理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第106話 修羅場の空気

理 「よしこんなもんかな?」

 

亜 「それにしてもマスター……」

 

耶 「これは作りすぎじゃない?」

 

理 「いや~ルーミアがよく食うもので」

 

理久兎が作った品は炒飯、麻婆豆腐、餃子、青椒肉絲(チンジャオロース)、烏龍茶、杏仁豆腐といった中華料理の数々だ。こんな短時間でどうやって作ったのかそれはメタい話だが多分後々に語られるはずだ。

 

理 「亜狛、耶狛運ぶぞ……」

 

亜狛「この量をですか……」

 

耶狛「2人じゃ多いよマスター!」

 

理 「俺も運ぶから心配するな」

 

亜狛「わかりました……」

 

耶狛「よ~し!運ぼう!」

 

理久兎達3人は料理を紫とルーミアのいる部屋まで運び障子を開ける。

 

理 「お~い飯ができたぞ……」

 

紫  (#⌒__⌒)

 

バチ!バチ!バチ!バチ!バチ!

 

ル  (#⌒∇⌒)

 

障子を開いたその先の光景は紫とルーミアが正面を向かい合いながら座っていがお互いの目から火花が飛び散っている。何よりも理久兎が察知したのはこの部屋の空気がとても重いことだ。

 

理 (何……この空気……)

 

と、思っていると亜狛と耶狛も部屋を覗く。

 

亜狛「これが……女の戦い……なのか……?!」

 

耶狛「紫ちゃんにお客さん何やってるの?」

 

理久兎と亜狛にはこの空気が伝わったが耶狛には伝わらないようだ。

 

紫 「あら?御師匠様来ていらしたのですわね?」

 

ル 「理久兎それは晩御飯かしら?」

 

紫 「あら?貴女の分があると思いかしら?」

 

ル 「無くても貴女の分をとるから大丈夫よ♪」

 

紫 「とらせると思う?」

 

ル 「何?殺るの?」

 

紫 「なら跡形もなく消してあげますわ♪」

 

ル 「良いわ外に行きましょう♪」

 

紫 「えぇ♪」

 

そう言って2人は立ち上がる。ここで即座に料理をテーブルに置くと、

 

理 「お前らいい加減にしろ……」

 

バスッ!バスッ!

 

紫 「痛いですわ!?」

 

ル 「痛っ!何するのよ!」

 

2人の頭に軽くチョップをすると2人は頭を手で押さえた。手加減したとはいえ結構痛いようだ。

 

理 「俺が少し抜けただけでこの有り様だよ

   とりあえず飯食って落ち着け…‥それで

   飯食いながらここまでの経緯を教えて

   やるから……」

 

紫 「すみません御師匠様……」

 

ル 「分かったわよ理久兎……」

 

2人は睨み合いながらも席に座る。

 

理 「亜狛、耶狛飯を並べてくれ」

 

亜狛「了解ですマスター」

 

耶狛「じゃ並べるね!」

 

そう言うと2人が手に持つ中華料理が並べられていく。

 

紫 「御師匠様今回は中華かしら?」

 

理 「あぁそうだよ♪」

 

ル 「見たことない料理ね……」

 

理 「大和だと見かけないのは無理もないかな」

 

ル 「でもいい香り♪」

 

そんな感想を述べていると亜狛と耶狛は料理を並べ終える。

 

亜狛「並べ終わりましたマスター」

 

耶狛「終わったよマスター♪」

 

理 「そうかなら2人も席につきなさい」

 

亜狛「わかりました」

 

耶狛「うん!」

 

そう言うと2人は座る。それを確認すると、

 

理 「席に座ったねじゃいただきます」

 

4人「いただきます」

 

理久兎がいただきますの音頭をとると亜狛、耶狛、紫、ルーミアもいただきますを言って料理に手をつけた。

 

紫 「それで御師匠様教えていただけますか?

   その怪我とこの妖怪について……」

 

ル 「…………………………」

 

理 「まぁ約束だし良いよ教えるどうして

   こうなったのかをね」

 

理久兎はあらいざらい話した。花妖怪風見幽香との戦闘の結果そして戦闘後に亜狛と耶狛とは別行動をとった後ルーミアと出会いその時に怪我をした事をあらいざらい喋った。だが天沼矛に関しては秘密にしたがそれ以外は話した。

 

亜狛「偶然って重なるものなんですね」

 

耶狛「世の中ってせまいね……」

 

紫 「やっぱり貴女のせいなのね………ただで

   帰れると思っていないですわよね?闇

   の食人妖怪さん♪」

 

ジャキ!ジャキ!ジャキ!ジャキ!

 

紫はルーミアの周りにスキマを展開しその中から無数の槍や刀が現れルーミアにギリギリ当たるところで止まる。だがここは食事の場であって殺し合いの場所ではない。紫の肩を掴むと、

 

理 「紫それをしまいなさい」

 

紫 「………すみません御師匠様」

 

理久兎に注意され紫は武器をしまい込んでスキマを閉じた。

 

理 「でっルーミアは何か言いたいことは

   あるか?」

 

理久兎がルーミアに尋ねるとルーミアは

 

ル 「私も悪かったわよごめんなさい襲いかか

   って……」

 

理久兎に謝罪した。それに対しての返答は、

 

理 「いいよ別に気にしてないから」

 

気にしてはいないと本心で言うと紫は怒りながら、

 

紫 「御師匠様はお人好し過ぎなのよ!」

 

理 「今回は偶然と偶然が運悪く重なっただけ

   だ………だから対して気にもする必要がな

   いのさ」

 

自分を心配してそう言ってくれたのは正直嬉しい。だが紫は頭を押さえて、

 

紫 「はぁ~分かりましたわ御師匠様がそう言

   うのであるならばもうこの事については

   私から言うことはありませんわ………ただ

   もし次、御師匠様を襲うなら御師匠様が

   なんと言うと貴女を殺すわよ?」

 

ル 「安心しなさいもう襲わないわよそれに次

   は確実に殺されるもの」

 

紫 「そう……」

 

理 「分かってらっしゃる事でとりあえずこの

   話しはもう終わりだほら食事の続きをし

   よう?」

 

紫 「そうね」

 

ル 「私もその方がいいわ」

 

耶狛「よ~し食事の続きだ~~!」

 

亜狛「耶狛!慌てて食うなって!」

 

理久兎がそう言って皆はまた食事を再度開始した。そして皆は、

 

紫 「やっぱり御師匠様の料理はおいしいわ♪」

 

ル 「おいしい♪」

 

耶狛「お兄ちゃん麻婆豆腐を盛って!」

 

亜狛「わかったよ……」

 

理 (やっぱり俺はこの光景が1番好きだな)

 

理久兎は4人が楽しく食事をしている光景を見て楽しみながら食事をするのだった。


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