理の神様は何を見る   作:怠惰のクソ悪魔

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第156話 説教会

流れ星が落ちてきた場所から理久兎が現れたが肝心の理久兎の表情は怒気にまみれ周りを圧倒し凍りつかせるような顔だった。

 

理 「………………………………」

 

そんな自分を見て亜狛と耶狛は理久兎のもとへと近づき頭をたれて、

 

亜狛「マスターお帰りなさいませ」

 

耶狛「お帰りマスター……」

 

お帰りと言うと理久兎はその怒りの形相で口を開く。

 

理 「あぁ……ただいま…亜狛に耶狛言ったことは

   やっただろうな?」

 

月での件の事について亜狛と耶狛は答える。

 

亜狛「はい問題はございません皆ここに集まって

   います……」

 

耶狛「集まってるよマスター……」

 

亜狛と耶狛がそう言うと自分は皆の方へと顔を向け口を大きく開き、

 

理 「今回の件についての首謀者および加担者

   共は俺の前に出ろ!!」

 

理久兎がそう言うと今回の件の首謀者である紫を中心に、亡霊の幽々子や美須々達鬼に風雅達天狗そしてゲンガイ達河童、その他にも多くの妖怪達が理久兎の前に立つ。なおルーミアは木の上で見ている。そして前に集まった妖怪達を見て前に出た妖怪達に対し、

 

理 「座れ……」

 

そう言うと理久兎の前に立った全員は正座をして座る。

 

理 「亜狛、耶狛お前達はもしがあったら頼む……」

 

理久兎がそう言うと亜狛と耶狛は頭を上げて、

 

亜狛「了解しました……」

 

耶狛「わかったよ……」

 

亜狛と耶狛はそう言い下がる。

 

理 「さてまずどこから聞くか……紫…此度の事

   について何か言うことはあるか?」

 

理久兎がすごみを放ちながら紫に聞くと、

 

美 「ちょっと待ってくれ理久兎!紫は…」

 

美須々が紫に代わって答えようとすると、理久兎は美須々を睨みドスのかかった声で、

 

理 「俺は紫に聞いているんだ……それ以外の

   者は黙ってろ……」

 

美 「うっ……」

 

何も言えず黙ってしまう。それを見た理久兎はもう一度紫にすごみをかけて、

 

理 「どうしてこんな事をしたのか答えろ紫……」

 

紫 「…………………………………………」

 

黙ったまま何も言わない。正直に答えれば良いのに何故なにも言わない。これには徐々に怒りを覚えていく。

 

ゴロゴロゴロゴロ……

 

先程までは星空や月が輝いていた夜空が雷雲に覆われ見えなくなっていく雷鳴が鳴り響いていた。

 

理 「紫…答えろよ……?」

 

紫 「御師匠様……私は……その…………」

 

そう言いう途中で紫はまた黙ってしまう。いい加減に言えという思いが連なりついに堪忍袋の帯はキレた。

 

理 「答えろって言っているだろうが!!」

 

ビイカァーーン!!!

 

理久兎がそう言うと共に雷落が紫達の近くに落ちる。この落雷や雷雲は自然に発生したわけではない。これは理久兎の能力『災厄を操る程度の能力』によって生じたものだ。理久兎の怒りがピークを達すると意思とは関係なく雷や雷雨、暴風などといった災厄が起こってしまうため出来るだけ怒らないようにしているのだが今回の事は流石ひ怒りを覚えていた。その光景を見ていた妖怪達は、

 

妖怪「らっ落雷が!?」

 

妖怪「総大将おっかねぇ!?」

 

この恐怖に必死に耐える事しか術がなかった。

 

理 「紫…答えろ……何故月へ進行したのかを!」

 

理久兎がそう言うと紫はついにその重い口を開けた。

 

紫 「私は…見せたかったのよ……」

 

理 「何を見せたかったんだ?」

 

何を見せたかったのだと気になり聞くと紫は話を進める。

 

紫 「私がどれだけ成長してきたかを見せたかっ

   たのですわ御師匠様は私にこれまで色々な

   物を私にくれたましたわ服や食べ物に勉学

   や力の使い方………私はただ御師匠様に恩返

   しがしたかった」

 

紫は泣き出しそうな顔で今の事を語った。つまりこの事件はしっかりと紫を見てやれなかった自分にも責があると感じだ。紫の前へと近づいて片膝をついて、

 

理 「このバカが!俺はお前に死なれても困るん

   だよ!ルーミアがあの時この事を言わなか

   ったら今頃お前達は殺されてたかもしれな

   いんだぞ!!」

 

紫は理久兎の話をうつ向きながら黙って聞いていた。 そして言葉を先程のドスのかかった声から何時もの暖かみのある言葉へと戻っていき、

 

理 「まったく…別に恩返しとかしなくても良い

   んだよ……」

 

紫 「えっ……」

 

理 「俺からしてみればお前が成長している姿を

   この目で見れれば充分だ………だからもう無

   茶はするな良いな?」

 

そう言い理久兎は紫の頭に手をのせてそう言うと紫は、

 

紫 「御師匠様……ごめんなさい…ごめんなさい」

 

紫がそう言い始めると理久兎は立ち上がり、

 

理 「他の者達にも伝えておく!もうこんな

   下らないことは二度とするな!

   ここにいるお前らは運が良かった…

   ただそれだけだ!」

 

理久兎のその問いかけに妖怪達は皆頷くのだった。

 

理 「ならよし……まぁ後は紫に便乗したんだろ

   次からは気を付け……ゴッホゴホ……」

 

言葉を続けようとした瞬間突然咳き込んだ。普通の咳ならすぐに収まる。だが今回は違った。

 

理 「ゴッホ!ゴホ!ゴホ!ゴホ!ゴッホ!」

 

と、しばらく咳が収まる気配がない。そして数秒後には咳が止まる。

 

理 「はぁ……はぁ…!!」

 

理久兎は呼吸を整えながら自身が咳をする時に抑えた手を見てみるとその手には大量の血が付着していた。

 

紫 「御師匠様その手は!!」

   

理 「なんで…この時に……」

 

バタン!

 

力が抜け地面へと倒れた。それを見たその場にいる紫に幽々子そしてルーミアや美須々、風雅にゲンガイそれに亜狛と耶狛そして他の者妖怪達といったメンバー達は自分へと近づいてくる。

 

紫 「御師匠様!起きてください!起きて!」

 

紫は倒れた理久兎を必死に揺さぶるも起きる気配がない。

 

美 「すぐに理久兎を運べ!!」

 

風雅「こちらへ!!」

 

ゲン「総大将!総大将!」

 

亜狛「耶狛……」

 

耶狛「うん……お兄ちゃん…マスターもう……

   寿命なんだよね……」

 

そうもう寿命がもう無くなりそうなのだ。これまで血液を大量に失い西行桜を封印するために寿命を削り月の民達相手に残りの力を無理して振り絞った結果、体がついていけずとうとう倒れてしまったのだ。倒れた理久兎は紫を含めた妖怪達によって天魔の家の部屋へと運ばれるのだった


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