さっそくですみませんが読者様は万里の長城はご存知であろうか?そう中国の始皇帝が作ったとされる中国の観光地でもある有名場所。そしてこんな噂はご存知であろうか?万里の長城の下には万里の長城を作ったとされる労働者や奴隷の死体が埋まっているという裏の噂を。そして現在、理久兎は今亜狛と耶狛の能力を使ってその一部の場所に来ていた。
理 「着いたな……」
亜狛「でもマスター何で唐の国ですか?」
耶狛「そうだよ!すぐに紫ちゃんを助けないと
いけないじゃん!」
そう今現在進行形で理久兎の弟子である紫が、死ぬかもしれないのだ。だがそんな情況で何故理久兎が万里の長城に来たのか……
理 「お前らは月の民達の兵力を見たことは
あるか?」
理久兎に聞かれた亜狛と耶狛は、
亜狛「いえ見たことはありません」
耶狛「私も無いよマスター」
2人がそう答えるがそれは当たり前だ。何せ今から遥か昔なため見れるわけではない。
理 「月の民の一般兵士は1人いれば下級妖怪
辺りなら3匹程必要だった……」
亜狛「だった?」
亜狛が理久兎の言ったことに疑問を持ちそれを聞く。
理 「あぁ今の彼らは月の民達は穢れの無き世
界月に住んでいるそれが意味するのは‥‥」
亜狛「不老不死に近い生命力……ですよね?」
理 「そのとおりだ……そして本来なら俺1人で
紫達を助けれる筈だった……」
耶狛「それってマスターの寿命が近づいて
来ているから?」
理 「あぁそうだ今の俺だと殺られてしまうかも
しれないだからこそここに来たんだ……」
耶狛「えっマスターそれって……」
耶狛がそう言うと自分は屈んで手を地面に付ける。そして自身を霊力を放出し、
理 「仙術十七式
そう言い放出している霊力を地面に送り込む。
亜狛「マスター今のって……」
耶狛「いったい何をしたの?」
2人が理久兎に聞くと理久兎はそれについて笑顔で答える。
理 「1人で無理なら大勢でってことだよ♪」
理久兎が亜狛と耶狛にそう伝えると彼方此方の地面が盛り上がっていく。そしてその地面から、
ザバっ!!ザバッ!
? 「アァウガァ………………」
? 「ウゥ…………」
? 「……ウーウー…………」
と、無数の人間?が沢山現れる。たがその人間達は明らかにおかしすぎていた。その人間達の皮膚どころか肉は腐っていて中には体の一部が抜けている者や腕が無い者もいるそして更に辺りいちめんが腐乱臭に包まれる。そしてその人間?達は顔色も悪く声も生きている人間のような声ではない現代で言うとこいつらはわ
亜狛「なっ……
耶狛「お鼻が曲がりしょう……くちゃいよ…」
理 「亜狛と耶狛に説明しておくよこいつらに
は俺の神霊を神降ろしさせたそしてこい
つらの特徴は……」
そう現代で言うと動く死体またの名をゾンビだ。理久兎のしたことは、死者への冒涜とも言ってもいい技だ。その名を仙術十七式骸ノ唄、この技は動かなくなってしまった死体に理久兎の神霊を憑依いやむしろ強制的に神降ろし状態にさせる技だ。神霊は神の分身と言っても過言ではないが、神降ろしするにはそれを住まわせる器が必要だったりと色々と条件は面倒だがこれをうまく使えればどうなるか、
理 「もう死んでいるってことだよ♪」
亜狛「そういうことか……」
耶狛「どういうことなにょお兄ちゃん……」
耶狛は腐乱臭のあまりの臭さに鼻を摘まみながら聞くと、
亜狛「つまり今いる動く死体達はもう死んでい
るんだだからもうこれ以上は死なないっ
てことだよ………確かにこれなら不死に近
い生命力を持った月の民達に最適って事
ですね……」
理 「そう言うことだ♪」
そうこの死体達はもう死んでいる。だからこれ以上は死ぬこともないということだ……もっと分かりやすくいうと某シューティングホラーゲームのバ
理 「亜狛!耶狛!すぐに月へ繋げろ!」
亜狛「大きさは…言うまでもないですよね」
耶狛「くちゃいから嫌なのになぁ……」
そう言いながら亜狛と耶狛は月へと空間を繋げる。
理 「そうだ正体を隠すために……」
そう言いながら理久兎は断罪神書から狐のお面を取り出してそれを顔に着ける。月の民達に正体をばらしたくないからだ。
亜狛「マスターもう行けます!」
耶狛「こっちも大丈夫だよ!」
理 「なら行くぞ!あのバカ弟子を救いに!」
死体「オォーー……」
死体「ヴウ……」
死体「アァ……」
理久兎の言葉と共に亜狛と耶狛とで展開した巨大な裂け目に死体達自ら入っていく。そんな光景を見ていた理久兎達の感想は、
理 「こう見るとシュールな光景だな……」
よろよろとゆっくり入っていくため本当にシュール過ぎて困る。
亜狛「……本当ですね」
耶狛「くちゃいよ~ー!!」(>д<*)
そんなこんなで理久兎達は月へと向かうのだった。一方月ではあの後の戦いから数時間が経過した。
力 「おりゃ~ー!!」
シューーーン!!
力は美須々へと大剣を振りかざすが美須々はその大剣を、
美 「甘いぞ小僧!」
ガン!!
美須々は自身の腕に着いている両腕の枷を使いその大剣の降り下ろす攻撃を防ぐが、
力 「甘いのはお前の方だぜ!!」
美 「なっ!!」
力は防がれた大剣の柄を即座に離して美須々へと接近し自身のその拳を美須々の腹へと当てる。その拳は美須々のあばら骨を抉りそして、
ゴキ!ゴキ!
美 「うぐっ!!」
そのあばら骨を折っていくが美須々もただ殺られる訳ではない。
美 「こいつが!!」
そう言いい美須々はその大剣を弾き飛ばし力へと拳は振るうが、
力 「けっ!昔やられたことがこうやって役に
立つとはな!」
ダス!!!
美 「がはっ!!」
力が何をしたのかは美須々の脚の膝関節に蹴りを入れて美須々の体幹を狂わせて攻撃を外させた。
美 「ちっ!」
ダッ!!
美須々も流石に不味いと思ったのか後ろへとバックステップをとって下がる。
美 「中々やるな……」
力 「おいおい大丈夫か?お前の膝笑ってるぞ?」
美 「余裕をこけるのも今のうちということを
教えてやろう小僧!!」
そう言い美須々は力を解放しようとするが、
萃香「うが~ー!!!」
美 「なっ!!…萃香!!」
萃香の叫びが聞こえ美須々は萃香を見ると力よりも大きな大男がその刀で腕を押さえ膝まづいている萃香の首を落とそうとしていた。
美 「くっ萃香!!」
美須々は今ある体力を振り絞って萃香に向かって体当たりをしの萃香をその大男からの攻撃から守るが、
ザグ!
美 「がぁ~ー!!」
代わりに美須々がその攻撃をくらい右鎖骨にその刀を受ける。
? 「ほう……代わりに受けるか……」
ザシュ!
そう言うと大男は美須々の右鎖骨から剣を引き抜く。
美 「グガァーー!!」
そしてそれを見ていた力は美須々に少し感心しながら、
力 「おいおい細愛親王のおっさんの一撃を受け
に行くとかとんだ命知らずだな………」
そう言いながら力は美須々によって弾かれた大剣を拾って美須々へと近寄る。
力 「よっおっさんそっちは片付いたか?」
細愛「ふん!そっちは終わったのか?」
力 「あぁ後はこの穢れに止めをさせば大丈夫
だな」
細愛「そうかならば我は他の穢れを狩るここは
任せるぞ」
そう言い細愛親王はそこから離れ他の妖怪を狩りに行く。
美 「ぐっ!!力が入らね……」
萃香「ごめ…ん……美須々様………」
力 「そんじゃあばよ!」
そう言って力は美須々に大剣を降り下ろそうとすると、
幸 「うわーー!!!」
ドン!!
力 「がふっ!?」
力に向かって幸が飛んできたのだ。そして力に幸を投げた人物が現れ、
勇儀「萃香!美須々様!」
そう言い勇義はすぐに美須々と萃香を持ち上げてダッシュでその場から後退する。
力 「やろう!!おい幸!」
幸 「悪い!あの角女いきなし俺をつかんで
投げ飛ばしやがるもんだから!」
力 「そんなことより追うぞ!」
幸 「わかってるよ!!」
そうして2人は美須々と萃香を運んでいる勇義を追いかける。そして風雅の方は、
風 「そこ!」
バン!!バン!!バン!!
風雅は飛びながら持ち前の射撃術で御花を狙うが、
キン!キン!キン!
御花「そんなもの当たりません!!」
御花はその持ち前の洞察力で風雅の撃った弾丸の位置を把握しそれを全て刀で弾いた。
風雅「全て弾くかならば!」
そう言い風雅はもう片方で持っている方天画戟で御花に向かって突進をするが、
御花「すぅ~ふぅ~…………」
御花は静かに目を閉じ深呼吸をしつつ刀を鞘に収めて構える。
風雅「挑まぬなら我が行くぞ!」
風雅は構わず御花に突進をする。そして風雅が後少しの距離まで来ると同時に
御花「はっ!!」
御花は刀を鞘から引き抜いて自分へと突撃する風雅に抜刀術の1つである居合斬りを当てるが、
風雅「ぐっ!!」
バキン!!
風雅は何とかもう片方の手で持っている河童式改造火縄銃で御花の居合斬りを防ぐが銃はその一撃には耐えられず壊れてしまう。
御花「攻撃を防がれた!」
だが風雅も今ので軌道を反らされたために御花への攻撃に失敗し月の地面へと着地をする。
風雅「まさか銃が壊されるとは……」
そう言いながらお互い目と目で向き合うと、
勇儀「しつこい奴等だ!!」
幸 「逃がすか!!」
力 「待ちやがれ!!」
風雅「あれは勇義殿?それに勇義殿が担いでいる
のは………美須々殿!それに萃香殿!まさか
美須々殿がやられたのか!!
御花「貴女!私を無視しないでくれますか!!」
御花は余所見をしている風雅に斬りかかるが、
キン!!
御花「っ!刀が……」
風雅は方天画戟で一閃し御花の刀を弾き飛ばす。
風雅「悪いが娘!我は用事が出来たのでな!」
そう言い風雅は勇義が走っていった方角に向かって飛び出した。
御花「あの鳥女!!」
そう言うと御花は弾かれ月の地面に刺さった刀を引き抜いて風雅を追いかける。
風雅「勇義殿!まさか美須々殿が!」
勇儀「いや!まだ生きてる!だが後ろの追っ手が
しつこいんだ!てか何で増えるんだ!」
そして追っ手の3人は、
力 「御花!何でてめぇがここに?」
御花「私はあの鳥女に用があるのよ!!」
幸 「言われて見ると増えてるし……」
と、言いながら3人は風雅達を追ってきている。
風雅「ならば!」
そう言い風雅は力達の方を向き手を翳すと、
風雅「そらっ!!」
風雅がかざした手を握って閉じたその瞬間、
力 「なっ!体が急に……!!」
幸 「おっ重い……」
御花「あの妖怪能力持ち……!」
風雅「これで少しは稼げる勇義殿!美須々殿を
こちらに」
勇儀「すまない!」
そう言い勇義は美須々を風雅に渡し風雅は美須々を背負う。
風雅「早くいきましょう!」
勇儀「あぁ!!」
そうして勇義達は紫達のいる方まで後退するそして別の場所のゲンガイ達のところでは……
ゲン「さぁ皆よ!後少しだ!!あの月の兵士達を
倒すよ!!」
妖怪「行け行け!!!」
妖怪「捻り潰してやるよ!!」
そしてもう一方の月の兵士達の大将の蒼は冷静に対処をしていた。
蒼 「皆!がんばってくれ!!我らが都を守る
ために!」
月兵「そうだ!!俺らの都を守るんだ!!」
月兵「負けてられるか!」
こちらは総力戦となっていて妖怪軍が優位にたってはいた。するとゲンガイの耳元に1人の河童が現れ、
河童「ゲンガイさん大変です!美須々様と萃香様
がやられました!」
ゲン「なっ嘘だろ!あのお方達がやられるわけ!」
ゲンガイ達のその会話を聞いていた妖怪達はざわめき馴染めた。
妖怪「嘘だろ美須々様がやれただと」
妖怪「あの美須々さまに限って!」
と、そんな会話が広がっていき妖怪達は動揺を隠しきれなかった。そして蒼はそんな状態になりつつある妖怪達を見逃さなかった。
蒼 「何か分からないけどこれは好機だ皆!
攻めるなら今だ!押しきれ!!」
月兵「オォーー!!!」
月兵「今度は俺らの戦いだ!!」
蒼のその言葉で月の兵士達の士気が上がり妖怪達は押されていく。
ゲン「怯むな!!押しきれ!!」
ゲンガイはそう言うがついに限界が来てしまった。
妖怪「もう無理だ!!」
妖怪「ここから退くぞ!!」
そう言い妖怪達は次々と後退していく。
ゲン「くっ仕方ない撤退だ!!」
その一言によって妖怪達は撤退していく。
蒼 「逃がすな!穢れをここで根絶するんだ!!」
月兵「やってやる!!」
月兵「全ては我らが民のために!」
そうして月の兵士達は妖怪達を追いかけていくのだった。
そして紫と幽々子の2人は、
紫 「ようやく結界が解除できたわね」
幽 「後は攻めるのみね……」
そう会話をしていると勇儀に風雅そしてゲンガイが大急ぎで来ると、
勇儀「ぐっ紫!美須々様と萃香がやられた!」
風雅「こちらも無理だ!!」
ゲン「紫さん!こっちも美須々様に萃香様が
やられたことで士気が下がって皆恐怖
のあまりに退いています!!」
紫 「何ですって………!」
そう言われた紫は周りを見渡すと妖怪達が次々に退いていた。指揮をする妖怪達である美須々、風雅、ゲンガイの3人が抜けたことによって皆、統率力をなくし逃げていた。
幽 「紫、これは不味いんじゃ……」
紫 「仕方ないわ!」
そう言い紫は後ろを向いてここに来る時に使ったスキマを開く。
紫 「これで皆避難できるわすぐに!」
そう言っていると紫の開いたスキマがどんどん閉じていく。
紫 「なっ!くぅっ!!!」
紫は自身の妖力を更に使って何とかスキマを広げようとするがスキマは閉じられた。
紫 「なっ!スキマが!!」
すると今度は紫達の目の前に3人の男女が現れる。その内の男性が話し出す
仲瀬「愚かなる穢れ共よ!お前らただで帰れると
思ってはいないだろうな!」
と、言うと今度は帽子を被った女性もとい豊姫は笑いながら紫達に扇子を向けて、
豊姫「フフ…残念だけど貴女が使ったその方法は
閉じさせて貰ったわ♪」
紫 「嘘でしょ……」
紫は絶望した……自分達は月の兵士達を甘くみすぎていたことに、理久兎が昔に話した通り月に戦いを挑まなければよかったと心の底から後悔をした。そして今度は髪を後ろに結んだ女性の依姫はその手に持つ刀を掲げて、
依姫「穢れし者共よ!ここで無惨に消えて無く
なりなさい!」
幽 「紫…どうしましょう?」
紫 「これが本当の危機と言うことね……」
風雅「帰ることが出来ないのか……」
勇儀「早く帰らないと美須々様が!」
ゲン「紫さん!他の月の兵士達が!」
ゲンガイにそう言われた紫達妖怪の周りには月の兵士達が集まり妖怪達を追い詰めていた。
紫 「御師匠様……申し訳ございません……」
紫は絶望し両膝をついて戦意すら感じなくなり満身創痍となってしまった。
依ひめ「さぁここで死になさい!」
そう言い依姫ははその刀で紫へと斬りかかる。
紫 「あぁ私の命もここまでなのね御師匠様に
会いたいな……」
紫はもう諦めかけたその時だった。
ガキン!!
金属と金属がぶつかる音がし紫は瞑った目を再度開く。そこには自分がいつも見てきた背中でありここにいる筈のない背中が写った。
依姫「貴様!何者だ!!」
理 「悪いが………馬鹿弟子をここで死なせる
訳には行かないんでね!」
そうその目の前にいたのは自分の師匠である理久兎だった。