理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第135話 何てこったい

亜狛と耶狛が不老長寿から不老不死になった次の日の昼……

俺は面倒くさい仕事をこなしていた……

 

理 「お~い亜狛お茶をくれ……」

 

そう言うと亜狛がやって来る

 

亜狛「はいはいお持ちしまたよ」

 

そう言いながらお茶をテーブルに置くと理久兎は亜狛に話しかける

 

理 「亜狛…やっぱりその髪の色は……」

 

亜狛「えぇ思いっきり変色しましたね」(´-ω-`)

 

亜狛は蓬莱の薬の副作用によって髪の色が前までは真っ黒だったのが、今では真っ白の白髪に変わり目の色は真っ赤になってしまっていたのだ。

 

理 「それだと表を歩けるか?」

 

理久兎がそれを聞くと亜狛は若干迷いながら述べる。

 

亜狛「わかりません……ですが多分人間達

   からは奇異の目で見られるかと……」

 

理 「後悔してるか…蓬莱の薬を飲んだこと?」

 

心配して亜狛に聞くと亜狛は苦笑いをしながら、

 

亜狛「ハハいえ…むしろその逆ですよ♪」

 

亜狛は後悔をしてはいないそれどころか彼は喜んでいたのだ。

 

理 「そうか……なら良かったよ♪」

 

そう言っていると襖が開き、

 

耶狛「お兄ちゃん遊ぼうよ!」

 

と、耶狛が入ってくるがやはり髪の色が違っていた。耶狛は亜狛とは違い髪の色は白色だったのだが今は薄い黄色が混じった髪の色に変色していて目の色は亜狛と同じで赤色になっていた。

 

亜狛「マスター……」

 

そう亜狛が耶狛と遊ぶことを理久兎に言おうとすると理久兎はそれに気づいて、

 

理 「亜狛………遊んできて良いよ♪後それと

   指輪は着けておけよ?」

 

理久兎がそう言うと亜狛は頭を提げて

 

亜狛「すみませんでは失礼します」

 

そう言うと亜狛は、耶狛を連れて外の庭に向かった。すると、

 

ル 「ねぇ理久兎……」

 

理 「どうした?」

 

ルーミアが理久兎のもとにやって来て理久兎を呼ぶ。そしてそれに答えるように、

 

理 「どうした?」

 

ル 「亜狛と耶狛に何かあったの?前とは違う

   髪の色をしてたけど?」

 

どうやら亜狛と耶狛の変化した髪の色が気なるようで、理久兎に聞いてきたのだ。だが理久兎もいまのところ質問をどう答えるかを迷っていた。

 

理 (どうするかな……仕方ない……)

 

そう考えて理久兎は、ルーミアの言った質問に答える。

 

理 「ルーミア、亜狛と耶狛はイメチャンした

   だけだよ♪」

 

そう言うが間違ってはいない。実際イメチェンしたような髪の色になっているからだ、そしてそれを聞いたルーミアは、

 

ル 「そっ……そうならいいんだけど……」

 

どうやら納得したようだ……

 

理 (何とか誤魔化せたな……)

 

理久兎がそう考えていると、

 

耶狛「マスター!大変!大変!」

 

と、言いながら耶狛は理久兎のもとまで走ってきた。

 

理 「何があったんだ耶狛?」

 

そう言うと耶狛はお構いなしに自分の手を引っ張る。

 

耶狛「いいから行くよ!!

 

理 「えっちょ!?」

 

耶狛は、理久兎の手を引っ張り走り出した。それを見ていたルーミアは、

 

ル 「……耶狛は元気ね……ズズ」

 

と、言いつつ理久兎が飲もうとしていたお茶を飲みながら待つことにしたのだった。そして耶狛に引っ張り出された理久兎は、家の門の所に引っ張られ連れてこられていた。

 

理 「いったい何なんだよ……」

 

理久兎がそう言っていると、理久兎の目の前に亜狛がいた。そして亜狛は理久兎と耶狛が来るのを見ると、

 

亜狛「マスター早く!!」

 

理 「おいおい……そう急かすなよ………」

 

耶狛「いいから!」

 

そうして亜狛のもとに着くと耶狛は引っ張るのを止める。そして目の前を見る。

 

理 「いったいどうしたん……だ!?」

 

理久兎が、前を見ると妹紅が立っていたのだが、

 

妹紅「理久兎…さん……」

 

理 「もこちゃん……いったいどうしたんだ

   その髪と目は……」

 

4日前に見た妹紅とは、全くもって容姿が変わっていた黒々とした髪は白髪になり目の色も前は黒かったのが今は紅い。その瞳はまるで白兎のような目の色だ。するとその紅い目から涙が溢れてくると、

 

妹紅「理久兎……さん……ウヮーン!!」

 

妹紅は泣き出したのだった……

それを見た理久兎は、

 

理 「もこちゃん!?」

 

妹紅「ごっごめんなさい…ごめんなさい!」

 

妹紅はただ何かに謝り続けるだけだ。

 

理 「あぁ~……いい加減泣くな!」

 

妹紅「えっ!!」

 

理久兎はこのままだと良知が明かないので大声をあげて妹紅を静める。

 

理 「……落ち着いたか?」

 

理久兎がそう言うと妹紅は、

 

妹紅「……落ち着いたよ……ごめん理桜さん……」

 

妹紅は、何とか落ち着いたようだ。それを確認し妹紅に何があったのかを聞くことにした。

 

理 「もこちゃん何があったんだ?」

 

理久兎がそう聞くと妹紅はそれについて語り始める。

 

妹紅「理久兎さんは輝夜姫の難題はわかる

   よね……?」

 

理 「勿論……俺もそれは受けたからな」

 

妹紅「それで……お父さんがその難題に落ちた

   のは知ってるよね……」

 

それを言われ不比等のことを思い出す。変わってしまった数少ない人間での唯一の友を、

 

理 「…あぁ知ってる俺はそれを間近で見た

   からな……」

 

妹紅「それで…その後……私の生活は変わって

   しまった……」

 

理 「因みにどのくらい?」

 

理久兎がそう言うと妹紅はよりいっそう顔を歪ませて話続ける。

 

妹紅「お父さんは難題の前みたいに輝夜姫の名

   を言わなかった…けど……今では前よりも

   放心状態が続いて蓬莱の枝の模造品を作

   るのに莫大な借金を背負って家の私財は

   全部差し押さえらそれで私は輝夜姫に復

   讐するために蓬莱の薬を飲んだ……」

 

どうやら大変な事になっているようだが妹紅の話を聞いた3人はある単語に引っ掛かった。

 

3人「……えっ!?」

 

もう蓬莱の薬という単語には驚くことしか出来なかった。妹紅の言った最後の一言に3人は驚いて声を出した。

 

 

理 「今……何て言った?」

 

妹紅にもう一度聞くと、

 

妹紅「だから蓬莱の薬を飲んだ……」

 

それを聞き現在の妹紅の姿をまじまじと眺め、

 

理 (言われてみれば亜狛と耶狛と症状が

  そっくりだ……)

 

亜狛(まさか妹紅さんが飲んだのか!?) 

 

耶狛(盗ったのはもこたんだったんだ……)

 

理久兎は今の妹紅の姿を見て納得し亜狛と耶狛は最後の1つを盗ったのは妹紅だと認識したが妹紅はまだ話を続ける。

 

妹紅「それで何とか盗み出して蓬莱の薬を飲ん 

   で家に帰ってみるとお父さんや従者の人

   達に化物扱いされたんだ…それで……もう

   頼れるのは理桜さん達だけだと思って来

   たんだ……」

   

3人「………………………」

 

妹紅の話に3人はただ黙って聞くことしか出来なかった。

 

妹紅「ハハハ……可笑しいよね?復讐に捕らわれ

   てこんな醜い化け物みたいな姿になって…

   理桜さん達も笑っていいんだよ?」

 

妹紅は笑っていたが、目は笑っているどころな涙が溢れていた。

 

妹紅「あれ?可笑しいな……涙が……」

 

理 「もこちゃん……」

 

妹紅「あっ!そうだこんな化物なんかが居ても

   迷惑だよね?…………もう私ここから消え

   るから…だから!」

 

妹紅はそう言おうとすると、

 

 

バチン!

 

妹紅「えっ!?」

 

亜狛「ちょっマスター!?」

 

耶狛「あちゃ~…………」

 

妹紅は自分の頬に痛みを感じた、目の前にはいつの間にか移動した理久兎が立っていた。たた自分やったことは左手で妹紅の頬をビンタした。

 

理 「いい加減に自分を非難するのは止めろ!」

 

妹紅「えっ?……えっ?」

 

妹紅は何が起きたのかが分からない。だが目の前にはいる理久兎は怒っていたそれだけはわかった。

 

理 「これ以上自分を嫌いになるな!現実を

   見ろ!」

 

妹紅「でも私は人間じゃないもう化物……」

 

妹紅は自分が嫌いになりそうだった化物になってしまった自分を受け入れたくはなかった。

 

理 「化物が何だ!それだったら俺らの方が

   妹紅より化物だ!」

 

妹紅「理桜さんそれって……」

 

理 「亜狛、耶狛指輪を外して見せてやれ」

 

理久兎が、そう言うと亜狛と耶狛は

 

亜狛「分かりました」

 

耶狛「おっけっ~!」

 

承諾の一言と共に指輪を外すと2人の頭に犬科の耳が生え、下半身からは尻尾が生える……それを見た妹紅は、

 

妹紅「亜狛さん……!耶狛……!」(; ゚ ロ゚)

 

理 「この2人は人間ではない俺も含めてな

   君らの言葉だと妖怪……が正しいかな?」

  (まぁ実際は違うけど……)

 

それを聞いた妹紅は目を見開いて、

 

妹紅「嘘……亜狛さんも耶狛もそれに理桜さんも

   妖怪!?」

 

理 「あぁそうだ………だから俺らから見たら

   もこちゃんは化物じゃないよ♪」

 

そう言われた妹紅は、また目から涙が溢れてくる

 

妹紅「りっ理桜さん……ウグッヒッグッ……

   うぇ~~~ん!!」

 

そして妹紅はただ泣いた。理久兎の暖かい優しさに、化物と言われた自分をここまで思って言ってくれたことに……

そうして数分が経過した……

 

理 「落ち着いた?」

 

妹紅「ありがとう理桜さん……」

 

亜狛「でも妹紅さん、これからどうするん

   ですか?」

 

亜狛に言われた妹紅は考えて、

 

妹紅「私は都から出て生きる目的を探そうと

   思ってる……」

 

耶狛「もこたん生きる目的は見つかりそう?」

 

耶狛に言われた妹紅は笑顔で答える、

 

妹紅「私にも分からない……けど今の私は永遠

   の命がある…だからそんなには難しくは

   ないかな♪」

 

この笑顔を見ると心配ないと理久兎は思い念のためにと妹紅に質問をする。

 

理 「そうか……もこちゃん君はまだ輝夜姫

   に復讐したいか?」

 

理久兎が今気になっていることの1つは、輝夜姫との戦争だ。恐らく血と血が流れる戦いを予想したからだ。そして妹紅は今の質問に対し答えをだす。

 

妹紅「理桜さん私は復讐を諦めた訳ではない!

   私が不老不死になったのも輝夜姫に復讐

   するためだ!」

 

理 「…そうか……」

 

妹紅「だけど……今は止めておく……」

 

理 「どうして?」

 

妹紅「今の私じゃまだ勝てない……だから

   もっと強くなって輝夜と殺し合いを

   する!」

 

理 「ハハハ……不老不死が不老不死に戦いを

   挑むか……面白そうだ……なら…亜狛!

   ゲートを繋げろ」

 

亜狛「えっ!?」

 

理 「せめてのサービスだ…もこちゃんが

   行きたい所に送ってあげるよ♪」

 

そう言われた妹紅は既に行きたい場所は決まっていた。その場所とは……

 

妹紅「輝夜の近くにお願いします!」

 

理 「おや?戦いはまだ挑まないんじゃ

   ないの?」

 

と、理久兎が言うと妹紅は、

 

妹 「確かにまだ挑まない……けど直ぐに行けれ

   ば早く殺し合いが出来る!」

 

妹紅がそう答えると理久兎は、

 

理 「そうか……わかった亜狛!その場所に

   繋げてやってくれ」

 

理久兎がそう言うと亜狛は理久兎に

 

亜狛「よろしいんですか?」

 

と、言うと理久兎は笑いながら

 

理 「構わないよ♪」

 

亜狛「分かりました……」

 

そう言って亜狛は目を見開いて閉じて場所を想い描きながらその風景を頭に写して裂け目を開く。その中に広がっているのは竹林だ。

 

理 「さて、此でお別れだね……」

 

妹紅「理桜さん……今までありがとう」

 

理 「良いよ気にするな……早くお行き♪」

 

そう理久兎が言うと妹紅は歩き出して裂け目の前まで来ると、

 

妹紅「皆、ありがとう」(o^-^o)

 

そう言って妹紅は裂け目に入ると裂け目は消えてなくなった。それを見た理久兎達は、

 

理 「これでまた1人都から消えたね……」

 

亜狛「そうですね……」

 

耶狛「寂しいな……」

 

そう寂しいと思っていると理久兎は亜狛と耶狛に指示を出す。

 

理 「亜狛…不比等さんの家に繋げてくれ……」

 

亜狛「……わかりました」

 

そう言い亜狛は不比等邸に裂け目を繋げる。

 

理 「さてと俺はしばらく不比等さんの家に

   行ってくるから留守番は頼んだよ」

 

亜狛「わかりました」

 

耶狛「気を付けてね……」

 

そう言い理久兎は不比等邸へと向かった。

 

神様移動中……

 

ここ不比等邸では家具やら何やらの差し押さえがされていて家来達は全員辞表を出して辞めていき今ここに残っているのは縁側でポツリと座っている不比等だけだった。

 

不 「………はぁ~我は実の娘に何という仕打ち

   をしてしまったのだ……どこで我は壊れて

   しまったのだ……そして親友である理桜に

   何故怒鳴ってしまったのだ……」

 

不比等は娘である妹紅に不快な思いをさせてしまった事や理久兎に怒鳴ってしまった事を後悔していた。すると上空から、

 

スタッ!

 

誰かが落ちてきて見事に地面へと着地したのを見た不比等は驚いた。その着地した人物は、

 

理 「やぁ不比等さん♪」

 

自分ももとい理久兎だったからだ。そしてそれを見た不比等は、

 

不 「理桜君……」

 

不比等は申し訳なさのせいか声が低かった。そんな不比等に近づき、

 

理 「ねぇ不比等さん良ければ一杯だけ酒を飲み

   ませんか?」

 

そんな提案すると不比等はため息をついて、

 

不 「すまんな…全て差し押さえられてしまって」

 

不比等からしてみればそれは良かったと言ってもいい。友を傷つけてしまった自分はどの面下げて酒を飲むのだと考えていたからだ。すると理久兎は断罪神書からとっくりとおちょくを取り出して、

 

理 「これで飲めますね♪」

 

と、言うと不比等は驚いた。書物に手を突っ込んでそこから物を取り出したのだ。それは驚くしかなかった……そして不比等は理久兎に、

 

不 「理桜君……君はまさか……」

 

不比等がそう言おうとすると、

 

理 「さぁ♪飲みましょう♪」

 

そう言いおちょこに酒を注ぎ不比等へと渡す。

 

不 「………………なぁ理桜君…君は妖怪なのか?」

 

不比等がそう言うと理久兎は、

 

理 「そうですね……多分そうじゃないですか?」

 

不 「そうか……理桜君…私は君が妖怪でも人間

   でもどちらでも構わない……ただ……1つ…

   すまなかった……君を傷つける発言をして

   しまって……」

 

不比等はおちょこを置いて頭を縁側につけて謝る。それを見た理久兎は、

 

理 「頭を上げてください…気にしてませんよ♪」

 

理久兎はそう言うと不比等は頭を上げて、

 

不 「それは助かるな……」

 

そう言い不比等は再度おちょこを手に持つ。そして理久兎は不比等に、

 

理 「不比等さん…もこちゃんが家に来ましたよ」

 

その言葉を聞いた不比等は理久兎に、

 

不 「それは……あの状態でか?」

 

蓬莱の薬を飲んだ状態かと聞かれた理久兎は頷き、

 

理 「えぇその状態でした……そして彼女

   今は都から離れましたよ……」

 

不 「そうか…親子ですまないな……」

 

理 「いえ…でも何故不比等さんもこちゃんを 

   化物扱いしたんですか?」

 

理久兎は聞きたい事を訊ねると不比等はうつ向きながら、

 

不 「怖かったのだよ………我は知っての通り

   輝夜姫の虜になってしまい妹紅をほっ

   たらかしにしてしまった‥…それを怨ん

   で化けて出たのかとそう思ってしまっ

   てな……」

 

不比等の1つ1つの言葉には謝罪の気持ちを込められていると感じた。

 

理 「もこちゃん…悲しんでましたよ…そして

   不比等さん……貴方の事を多分一番心配

   していましたよ……」

   

それを聞いた不比等は理久兎に、

 

不 「理桜君…君がもしまた妹紅に出会ったら

   伝えてくれ……すまなかったと……」

 

そう言い不比等はおちょこに入っている酒を飲み干す。

 

理 「えぇ分かりました……」

 

そう言い理久兎も酒を飲み干す飲み干した。すると不比等は立ち上がって、

 

不 「理桜君…我もそろそろ都を出るよそこで

   1からやり直す」

 

そう聞いた理久兎は笑顔で、

 

理 「そうですか……不比等さんのこれからの

   人生に幸あらんことを……」

 

不 「ありがとう……」

 

そう言い不比等は元不比等邸から出ていった。そして理久兎も、

 

理 「そろそろ帰るか……」

 

そう呟き理久兎も家に帰るのだった。そうして1人の少女が救われ1人男が再出発をするのだったが理久兎はまだこの時はわからなかった、

 

? 「ククク聞いたぞ八弦理桜貴様が妖怪と

   言うことをなぁ!」

 

ある1人の男のせいで都との別れが近づいていることに。


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