会話をする。そしてまた少し離れた所では、

 

萃香「ゴクッ!ゴクッ!クゥ~♪」

 

勇儀「いや~暴れた後の酒はうまいな!」

 

華扇「はぁ~本当に貴方達は変わらないわね」

 

と、3人は酒をのみ交わす。そしてまた少し近くでは、

 

亜狛「ほら耶狛!持ってきたぞ!」

 

耶狛「ありがとうお兄ちゃん晴明ちゃんも

   一緒に食べようよ♪」

 

と、耶狛はこの中で唯一の人間である晴明に言うが、

 

晴明「…………………」( ´△`)

 

晴明は放心状態だった。

 

耶狛「晴明ちゃん?」

 

晴明「えっ!?どうかしましたか?」

 

亜狛「どうしたんですか上の空状態でしたよ?」

 

晴明「えっ!いや何でもないです!」

 

耶狛「とりあえず一緒に食べようよ♪」

 

晴明「えっ!そうね……」

 

と、晴明は亜狛と耶狛と共に酒と料理を食べるのだが、

 

晴明(どうしてこうなったんだろうしかもあんな

   醜態をさらすなて)

 

そうどうしてこうなったかそれを説明するために理久兎達が偽物を倒した所まで少し時間を遡る。

 

亜狛「マスターお疲れ様です!」

 

耶狛「お疲れ様マスター!」

 

理久兎の所に亜狛と耶狛がやってくるそして2人の側に耶狛に引っ張られて来たのか腕を掴まれた晴明がいた

 

理 「おうそっちは……大丈夫みたいだな」

 

晴明「えぇお陰さまで……」

 

理 「そうか…さてと皆そろそろ外に行こうか」

 

紫 「分かりましたわ御師匠様♪」

 

美 「おうよ理久兎!」

 

風雅「我も賛成です」

 

ゲン「了解です総大将!」

 

亜狛「分かりましたマスター!」

 

耶狛「うん♪一緒に行こう晴明ちゃん♪」

 

晴狛「えっ!ちょ腕を引っ張らないでって!」

 

理久兎は耶狛に友達が出来たことに少し喜んだ。そして理久兎達が洞穴を抜けて外に出ると、

 

妖怪「オォーーー!!」

 

妖怪「総大将だ!偽物達を倒したんだ!」

 

萃薫「美須々様達はやり遂げたみたいだね」

 

勇儀「ハハハ流石は私らの母様だ!」

 

華扇「まぁ美須々様なら当然ね……」

 

天狗「天魔様も出てこられたぞ!」

 

天狗「天魔様!」

 

河童「ゲンガイさんもお疲れ様!」

 

河童「張り切ったかいがありましたね!」

 

妖怪達が自分達に活声をあげていた。これには自分達も嬉しくなる。

 

美 「ハハハ凄いな!」

 

風雅「フフたまにはこういうのも悪くはないな」

 

ゲン「いいね!こういうふうにしてもらうのも!」

 

理 「やれやれ♪そんなことしなくてもいいのにね」

 

紫 「フフフ♪御師匠様皆からの信頼されてますね」

 

理 「アハハそうなの…かな♪」

 

耶狛「凄いねお兄ちゃん晴明ちゃん♪」

 

晴明「これが理久兎の仲間の数……」

 

晴明から見てその数はざっと数百種類以上、数は見たところ二百以上の大規模な妖怪の数だこれは晴明も驚く。

 

亜狛「確かにな耶狛♪そうだマスター何か一言

   言ったらどうですか?」

 

理 「はい!?」

 

先程の作戦の仕返しなのだろうか。自分にとんでも要求をしてきた。

 

紫 「それはいい考えね亜狛♪」

 

美 「面白そうだ!行ってきな理久兎!」

 

風雅「私的には面白いことを言ってほしいです

   ね理久兎殿」

 

ゲン「がんばってください総大将!」

 

耶狛「頑張ってねマスター♪」

 

亜狛「頼みますマスター」

 

理 「はぁ~わかったよ……」

 

そう言って仕方なく下の妖怪達がもっとも見える位置に立つと、

 

理 「あぁ~皆!今宵の夜戦はお疲れ様!」

 

全員「オォーーー!!

 

理 「アハハ♪皆元気だね後、皆分かっていると

   思うけど偽物達は皆撃ち取ったこれで俺ら

   の名前を語り偽る奴等は消えた!」

 

妖怪「流石は総大将だ!!」

 

妖怪「そうこなくっちゃな!」

 

理 「そして皆は頑張ってくれたから残りの夜

   は皆で宴を開こうじゃないか!」

 

妖怪「いいじゃねか!」

 

妖怪「最高だ!」

 

と、妖怪達はこの後の宴が楽しみでしかたがないようだ。だが自分はどうしても伝えなければならない事があった。

 

理 「そして最後に一言だけ言わせてくれ……」

 

その言葉で全員は静かになる。そして自分は感謝を込めて、

 

理 「皆、協力してくれてありがとうな!」

 

協力してくれた事に感謝を込めて伝えた。すると、

 

妖怪「みずくさいぜ大将!」

 

妖怪「俺らはあんたについていくぜ!」

 

理 「そうかなら皆で帰ろう!」

 

全員「オォーーー!!

 

演説が終わり自分は後ろへと下がる。そして紫に顔を向けて、

 

理 「紫、頼んだよ♪」

 

紫 「分かりましたわ御師匠様♪」

 

そう言って紫は境界を操り巨大なスキマを展開させる。

 

理 「それじゃ行くぞ!」

 

全員「オォーーー!!

 

と、叫ぶと皆は一斉にスキマへと入っていく。

 

美 「よっしゃ!帰って酒だ!お前らも付き

   合っておくれよ!」

 

萃香「勿論です!美須々様!」

 

勇儀「私も付き合うぜ!」

 

鬼 「今日こそは萃香姉さんや勇義姉さんに

   勝つぞ!」

 

鬼 「おっしゃ!!」

 

華扇「いつもと変わらないわね……」

 

何時もと変わらないと華扇は呟き少し呆れながら鬼達は入っていく。

 

風雅「アハハハハ……文達に頼んで宴会の準備を

   させるか……」

 

風雅は文達に宴会の準備を任せようと考えスキマへと入る。

 

ゲン「皆で酒を楽しむぞ!」

 

河童「勿論ですよ!ゲンガイさん!」

 

そして河童達もスキマへと入る。

 

紫 「では私達も行きましょうか御師匠様」

 

理 「そうだね♪」

 

自分達もスキマへと入ろうとしたその時、

 

耶狛「マスター!」

 

理 「うんどうかしたか耶狛?」

 

耶狛が突然声をかけてきた。そして用件を答えた。

 

耶狛「晴明ちゃんも連れてっていい?」

 

晴明「えっ!?」

 

それは晴明も宴に参加させて良いかと聞いてきた。それには晴明も驚いても無理はないだろう。

 

亜狛「耶狛それは流石に……」( ̄~ ̄;)

 

理 「別にいいでしょ1人2人ぐらい人間が

   いても大して変わらないよ♪」

 

紫 「確かにそうね♪」

 

実際、自分達の目的は人間や多種多様な生物達との共存だ。それなら妖怪達にも慣れさせると共に人間達に少しでも良い印象を与えたいと思ったのだ。

 

晴明「えっでも私はまだ行くなんて!」

 

耶狛「ねぇ!晴明ちゃん一緒に行こう♪」

 

耶狛が捨てられた犬のような眼差しで晴明を見つめるさすがの晴明もこの眼差しにはとても弱い。

 

晴狛「うっ!しょっ!しょうがないですね!

   一緒に行きますよ……」

 

耶狛「やった~♪」( ≧∀≦)ノ

 

晴明「かっ勘違いしないで下さいね!私はあくまで

   百鬼夜行の事を調べるために………そう!その

   ために行くんですから!」

 

この時、理久兎や紫そして亜狛は皆で同じことを思った。

 

3人(ツンデレ……)

 

そうそれはツンデレだったという事に意外すぎて心で呟いてしまった。

 

理 「とりあえず行こうか……」

 

紫 「そうね……」

 

亜 「それじゃ行きましょうか……」

 

3人はさっきのことは心の中にしまうことにした。

 

耶狛「じゃ行こうよ晴明♪」

 

晴明「あっ!だから引っ張らっ!!」

 

晴明がそう言おうとしたその時だった。

 

ヒュー~ーバサ!

 

晴  Σ(///ロ///)!!

 

突然の風が吹き晴明が着ている理久兎のコートが舞い上がるその中は前々回を見た読者様なら分かるとおり晴明が産まれたままの姿に傷の手当てのための応急処置の包帯が腹に巻かれているだけだ。しかも耶狛に片手を引っ張られているから片手では隠そうにも隠しきれない。

 

理 「……………………」( ̄ー ̄)

 

紫 「あら♪」

 

亜狛「ふぁ!?」

 

耶  (・_・?)

 

しかも悲劇的なことに理久兎と紫そして亜狛と耶狛はそれを見てしまった。ただ運が良いのは殆どの妖怪達がスキマに入っている最中なためこの3人にしか見られていないということだ。

 

晴明「………………キャ」

 

理  (・_・?)

 

紫  (´・ω・`)??

 

亜狛「ごふっ!?」

 

どうやら亜狛には刺激が強すぎたみたいなのか鼻血がでていた。

 

耶狛「どうしたの晴明ちゃん!?」

 

晴 「キャーーー!!!」

 

辺りにパニックとなって落ち着かない晴明の悲鳴が響き渡ったのだった。そして数分後、

 

晴明「もう……お嫁に行けない……」(;´Д⊂)

 

理久兎達は晴明を落ち着かせることに何とか成功した。ただそんな訳の分からない事を呟いていた。

 

理 「まぁとりあえず紫………晴明を家に送って

   あげてくれ……」

 

紫 「えっえぇ……」

 

先程まで晴明に対して冷たかった紫の言動は少し暖かくなったと感じた。

 

耶狛「え~!それじゃ一緒に宴会できないよ!

   マスター!」

 

理 「だから晴明と一緒に亜狛と耶狛も行って

   くればいいだけだよ♪」

 

耶狛「成る程!頭いいねマスター♪」

 

理 「それはありがとうな……」

 

そう耶狛に言われるのだが心の中では、

 

理 (なんでだろう………耶狛から言われても

   褒められている気がしない……)

 

純粋な耶狛から言われても誉められている気がしなかった。

 

耶狛「じゃあ~お兄ちゃん……お兄ちゃん?」

 

亜狛 (○ヱ○)

 

亜狛は動かない。しかも鼻からは鼻血が垂れている。

 

耶狛「お兄ちゃん起きて!」

 

亜狛 (○ヱ○)

 

返事がないただの気絶したエロ狼のようだ。

 

耶 「起きて!お兄ちゃん!」

 

バチン!

 

耶狛の平手打ちが亜狛に炸裂する。

 

亜 「痛って!」Σ(>Д<)

 

どうやら戻って来たようだ。

 

亜狛「あれ?耶狛俺は何を!?」

 

耶狛「やっと起きた……晴明ちゃんの

   送り迎えするから手伝って!」

 

亜 「えっ!?あっあぁうんわかったけど何が

   あったんだ?てかなんで鼻血が………」

 

理 「とりあえず行こうか……皆を待たせるの

   もあれだから……」

 

紫 「そうですね……」

 

亜狛「あぁはい……本当に何があったんだ?」

 

耶狛「行こう晴明ちゃん♪」

 

晴明「…………うん……」(´;д;`)

 

そうして俺らは妖怪の山に帰還した後、救出した捕虜達はすぐに天狗の里の医務室に運ばれ俺らは天狗達と宴会の準備をして晴明は一度自宅に戻って衣服を整えて亜狛と耶狛の力をかりて妖怪の山にやって来て今の宴会に至るこれがここまでの回想だ。そして自分は晴明に近寄ると、

 

理 「でっどうよ?百鬼夜行は?」

 

晴明「えっ!?」

 

理 「あれ?さっき百鬼夜行を調べるとか

   言ってたからさ♪」

 

晴明「あっあぁそれね……なんかこう見てみると

   人間達より自由に生きてるな…なんて……」

 

理 「そうか……」

 

と、ありのままの本心を言ってきた。すると晴明は疑問に思った事を言ってきた。

 

晴明「ねぇ理ろ………いえ理久兎さん何で百鬼夜行

   の総大将の貴方が人間達の住む都にいるん

   ですか?しかも自棄に人間達からの信頼厚

   いし……」

 

理 「う~ん何て言うかさ最初は人間達がねどう

   生活しているのかとか陰陽師達の生態とか

   を観察しようと思ったんだけどね……」

 

晴 「……………………」

 

理 「でも困っている人達を助けたりしていたら

   何時の間にか皆から声とかをかけてもらっ

   ていたんだよね……」

 

これまでの経緯を簡単に伝える。すると晴明は、

 

晴明「ぷっくく……」

 

理 「ん?どうした?」

 

晴明「アハハハハハ♪」

 

と、突然笑いだした。

 

理 「大丈夫か?」

 

晴明「えぇまさか助けるって私が想像して妖怪

   と随分違うなって♪」

 

理 「まぁ君らのイメージは人食いとかの

   イメージが強いからね……」

 

とは言うが自分は妖怪ではなく神だ。だがそこは敢えては言わないが、

 

晴 「確かに♪でも私が貴方の家に訪ねた時は

   アユの塩焼きとかやけに人間臭い食べ物

   を食べてたし案外そうでないかもしれな

   いわね」

 

理 「そういうのは一部の妖怪だけだよ殆どの

   妖怪の主食は人肉だし……」

 

かつて紫が死んだ人間の人肉を食べていた事を思いだし伝える。

 

晴明「そうならそこは肝にめいじておくわ

   理久兎さん♪」

 

理 「それでいいさ♪」

 

晴明「後……」

 

理 「うん?」

 

何かを伝えたいのか晴明は少し顔を赤くして、

 

晴明「偶然だったとはいえ助けてくれてありが

   とう妖怪に助けられたのは釈然としない

   けど……」

 

理 「ハハハ♪どういたしまして♪」

 

2人がそんな会話をしていると、

 

紫 「御師匠様こっち来て一緒に飲みましょう♪」

 

耶明「晴明ちゃんもおいでよ!」

 

理 「おっとお呼ばれか……行こうか?」

 

晴 「そうね♪」

 

こうして宴会は朝の7時まで続き皆起きたのがまさかの午後6時という時間まで寝続けたとさ。

 

 

 

 


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