理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第155話 流れ星に願いを込めて

桜も散り葉が緑に染まってきていた夜のこと紫は、掛けていく満月の夜空を眺めていた。

 

紫 「御師匠様……」

 

そう言いながら紫は、理久兎によってビンタされた自身の右頬に手を当てながらそう呟く。するとそんな紫を心配してか親友の幽々子が紫によりそう。

 

幽 「紫…大丈夫よ♪貴方の御師匠様でしょ?」

 

紫 「でももう今日が約束の1週間よ!もし御

   師匠様が帰って来なかったら私…」

 

そう今日がその理久兎が帰ってくると言った約束の日。そして紫は自身が犯した過ちを悔いていた。理久兎に自分が成長したところを伸びたところを自慢するつもりが返って理久兎を苦しめる結果になってしまったことに、

 

幽 「紫がしっかりしないと紫の御師匠様が帰っ

   てきた時に悲しむわよ?」

 

紫 「幽々子……」

 

幽々子がそう言っていると掛けていく月明かりに照らされた金髪が靡く少女……ルーミアが紫と幽々子の前に現れる。

 

ル 「やれやれ…そんな顔だと返って理久兎を悲

   しませるわ……貴方は笑顔じゃないと」

 

と、ルーミアが言うと幽々子もそれに便乗して、

 

幽 「そうよ♪笑顔よ笑顔♪」

 

紫 「そうですわねありがとうルーミアに幽々

   子♪……所で他のを怪我した妖怪達は?」

 

紫は怪我をした妖怪達の状態を聞くとルーミアは笑顔を浮かべて、

 

ル 「問題ないわよ皆まだ多少は怪我はしている

   けど意識もあるし中にはもう喧嘩したい!

   な~んて言っている妖怪もいるから♪」

 

なおその妖怪は言わなくてもわかる通り美須々を含めた鬼達だ。どうやら鬼達はもうやる気が有り余っているようだ。そんな事を話していると、

 

美 「いい加減にしろ!!」

 

美須々の怒声が聞こえ始めてくる。それを聞いた紫達は、

 

紫 「何かしら?」

 

幽 「様子を見に行った方がいいかもね……」

 

ル 「いったい何なのよ……」

 

紫達は様子を見るために外へと移動すると、

 

亜狛「ですから移動は出来ません!」

 

耶狛「お願いだから諦めてよ!」

 

亜狛と耶狛、それに美須々を入れた鬼達、風雅や天狗達、ゲンガイの河童達その他にも色々な妖怪達などが何か言い合いをしていた。それを見ていた紫達はその話の中へと割ってはいることにした。

 

紫 「何を騒いでいるの?」

 

紫がそう言うと美須々は亜狛と耶狛達に指をさして、

 

美 「おっ紫!こいつらに理久兎のいる場所まで

   送れって言っているのに送らない所か反対

   してるんだよ!」

 

風雅「速く理久兎殿を助けに行かないと!」

   

ゲン「じゃねぇと殺されちまいますよ!」

 

どうやら妖怪達は理久兎を助けに行きたいようだが亜狛と耶狛は、

 

亜狛「ですから何度も言っているではないです

   か!移動をすることは出来ないと!」

 

耶狛「お願いだから!移動するのは本当に諦めて!」

 

亜狛と耶狛は移動させないために妖怪達を止めているようだった。すると美須々達は、

 

美 「おい紫!お前からも何とか言ってくれよ!」

 

美須々のその一言で周りにいる妖怪達は紫へと注目を浴びる。

 

幽 「紫……」

 

ル 「どうするの?」

 

幽々子やルーミアは紫を心配していたが紫は目を瞑って、

 

紫 「すぅ~ーはぁ~ー」

 

深い深呼吸をすると目を開いて結論を出す。

 

紫 「ここで待ちましょう」

 

紫が出した結論はここで待つ。つまり理久兎を助けには行かずここで待機ということだ。だがそれを聞いた他の妖怪達は、

 

美 「正気なのか!お前の師匠を見殺しにする気

   なのか!」

 

萃香「ふざけんな紫!私は理久兎を助けに行くか

   らな!」

 

鬼 「俺らも協力します!萃香姉さん!」

 

鬼 「やられた分はやり返す!!」

 

華扇「やめなさいって萃香!それに貴方達も止め

   なさい!」

 

華仙は今にも殴りかかりに行きそうな萃香をホールドして押さえ込みながら皆に呼び掛ける。

 

萃香「離して華扇!!勇義も何か言ってよ!」

 

萃香は勇義にそういうが当の勇義は、

 

勇儀「………………………………」

 

勇義は何も言わずただ黙って目を瞑っていた。

 

風雅「紫殿……」

 

風雅は紫の気持ちを感じ取っていた。本当は一番真っ先に助けに行きたい筈の紫が「この場で待つ」この一言を言ったことがどれだけの辛いのかを感じ何も言えなかった。

 

狼牙「あいつ……皆にこれだけ心配させやがって」

 

天狗「天魔様!私共も抗議しましょう!」

 

天狗「本当だ!大将を救いに行かないと!」

 

文 「どうなっちゃうの……」

 

はた「こんなにも荒れるなんて……」

 

他の天狗達は紫達に抗議しようと言い、文とはたてはこの状況が混沌としていたと感じていた。そしてそれは河童達もそうだ。

 

ゲン「紫さん!俺ら河童達は総大将に恩があるん

   です!止めないで下さい!」

 

河童「本当だ!!」

 

河童「止めないで下さいよ!!」

 

河童達も紫の発言に対して大騒ぎとなっていた。だがそれを黙らせる事が起きたのだそれは、

 

亜狛「てめぇら……いい加減にしろよ!」

 

いつもは大人しい亜狛がキレだしその怒声を周りに浴びせる。それを聞いた妖怪達は皆黙ってしまう。

 

亜 「皆さんはマスターが信用出来ないんです

   か!親友が親友を信用しないで何が親友

    なんですか!!」

 

耶狛「お兄ちゃんの言う通りだよ!皆はこれまで

   マスターを信用してきたんでしょ!なら無

   事に帰ってこれると信用しなきゃダメなん

   だからね!」

 

亜狛と耶狛にそう指摘された妖怪達はただ黙るしかなかった。そしてそのうちの1人美須々が口を開けた。

 

美 「すまねぇ……少しやり過ぎた…‥…確かに私ら

   が理久兎を信用しないでどうするって話だ

   よな……」

 

美須々は恥ずかしそうにそう述べるとそれに続いて皆口を開き始める。

 

風雅「我もすまなかった本当は紫殿が一番助けに

   行きたい筈なのにそれを必死にこらえて我

   らを止めてくれて」

 

萃香「…‥ごめん…私も悪かったよ」

 

華扇「やっと落ち着いたわね……」

 

萃香の力が緩んだのを感じた華仙は萃香を放す。

 

ゲン「俺達も悪かった……本当にすまない!」

 

ゲンガイはそう言い頭を下げると他の河童達も、

 

河童「ごめんなさい……」

 

河童「すみませんでした!」

 

共に頭を下げた。すると先程まで目を瞑って黙っていた勇義は夜空を眺めながら、

 

勇儀「流れ星か……」

 

ル 「ん?流れ星?」

 

そう言いルーミアも上を向きだすと流れ星が落ちていた。そしてルーミアと勇義の行動を見ていたその場の全員が夜空の流れ星を見始める。その時先程と打って変わって何時ものような丁寧な言葉に戻った亜狛が呟く。

 

亜狛「確かマスターが言ってたな……流れ星に願い

   を託すと叶うって……」

 

耶狛「そういえば言ってたね♪」

 

これまで旅を共にしてきた亜狛と耶狛の呟きを聞いたその場にいる妖怪達は、

 

紫 「そう……ならお願いしましょう……

   御師匠様が帰ってくると願って……」

 

幽 「そうね♪」

 

ル 「私達もお願いしましょうか?」

 

美 「そうだな……」

 

萃香「神頼みとかは信用しないけど今は仕方

   ないか……」

 

勇儀「まぁ願い事だからな……」

 

華扇「でも良いじゃない…この時ぐらいは……」

 

風雅「華仙殿のいう通りだな……」

 

文 「ならお願いしましょう!」

 

はた「そうよね……」

 

狼牙「まぁ願うだけだがな……」

 

ゲン「狼牙さんそんな堅いことを言ってちゃ

   負けですよ……」

 

耶狛「そうだよわんわんお!」

 

亜狛「狼牙さんすみません妹が……」

 

妖怪達+αはその夜空に光る流れ星に願いを託す。その願いの内容は読者様達も分かる通り「理久兎が帰ってくるように」この願いは皆にとっての希望なのだから。だが妖怪達のうち何名かは不自然な事に気がついた。

 

幽 「ねぇ紫……あの流れ星おかしくない?」

 

紫 「どういうこと幽々子?」

 

紫は幽々子にそう指摘されその流れ星をじっと観察すると、

 

紫 「そういえば流れ星って通りすぎるわよね」

 

そう普通はその流れ星は秒単位で通り過ぎる。だがその流れ星は通り過ぎずにずっとその場に止まっているのだ。だが更に妖怪達は気がつく。

 

美 「でもよ…なんかあの流れ星…こっちに近づ

   いて来てないか?」

 

華華「言われてみるとさっきより大きく……」

 

萃香「いや!大きくなってるよ!!」

 

勇儀「おっおいあの流れ星落ちてくるぞ!」

 

風雅「何と!!」

 

狼牙「全員避難!!」

 

文 「おぉ!!スクープの匂い!!」(☆∀☆)

 

はた「文!今はすぐに避難するわよ!!」

 

そう言いカメラを構えた文をはたてが引っ張り避難させる。

 

ゲン「避難してくれ!!」

 

美 「お前らも避難しろ!!」

 

妖怪達は流れ星がこの場所に落ちてくることとなり大騒ぎとなり皆を避難させている。だが+αのメンバーである亜狛と耶狛は、

 

亜狛「あれってまさか!」

 

耶狛「そのまさかだよ!お兄ちゃん!」

 

2人は確信していた。この流れ星が誰の仕業なのかをだがここにいたら危険と考えた亜狛は、

 

亜狛「耶狛!すぐに避難するぞ!」

 

耶狛「うん!お兄ちゃん!」

 

そう言い2人も即座に避難する。そして皆が避難した数分後の事だ。

 

ゴォーーーーーン!!!

 

流れ星は天狗の広場に土煙をあげて落ちた。そしてその内の何名かの妖怪は見えてしまった。その土煙にうっすらとだがシルエットが写ったのだ、鬼のような長い角を2本生やし、天狗とは違う翼を背中に生やし、他の妖怪達とは違うような尻尾を生やした何かを見たがそれは一瞬で消えてシルエットは人の形となる。そしてその土煙がやむと1人の男いやこの場の全員が会いたいと願った男が立っていた。

 

紫 「お…御師匠様!!」

 

そう理久兎だったが、

 

理 「………………………………」

 

理久兎の表情は周りを凍りつかせるような鬼のような戦慄を味わせるそんな顔だった。


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