理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第145話 弟子と師匠

理 「なっ何とか書き…終わった……」

 

ようやく封印術式を完成させることに成功させた。作るにあたっては貧血になり従者に詰め寄られたりと色々あったが何とか完成することが出来た。そして西行妖が満開になるまで残り3日となっていた。

 

理 「あぁヤバイ……目がクラクラする……」

 

もう理久兎の体力も血液の量も限界に達しているのかふらふらするし目も回ってきた。すると、

 

紫 「御師匠様……入ってもよろしいですか?」

 

部屋の外から紫の声が聞こえてくる。

 

理 「あぁ……いいぞ……」

 

理久兎がそう言うと襖が開かれ紫の顔が現れる。

 

紫 「御師匠様、夕食が……御師匠様!」

 

紫が理久兎の顔を見ると亜狛と耶狛のように驚きの反応を示した。それもその筈。今の自分の顔は、

 

理 「おっ……おっす……」

 

死人のように真っ青になっているのだから。約3日間部屋に籠りっきりで特製(血液入り)の墨が無くなる度に自身の腕を斬っては止血、斬っては止血を繰り返して左腕が切り傷と火傷だらけと見ていて醜い腕となり更にそれを隠すために包帯を巻くから左腕はもやは怪我人の腕になっていた。もう血液は結構な量を失ってもはなや貧血の度を越えていた。

 

紫 「御師匠様!大丈夫ですか!」

 

そう言って紫は自分に駆け寄る。弟子を心配させたくはないがため、

 

理 「あぁ大丈夫だ……問題ない……」

 

紫 「問題なくはないわ!すぐに横になって!」

 

理 「いやだから大丈……」

 

紫 「いいから横になりなさい!」

 

理 「わかったよ……」

 

そう言うと理久兎は敷いてある布団に入り横になる。

 

紫 「御師匠様…教えて下さい一体どうして

   こんなことに……」

 

理 「………紫、その机にある物を取りなさい」

 

紫 「……………………」

 

紫は黙って言われた机を見ると折り畳まれた1枚の紙がそこには置いてあるのを確認した。そしてそれを手に取り、

 

紫 「御師匠様これは?」

 

理 「それは対西行妖用の封印術式を閉じた

   紙だ……」

 

それを聞いた紫は驚いたのか目が点になっていた。これで幽々子を救えるという喜びもあったのだろうが自分に無理をさせてしまったいう罪悪感も顔から出ていた。

 

紫 「御師匠様…そんな無理をしてまで……」

 

理 「アハハ……紫にとって幽々子ちゃんは

   友達なんでしょ?」

 

紫 「えぇ……友達というより親友かしらね」

 

親友か。まさか弟子からそんな言葉が聞ける時が来るとは思いもしなかった。

 

理 「そうか……紫、俺はな……紫に友達が出来

   たって聞いた時すごく嬉しかったよ」

 

紫 「え……」

 

理 「今までは俺が殴り合ったりして出来た友

   や夢を共有し合って出来た友達と友達に

   なってばかりだったけど………自分自身か

   ら胸をはって友達が出来たと言われた時

   は本当に嬉しかったんだよ?」

 

紫 「御師匠様……」

 

理 「だから紫にとって自分自身から歩んで出来

   た初の友…親友である幽々子ちゃんをどう

   しても救いたかたっんだよ…」

 

紫 「御師匠…様」

   

それを聞いて紫の目からは涙が溢れ落ち自分の服に滲んでいく。本当に昔から泣き虫なんだから。

 

理 「泣くなよ……」

 

何とか若干動く右手で紫の頬優しくを触るとその手を握って、

 

紫 「御師匠様…もう無理するのは止めて

   下さい……」

 

理 「そう…だな…考えてはおくよ」

 

妖忌「理久兎殿……」

 

突然声がしたためその方向を向くと妖忌が顔を出してきた。

 

理 「妖忌さん……聴いてました?」

 

そう言いながら理久兎は紫の頬を触れるのを止めて布団に腕を入れながら聞くと妖忌は頷き話を進める。

 

妖忌「幽々子様のためにそこまでしていただい

   て本当にかたじけない」

 

理 「気にしなくていいよ…俺の自己満足だし」

 

妖忌「いやそう言うわけには……」

 

紫 「妖忌さん……夕食を…御師匠様の夕食を

   ここに持ってきて貰えるかしら?」

 

理 「紫?」

 

妖忌「勿論ですとも……」

 

そう言うと妖忌は厨房に向かって行った。

 

紫 「御師匠様せめて今はゆっくり休んで下さい」

 

理 「あぁそうするよ……」

 

妖忌「紫殿……持って参りました」

 

そう言いながら妖忌は夕食を理久兎の近くに置く。妖忌の作ったメニューは、炊き込みご飯、味噌汁、イワナの塩焼き、

菜の花の唐揚げと意外にも春らしい料理だった。

 

紫 「ありがとう妖忌さん…もう行っていいわ♪」

 

妖忌「すみません……ではこれにて」

 

妖忌は頭を下げて部屋から出ていった。

 

紫 「さてと御師匠様、お口を開けてください」

 

紫は箸で炊き込みご飯を持って理久兎の口に近づける。

 

理 「いやいや……何故そうなる?」

 

紫 「いいから食べなさい!」

 

理 「えとそれじゃ…いただきます……」

 

そうして理久兎は紫に食べ物を口に運んでもらいながら夕食を終えた……

 

紫 「……御師匠様、その顔のわりにはよく食べ

   たわね……」

 

理 「残すのも悪いからな……」

 

理久兎は妖忌が作った料理を見事完食をした。それにこんな状態になったからには少しでも多く食べて体力を回復させたい。

 

紫 「御師匠様、私はこれを片付けに行って

   きますわ……」

 

そう言うと紫は理久兎の食べた食器などを片付けてそれを持って外に出ようとすると、

 

理 「紫、俺は大丈夫だから幽々子の所に行って

   あげなさい……」

 

理久兎がそう言うと紫は、

 

紫 「それは出来ないわ今の御師匠様を放って

   おいたらまた無理するもの!」

 

理 「いや大丈夫だよ、暫くは俺も動けないしね」

 

紫 「……いえやっぱりまた来るわ」

 

そう言うと紫は食器を持って部屋から出ていった。

 

理 「やれやれ強情な子だな誰に似たんだが……」

 

呟きながら天井の染みを数えつつ、

 

理 「本当に強情な子だよ……」

 

そう言いながらまた睡眠を取ることにしたのだった。そして翌朝、

 

理 「うっう~ん……」

 

意識が覚醒し出すと体が重いことに気づき自分の体を見てみると、

 

紫 「スゥーZzzスゥーZzz」

 

紫が自分の布団の上に突っ伏して寝ていた。

 

理 (まったく……起こさないように……)

 

理久兎は紫が起きないようにそっと布団から出る。

 

理 「断罪神書の確か…ここだな……」

 

理久兎は断罪神書を広げて自身の上着もとい永琳から貰ったコートを寝ている紫に毛布がわりにかける。

 

紫 「うっうぅ~―」

 

理 「ありがとうな……」

 

そう言って紫の頭を撫でて理久兎は久々に部屋の外に出る。

 

理 「そうだ幽々子ちゃんを見てくるか……」

 

気力を振り絞って未だに寝ているだろう幽々子を覗きに行く事にした。

 

理 (幽々子ちゃんは大丈夫かな……)

 

そう考えて理久兎は幽々子のいる部屋を覗くと、

 

理 「あれ?誰もいない……」

 

そこには幽々子はおろか誰もいなかった。幽々子が寝ていたであろう布団を触ると暖かった。

 

理 「まだ暖かい……まさか……!」

 

カタン!

 

すぐさま障子を開けて外を見るとそこには、

 

亜狛「うぅぅん!!」

 

耶狛「うぅーんぅうーん!!」

 

亜狛と耶狛が地面から伸びる植物の蔦の様なもので体と口をを拘束された亜狛と耶狛の姿と、

 

妖忌「うっ………………」

 

桜観剣と白桜剣を地面に刺して倒れ伏している妖忌そして、

 

幽 「………………」

 

チャキ!

 

ナイフを自分に刺そうとする幽々子の姿があった。

 

理 「なっ!止せ~ー!!!」

 

理久兎は仙術瞬雷で幽々子に近づくが時は既に遅く、

 

ザクッ!!

 

幽々子は自分の胸にナイフを刺したのだった。


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