紫も含めて全ての妖怪達は驚いているを見る。この計画を話てはいない筈なのに自分がここにいた事に驚いているみたいだ。
依姫「貴様は何者だ!!」
刀と刀とでつばぜり合い状態で依姫は聞いてくる。昔よりも凛々しくなったなと思うが紫を叱らなければという事を思いだしながら声を荒げて、
理 「俺はこいつらの親玉だ!」
キンッ!
そう言うと理久兎は依姫の刀を弾いて、
理 「亜狛!耶狛!」
理久兎がそう言うと亜狛と耶狛が裂け目を経由して現れる。
亜狛「マスター!」
耶狛「お待たせ!」
紫 「亜狛、耶狛……」
理 「奴等を出せ!」
理久兎にそう言われた亜狛と耶狛は
亜狛「了解しました!」
耶狛「はぁ~鬱になりそう……」
そう言い亜狛と耶狛は裂け目を展開すると、
死体「オォ……」
死体「アァガ…………」
死体「ガカォ……」
何を言っているか分からない無数の動く死体達がその裂け目から現れる。これを目前とした皆は目を点にする。
紫 「なに……あれ……」
風雅「人間ではない……」
ゲン「見たことねぇよ……」
勇儀「あれはいったい何なんだよ……」
幽 「動く死体……」
と、妖怪達が驚いていたがそんなのを無視して動く死体達に指示を出す。
理 「全軍突撃せよ!!死ぬ気でやれ!!」
動く死体達に命令を下す。すると動く死体達は腕を掲げながら、
死体「ウガァーーー!!!」
死体「グガァーーーー!!」
死体「ギャラカェーー!!!」
最早断末魔の悲鳴に近い雄叫びを上げて月の兵士達に向かって走り出した。そしてそれに対応できていない月の兵士達は、
月兵「なっ何なんだよ!!」
月兵「このやろう!!」
ザシュ!
月の兵士が動く死体の心臓に向かって刀を突き刺すが、
死体「うが~ー!!」
そんなのを関係ないと言わんばかりに再度襲い掛かる。
月兵「ギャアーー!!」
月兵「くっ来るな!!」
あまりにも恐ろしい見た目なのかそれとも腐乱臭のせいか月の兵士達は皆逃げ惑っていた。
依姫「なっ!御姉様すぐに対処しないと!」
豊姫「仕方ないわね……仲瀬さんも来てください」
仲せ「わかりました!」
そう言い3人は理久兎が放った動く死体達の対処へと向かう。
それを見た紫は、
紫 「凄いでさわこれなら月の兵士達も………」
このバカ弟子はまだ反省できていないようだ。そこから先を言おうとする前に紫の顔の前へと近づき、
バチン!!
全員「なっ!!」
紫 「へっ……御師匠…様…?」
紫の頬にビンタをした。そしてお面で自分の顔は分からないかもしれないが
理 「この大馬鹿者が!紫お前にも言った筈だ
月の兵士達だけは戦いを挑むなと!」
紫 「えっ…それは…その……」
理 「お前が何したのか周りを見てみろ!」
そう言われた紫は周りを見渡し状況を見る。疲弊しきった者、怪我で苦しんでいる者、仲間を失った者そこにはそれだけの妖怪達がいた。
紫 「……………………」
理 「お前ら妖怪達は地上に帰れ………これは
命令だ!」
紫 「しかし私の能力は!」
そう言いわれ大方紫の能力を潰してきたのだろう。それならばと思い亜狛と耶狛に指示を出す。
理 「亜狛!耶狛!今のうちにここにいる妖怪
達全員をすぐに地上へ送れ!」
亜狛「了解です!」
耶狛「わっかりました!」
その一言と共に動く死体達がやって来た裂け目は閉じられ代わりに紫達の前に巨大な裂け目が展開された。そしてその裂け目の景色は地上の景色だ。
理 「てめぇらはさっさと帰れ!」
理久兎がそう言うと妖怪達は、
勇儀「全員!すぐに入れ!!」
風雅「もたもたするな!」
ゲン「総大将達のご意向に従え!!」
その一言によって妖怪達はざわめきそして、
妖怪「逃げるぞ!!」
妖怪「こんなところにいたら死んじまう!」
鬼 「早く帰って美須々様達の手当てを!」
天狗「急げ!!」
河童「くっそう!!」
妖怪達は続々と裂け目へと入っていく。
理 「紫……」
紫 「御師匠様………」
理 「お前も含めてこれに関与した首謀者を全員
天狗の広場に集めさせろ………そこでお前ら
に罰を与える」
そう言われた紫はうつむきながら悲しそうに、
紫 「わかったわ……」
そう言い亜狛と耶狛が作った裂け目へと入っていった。だがそれをよしとしない連中がいるのを忘れてはいけない。
依姫「くっこの死体達倒しても倒しても蘇って
くる!」
仲瀬「何なんだこいつら!!」
依姫と仲瀬が言っていると豊姫はあることに気がついたのか、
豊 「でもさっきからあの死体達、兵士達や
私達に
その豊姫の発言に依姫達は気づいてしまった。そうこれは理久兎の得意中の策の1つの陽動だということに、
依姫「まさか!」
依姫が妖怪達の方を向くと、妖怪達全員が裂け目へと入っていること目撃してしまう。
依姫「やられたわこれは陽動よ!」
仲瀬「陽動!?」
依姫「証拠に………」
依姫は剣を月の大地に刺してただ立つと目の前にいる動く死体は、
死体「あっ……あぁ?」
格好の獲物なのに襲いもしないのだから。
豊姫「てことはじゃ……」
仲瀬「これは……無視するべきもの!!」
依姫「御姉様!すぐにあの裂け目を消せますか!」
豊姫「まってね……あら?何でかしら操作出来ない
わ……」
依姫「なっ……御姉様にでもできないなんて……」
依姫がそう言っている中で、
死体「グガァーー!!」
月兵「くっ来るな!!」
動く死体達が未だに月の兵士達を追いかけ回してされていて混乱していた。
依姫「これはこっちを優先すべきね……御姉様
すぐにでもこのことを伝えて下さい!」
そう言われた豊姫は頷いてその場から一瞬で消える。
依姫「仲瀬さん私達はすぐにあの場所へ!」
仲瀬「分かりました!!」
そう言うと依姫と仲瀬はダッシュで理久兎達のいる方へ戻っていく。だが依姫達はミスをした。目の前に動く死体や他の死体達を含めて理久兎の神霊が憑依していることに依姫達の会話は全て理久兎につつぬけだった。
理 「バレたか…流石は依姫ちゃん……」
理久兎もすぐにはバレないだろうと考えていたが依姫の頭の回転速度に少しばかりだが感心をした。
理 「亜狛に耶狛!今の状態は」
理久兎は亜狛と耶狛に今の状態を聞くと、
亜狛「後、残りは20%程度です!」
耶狛「それがどうしたのマスター?」
そう聞かれた理久兎はどんな状況かを話す。
理 「陽動がバレたすぐにでも襲ってくるぞ」
亜狛「なら急がないと!」
耶狛「皆!死にたくないなら急いで!」
妖怪「わかってるって!!」
妖怪「嫌だ!死にたくねぇ!!」
妖怪達も死にたくないのが必死なぐらいに焦って裂け目へと入っている。
理 「亜狛に耶狛!俺はしばらく奴等を足止め
するその間にお前らも避難を完了させろ」
亜狛「ちょっ!マスターその体で何が出来るって
いんですか!」
耶狛「本当だよ死んじゃうって!」
と、亜狛と耶狛が止めるが理久兎は、
理 「安心しろ俺はかならずそっちに帰るさ」
そう言って亜狛と耶狛に背を向けて走り出した。
耶狛「マスター!」
亜狛「耶狛…安心しろマスターは必ず帰る
いつもそうだろ?」
耶狛「お兄ちゃん……うん!」
亜狛「マスターが時間を稼いでいる間に俺らは
避難させるぞ!」
耶狛「うん!」
亜狛と耶狛は避難活動に専念するのだった。そして視点は代わり理久兎へと移る。
理 「さて…どうしたものかな……」
そう考えて呟きながら走っていると目の前に知っている顔が迫ってきていた。
理 (あれは……依姫に仲瀬か…なるほど阻止しに
来たってか……なら止めるしか無いよな!)
そう言い理久兎はそこで立ち止まる。そして依姫達の方も自分を認識したのか、、
依姫「あのお面は!!」
仲瀬「依姫様いかがいたしますか!」
依姫「私があのお面を足止めします!その間に
仲瀬さんは逃亡を阻止して下さい!」
仲瀬「分かりました!!」
そう言うと依姫は自分の目の前で走るのを止めて立ち止まり仲瀬は理久兎を無視して走り抜けようとするがそうは問屋がおろさない。
パチン!
指を鳴らし合図をする。そうして1秒も経たぬ内に、
死体「ウォガ…………」
死体「ガブ……」
無数の死体達がカバディーをしながら障壁となって仲瀬をとおせんぼをする。
仲瀬「こいつら!」
理 「通りたかったら俺を倒してからな♪」
そう言い理久兎は両手で黒椿を構え依姫達に言う。
依姫「そうですか………なら貴方を倒してから通り
ましょう!仲瀬さんはそっちの死体達をお
願いします!」
仲瀬「承知しました!」
仲瀬は返事をすると死体達に向かって突撃していくが自分は依姫の目を見て、
理 「ねぇ君さ1つ言いたいだけどいいか?」
依姫「何が言いたいんですか?」
依姫は言わせてくれるみたいだ。頭を下げて依姫達に対して謝罪をする。
理 「今回のことはすまなかったと言いたい」
依姫「何故謝るんですか!」
理 「本来は俺がこの事に気づいていれば起き
なかった事だった……」
依姫「待ってください確か貴方は妖怪達の親玉
でしたよね!ならこの戦争は貴方が引き
起こした筈ですよね!」
依姫にそう言われるが首を横に振り、
理 「否、俺はここに攻めることに反対派だ」
依姫「つまり貴方は戦う意思はないと?」
理 「あぁ本当はな……」
そう言い黒椿を肩に置く。だが依姫はそれに納得しなかったのか、
依姫「ですが貴方達にやられらた我が同胞達の
意思があるのです………貴方が何と言おう
が帰すわけにはいきません」
そう言うと依姫は刀の切っ先を向ける。
依姫「さぁ覚悟してください!さっきの借り
をここで返してあげます!」
そう述べる。ここはもう戦うしかないみたいだ。
理 「そうか…戦うしかないか……」
理久兎もそう言い背中に置いた黒椿を再度両手で構えて理久兎は戦いのお決まりの言葉を言う。
理 「いざじんじょうに……」
そこまで言うと今度は依姫が、
依姫「勝負!!」
と、最後の一言と共に自分と依姫は駆け出し、
ガキン!!
再度刀と刀をぶつけ合うのだった。