理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第128話 兎という目撃者

? 「おいそこの男!」

 

1人のウサミミ?の少女は理久兎を指差す。

 

紫 「御師匠様のことじゃないかしら?」

 

理 「俺?」

 

自分のことかと聞くするとそれについての返事が飛んでくる。

 

? 「そう君!」

 

と、ウサミミの少女は言う。そしてそれを見ていた紫に亜狛そして耶狛は、

 

亜狛「マスター今度は何をやらかしたんだ……」

 

耶狛「お腹がすいたな……」

 

紫 「今度は何したの……御師匠様……」

 

酷い言われようだ。亜狛と紫は理久兎がまたやらかしたのかと言い耶狛は兎達を見てお腹がすいたみたいだ。そして理久兎は兎の少女に問う。

 

理 「俺に何のようかな?」

 

理久兎がウサミミの少女に言うとそれについての返しが返ってくる。

 

? 「お前1週間ぐらい前にここに来たろ?」

 

どうやら理久兎達のことを見ていたようだ

 

理 「1週間前……あぁ確かに来たねでも君らと

   は会ってないよ?」

 

記憶を読み返しても彼女達とは会っていないのは物忘れが多くなった今の理久兎でもよくわかる。

 

? 「確かに会ってはいないけど尾行した!」

 

ウサミミ少女は自慢気に尾行と言うと、

 

理 「尾行したんだ……」

 

亜狛「そういえば仄かに兎の匂いがしたな……」

 

耶狛「確かにしたね……」

 

紫 「ならどうしてその時…御師匠様に言わな

   かったの?」

 

紫がそう訊ねると2人は、

 

亜狛「いやまぁ~所詮は兎ですからね?」

 

耶狛「兎は食べるものだからだよ!」

 

2人は元は狼だったために兎などは食料としか考えていなかったようだ。

 

? 「えっ!たっ食べても美味しくはない

   からな!」

 

ウサミミ少女は震えながらそう言うそして理久兎は尾行した理由が気になったのでウサミミ少女に聞くことにした。

 

理 「でっ何で尾行したんだ……?」

 

? 「そりゃ何か悪さをしに来たのかと」

 

どうやら理久兎達のことを悪人と勘違いしているようだ。

 

理 「いや悪さをしに来たんじゃなくて家を

   探してたら丁度良い所を見つけてね♪」

 

? 「家探し?」

 

理 「そうそれでここの家が丁度良くてね♪」

 

? 「そっそうなんだ……」

 

紫 「ねぇ御師匠様……」

 

すると紫が話しかけてくる。

 

理 「どうかした?」

 

紫 「家探しって何でまた?」

 

紫が家探しの理由を聞くと理久兎はそれに答える。

 

理 「いや多分何かが起きて家が一軒必要になる

   かなって思って探してたんだけどまさかの

   大当たりでね……」

 

それを聞いた輝夜はもしやと思い家について聞くと、

 

輝夜「えっと……つまりこの家って……」

 

理 「君らの家♪」

 

まさか自分達の家を提供してくれるとは思ってもみなかったのか驚いていたが永琳はそれを怪しんだ。

 

永琳「準備が良すぎるわね…露骨に怪しすぎる」

 

理 「嫌ならいいんだけど……?」

   

永琳「いえ嫌とは言ってはいません姫様を野宿さ

   せるにも忍びないですしそれに他に行く宛

   もないですし理久兎さんここは貴方の手の

   上で踊ってあげるわ……」

 

理 「酷い言われようだなぁまぁ別に良いけどさ」

 

永琳はともかく輝夜の事を思いこの家に住むことを決心したようだ。そして当の本人の輝夜は、

 

輝夜「私はここが気に入ったわ理久兎をさん♪」

 

輝夜はここが気に入ったようだ。

 

理 「それは良かったよ……」

 

理久兎達がそんな会話をしていると、

 

? 「って!私を無視しないでよ!」

 

先程から話に参加してこないウサミミ少女は理久兎に言うと、

 

理 「分かってるって君も話は聞いていたよね?」

 

? 「まぁ聞いたけど……」

 

理 「ならこの人達をここに住まわしてくれな

   い?」

 

理久兎は永琳と輝夜姫を住まわせてもらうようにウサミミ少女に頼む。すると、

 

? 「まぁいいよどの道そこの家には誰も住ん

   でないし」

 

理 「それは助かるよ」

 

理久兎がそう言うとウサミミ少女は、

 

? 「ただし条件がある」

 

条件を提示してきたのだ。そして理久兎はその条件の内容を聞くことにする。

 

理 「どんな条件?」

 

? 「実はこの子達に知恵を授けて欲しいんだよ」

 

ウサミミ少女は後ろにいる兎達に知恵をつけてもらいたいようだ。それを聞いた理久兎は笑顔で

 

理 「それなら適任がここにいるよね♪」|_^)チラッ

 

そう言いながら理久兎は永琳の方を向くと、

 

永琳「私?!」

 

永琳も突然の事で驚いた。

 

理 「うん輝夜姫から家庭教師をしてるって聞いた

   けど?」

 

と、輝夜から聞いたことをそのまま述べるが、

 

理 (それに俺の居候時代から頭は良いしな……)

 

かつて共に住んでいた時、自分に知恵をくれたのは紛れもない目の前にいる永琳だ。永琳がいなかったら今頃は大した知恵もなかっただろう。そして永琳は暫し考えると、

 

永琳「構わないわここに住めるなら……」

 

永琳はこの条件をのむことにした。

 

理 「だって良かったねウサミミ少女♪」

 

? 「ウサミミ少女じゃないよ!私の名前は

   因幡てゐだよ!」

 

ウサミミ少女もとい因幡てゐは自己紹介をする。

 

永琳「そう……よろしくてゐ♪」

 

輝夜「よろしく♪」

 

理 「ならこれで話はまとまったね………そろそろ

   時間もあれだから俺らはお暇指せて頂こう

   かな……」

 

紫 「そうね、ならスキマを開きますわ」

 

紫は境界をいじりスキマを開く。

 

亜狛「では帰りますか……」

 

耶狛「そうだね!」

 

輝夜「理久兎さん今日はありがとうございました」

 

理 「ハハハハ気にするなよそれと永琳さん」

 

永 「何かしら?」

 

理 「過去には囚われすぎないようにね♪」

 

理久兎はかつて永琳に向けた笑顔でそう言う。もう昔の事は本当に忘れて今を楽しく生きて貰いたいと思った。すると永琳は理千と理久兎の面影が重なったのか目が点となって驚いていた。

 

永琳「っ!!」

 

理 「それじゃバイバイ」

 

理久兎はそう言いながらスキマにダイブした。それについていくように亜狛と耶狛、紫もスキマに入りスキマは閉じた。

 

輝琳「永琳?」

 

輝夜姫は永琳に近づくと、

 

永琳「フフ……何でかしらね……こんなにも……

   清々しい気分になったのは……」

 

永琳は何億何千ぶりにこんなにも清々した気分になった。かつて理千(理久兎)を置いて月へと行ったことを後悔していた。だが今の理久兎の言葉で自分が許された気分になったのだった。

 

永琳「姫様今日はお疲れでしょう寝ましょうか

   でないと明日に響きますよ?」

 

輝夜「そうね貴方達もいらっしゃい♪」

 

輝夜はそう言いながらてゐ達を手招きすると、

 

てゐ「ならお邪魔するウサよ!」

 

てゐはそう言い屋敷へとお邪魔したのだった。そうして輝夜姫逃走劇は幕を閉じたのだった。後に理久兎が提供したここの屋敷の名前は永遠亭と名付けられたのは言うまでもないだろう。


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