理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第142話 白玉桜で料理

理 「本当に大丈夫か?」

 

妖忌「えぇこのとおり治療はしたので」

 

自分と妖忌との試合は時間切れという形で引き分けで終わった。その後、妖忌の肩を担いで部屋まで送り妖忌の治療を手伝っていた。

 

幽 「大丈夫、妖忌?」

 

妖忌「はい問題はございません幽々子様」

 

紫 「御師匠様は……怪我してないわね?」

 

紫にそう言われた理久兎は申し訳なさそうに、

 

理 「いや本当にすみません妖忌さん……」

 

妖忌「ほっほっ気にしないで下さい理久兎殿それ

   がしも楽しかったので♪」

 

実際は本当にじゃれつく程度での試合だったが怪我させたのは申し訳ない。しかし会話をしていると

 

グゥーーーーー!!

 

誰かの腹がなる音が聞こえてくる。

 

理 (まさかルーミアが)

 

理久兎は今の腹の音を聞いてルーミアがここに来ているのかと思い周りを見渡す。すると腹の音を鳴らした本人こと、

 

幽 「お腹減ったわね♪」

 

幽々子がそう述べる。幽々子のその一言は理久兎をさらに驚かせた。

 

理 (あっあのデカイのを食べてまだ食うの

  かよ!?)

 

約30㎝の長さのカステラ+理久兎の分(5㎝)のカステラを食べてもまた腹が減ったと言えば流石の理久兎と驚いた。そして驚いている理久兎を他所に紫は若干呆れながら、

 

紫 「幽々子は本当に食べることばかりね……」

 

幽 「ふふっ♪食べれるってことは幸せなこと

   なのよ?」

 

紫 「いや限度があるでしょ……」

 

そしてその会話を聞いていた妖忌は立ち上がり幽々子に頭を下げて、

 

妖忌「幽々子様お食事の用意をして参ります」

 

そう言い妖忌は厨房に向かおうとするが、

 

理 「待った!!」

 

妖忌に「待った!」発言をすると妖忌は立ち止まり自分の顔を見て

 

妖忌「如何致しましたか理久兎殿?」

 

紫 「どうしたの御師匠様?」

 

幽 「どうしたのかしら?」

 

3人が待った発言の理由を聞くと、

 

理 「妖忌さんは今さっき腹に怪我をしましたよ

   ね?」

 

妖忌「それがどうかしましたか?」

 

理 「その体で無理しすぎでは?」

 

妖忌「……………………」

 

自分の言ったことは合っていたのか黙った。実際、妖忌は蹴受けて治療等はしたがあくまでも治療だ。まだ痛みも残っていて何とか立っている状態は筈だ。何せ実際の戦いで使うような蹴りを放ったのだから。

 

幽 「確かに…妖忌貴方まさか無理してない?」

 

妖忌「………………………………」

 

幽々子に指摘された妖忌は自分の発言と同じように黙っていた。そのため無理させて体を更に壊させる訳にはいかないため、

 

理 「そこで提案何ですが……」

 

幽 「何かしら?」(・・?

 

理 「私が料理を作りましょうか?」

 

せめてゆっくりと休んでもらいたいためそう言うと幽々子は意外そうな顔で、

 

幽 「あら……確かに面白そうね……」

 

妖忌「幽々子様、理久兎殿、私は大丈夫でござい

   ますよ」

 

そう言うが妖忌の体は悲鳴をあげている筈だ。証拠に足がピクピクと震えているのが袴ごしでも自分は分かる。だが妖忌にも仕事にプライドがあったために無理しようとしているのだろう。厨房は料理人にとって自分の城と同じなのだから。

 

理 「う~ん妖忌さんがそこまで言うならせめて

   手伝うのはダメですか?折角なので私とし

   ては妖忌さんの腕前を見てみたいのですよ

   ね……」

 

手伝うのなら良いだろう。お荷物にならないように配慮はさせてもらう。すると幽々子は自分が言った事と妖忌のプライドを尊重させてくれたのか、

 

幽 「妖忌、これは命令です。理久兎さんを

   アシスタントとして入れなさい」

 

幽々子も妖忌に無理させたくはないのかそう言うと妖忌は頭を下げて、

 

妖忌「分かりました……では理久兎殿こちらへ」

 

理 「あいよシェフ♪」

 

そう言い理久兎を厨房に案内するのだった。

 

神様、庭師、移動中……

 

妖忌に案内され理久兎は白玉桜の厨房に案内された。

 

理 「凄い俺の家より設備が整ってる!」

 

妖忌の使ってる厨房をまじまじと見ながら目を輝かせる。自宅にはない設備がそれ相応に整っていたし台所も年季を感じさせないぐらいに掃除が行き届いていた。

 

理 (この設備でしかも掃除まで整ってると妖忌

  さんの真面目さが本当に分かる)

 

こんな厨房だったり設備だったり欲しいなと思っていると、

 

妖忌「理久兎殿……申し訳ない……」

 

妖忌は突然自分に謝罪をしてきた。

 

理 「どうしたんですか?」

 

妖忌「客人である理久兎殿に手伝わせる事にな

   ってしまって……」

 

理 「いやこちらこそ…‥さっきの蹴りでこうなっ

   てしまったんですから非はこちらにありま

   すよ……」

 

妖忌「そう言って頂けると助かります……」

 

理 「でもとりあえずは料理を作りましょう」

 

妖忌「そうですな……」

 

理 「因みに何人前ですか?」

 

大方は4人前ぐらいだろうと思っていたが念のためにと妖忌に聞くとまさかの驚きの答えが返ってきた。

 

妖忌「60人前ぐらいですかな?」

 

理 「60人前ですね分かり……えっ?!」

 

あまりの量に理久兎は驚きの声をあげてしまった。妖忌、以外にも何人か従者がいるのだろうか。

 

理 「えっえ~と割合って……」

 

そう訊ねると妖忌は人数の割合を答えてくれる。

 

妖忌「理久兎殿に紫殿そして私が1人前そして

   幽々子様が残りの量です……」

 

幽々子がまさかの大食漢だとこの時にようやく分かった。だがそれを聞いて流石の理久兎も唖然した。

 

理  (;゚Д゚)

 

ルーミアですら食べても20人前位だというのに幽々子の場合はそれの約3~4倍もの量を食べると聞けば唖然もするだろう。そして自分の唖然した顔を見たのか妖忌は、

 

妖忌「驚きましたかな?」

 

理 「えぇとても驚きました……妖忌さんは

   いつもこの量を?」

 

妖忌「はい何時も作っておりますよ」

 

それを聞いて理久兎は心の中で妖忌の事を尊敬してしまう。

 

妖忌「さてとでは作りますかな理久兎殿?」

 

妖忌はそう言いつつ包丁を手に取ると、

 

理 「あっそうだ!こんな時にこそ……」

 

妖忌「どうかしましたか?」

 

ある事が閃き声に出すと妖忌はどうしたのかを聞いてきたがすぐに、

 

理 「仙術十四式六面神造(ろくめんじんそう)!」

 

妖忌「なんとっ!!」

 

妖忌はそれを見て驚きの声をあげてしまった。その妖忌が見たものとは、

 

理1「さて始めましょうか」

 

理2「60人前とかきついな……」

 

理3「まずは何から始めるかな?」

 

理4「う~んメニューは……」

 

理5「調理器具を出さないと」

 

理6「妖忌さんどこからやりますか?」

 

信じられないことかもしれないが目の前に理久兎が6人いる。この技、仙術十四式六面神造は簡単に言うと今使える理久兎の(霊力)(妖力)(魔力)(神力)を6等分にして分裂する技だ。ハッキリ言うと今の理久兎では自身が弱体化するだけだが自身を縛っている(ことわり)を放棄すれば大変なことになる。例で言うと某RPGゲームのドラ(ピー)エ7で例えるとレベル99のゴットハンドを6人相手にするようなものだ。

 

妖忌「りっ理久兎殿……また凄い妖術を……」

 

理1「まぁうんそうですね……」

 

理2「とりあえずシェフ指示を頼むよ」

 

理3「お願いします妖忌さん」

 

理4「さてとメニューは和、中、洋どれ?」

 

理5「こっちの調理器具は全部出したよ!」

 

理6「さてとどこからやればいいですか?」

 

妖忌「おっと失礼…では指示を出します

 

それを聞いたその場にいる自分達は、

 

理 「ウィシェフ!」

 

と、返事と共に妖忌の指示のもと料理が作られるのだった。そうして数時間が経過する。

 

幽 「楽しみね紫の御師匠様の料理♪」

 

紫 「期待してて良いですわよ♪驚く程美味しい

   から♪」

 

紫と幽々子は楽しく会話をしていると襖が開き妖忌が手と足をつけて、

 

妖忌「幽々子様昼食の準備が整いました」m(._.)m

 

幽 「あら?今回は早いわね♪」

 

紫 「御師匠様1人がいただけでそんなに変わ

   るかしら?」

 

紫と幽々子がそう言うと妖忌は少し考えて困った顔で、

 

妖忌「えっえぇとっとてもはかどりました」

 

幽 「何でそんなに困った顔なのかしら?」

 

紫 「何かやっりましたわね御師匠様……」

 

そんな事を思っていると、

 

理 「妖忌さんもう運んでいいかい?」

 

運んで良いかと聞くと、

 

妖忌「構いませんぞ理久兎殿!」

 

妖忌がそう言うと辺りに鼻孔をつく良い香りが広がる。

 

幽 「凄く良い香り♪」

 

紫 「本当ね♪」

 

妖忌(幽々子様も絶対に驚きになる……)

 

そして理久兎が料理を運んで来くるが……

 

理1「はいよお待ちどおさんね」

 

理2「どんどん食べてね♪」

 

理3「お~い残りも早く持ってこい!!」

 

理4「分かってるって!」

 

理5「早く行けよ!」

 

理6「しかしこんだけ作ることになるとはな」

 

理久兎6人が料理を運んで来るとそれを見た紫と幽々子は……

 

幽 「えっ……えっ!?」

 

紫 「おっ御師匠様が……いっいっぱい!?」

 

妖忌「やはり驚きになられましたか……」

 

これを見た紫と幽々子はあまりの光景に目を疑った何せさっきまで1人だったのが今では6人に増えているからだ……

 

理1「どうしたそんな顔して?」

 

理2「多分これ見て驚いてるな」

 

理3「あちゃ~」

 

理4「なぁとりあえず戻らない?」

 

理5「意義なし」

 

理6「賛成だな……」

 

理久兎達がそう言うと6人の理久兎が一点に集まり1つの理久兎となる。

 

理 「これで問題はないかな?」

 

紫 「御師匠様、今のって……」

 

幽 「凄い妖術……」

 

理 「ハハハまぁねとりあえず食べない?」

 

幽 「そっそれもそうね……食べましょう♪」

 

紫 「また色々と料理を作って来ましたね……」

 

妖忌「私も驚きましたここまで丁寧に料理が

   出来るとは……」

 

今並べられている料理は妖忌さんの希望によって和食となったが数が多いため語るのが難しい……

 

理 「さてとじゃ~いただこうか♪」

 

紫 「そうねいただきます」

 

幽 「いっただっきま~す♪」

 

妖忌「いただきます……」

 

そうして全員で昼食をとると、

 

幽 「美味しい!!」(*´∀`*)

 

幽々子が美味しいの一声を上げた。

 

紫 「量が増えても御師匠様の料理は

   美味しいわ♪」

 

妖忌「理久兎殿は中々の腕の持ち主のようで」

 

理 「いやいや妖忌さんのチェックが

   厳しいからこそですよ♪」

 

そんな会話をしながら食事会すること数時間後……

 

理 「あんだけの量を1人で……」

 

幽々子の前に置かれている皿の数を見て理久兎はただ驚くしかなかった……

すると幽々子は、

 

幽 「理久兎さん美味しい料理をありがとう

   ございました♪」

 

満足した顔で理久兎にお礼を言う。

 

理 「いや~あれだけ食べてくれると

   作った俺としても嬉しいね……」

 

幽 「フフ♪」

 

そうして更に会話をすること数時間後……

 

理 「紫、今何時?」

 

紫に時間について聞くと紫は今の時刻を答える。

 

紫 「え~と5時ね……」

 

それを聞きもうすぐ夕飯で亜狛と耶狛に晩飯を作らないといけないため帰ることを考えた。

 

理 「マジかならそろそろお暇かな?」

 

幽 「あらもう帰るの?」

 

理 「えぇ従者に晩飯を作らないといけないもで」

 

妖忌「主が従者に料理を振る舞うとは……」

 

それを聞いた妖忌は驚いた。従者が料理を主に振る舞うというのが普通なのだが理久兎の場合はその逆だったということだからだ……

 

理 「えぇいつも作ってますので♪」

 

幽 「フフ♪やっぱり紫の御師匠様は

   面白いわ♪」

 

理 「ではそろそろ行きますね

   紫スキマを頼むよ」

 

紫 「分かったわ♪」

 

そう言われた紫はスキマを開く。

 

理 「それではまた会いましょう」

 

そう言うと理久兎はスキマに入っていった。

 

紫 「それじゃあね幽々子♪」( ´∀`)/~~

 

そう言いながら紫は手を振る

 

幽 「えぇまたいつか♪」

 

幽々子がそう言うと紫もスキマに入りスキマは消滅した。

 

妖忌「さてと皿を洗いますかな……」

 

幽 「大丈夫、妖忌?」

 

幽々子にそう言われた妖忌は、

 

妖忌「えぇ問題ございません大分楽に

   なりましたので……では」

 

そう言い妖忌は皿を片付け始める。

 

幽 「フフ♪楽しかった♪」

 

そうして幽々子達も元の生活に戻っていった。そしめスキマから帰ってきた理久兎は直ぐに晩飯の支度に取りかかるのだった。


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